PC
 ふと気付く。僕が最初にパーソナルコンピューターなるものに触れたのはいつであったのかと。

 記憶に残っているもので一番古い僕とパーソナルコンピューターとの邂逅は僕がまだ幼稚園に入る前の事、僕がまだ三歳になる前の春の事。
 父の友人に連れられて何処かの企業の展示会らしきとこで、何やら触ると目の前の画面が変わる不思議な箱を触らせてもらった覚えがある。
 面白がった僕が夢中になってマウスでお絵描きをしていたらその行為に気付いた父親が飛んできて直ぐ僕の行動を止めさせてしまったが。

 僕が幼稚園を卒園する迄には僕の家にはもう「パーソナルコンピューター」は存在してた様に思う。その当時では最新のものだったPCで小学生用の学習ソフトをやらされた覚えが微かにある。
 若しかしたら僕が生まれて直ぐに、もうPCは家にあったかも知れ無い。何分、幼かったのでよく覚えてはいないがPC-8001やPC-9801を父の部屋で見たような気もする。

 僕が小学校低学年の頃には家にはPCなるものが何十台も鎮座していた。
 「今の時代はパソコンなんだ!」と訳の判らぬ啓蒙を受けた父親がいきなりPCを数十台購入してしまった。其の時はPC購入に幾らかかったのか知らなかったが、後で母から聞いた総支払額から推測するに一台約60万以上だったのではないかと思う。
 今でも一台ずつだけだが我が家にその時のPCは残っている。余りに古過ぎてBASICしか出来無いボロパソだが小さい頃からそれでBASICをやっていたので妙に愛着があるのだ。BASICをやるだけなら支障無い。
 残りのものは偶々事務所に来ていて「只ならそれ欲しいです。」と仰った物知らずなお客様達に全て押し付けました。今時、粗大ゴミ捨てるにもお金掛かりますから。

 今あるPCは、知り合いの電気店で売れ残ったので仕方なく買ったもの、適当に注文して買ったノート、知り合いの先輩が電気店に就職してたので思いきり安く売らせたもの…。まぁ、色々あるけどどれにも特に愛着は無い。
 どういう訳か、粗大ゴミにされてもおかしくないようなボロパソに一番愛着を感じてしまう。

 新しいものは際限無く新しいものが出てくるから。
 僕は自分が取り残されたくなくて古いものしか見ないようにしているのかもしれない。
2000年11月27日(月)


 類似品
 去年、19歳だった人にそっくりな30代の人を今日見付けました。

 今日は従兄の結婚式でした。
 結婚式での誓約、写真撮影、と順調に式は進んで行って最後の披露宴。大抵の披露宴では新郎か新婦の友人が必要以上に騒ぐものです。
 その騒いでいる酔っ払いの中にそっくりな人は居ました。

 最初、披露宴で新郎の友人の席にその人を見た時、僕の知ってる人自身かと思いました。
 体格、髪型、顔の骨格が実によく似ていたから。
 傍にいた僕の母親も僕と同じ事に気づいて吃驚していた。

 去年19歳だった僕の元々彼は妙に老けた人でした。まだ十代であったのに如何見ても20代後半にしか見えない見た目。飲んでいたバーで偶々事件が起こり警察官に「職業は?」と訊かれて「仕事上の問題で答えられません。」と返答しても未成年だとばれなかったほどのおっさんぶり。
 彼が僕の居た中学の先輩で無かったら、僕はきっと彼がまだ10代であった事を信じなかったでしょう。それだけ老けていたんです。
 老けている、と言うと聞こえが悪い。まぁ、良く言えば大人びていたんです。

 披露宴で母親とともに元々彼のそっくりさんを観察してました。
 従兄の高校の時からの友人だと聞いたので、多分そっくりさんは30歳以上。だって従兄は僕より12歳年上ですから。
 新郎の友人数人と歌った「奇跡の地球」の音程の外れ方もそっくり。骨格が似ている所為か声もそっくり。酒を必要以上に飲んで叔父と騒いでいた時の軽薄そうな感じがそっくり。下品な笑い方がそっくり。少し分厚めの唇がそっくり。

 余りに似ていてそっくりさんを見る度気分が悪くなりました。
 気持ち悪さの為食事をかなり残してしまいました。
 そっくりさんが大声で騒ぐ度に、それすら似ていて顔が引き攣りました。

 披露宴終了後、帰ろうとしたら偶々目が合ってしまったので母親がそっくりさんに話し掛けてました。
 初対面なのに臆するとこなくすらすら口から言葉が出てくるそっくりさん…それも似てる。

 帰宅後、母親とそっくりさんについて語ってしまいましたよ。
 結果、「あなたが付き合ってたおっさんが老けすぎていただけですよ。あのそっくりさんは年齢相応に振舞ってるだけでしょう。」と言われてしまった。
 何で僕は元々彼と付き合ってたのかな。今でも疑問の侭。
2000年11月25日(土)


 優しい人
 「俺って優しいだろ。」
 そういう風に自分で自分の事を「優しい」と定義できる男を僕は優しいと思えません。

 「優しいだろ?」と訊かれた時に感じるのは寧ろ恐怖。
 返答の次第によっては相手が怒り出したり僕を突き離すのが目に見えてるから。
 僕が口にしなければ為らない答は一つしか相手には見えていないから。

 最初から僕自身の答を期待していない問いをしないで欲しいと毎回思う。
 ずっと同じ人が僕にその問いかけをしている訳ではないけれど。
 しかし、毎回相手が僕に求める答は同じものなのです。

 自分の事を「優しい」とは言わない優しい人を、「僕は本当は優しくはないんだよ。」と優しげな声で語る人を、僕は知っています。
 僕が我侭に自分の荷物を持たせても、待ち合わせに何時間も遅れても、僕がするべき雑用を押しつけても、いつもほんの少しの文句しか言わずに僕の言う事を全てきいてくれた人です。

 けど、その人を「優しい」と思えるのは決してその人が僕の言う事をきくからではないのです。
 僕が本当にしてはならない事をした時、言葉には出さずに気付かせてくれたから。だからその人は僕にとって「優しい人」なのです。

 僕が何かしでかしたその瞬間、いつも浮かべている微笑は其の侭で目の表情だけが消える。
 最初にその事に気付いた時、僕は気付かなかったふりをしました。
 次に気付いた時、僕は後で悔みながら泣きました。
 その次に気付いた時、僕は無表情な目の侭のその人にラリアットをかましました。
 四回目に気付いた時、僕はその人の前で泣きました。
 この前気付いた時、僕は自分が泣き出さない様に気を付けながら僕自身の言葉を探しました。僕のした過ちを正すには如何すべきか相手に訊く為に。

 僕の今の彼氏は「俺は優しいよ。」と以前言いました。
 僕にとっては未だに彼は怖い人。
2000年11月24日(金)


 
 くさめ。くしゃみ。嚔。

 今日は妙にくしゃみばかり出る日でした。
 自室に居る時の僕のくしゃみは豪快です。
 「はっくしょーい」とまぁそんな感じ。

 周りに人が居る時は、くしゃみが別のものになってしまいます。
 「くしゅっ」と小さな音で。癖でくしゃみを抑えてしまいます。
 出来るだけ、出来るだけ可愛いくしゃみになるように。

 中学一年の時、隣の席に座っていた男子に注意されてから僕のくしゃみは微妙に変わりました。
 その男子は授業中に風邪気味の僕がくしゃみをしてる様子を見た後こっそり僕に言うのです。
 「女の子なんだからそんなくしゃみの仕方したらあかんわ。」と。
 彼曰く、「女の子のくしゃみは可愛いのがいい。そうじゃないと男が逃げるよ。」
 その時、その彼も風邪を引いてましたが彼のくしゃみは僕のとは違い可愛らしかったです…。

 今でも思うのですが…矢張り豪快なくしゃみは男性の前ではしてはいけないのだろうか。
 う〜ん…駄目だろうなぁ(苦笑)
2000年11月18日(土)
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