2007年02月28日(水) |
『ボビー』+2月の読書まとめ |
1968年6月5日。 ロサンゼルスのアンバサダーホテルには様々な人々が居合わせていた。 如才ないホテルの支配人、不満を募らせる厨房の見習い、恋に悩む電話交換手、客の悩みに親身に耳を傾ける美容師、二人だけで結婚式を挙げる若いカップル、倦怠期の裕福な夫婦、酒浸りの歌手、選挙運動のスタッフ。 そこへカリフォルニア州予備選挙に勝利した次期大統領候補ロバート・F・ケネディ上院議員が現れる。 誰もが歓喜に酔いしれたその夜、悲劇は起きた。。。
登場人物が少し多すぎるなぁという気がしたけど、暗殺を題材にした作品のわりに軽いタッチの群像劇で、なかなか見やすかったです。
ボビーことRFKは、役者をたてずに、全て実際の映像を差し込んでいて(なので、そうゆうシーンだけは映像が古臭いんだけど)ドキュメンタリー風になってました。
私が勤めていた時、取引先の社長さんで「選挙大好き」人間がいました。 市長、市会議員、県会議員の選挙近くになると、仕事そっちのけで、選挙活動に燃えて、うちの会社にも告示前に候補者を連れてきたり、ポスターやチラシを持ってきたり。 うちの上司は、「世の中には、“選挙大好き”、“選挙になると燃える”っていう人がいる。まぁ、“お祭り大好き”みたいなものだ」と言っていたけれど、市長や市県会議員の選挙は、市民生活に身近だし、尚且つ、直接選挙だからこそ、ここまで燃える事ができるんだろうなぁと、いつも思っていました。
今、アメリカでは、ヒラリー夫人と、“初の黒人大統領なるか”注目のオバマ氏が話題だけど、日本みたいに偉い人達の中で勝手に決められて首相が誕生するシステムと、直接選挙で選ばれる大統領とでは、やっぱり温度差が相当ある事を映画を見て改めて感じます。
もし、ボビーが殺されずに大統領になっていたら、今のイラク戦争もなかったんだろうか…。
劇中では、メキシコ系コック見習いのホセ役を演じていたフレディ・ロドリゲスが1番印象に残りました。 役のキャラクターもステキだったし、彼のキラキラした目と、役の誠実さがマッチしていた。
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2月の読書まとめ。
・『暗闇シルエット』(角田光代 著)★★★☆☆ 面白くなくはないんだけど、全体的にチョットくどい印象を受ける作品だった。
・『最愛』(真保裕一 著)★★★★☆ 衝撃的なラストだった。 昔からの真保氏ファンからすると、前作『栄光なき凱旋』も今作もチョット異色な雰囲気。 次回は、久々に『奪取』みたいな作品が読みたいなぁ。
・『美女は何でも知っている』(林真理子 著)★★★☆☆
・『私のスフレ』(林真理子 著)★★★☆☆ 自伝的エッセイで、子供の頃の作文や詩が掲載されているんだけど、これが凄いっ! やっぱり才能がある人は子供の頃から一味も二味も違うんだとしみじみ思った。
・『夜よ泣かないで』(香納諒一 著)★★☆☆☆
♪BGM〜『ドリームガールズ』サントラ
<<昨日は『ドリームガールズ』
■感想予告■(映画見済・感想暫待)
2007年02月17日(土) |
『ドリームガールズ』 |
1962年デトロイト。 エフィ、ローレル、ディーナのコーラストリオは、歌で成功しようと毎夜オーディションに出演していた。 そんな彼女たちを、カーティスという男が目を付けた。 やがて、デトロイトで抜群の人気を誇るスター、ジミー・アーリーのバックコーラスを務めることになる。 そんな3人はカーティスをプロデューサーに、「ドリームガール」としてデビューを飾る。 次々にヒット曲を放ち、トップスターの仲間入りを果たすが。。。
1月8日にサントラを買い、ずっとヘビーローテして歌いまくっていた私。 やっと、動いているジェニファー・ハドソンの歌声が聞ける(見れる)楽しみで、公開初日に張り切って見てきました。
栄光と挫折。 この手の話は、本当にアメリカは上手い。 というか、根本的にこうゆうのが凄く好きなんだろうね。
オリジナルは、かのマイケル・ベネットが手がけた作品。 映画になってもパワフルで期待通りに楽しめました。
様々な賞レースで話題のジェニファーの歌声は、サントラを聞いて度肝を抜かれたけど、映像が加わると本当に迫力があって圧巻でした。
そして予想外に度肝を抜かれたのがエディ・マーフィー。 個人的には、彼のパフォーマンスが主要キャストの中で、1番印象に残りました。
そのうち2回目を見に行きたいと思っているけど、ジェニファーよりもエディ目当ての部分が大きいかも。
ストーリーの中に、ジェイミー・フォックス演じるマネージャーの姑息さが何度も登場してきます。 60年代…黒人がのし上がっていく為には、時には見境なく何でもかんでもやらなきゃいけない社会だったんだなぁと感じました。 良いか悪いかと言われれば、悪い事が多いに決まってる。 でも、現状を一歩でも半歩でも抜け出すには、時には手段など選ばない(選べない)時もある。 それも「ドリーム」の1つなんだろうなぁ。
♪BGM〜『ドリームガールズ』サントラ
<<昨日は『あなたになら言える秘密のこと』
■感想予告■(映画見済・感想暫待)
2007年02月14日(水) |
『あなたになら言える秘密のこと』 |
工場の仕事を黙々とこなし、誰にも打ち解けず働くハンナ(サラ・ポーリー)。 その真面目過ぎる働きぶりを上司にとがめられ強制的に取らされた休暇中、思いがけないことから油田掘削所の事故で大怪我をした男・ジョゼフ(ティム・ロビンス)の看護を買って出る。 向かった先は海に浮かぶ油田。 そこには陽気で腕のいい料理人をはじめ風変わりな男たちが働いていた。 彼らと生活を共にするうちにハンナは次第に笑顔を取り戻して行くのだが。。。
人は1人では生きられないけど、1人でないと生きていけない時もある・・・そんな感想を抱いた作品でした。
人は秘密を持つ時、必ず人に関する事で秘密を抱える。
「人と何かをした」 「人に何かをした」 「人に何かをされた」 …etc…
打ち明ける事で、誰かを傷つけてしまうなら、秘密は抱え込むべきだし、一生黙ってるのが正しいと思う。 私は、正直が正義とは思わない。
反対に、打ち明ける事によって、己が解放されるなら、話した方が良いし、きっと打ち明ける瞬間が自然に訪れると思う。
ネタバレになるので、あまり書けないけれど、ストーリーの後半、ハンナのカウンセラーが語るセリフの一語一句が印象に残る。 暗く重いセリフだけど、これ以上ない程の的確なセリフ。
平和の尊さを実感した作品でした。
♪BGM〜『ドリーム・ガールズ』サントラ
<<昨日は『世界で一番パパが好き!』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ドリーム・ガールズ』
2007年02月05日(月) |
『世界で一番パパが好き!』 |
マンハッタンで音楽業界の宣伝マンとして働くオリー(ベン・アフレック)は、最愛の恋人と結婚し、幸福に満ちあふれていた。 ところが、妻(ジェニファー・ロペス)は出産と同時にこの世を去ってしまう。 悲しみに押しつぶされ、仕事で大失態を演じたオリーは、故郷ニュージャージーへ戻り、父の家で暮らすことに。 7年後、娘ガーティ(ラクエル・カストロ)は健やかに成長していた。 ある日、心のどこかで仕事復帰を望んでいたオリーにチャンスが訪れるが、それは家族の関係を大きく揺るがせていく。。。
父と娘のストーリーなので、子供を持つ人が見ると、本当に大切なものを見つめなおせるんじゃないかなぁと思う作品でした。
1ヶ月ほど前、親友から「3月で仕事を辞める」という話をチラっと聞いた。 彼女はずっと2人の子供を保育園に預けながら幼稚園の先生として働いていたけど、いつも「1年1年の区切りで考えている」と言っていたから、やっと決心がついたみたいで、今まで頑張ってきて、心からお疲れ様と思う。
以前、【パート2】にも書いた事があるけど、彼女の長男くんが小学校に上がって以降、子供の行動に次々に問題が勃発して、今まで、夫や双方の親やスクールカウンセラー…etc…頼りながら何とかやってきたようだけど、辞める決心がついたって事は、仕事よりも目の前の大切な存在と向き合おうと考えたみたい。 彼女が仕事を辞めても幼稚園は存続していくけど、お母さんは1人しかいないんだもんね。 多分、「もっと早く…」と後悔していると思うけど、時間は取り戻せないし、今、気づき行動した事を大切に、これから今までの分もじっくり子育てに奮闘していく事でしょう。
この作品の娘ガーティも7歳。 友達の長男くんも7歳。
4月以降、仕事を辞めて時間が出来たら、是非、彼女に見てもらいたい作品です。
ジェニファー・ロペスとのバカップル振りや、ラジー賞などの話題しか盛り上がってない(?)ベン・アフレックですが、今までの彼の作品の中で1番良いんじゃないかなぁ。
そしてガーティを演じたラクエルちゃんの芸達者ぶり! よく、「男の子に比べると女の子はオシャマでおませで」というけれど、そんなチョッピリ生意気なオシャマさん、でも愛らしくて可愛い存在を、とても上手に演じていました。
劇中ラストに出てくる学芸会のシーンは感動だったなぁ。
これ、原題は『ジャージー・ガール』なんです。 マンハッタンの川向こう、ジャージー。
NYでバリバリの業界人として働いていたオリーがいつまでたっても華やかな世界を諦め切れなくて、その対比として今のジャージーでの田舎暮らしを描いているんだけど、田舎の部分の描き方がチョット甘いのが気になりました。
同居するおじいちゃん。 飲み仲間のおじさん2人。 レンタルビデオ屋さんでアルバイトする大学院生(リブ・タイラー)。 ジャージーでの生活には、この人たちも絡んでくるけれど、リブ演じるマヤのキャラクター設定はハチャメチャ過ぎるし、田舎生活のシーンが少なすぎる。
欲を言えば、ガーティーが“ジャージー・ガール”になるもうチョット大きなエピソードが1つ欲しかったなぁ。
展開はある程度よめるけど、大袈裟じゃない感動ストーリーで、ほとんど期待しないで見たわりには、なかなか良い作品でした。
カメオ出演でベンの親友:マット・デイモンが出ていたよ。
♪BGM〜『ドリーム・ガールズ』サントラ
<<昨日は『それでもボクはやってない』
■感想予告■(映画見済・感想暫待)
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