Diary?
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2003年07月31日(木) Century plant

今週は、母降臨。度重なる突発的予定変更に振り回されつつも、なんとか今日無事にお帰り頂いた。

今日の午前中は、東京駅に行く前に浜離宮に寄ってみた。正式には浜離宮恩賜庭園というらしい。お目当ては龍舌蘭である。

文学作品や映画にその名前が出てくることがあっても、実物は見たことがなかった。花は滅多に見られないらしいので、自分も見たかったし母にも見せたかった。調べてみると、ほんとに滅多に咲かないらしい。

東京都公園協会のHPより引用。
約30年〜100年を経て初めて花が咲き、花が咲けば枯死してしまう性質〔一回結実性〕から、英語では100年植物:センチュリープラント Century plant と呼ばれています。

浜離宮には55年前に植えられたそうだ。55年前っていうと母がハタチそこそこである。そう考えると目眩がする。

しかしまったくもって妙な植物だったよ。公園に入ってすぐに、遠くに明らかに変なモノが見える。近寄るとこう。ある日突然、一日に10センチくらいずつにょきにょきと茎が伸びて下から順に咲いていくんだって。とても蘭の花とは思えない。どこかの星の生き物とか。なんかこの一個一個が喋り出しそうな気がしてちょっと怖かったけど。珍しいもんを見た。母にも喜んでもらえたようだし良しとするか。


2003年07月27日(日) さむっ

例のガーデンプレイスでの夏のイベント「オープンシネマ」。今日は「スワロウテイル」をやるってんで友達と行ったのだ。デパ地下で美味しそうな惣菜やらビールやら買い込んで、準備は万端だったのだ。

しかし。寒い!寒すぎる!雨は降りそうで降らなかったけど、寒風吹きすさぶとはこのことだ。友達の一人はカーディガンを買いに走った。それでも耐えきれないこの寒さ。開始30分でギブアップ。家に逃げ帰ったのであった。

それにしてもノースリーブで生足ミニスカートで地べたに座って楽しそうに映画を見ていたワカモノたちよ、あんたたちどっか壊れてるよ。


2003年07月20日(日) 油断は禁物

金曜日のクイーンの謎のフィルムコンサートは、恵比寿ガーデンプレイスの夏のイベント「オープンシネマ」のプレイベントであったらしい。週末だけの野外上映会。

今日は「I SHOT ANDY WARHOL」を上映するので、夕涼みがてら見に行った。うちからガーデンプレイスまでは徒歩で行けるし誰に会う予定もなかったから、適当にそのへんのものを着て、化粧もせずにふらふらと会場まで行き、ぼーっと口を半開きで映画を見ていた。一番後ろの方に座っていたのだが、私の斜め後ろあたりに立って見てる人がいた。何気なくそちらの方を見てみると、そこに立っていたのは知り合いだった。双方びっくりしながらも、とりあえず一緒に映画を見て、終わってから少しおしゃべりをして別れた。

しかしその知り合い、今までに2回くらいしか会ったことのない男性であった。そんな人に、すっぴんで何の緊張感もない油断しきった姿を晒してしまった。いやだからどうしたってこともないんだが、何かちょっと悔しい。出かける時はせめて化粧くらいしないとな。反省。


2003年07月19日(土) フィルムコンサートってやつか?

昨夜、恵比寿のツタヤに行って、さあ帰ろうと思ったらイベント広場の方から何やら音楽が聞こえる。

吸い寄せられるように広場に行ってみると、そこには巨大なスクリーンが設置されていて、ベンチが並べられている。スクリーンにはコンサートの様子が映されている。衛星放送のキャンペーンか?どっかのコンサートを中継してるのか?

それにしてはものすごく懐かしい、胸がキューンとなるこの声は…。そしてボーカリストがアップになる。

フ、フレディ…

そう、クイーンのコンサートビデオだった。
何が何やら訳がわからないまま、最後のウィーアーザチャンピオンまで見てしまったよ。夏の夜に屋外で見るクイーンのコンサート。嬉しいような切ないような。


2003年07月17日(木) 楽しい仕事

今年の新入社員はなかなか笑わせてくれる。
私の働いている部署は、他の色んな部署の人から調べものなんかを依頼されるところなのだが、今年の新人くんたちは言葉遣いがどうも妙なのである。

いや、よくある「最近の若いもんは」ってことではなく。なんというか、間違った敬語と死語とバイト用語とが入り交じってたいそうおもしろいことになっているのだ。

・調べものの結果を説明したら「ご親切にどうもありがとうございます!」とお礼を言われた。
・「こういう資料がありますよ」と言ったら「マジっすか!」とびっくりされた。
・最適だと思われる資料を紹介したら「これ難しくてよくわかんないからやめときます〜」と返された。
・相槌を打つ際に必ず「ほぉほぉほぉほぉほぉほぉほぉ」と言う人がいる。
・久し振りに「なるへそ」というのを聞いた。

次は何かと楽しみでしょうがない。


2003年07月13日(日) 戦いの痕

金曜の夜、ぐうぐう寝ていたら宇宙人が地球征服にやってきた。

「ピンポーン」
「なんだよこんな夜中に〜だれ〜?」
「あ、ども、夜分すいません。宇宙人っす。征服にきましたぁ。ハンコください」

見ると、身長50センチくらいのウルトラマンそっくりの奴が何か文字らしきものの印刷してある伝票を振りかざしている。

「そんなあやしいもんにハンコなんか押せるかっ。わしゃあ眠いと機嫌が悪いんじゃとっとと帰りやがれぼけぇ」

きっぱり断ったら、あっさり宇宙船に連れ去られてしまった。
金属の台に縛りつけられて、頭に何かを埋め込む手術をしようとする。しかし相手は身長50センチだ。何すんじゃどあほ、とばかり縛られていた鎖をひきちぎって奴を蹴り飛ばしてやった。

「くそう、サイズを考慮しておけばよかった。こうなったら最終兵器ボタン押しちゃうもんね」

奴が赤いボタンに手をのばしたところを組み伏せてさっき引きちぎった鎖でぐるぐる巻きにして、

「写真撮って東スポに売るぞこら。何ならロンドンのThe SUNにするか、え?それがいやなら地球征服なんてしょーもないこと言うてんと大人しく帰らんかい」

と一発脅しをかましておいた。けっこうびびってたみたいだから、まずは一安心だ。組み伏せた時に奴に顔を引っ掻かれて、ちょっと腫れちゃったけどね。まあ、地球を守ったんだからこのくらいの怪我、なんてことないよ。


え?寝てる間に自分で引っ掻いたんだろうって?いくらなんでもそんな子供みたいなこと、するわけがないじゃない。いやだなあもう、あは、あは、あはははははは。


2003年07月11日(金) 焼きハムとサラダ

恵比寿の非常にディープな定食屋に行った。
時代がいつかわからなくなる。
少なくともあの店の中の時代は平成ではないと思う。

焼きハムというメニューがある。
山盛りの千切りキャベツに、薄切りの魚肉ハムをさっと炒めたのが4、5枚乗ってくる。

サラダというメニュー。
カウンターで隣に座ったお客さんが頼んでいた。
山盛りの千切りキャベツに、山盛りのポテトサラダ。

とにかく山盛りの千切りキャベツがデフォルト。
おかずは「おばあちゃんが孫のために作った」ようなテイスト。
決して「おふくろの味」なんかではない。
ソースやら醤油やらどばどばかけて食べるの。

美味しいのかどうか、判断に困るところではあるが、きっとまた行ってしまうでしょう。店員さんたちの完璧な分業体制も見てておもしろいしね。


2003年07月06日(日) 湯島

そのロマノフ王朝展の帰りに、上野から湯島まで散歩してみた。

ずっと気になっていて一度は行ってみようと思っていたお蕎麦屋さんが湯島にあって、午後の中途半端な時間だったので中休みかもしれないけど、まあ散歩がてら場所の確認だけでも、と思って。

お蕎麦屋さんはやっぱり中休みで閉まっていた。しかし別の意味でおもしろい散歩でした。

湯島という町については、湯島天神がある、っていうくらいしか知らなかった。だからイメージとしては古い門前町、下町。
たしかに湯島天神のまわりはそんな感じだった。が、お蕎麦屋さんの方向に向かって歩きはじめた途端、町の様相は一変。ラブホテル林立地帯であった。知らなかった…

しかも道玄坂あたりの一種あっけらかんとした明るさは無く、大人のどろどろとした暗い情熱が渦巻くような、淫微な感じで。そこを真っ昼間に一人でてくてくと歩いていると、私は一体何をやっているのだと頭を抱えてしまうのだった。

実際、そんな時間でもホテルに入って行く人、出てくる人をちらほら見かけたが、例外なく年配のカップルで、どう見ても怪しい関係。見て見ぬ振りをしたり、歩幅を調節して追い付かないようにしたり、なんか気を使って疲れた。


2003年07月05日(土) ドラクエの功罪

そういえば最近、「ロマノフ王朝展」がもうすぐ終わるから慌てて見に行ったのだった。ロシア正教がらみの展示が見たかったので。

ロシア正教って、そもそもちょっと異端っぽいし、土着の民間信仰とか伝説なんかとごっちゃになってるようなところが面白いなあと思っていたのだけど、何せよくは知らない世界だから今回は楽しみだったのです。

結論。ドラクエの世界でした。

ドラクエをはじめとするRPGか、ファンタジー小説あたりを通じてしか、私たちは中世ヨーロッパのキリスト教世界に接することがないのですよ。まずドラクエで先に知ったもんだから、後から本物を見てもドラクエにしか見えないの。司教の式服だとかアクセサリーとか十字架とか、これはもう絶対どこかの洞くつで迷路を抜けた先に宝箱があって、その中には鍵が入っていてその鍵に合う扉を探して聖なる水かなんかふりかけたりして、そうやって手に入れるものにしか見えなかったです。これは店では買えないに違いない、売ろうとしても“これを売るとはとんでもない”と言われるに違いない、などと下らない考えばかり浮かんできて、とってもとほほな気分でした。

あんまり関係はないけど、ロシア正教のことを考えていて、もう一つ昔から疑問に思ってたことを思い出しました。ロシアの小説やら昔話やら、とにかく物語には「愚か者」がよく出てくる気がします。イワンの馬鹿とかね。最近だとレニングラードカウボーイズの映画にも出てきたな。村に一人はそういう「白痴だけど純粋で本能的に世界の真理を知っている」といった役回りの人物がいることになってる。あれは一体なんのメタファーなのか、物語に取り込まれた起源は何なのか、ずっと気になってたのでした。誰か教えて。


2003年07月03日(木) ヨージ

昨日は品川の原美術館で「山本耀司展」を見てきた。

2階からバルコニーに出たらそこにもマネキンが立ってたりして驚いた。
この美術館でいちばん好きな「白いタイルの部屋」にも、奇妙なドレスをまとったトルソーがどーんと鎮座しておりました。

主な展示はカタログなんかの写真作品なんだけど、同じデザイナーの服を題材にしていても撮る写真家が違うと全然別モノみたいよ。見比べると楽しい。個人的にはやっぱりニックナイトの写真がかっこいいと思う。

ショーのビデオがずっと流れていて、なんか見始めたら動けなくなって最後まで見てしまったよ。曲が「ボレロ」で、たぶんあれは一回のショーで全曲使ったのかな。終わり方が見事でした。最後のモデルが奥に歩いて行って、ぱっと振り返ってもう一度奥に引っ込んだ瞬間、曲が終わるの。ファッションショーってナマで見たことはないけど、かなり緻密な演出なのね。

山本耀司さんって、いい感じの立ち位置を確立したのだね。ファッションの人って、難しそうだけど。わーっと人気が出て消費されて終わるか、どんどんスノッブになっていくか。でも山本耀司さんはどっちにも陥らずに、だけどいつも第一線に居続ける、絶妙なバランスを保っている人なのだなあと、改めて尊敬してしまいました。


2003年07月02日(水) 枇杷大尽

ほとんど果物を食べる習慣の無い私であるが、枇杷には目が無い。
目が無いとはいいながら、枇杷は出回る期間が短いし、ほんとうの盛りにならないと高くて買えないから、毎年1パック300円代になるのを今か今かと待ちかまえているのだ。油断するといきなりシーズンが終わってたりするから気を抜けない。

ところが今年はちょっと違うね。今朝の私の手元には、デパ地下なら1パック1000円は下らないと思われる立派な枇杷が4パック。合計約30個。今まさに食べごろ。うひひ。

ひとり暮らしの私が4パックもの枇杷を自分で購入した訳はなくて、実家からのおすそ分けである。実家は老夫婦二人暮らしであるが、なぜかお中元に枇杷を8パック頂いたそうで、すかさず半量を私のところに送ってくれたのだった。で、私もその半量の2パックを会社に持参。職場のおやつに食す。

これがまた旨いんだな。よく熟していて、手と口とテーブルをべたべたにしながら、どんどん食べる。家に帰ってからもまた食べる。んふふ、しあわせ。でもさすがに一人で2パックは無理みたい。明日また1パック会社に持って行こうっと。

ところで枇杷の種の様子を見るたびに「細胞分裂」という言葉を思い出してしまうのはちょっと困るんだが。


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