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■ 空曝
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■ 空曝
傷痕を態と空氣に曝すのです。
意圖的に曝してゐるのでは無い樣に見せ掛けながら、相手にだけはよく見える樣に曝すのです。
此の傷はお前の所爲で付けられたのだ、と言外の批難を滲ませながら淋しげな瞳で相手を見遣るのです。
少しでも相手が罪惡感を抱いた樣子を見せると、まだ己への心が殘つてゐたのだと顏には出さずに歡喜して、更なる傷を見せ付けるのです。
次第に相手は傷を見るのに慣れてしまひ氣遣ふ想ひを減らして行くのに、其れには氣付けずまだゝゝ新たな傷を得て見せ付けてしまふのです。
縛り付けて離さずに居たい氣持ちを表に出しては相手が退いてしまふからと冷靜を裝つて冷ややかな臺詞を放ち續ける彼女等。
僕は手を差し伸べる立場には居ませぬ。
意圖的に曝してゐるのでは無い樣に見せ掛けながら、相手にだけはよく見える樣に曝すのです。
此の傷はお前の所爲で付けられたのだ、と言外の批難を滲ませながら淋しげな瞳で相手を見遣るのです。
少しでも相手が罪惡感を抱いた樣子を見せると、まだ己への心が殘つてゐたのだと顏には出さずに歡喜して、更なる傷を見せ付けるのです。
次第に相手は傷を見るのに慣れてしまひ氣遣ふ想ひを減らして行くのに、其れには氣付けずまだゝゝ新たな傷を得て見せ付けてしまふのです。
縛り付けて離さずに居たい氣持ちを表に出しては相手が退いてしまふからと冷靜を裝つて冷ややかな臺詞を放ち續ける彼女等。
僕は手を差し伸べる立場には居ませぬ。
2003年06月17日(火)