2008年10月29日(水) |
『ブーリン家の姉妹』+10月の読書まとめ |
16世紀のイングランド。 新興貴族のトーマス・ブーリン卿は一族繁栄のために才気あふれる美しい娘アン(ナタリー・ポートマン)を国王ヘンリー8世(エリック・バナ)の愛人に差し出すことを目論む。 しかし、王が気に入ったのは妹のメアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。 一家は宮中に移り住み、メアリーは王の子を身籠る。 一方、妹に栄誉を奪われたアンは一時フランスへ追放されるが、やがて呼び戻され、大胆にも王妃の座を狙って策略を巡らすのだった。。。
映画を見ながら、「雅子様が、もしも男の子を産んでいたら全てがきっと変わったんだろうなぁ…」と思った人は、きっと少なくないはず…。
アンはグリーン。 メアリーはベージュ。 劇中のほとんどの衣装を、2人はこのカラーで統一して着ています。
気の強さを表すようなグリーンと、柔らかさを表すようなベージュで、2人をより対比させていてとても良かった。 けど、個人的な感想としては、ナタリーもスカーレットもあまり似合っていなかったけど…。
1部の時代をなぞるには分かりやすい展開だったけど、もう少し上映時間が長くても良いから、もっと深く描いて欲しかったなぁ。 もしくは、姉妹の「アン編」「メアリー編」みたいな感じで2部作にすれば、今回どうしても影が薄くならざるをえなかったヘンリー8世の感情も、上手に描かれたのでは?ないかな。 エリザベスを産んだと思ったら、「え?もう処刑?早っ!」って感じで、流れ過ぎていたので、そこが残念でした。
主演の2人は、期待していたほどでもなく…可もなく不可もなくといった感じでした。 スカーレットは、もう1回古典作品を見たいなぁと思ったけど、ナタリーは、絶対に現代劇の方が似合う! ここ1年ぐらいで見たナタリーの『パリ、ジュテーム』、『ホテル・シュヴァリエ』、『マイ・ブルーベリー・ナイツ』…こうゆう役の方が今の彼女には魅力的に映るし、それがちょっとビッチな役だったとしても似合っていると思う。
権力があっても辛い場面はあるし、なくても辛い。 「頂点」が幸せの頂点とは限らないですね。
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10月の読書まとめ。
・『3月の招待状』(角田光代 著)★★★★☆ こうゆう雰囲気の作品なかなか良いなぁ。 『八日目の蝉』がヘビーだったので(でも、凄く好きだけど)今作は癒された作品で良かった。
・『もっと塩味を!』(林真理子 著)★★★☆☆ フランス料理に疎い私は、お料理のイメージがつかなくて…とほほ。
♪BGM♪〜『My Song』by:Keith Jarrett Quartet
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ハンサム★スーツ』 『レッド・クリフ パート1』
2008年10月21日(火) |
『P.S.アイラブユー』 |
夫のジェリー(ジェラルド・バトラー)を脳腫瘍で亡くしたばかりのホリー(ヒラリー・スワンク)は、失意で電話にも出られず自宅に引きこもっていた。 ホリーの誕生日、届いた贈物の箱を開けてみると、テープレコーダーに入ったジェリーからのメッセージが。 思わぬプレゼントに喜びと驚きを隠せないホリー。 翌日、メッセージの通りジェリーからの手紙が届けられた。 それから、次々と消印のない手紙がホリーのもとに届くようになる。。。
隣の女性は前半からずーっと泣きっぱなしだったけど、私は(タオルを準備万端にしておいたのに)一滴も涙が流れずに自分でもビックリ…。 延々と止まらない、お隣の泣き具合に少々の興ざめだったのかな。
もうちょっとロマンティックな雰囲気が漂う作品かと思ったら、そこまででもなくて…ラブコメと呼ぶにはコメディ要素は少ないし…(私は前者をチョット期待して見ていたので)なんとなーく中途半端な感じを受けた。
ヒラリー・スワンクは好演していたけど、カーリーの頃なら(もうかれこれ10年以上前だよねぇ?)もう少し可愛らしくて良かったなぁと。 まぁ、若かったから当たり前だけど。 そこそこ身長が高く顔の雰囲気も大人っぽくて、「自立した」雰囲気が強いので、今作のホリーのような役は、イマイチ似合わないというか。 演技は良かったけど、雰囲気がダメだったという感じ。
ジェラルド・バトラーは、この間見た『幸せの1ページ』の方が個人的には断然好きだなぁ〜。
ホリーのお母さん役のキャシー・ベイツは流石の上手さでした。 この女優さん、やっぱり凄いねぇー。 私はこうゆう普通っぽい役も好き。
ジェリーとホリーの部分より、母娘の部分の方が印象に残りました。
♪BGM♪〜『My Song』by:Keith Jarrett Quartet
<<昨日は『私がクマにキレた理由』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ブーリン家の姉妹』 『ハンサム★スーツ』
2008年10月14日(火) |
『私がクマにキレた理由』 |
大学を卒業したものの、人生の方向性を決められないアニー(スカーレット・ヨハンソン)。 就職活動も思うように行かず、公園で途方に暮れていた彼女は、1人の少年を交通事故から救う。 少年の母親ミセスX(ローラ・リニー)に名前を聞かれ「アニー」と答えたところ、彼女は「ナニー(子守り兼教育係)」とカン違い。 こうしてひょんなことからX家の“ナニー”となったアニーは、5歳の息子グレイヤーに振り回されながら、超高級アパートに暮らすX家の生活を観察し始める。。。
アッパー・イーストの奥様ローラ・リニーと、ニュージャージーの奥様ドナ・マーフィー。 2人の母親が凄く良かった。
ローラ・リニーは、どちらかというと地味な顔立ちだけど、『ラブ・アクチチュアリー』みたいなコミカル役柄もイケるし、先日見た『痛いほど君が好きなのに』のような母親役もイケるし、良い女優さんだよねー。
今作では、高級住宅地に住む「いかにも」な母親を好演。 実際のアッパー・イーストサイドの住民は、こんな暮らしをしている人は一部なのかもしれないし、例え億万長者の奥様でも、全員が全員、お手伝いさんやベビーシッターをイビってるなんて事はないでしょう。 それは分かっているけど、「いかにも」な雰囲気はとっても分かりやすく、子供との関係&夫との関係に葛藤する、終始“微笑まない”演技は見事でした。
そして、アニーの母親役を演じたトニー賞女優ドナ・マーフィー。 (ミュージカル界では超有名な女優さんです) 看護婦さんをしながら、女で1つでアニーを大学まで出し、娘の将来を願う普通のお母さん。
アニーは、X家のナニーとして働いていることを、ずっとお母さんに内緒にしています。 「金融関係に就職した」と嘘をついて、マンハッタンに出てきたわけですが、まさか、住み込みのベビーシッターをしているとは言えず…電話でも、母親の訪問でもごまかしています。 しかし、あるトラブルで、どうしてもお母さんの力が必要になり、ついに真実を告白して、X家にお母さんがやってきます。 その時のやりとりシーンが印象的だった。 ドナ・マーフィーの出番は少ないけど、存在感があってとっても良かったです。
“ナニー”役のスカーレット・ヨハンソンは、いわるゆ「自分探し」をする女の子。 将来の夢はなんとなくあるような気もするけど、イマイチ就職活動にも身が入らない…大学を卒業して「とりあえずバイト」のような役柄です。
X家のナニーとしてしっかりとした働き振りだったけど、肝心な「子守の相手」グレイガー少年との関係・絆の部分があまり上手く描かれていない展開で、それだけが残念でした。
♪BGM♪〜『My Song』by:Keith Jarrett Quartet
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『P,Sアイラブユー』
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