2008年07月26日(土) |
『さよなら。いつかわかること』 |
ホームセンターで働くスタンレー(ジョン・キューザック)は、2人の女の子(シェラン・オキーフ&グレイシー・ベトナルジク)父親。 母親は陸軍軍曹として、イラクに赴任中だった。 長女のハイディは父親のいない時に、こっそり戦争のニュースを見ていた。 スタンレーは、母親を恋しがる娘たちとうまく接することが出来ず、毎日ぎこちなく食卓を囲んでいた。 ある朝、、妻が亡くなったという報せが届く。 突然の妻の死を伝えることが出来ないスタンレーは、娘たちと小旅行に出かけることを思いつく。。。
「妻が戦死」⇒「それをどう受け入れるか」⇒「娘達にどう伝えるか」を、クリント・イーストウッドの静かな旋律にのせて淡々とストーリーが進んでいきます。
まず1番は、スタンレー自身が妻の戦死となかなか向きあえない。 戦争に行って無事に帰還する人も多いし、家族はもちろんそれを信じているだろうけど、心のどこかでは「もしも」の事は確実に考えていると思います。
考えているからといって、それが現実に起こってしまったら、受け入れるのは困難で…。 この辺りの葛藤を、ジョン・キューザックが見事に演じています。 役作りの為に、体重を増量したと思われ、「もっさり」した雰囲気のお父さんに最初はビックリでした。
普段から、あまり活発な父親ではない役柄なんだろうな、前半(まだ妻が戦死する前も)セリフも少なめ。 なので、旅の途中に自宅に電話して、妻が吹き込んだ留守電の応答メッセージに心情を吐き出すシーンは、余計に心に響いてきます。
まだ8歳の次女は、お父さんに甘えたい年頃かもしれないけど、12歳の長女は、あえてお父さんにベタベタしたいと思わなくなるような年頃です。 でも、お母さんがいないから、頼るのはお父さんしかいない。 1人になりたい時もあるけど、お父さんに寄り添いたい時もある。 無邪気な次女と、しっかり者の長女の対比もとても良かったです。 演じる子役2人も演技とは思えない自然な仕草が凄かった。
子供達に戦死を伝える浜辺のシーンも、お墓の前で時計のアラームが鳴るラストシーンも、悲しいシーンではあるけれど、とても良い演出でした。 特にラストシーンは本当に良い。 「どうか、この親子3人がこれから幸せになって欲しい」と願わずにいられないラストシーンです。
もしあの腕時計が壊れて、アラームが鳴らなくなった時が来たとしても、きっとこの親子は悲しみを乗り越えて、幸せになっているような気がします。
昨日から明日まで自主上映にて3日間の限定上映。
ジョン・キューザック、次回はどんな作品で見れるかな〜。
♪BGM♪〜『Second Kiss』by:Bossanova Cassanova
<<昨日は『近距離恋愛』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『Sex And the City』 『パンダフルライフ』 『幸せの1ページ』
トム(パトリック・デンプシー)とハンナ(ミシェル・モナハン)は、大学時代からの大親友。 週末は一緒に食事をし、二人で一つのケーキを食べ、話が尽きることがない間柄。 そんな時、ハンナが突然スコットランド人と婚約。 トムは男であるにもかかわらず、花嫁付添い人(Maid of Honor)になって欲しいと頼まれる。 その時初めて、それまで付き合ったあまたの女性の誰よりも、必要なのは彼女だ!という自分の本当の気持ちに気付いたトムは、結婚式までの2週間、花嫁付添い人として式の準備を進める一方で、なんとか自分の想いを伝えようと焦る。。。
まず最初に、ハンナを演じたミシェル・モナハンが『Mi:3』の時とガラッと雰囲気が違っていてビックリ。 女性は、髪形や服装で、こうも印象が変わるものかと驚きました。
ストーリーは、「1番近くにいた人が愛している人だと気付いた」という、かなり定番なラブコメ。 私はこうゆう「友達⇒恋人へ」の経験がないし、今作は男性からの視点で描かれているので、共感って感じはなかったけど、ニューヨークの雑踏と、UKの田舎の景色の対比も良く、「最後はハッピーエンド」と分かって見れる安心感でした。
海外ドラマや外国の映画を見ていると必ず出てくる「花嫁付添い人」。 日本人には全く馴染みのない風習だから、面白いですね。
『グレイズ・アナトミー』でブレイクしたパトリック・デンプシーですが、個人的には、どうも顔が好みではなく…「セクシーでイケメン」という評に「・・・。」という印象。 かつて、私の中では、ジョン・キューザックがこうゆう風にイマイチな俳優だったけど、その後、出演作の演技で贔屓役者になったので、パトリック・デンプシーも今後、良作に恵まれることを期待。
(ジョン・キューザックの『さよなら。いつかわかること』は明日のレポです)
♪BGM♪〜『Second Kiss』by:Bossanova Cassanova
<<昨日は『ダージリン急行』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『さよなら。いつかわかること』 『Sex And the City』
インド北西部を走るダージリン急行に、長男フランシス(オーウェン・ウィルソン)の呼びかけで、次男ピーター(エイドリアン・ブロディ)と三男ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)がやって来る。 父の死をきっかけに絶交していた彼らだが、フランシスはインドの旅を通じて、再び兄弟の結束を高めようとしていた。 しかし兄弟たちはそれぞれに個人の問題を抱えており、旅の途中もケンカが絶えない。しかしそれでも、3人は人生を変える旅を必要としていた。。。
変わっているというか斬新というか、凄く面白い作りの作品でした。
とにかく3兄弟がとっても良い。
フランシスは、ケガをしている役で、オーウェンは、劇中の90%以上を包帯ぐるぐるの格好をしています。 この情けない格好が、余計に威厳がなくて、最初、「長男=オーウェン」にピンとこなくて、見ている途中も、「エイドリアン・ブロディが長男の方が合ってるのになぁ」と感じていたけど、不思議としっくりハマってきて、最後は、ちゃんとお兄ちゃんに見えてきました。
意外な(?)収獲だったのは、『戦場のピアニスト』ですねぇー。 私、エイドリアン・ブロディは、↑この作品と、ケン・ローチの『ブレッド&ローズ』シリアスな役しか見た事がなかったので、こういった作品にキャスティングされるのも意外だったし、良い意味で裏切られた良さがありました。
そして、1番目立っていて、オイシイ役だった3男のジャック。 本編前に、『ホテル・シュヴァリエ』という短編が上映されて、ここではジェイソン&ナタリー・ポートマンが出演しています。 本編へのプロローグとなっていて、とてもオシャレな雰囲気です。
私は、妹と2人きりで旅した事が2回あります。 1回目は、学生の時の夏休みに行った横浜。 2回目は、妹が住んでいたオーストラリアのパースに私が訪ねて行った4年前の年末年始。
1人でもなく、友達同士でもなく、親を抜かした家族、、、姉妹だけで旅するって、なんとなーく不思議で面白い経験です。 この映画を見て、また妹と旅行したいなぁって思いました。
スクリーンから、インドの雑踏と埃臭さも感じられて(起こることはドタバタだけど)心地よいロードムービー。 ずっと大切に抱えていたお父さんのカバン(大量)あの後、どうなったんだろうね?
♪BGM♪〜『Second Kiss』by:Bossanova Cassanova
<<昨日は『痛いほどきみが好きなのに』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『近距離恋愛』 『さよなら。いつかわかること』
2008年07月04日(金) |
『痛いほどきみが好きなのに』 |
ニューヨークに住む若手俳優のウィリアム(マーク・ウェバー)は、行きつけのバーで、シンガーソングライター志望の女性サラ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)と出会う。 ニューヨークに来たばかりという彼女に、ウィリアムは恋をする。 しかし、サラの態度は消極的だった。 ウィリアムは、映画の撮影旅行に便乗してメキシコに誘い2人で出掛けるのだが。。。
「痛いほどきみが好きなのに」っていうのが凄く伝わってくる作品でした。
恋愛は、「いつ何時でも一緒にいたい」という気持ちと、「ちょっと自分の時間を大切にしたい」という気持ちの積み重ねのような気がします。 どちらかの波が長く押し寄せてくる期間もあれば、くるくると気持ちの波が変わる時もある。 2人の気持ちの波が、ちょうど足並み揃えばピタリとはまって、長い月日を重ねられると思います。 逆に、それがズレると衝突したり喧嘩したりで、そこから多方面に亀裂が入ってしまう。 「恋人と上手くいくかいかないか?」根本には、これがあるんじゃないかなぁ?
劇中の2人は、まさに、この波がズレてしまったパターンでした。
あんまり反応がないと、「もっとかまって」って思うのに、あんまり接近されると「ちょっと放っておいてくれないかな」と思う。 ワガママだけど、こうゆう気持ちの波って、恋愛中は必ずやってくるはず。 この辺のサラの気持ちがよく描かれていました。 しかし、サラが「自立したい」という気持ちと、「自立したい=恋愛は切る」という考え方があんまり納得いかなかったけど…でも、若い2人には、目の前のことに突っ走りたい感情があるのかもね。 これが20代後半、30代の恋愛だったら、また全然違うと思うけど。
サラを演じたカタリーナは、『パリ、ジュテーム』で、私が1番印象に残ったストーリー『16区から遠く離れて』に出演していた女優さんでした。
あと、ウィリアムの元彼女役でミシェル・ウィリアムズも出演。 彼女は、本当に存在感ある女優さんですね。 今回も、登場時間はそんなに多くないのにとても光ってました。
自主上映にて、今日から3日間の限定上映。 先週と打って変わって、今日はちょっぴり淋しいお客さんの入りでした。
♪BGM♪〜『EXILE LOVE』by:EXILE
<<昨日は『2008年 上半期映画』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ダージリン急行』 『近距離恋愛』 『さよなら。いつかわかること』
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