2008年01月30日(水) |
『いつか眠りにつく前に』 |
死の床にある老婦人アン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)を、枕元で見守る二人の娘(ナターシャ・リチャードソン&トニ・コレット)。 混濁した意識の中でアンは、「ハリス」という娘たちの知らない男性の名前を何度も口にする。 意識と無意識の狭間を漂うアンの記憶は、1950年代のある週末の出来事へと遡っていく。 歌手になる夢を持った24歳のアン(クレア・デインズ)は、親友ライラ(メイミー・ガマー)の結婚式でブライズメイドをつとめるために、ロードアイランドの海辺の町を訪れ、そこで運命の恋に落ちたのだ。。。
邦題のセンスの良さに惹かれて見に行って来ました。
う〜ん…。 もうじき死ぬかもしれないという時に、うわ言で叫ぶ名前のわりに、その彼との恋愛が、どうもイマイチで残念でした。 「運命の恋」とか「燃えるような恋」っていうふうには見えなかった。
設定としては、アンは、親友ライラの弟:バディと仲が良く、うわ言でつぶやくハリスというのは、ライラ&バディ姉弟のウッテンボーン家で働くメイドの息子です。 バディとハリスは子供の頃から兄弟のように育っていて、ライラの結婚式にハリスも招待された事から、アンと知り合います。
アンとバディはステキなカップルに見えるのに、実はバディの片想いで、アンはバディを恋人としてはとらえていません。
2人のダンスシーンも凄く良くて、どこからどう見てもカップルそのものだったのに、アンがバディを想っていないなんて…って感じで、私としては納得いかなかった。 アンがあんなに木っ端微塵にバディをフルなんて〜。 ゆえに、ハリスとの恋愛部分もイマイチに映りました。
回想劇なので、若き日のシーンも半分を占めてるけど、現在のアン+娘2人の展開部分の方が良かったです。 長女は善き家庭を築いていて、妹は仕事も恋愛も中途半端。 しかし、妹に起きるある事をきっかけに、母+姉妹のやりとりも、より一層深くなっていきます。 大感動ってほどでもないんだけど、「いい流れだなぁ」と素直に感じました。
クレア・デインズを見たのは何年振りだろう…。 顔が長くなっていて超ビックリ。。。昔、美少女だった子って、そのまま大人になるってなかなか難しいのかもね…。
実の母娘共演2組。 ヴァネッサ・レッドグレイヴ&ナターシャ・リチャードソン。 メリル・ストリープ&メイミー・ガマー。 2組とも良く似ているねぇ〜。 凄く良かったです。 特に、ライラ役のメリル&メイミーは本当にそっくりだった。
ラスト、家事と子育てと仕事でいっぱいいっぱいのアンが、♪お月様が見ているの歌を歌うシーンは印象的。 泣き喚くチビッコ&手伝わない夫にキレて、ぐっちゃぐちゃのキッチンに、作りかけの料理を放り出して、子供を抱きながら歌を聞かせるシーンなんだけど、半分諦め、半分喜びのなんともいえないクレア・デインズの表情が素晴らしかったです。
♪BGM♪〜『EXILE LOVE』by:EXILE
<<昨日は『音譜と昆布』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『僕のピアノコンチェルト』
フードコーディネーター小暮もも(市川由衣)は、嗅覚がない。 大きな木造の一軒家に作曲家の父親(宇崎竜堂)と2人で暮らしている。 父親は多忙で家をあけることが多く、ももはいつも一人ぼっち。 そんなももの下に、姉と名乗る女性が突然現れた。 しかもその姉・かりん(池脇千鶴)は、普通の人と様子がちょっと違う。 アスペルガー症候群の姉と失われた時間を取り戻す中で、それぞれが何かを見つけていく。。。
上映時間が75分という短い作品なので、ストーリーを突き詰めていくというより、雰囲気を見るといった感じ。
「生活感」からちょっぴり離れたオシャレな家やインテリアや、主人公2人の衣装なんだけど、全体的に照明を抑えた映像や音が、逆に日常感を表していた不思議な感じでした。 スクリーンから匂いは伝わってこないけど、ももが鼻が利かない役なので、監督さんは余計に音にこだわったのかなぁ…そんな印象でした。 劇中音楽も良かった。
ただオシャレな雰囲気だけでなく、かりんがアスペルガー症候群という設定なので、病気の行動や言動、また、かりんに対するももの接し方なども、短時間で上手く表現していたと思います。 かりんを演じた池脇千鶴の演技は凄かった〜。
映画の中で、街灯がキーワードになっています。 帰り道、運転しながら天竜川の橋に立っている街灯を眺めて、とっても心地よい気分になりました。
しっかし、この小作品をよくこっちで上映してくれたなぁ。 といっても、1日1回だけど…。
♪BGM♪〜『EXILE LOVE』by:EXILE (本日購入)
<<昨日は『歓喜の歌』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『いつか眠りにつく前に』
文化会館に勤める飯塚(小林薫)は、不祥事を起こして半年前に市役所から左遷されてきた。 年も押し迫った12月30日の朝、飯塚主任は1本の電話を受ける。 それは大晦日の夜に予定している「みたまコーラスガールズ」のコンサート予約確認の電話だった。 その横で部下の加藤(伊藤敦史)が青くなっていた。 というのは大晦日には「みたまレディースコーラス」の予約も受けていたからだ。 緊急事態発生! 「どうせオバさんたちの暇つぶしだから大丈夫だろう」とどこまでも楽観的な主任だが。。。
職場の同じチームに落語好きな人がいて、「この間、志の輔の落語を聞きに行った時に映画化されるって言ってた。おもしろそう」という話を聞いて、早速、公開日に見に行ってきました。
「市役所の仕事納めは12月28日だぞ」という突っ込みはありますが、“文化会館のダブルブッキング”なんて、ありえなさそうでもしかしたらありえるかも…という騒動を、コミカルにテンポ良く描いています。
事が発覚するのが12月30日の朝で、肝心なコンサートが翌日の31日なので、正味2日間の出来事なんだけど、それを2時間に本当に上手に展開させているのがとっても印象的です。
まず、物凄く緊急事態なはずなのに、「心底、切羽詰まってるの?詰まってないの?どっちなのよ!」という小林薫の演技が素晴らしい。 こうゆう人って、「怒れるんだけど、憎めないんだろうな…」、「不器用だけど世渡り上手なんだろうな…」っていうキャラクターが光っています。
ママさんコーラスが舞台になっていますが、「レディース」さんも「ガールズ」さんも(←劇中、2つのグループをこう呼んでいる)単なる趣味の域を越えた活動をしていて、歌のシーンは圧巻です。
今の流行言葉で表現すると、いわゆる「セレブ系」主婦のグループが由紀さおりリーダーの「レディース」さん。 由紀さおりは、スーパーマーケットの女社長の役で、他には市長の奥さんも、このグループに所属していたり、練習会場やお召しになっている服装など、どこをとっても上流な雰囲気です。
反対に、安田成美リーダーの「ガールズ」さんは、結成間もないグループで、メンバーは日々のパートに精を出す、いわば庶民派の主婦の集まりです。 由紀さおりが経営するスーパーマーケットで働く主婦も、こちらに所属しています。
劇中、「ガールズ」さん達が「レディース」さん達の前で、歌を発表するシーンがあり、これが物語りの大きな流れになっていくんだけど、スーパーマーケットで働く人のソロ歌唱が、とっても感動的で、由紀さおりが「あれ?あの人(うちのスーパーで働いている人)?!」と気付くシーンが凄く良かった。
あと、もっちろん由紀さおりの歌も、さすがに良かったわぁ〜♪ エンドロールに、お姉さんの安田祥子もクレジットされてたけど、どこに出ていたのか分からなかった…(残念)。
小林薫の右往左往振りのエピソードと、「レディース」さん「ガールズ」さん達の歌声と、両方楽しめて、笑えて感動できる作品でした。
せっかく『第九』の良いシーンもあるので、11月後半〜年末にかけて公開してくれたら、もっと良かったのになぁ。 (撮影は、超ド級暑さの真夏の熊谷市だったようです)
♪BGM♪〜『5296』by:コブクロ
<<昨日は『アース』+12月1月の読書まとめ
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『音符と昆布』 『いつか眠りにつく前に』
2008年01月27日(日) |
『アース』+12月&1月の読書まとめ |
50万年前、まだ若い地球に巨大な隕石が衝突した。 その影響で、地球の地軸は23.5度も傾いてしまう。 しかしこの傾きがあったからこそ、地球には四季や寒暖の差、そして生命が生み出されることになった。 そんな傾きと太陽の光が作り上げた地球の姿を、北極から南極へと旅をしながら進んでいく。。。
地球上にはありとあらゆる生物が生息するけれど、他の生物をこれほどまでに観察したり学べたりするのは人間だけだと思うと、凄いなぁと思った。
砂漠や海の中、熱帯林、北極、南極、さまざまな場所で映し出された映像は、とっても綺麗でダイナミックです。 この手の作品は、テレビの(NHKなどの)番組でもありそうだけど、やはりスクリーンで見る迫力はありました。
ただ、根本は、地球温暖化の事について訴えている作品なんだろうけど、そのわりに、生き物に固執しすぎている感じがして、『アース』と名づけるにはチョットだけポイントが違うかなぁ…と。 もう少し、真の地球に迫って欲しかったかな。
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12月の読書まとめ。
・『女子と鉄道』(酒井順子 著)★★★☆☆
・『甘党流れ旅』(酒井順子 著)★★☆☆☆
・『携帯のない青春』(酒井順子 著)★★★★☆ 「携帯のない学生時代を送ってよかった」と、私も思った。今の子達は何かと大変だろうな…。
・『夜明けの街で』(東野圭吾 著)★★★☆☆
・『楽園(上)』(宮部みゆき 著)★★★★☆
・『美か、さもなくば死を』(林真理子 著)★★★☆☆
1月の読書まとめ。
・『格闘する者に○』(三浦しをん 著)★★★☆☆
・『さよなら、そしてこんにちは』(荻原浩 著)★★★★★ 短編集だけど、とっても面白かった。
・『楽園(下)』(宮部みゆき 著)★★★★☆ 「宮部さんの作品」って事で、★は4つ。 本編より、途中に何度も挟まれる『断章』が超不気味で怖かった…。
♪BGM♪〜『5296』by:コブクロ
<<昨日は『Little DJ〜小さな恋の物語』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『歓喜の歌』 『音符と昆布』
2008年01月14日(月) |
『Little DJ〜小さな恋の物語』 |
野球とラジオが大好きな太郎(神木隆之介)は、野球の試合中に倒れて以降、学校で倒れることが続いた。 病院で検査を受けた結果は悪く、即入院。 入院生活に退屈な太郎は、昼食時に流れたクラシック音楽の放送をきっかけに、主治医の若先生の父、大先生と出会い、治療の一環として、お昼の院内放送のDJをやることになった。 同室になった少女たまき(福田麻由子)徐々に仲良くなってくるが、病気は悪化へ。。。
大人になったたまきを広末涼子が演じていて、彼女の回想シーンという形で映画が進んでいきます。
ストーリー展開は、大方の予想どおりに進んでいくので、結末も分かってしまうけれど、太郎と同室になった患者のふれあいを始め、他の入院患者やお医者さん、看護婦さん、そしてたまき、、、それぞれのポイントをおさえて上手にまとまっていました。
「病は気から」と言うけれど、気持ちだけではどうにも太刀打ちできない病気もあります。 難病を患いながらも、つかの間の明るさや楽しさ、恋しさや切なさ(大人の駆け引きにはない)少年少女の甘いひとときが悲しくもあり、でも微笑ましかったです。
ラジオDJという設定上、音楽がたくさん流れます。 1970年代を描いているので、40代後半〜ぐらいの人には、とっても懐かしく感じるんじゃないかなぁ?
あと、1970年代と現代の違いをすごーく感じたのが、家庭でのお父さんの存在。 石黒賢が太郎の父親役なんだけど、「お父さんが1番偉い」「お父さんの言う事が絶対」という、一昔前の父親像で、見終わった後、相方と「お父さんがあんなに威張ってたら、今の時代、追い出されちゃうよね」と話してました。
動いている神木くんを見るのは、とんでもなく久し振り。 いつ以来?って…多分、『千と千尋の神隠し』で声優やった時ぐらい…何年前なんだろう? 私の中で、神木くんの姿は↑ここで止まっていたので、大きくなって(当たり前だけど)ビックリ!!!だった。
♪BGM♪〜『5296』by:コブクロ (本日購入)
<<昨日は2007年 年間トップ5
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『アース』 『歓喜の歌』
2008年01月01日(火) |
2007年 年間トップ5 |
2007年に見に行った映画の中で、個人的な年間トップ5です。 当方、田舎住まいの為、主に単館上映系の映画の公開が大幅に遅れる時が多々あります。 実質的には一昨年の映画かもしれませんが、私が見たのは2007年という事で、その辺は御了承願います。
例年は、トップ10を選んでいますが、昨年は見た本数が少ないため、トップ5にしました。
1位『ブラッド・ダイヤモンド』 2位『リトル・ミス・サンシャイン』 3位『ホリディ』 4位『ボーン・アルティメイタム』 5位『エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜』
以上です。
印象に残った俳優&女優では、俳優は『ホリディ』のジュード・ロウと、『エディット・ピアフ』のマリオン・コティヤールです。 今回は、作品共々に上位ランキング。 あ、もっちろん『ブラッド・ダイヤモンド』熱演のレオもとっても印象に残っています♪
ジュード・ロウのファンが多いのは知っていたけど、今まで私はそこまで魅力を感じていませんでした。 が、、、『ホリディ』のレポにも「マジ惚れた」と書いたけど、ほんっとにステキでした☆ 新参者でスミマセン…。
昨年は、32本という最低記録を更新してしまったので、今年は、もうちょっとたくさん見たいなぁと思ってます。
♪BGM♪〜『And I Love You』by:Dreams Come True
<<昨日は2007年下半期映画
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『Little DJ〜小さな恋の物語』 『アース』 『歓喜の歌』
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