ブルーにこんがらかって...月人

 

 

虚構職人 - 2002年04月02日(火)

映画『紅の豚』のどこが好きか、と訊かれたら「よく出来た絵空事だから」と答える。
行ったこともない国の、自分が生まれてもいない時代の、見たこともない職業に就く“豚”。
ついでに言うと、DVDに収録されている吹替え版、ポルコを演じているのはジャン・レノだ。これはすごくいい。絵空事感倍増。

「エンターテインメント・ファンタジー」。映画を観ている間だけは、何もかも忘れてただ楽しんでいい。
それが嫌いな人もいるかもしれない。リアルではない、と。
でも私は好きだ。「職人芸」と言ってみてもいい。
現実と比較してリアリティが無いように思えても、作品内でのリアリティがきちっと作られているならば、むしろ大歓迎だ。
ひとを楽しませる為に創る。それは自分を吐き出すのとはまた別の力が必要で、同じくらいに難しい。

出来の良い絵空事は、卓越した職人芸だと思う。
うまい嘘には、騙されてしまいたい。


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