■ 日々の歩み。 ■
徒然の考察・煩悩・その他いろいろ発信中。

2003年04月30日(水) メンタル・バイオリズム。

プチ鬱期に突入中。

 常に脳内アドレナリン垂れ流しで躁状態、年中無休でハイテンションと
あまり親しくない人々には思われがちの私ですが、人並みに落ち込むこと
だってありますわよ。

 つうか、根本的性格は、感情の起伏が激しく根暗で悲観的なので、
普段明るくしようと心がけている分、躁鬱の幅が大きく、ちょっとしたことで、
ウジウジと、かなり鬱陶しく鬱状態になります。

 もう、全身を襲うこの倦怠感はなんなの!!
起き上がるだけで、だるいわ気持ち悪いわ、腕を上げるだけでも億劫。
考えても仕方のないことばかり気になって、解決策がなかったり
踏ん切りが付かないことを、エンドレスでぐるぐるぐるぐる悩んでみる。


 非ッ常に非生産的かつ、精神的消耗ばかりが激しい時期なので、
なんとかしたいんですが、なんともならないね。やっぱり。

 天気が悪いとか、そういう些細なことも更に気持ちを沈めるのよね。

 とりあえず、大人しく嵐が過ぎるのを待ちます。



2003年04月29日(火) みどりの日。

 今日は みどりの日。国民の祝日です。

一定年齢以上の人は、4月29日が昭和天皇の誕生日だということを、
当然知っていますが、(16年前までは、天皇誕生日だったし)
平成生まれの子供の中には、知らない子も多いんだろうな。

 ところで、なんで「みどり」なんですかね?
ちょうど新緑の季節だからか?

 確か、平成元年に「みどりの日」が制定された当初は、
「激動の昭和という時代を記念して」 とかなんとか、
言ってたような気がするんですが。「みどり」関係ないし。

 まあ、昭和天皇といえば、それまでの天皇制のあり方を覆して、
「現人神」から「象徴天皇」になった方で、非常に微妙な部分も多く含んで
いるし、各方面を刺激しないためにも、「時代の象徴・昭和天皇の誕生日」
って図式を、あんまり全面に押し立てて盛大にお祝いするのも、
憚りがあるんでしょうかね。

 色々調べてみたところ、「みどりの日」のオフィシャルな内容としては、

「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」

という、判ったような判らんような説明が載っておりました。
あくまで、法の上では、昭和天皇は関係ないらしい。


 ちなみに、明治天皇、大正天皇、昭和天皇、といった呼称はあるが、
「平成天皇」という呼称は、正しくないのを、ご存知?

 あれは、天皇が崩御された後(=退位された後)の呼称なので、
ご存命中(=在位中)は、「今上(キンジョウ)天皇」 が正解。


 皇室独特の行事や、皇族の方のお名前や幼名って、若い人では、
意外と知らない人、多いのね。
一応日本の象徴、と謳ってるんだから、右とか左とか、思想的な問題に
関係なく、もうちょっと、みんな知っててもいいと思うんだけど。



2003年04月28日(月) カウントダウン。

 アジア圏でのSARSの感染拡大、北朝鮮の核保有問題、
未だ不安定なイラク情勢に、日本国内でも、謎の白集団が
不可解な行動を繰り返したりと、ここ最近、規模の大小の
差はあれ、私たちを取り巻く情勢が、非常に不安定かつ不穏で、
なにか今までの世界を覆してしまうような、とんでもなく大変な
ことが、気づかない処で既に起こっていて、至る所でその片鱗が
噴出しているような、なんともいえない焦燥感や不安を感じます。

 具体的に、何処がどう、という風には言えませんが、
着実に何かが変質しようとしている気がする。

 多くの人が浮き足立って混乱し、善悪も正誤も簡単には判断し難く、
何が起ころうとしているのかも見えず、自分自身の先行きすら、
予測不能な現状で、大した価値もない卑小な自分が、くだらない不安を
抱えたまま、それでも無様に執着してまで、生きていく意味があるの
だろうかと、ふと思います。
だからといって、短絡的に死にたいとも思いませんが。

 そういった考えさえ、所詮、本当の生の危険にあったことが
ない者の、甘ったれた傲慢さだと、重々承知していますが。

 こんなに色々なことが起こっているのに、自他問わず、
すべての生への実感が希薄であることが、その終末もあっけない
ものなのだろう、と予感させて、なんだか怖くなります。



2003年04月26日(土) もう一度、逢いたくて。

 本日は、朝7時起床。
会社がある平日より早い。というか起きられたことが奇跡。
どうしてそんなに早起きか、というと、映画を見に行くためです。

 銀座シネパトスで、モーニング上映です。
「フォーエバー・レスリー」と銘打って、愛しのレスリー・チャンの
出演作品を、朝イチで上映しているのです。所謂、追悼上映。

 今日は、レスリーの代表作と言っていいでしょう、カンヌ映画祭受賞作品、
1993年上映、陳凱歌監督の、「さらば我が愛 覇王別姫」

 9時からの上映ということで、8時45分頃に会場に着いたのですが、
朝っぱらから、会場前には行列が!! ざっと30人はいましたよ!!
150人弱しか入らない会場は、ほぼ満席。女性が99%占有。


 映画自体は、10年前に公開され、私も4度ほどビデオで見た作品ですが、
数あるレスリーの出演映画の中でも、この程蝶衣の役は、もっとも嵌り役で、
レスリーの実力・魅力が凝縮されたものだと思う。

 舞台は日中戦争前から、文化大革命を経て1977年までの、激動の中国。
中国の伝統芸能である、京劇の世界。

 レスリーは主人公の、相手役に恋する京劇の女形を演じましたが、出演に
あたり、京劇の女形の挙措や、北京語の猛特訓(レスリーは香港人なので言葉
が違う)をし、徹底した役作りを行っています。

 もともと、レスリーは完璧主義者で、撮影中は、自分が演じる役になりきって
しまうのですが、自身が実生活でも同性愛者であることもあって、特にこの
蝶衣役は、他の作品と比べても鬼気迫るものがあるというか、凄まじいです。

 相手役の男優より、背は低いものの、顔はでかいしガタイもいいんですが、
姿形は関係なく、もう、まるっきり「女」にしか見えない。

独占欲が強くて、嫉妬深くて、狡くて、虚栄心が強くて、弱虫で、ヒステリックで
でも、愛する人のためなら、どこまでも強くなれる女。

 もうレスリーが、犯罪的に可愛い過ぎるし(つっても、当時36歳なんですが)、
これでもかと襲いかかる過酷な運命と、報われない愛が、切なくて切なくて。

滂沱の涙に泣き濡れて、心の中では絶叫の2時間。

 上映後、明るくなった会場内でも、そっと目頭を拭う人、多数。
うん、何度見ても泣ける。いい映画だよね。
そしてレスリー、美しすぎる!!
マジ、罪なほど妖艶だよ。子供時代の子役も、凄い美少年だし!!
  

 来週の上映は、王家衛監督の、「ブエノスアイレス」
トニー・レオンと共演した、これも同性愛映画

 冒頭の、2人の濃〜いキスシーンは、公開当時、映画館で鼻血吹きそうな
ほど、衝撃だった。しかも、パンツがね…。妙に生々しかったね。

 我儘で奔放で、少年のようなレスリーが、これも可愛かったなあ。
喧嘩ばっかりしてるんだけど、2人で乗ったタクシーで、お互いそっぽを
向きながら、無言でトニーの肩に、コトンと頭を預けるレスリーが、
絶叫するほど可愛かった…。

 公開当時、付き合ってた彼氏と私の誕生日に、映画館へ見に行った、思い出の作品。
内容をよく知らなかった彼氏が、ちょっとビビッてたのも、今ではいい思い出。
だって、私が見たい映画でいいって言うからさ。


 そんな訳で、来週また見に行きます。待ってて、レスリー!!!



2003年04月25日(金) 飽くなき挑戦。

 年がら年中、言っているんですが、今度こそ。

絶対にダイエットするぞ!! 目標3.5キロ減!!!

 ここ半年くらいで、急激に太りまして。
外食が多いし、間食もするし、その割に全くといっていいほど、動かないので
太るのは当然の結果なんですが。


 とうとう、体脂肪率が、20%後半という、未曾有の領域に突入し、
体重も嘗ての最重量記録に、刻一刻と近づいて、大台突入も目前となった今、
是が非でも痩せたい。痩せねばならぬ。

 今まで余裕で履けたスカートが、食後にはキツイ。(胃下垂気味だし)
鏡で見れば、体格がひと回り大きくなったように感じる。(そしてオバサン体型)
顔がパンパンで、顎と首の境界線が曖昧に。(顔がでかくなった)
椅子に腰掛けていると、背中や腰周りの肉が余る。(がっちり掴める)
肌荒れや浮腫みが酷い。(それは年のせいも…)


醜い!! 非常に見苦しい!!

 年を取れば、なかなか体重も落ちにくいし、自分の理想体型を維持するのは
金も努力も労力も体力もかかる、一大事ですが、やらねばなるまい。

 これから、薄着の夏が到来するのですよ!!
去年大量に購入してしまった、ノースリーブを、無駄にするのか!?

 意志の強さが試されています。試練です。
昨日までの、意志薄弱なヘタレな私は、グッバイ!!

…3日坊主で終わらないように、出来るだけ精進します。(超弱気)



2003年04月24日(木) 散歩者の正体。

 昨日の続き。
金田一かコナンばりの推理力で、屋根裏の散歩者を、ネズミと推測した、まめ姉妹。
今日、管理人さんに確認してもらって、謎に包まれた散歩者の正体が、
遂に明かされました。

鳥でした!!!! 推理大外れ!!!!

 なんでも、屋根裏に、鳥が巣を作ってたそうです。
小動物、という辺りまでは当たっていたんですが。惜しい。

 明智探偵にも、小林少年にすらなり損ねましたが、いやあ、ほっとしました。
同じ小動物でも、鳥とネズミでは、気分的に全然違うもの。
今日からは、安心して枕を高くして眠れるわ。


 でも、ネズミが都心部で大量発生しているのは事実だし、最近ウチの近所でも
ネズミの死骸を見かけたばかりなので、油断は大敵です。

 昨日、色々調べたところ、巷で増殖しているネズミには2種類ありまして。
ドブネズミクマネズミ、という種類。

 で、特に増加が著しいのが、クマネズミ

 ドブネズミは、基本的に地面に近いところで生活しているのですが、
クマネズミは、ドブネズミよりもひと回り小さく、動きが敏捷で、
垂直に近い場所でも上っていくことが可能な為、マンションや
ビルなどに、多く生息しているとか。
直径3cmほどの穴があれば、侵入してくるそうです。

 ビルなどの高い場所なら、天敵も少ないし、とても賢く用心深いので、
トラップや毒餌を仕掛けても、ほとんど引っかからないそうです。

 仲間がトラップに掛かったのを見ると、学習して、避けるんだと。
粘着シートのトラップが、濡れると粘着力が弱くなることを見抜いて、
水溜りで足を濡らしていた、という例もあるとか。

 専門の業者さんでも、クマネズミを駆除するのは、なかなか難しいらしい。


 もともとネズミは繁殖力が強く、環境への適応能力も高い生き物なので、
最近では、生まれながらに毒餌に抗力を持ったネズミや、猫ほどの大きさが
あるネズミなど、ほとんどSFかホラー映画のようなものが、本当に
実在するらしい。絶対見たくない。

 
 みなさんも、夜中になにかが動き回る音が天井から聞こえたら、気をつけて。
そんなネズミと知恵比べをしても、勝てる気がしないわ。まったく。



2003年04月23日(水) 屋根裏の散歩者。

 昨日から、朝、台所に立つと、天井裏、換気口付近で、カシャカシャと、
明らかに、なにか生き物が動く音がするんですが。

 ゴキブリ!?と一瞬思ったんだけど、もっと重量がある感じだし、金属と
硬い、爪のような物がぶつかって生じる音なので、妹と考えた結果、

ネズミではないかと。ギャ−−−ッ!!!

 ゴキブリなら、もし正面から遭遇してしまったとしても、殺虫剤噴射でなんとか
なるけれど、ネズミはどうすれば!?

 捕獲も出来なきゃ、殺すことも出来ない。そのまま放置!?イヤ−−ッ!!!

 最近は、都会でネズミが大量発生しているせいで、深夜や明け方、繁華街で
ネズミを見かけることも多いですが、何故だか、異様にデカイ。

 あんなのが天井裏にいて、万が一、部屋にまで出現した日には、誰がなんと
言おうと、荷物纏めて出て行く。怖い!ネズミが怖い!!ウワァ−−−−ン!!!

 妹共々、戦々恐々としていて、台所付近の物音には、とても敏感になってます。
衛生的に問題があるのもそうだし、あの尻尾が、生理的に駄目。ゾッとする。

 漲る緊張感。お前らはドラえもんか二階堂か、というほどの怯え様。
妹は、ぶつぶつと、「私はリス、尻尾を剃られたの」(BY.二階堂)と、
ネズミが怖くなくなる呪文を唱えています。ある意味、そっちの方が怖い。


 朝しか物音がしないし、確認のしようもないのですが、とりあえず管理人さんに
土曜日に相談する予定。平日は出勤前も帰宅後も、管理人さんいない時間帯だし。

 その間に、ネズミ算式に大量発生していたら という不安で、
かなりドキドキです。どうしようもない、と言われたら、本当にどうしたら!?


 …ネズミ疑惑が、杞憂で終わることを祈るばかりです。



2003年04月22日(火) 美味しい男のつくり方。

 昨日の深夜、「きみはペット」の再放送を見る。
すげえな、これ。女の夢が、ぎっしり詰まってるよ。

 まあ、「ペット」というのは、ちょっと漫画的に過ぎる表現だとは
思いますが、こんな可愛い男の子、独占支配してみたいよ。

 戦後、靴下と女性は強くなった、とよく言われますが。

 でも対する男の人は、強くなる女性と反比例するように、弱くなって
きている気がするわ。勿論、全ての人がそうだという話じゃないですが。

 精神的には、意外と打たれ弱い人が多いし、その割に、彼女より優位に
立ちたがる人が多いし、最近は優柔不断も男が多いし、なまじ、頭脳・仕事
学歴・収入と、普通の男の人よりもスキルが高い女だと、大抵の男は
尻込みしちゃうか、変に挑戦的になるか、卑屈になるかで、
なかなか、理想の王子様は見つからないような気がする。

 本当は、ああいったバリバリの女の人の方が、優しいだけが取り柄のような、
普通の男の人が好きだったりするんだけどね。
なかなか需要と供給のバランスはとれないものです。


 で、既製の王子様が見つからないなら、自分で育てよう、と思い立っても
なんの不思議もないし、どうせ育てるなら、自分好みで、懐いてくれて、
でもいざという時には、ちょっと頼れたり、包容力があったり、優しかったり、
そんな可愛い男の子がいいなあ、と思うのは、当然だわな。
まさに、逆・紫の上計画。


 作家の室井佑月サンが、以前テレビで、
「好きかどうかという気持ちだけで、相手を選びたい」と言ってました。

 別に嫌いな人と今まで付き合っていた、って話では勿論なし。
職業とか収入とか、そういった要素で相手を選ぶのではなく、
純粋に恋だけをしたい、という話。

 でも、そのためには、たとえ相手が無収入のプーでも、バイトに
明け暮れながら、叶わない夢を追ってるような人でもいいように、
女性の側が、経済的に、男性に依存しなくても安定した生活を維持できる、
きちんとした仕事を持った、独立した人じゃないと無理な訳。

 別に、だめんずみたいに、男に貢げ、って話じゃなくて。
意外とこの話すると、自分に都合よく解釈したがる男、多いんだけど。
男の夢を実現させてあげるために、女が出資する必要は、全くないと
私は思うのだが。

 あくまで自分の生活が、誰にも頼らずに成立するのが基本。
男は、人生をさらに充実させるための付属品。日々の潤い。いいなあ、理想だ。



2003年04月20日(日) 職人気質。

 先週に引き続き、国立近代美術館「今日の人形芸術 −想念(おもい)の造形 」展
見に行ってきました。今日は、四谷シモン氏の、ギャラリートークを聴きに。

 都営地下鉄の九段下から、北の丸公園内をテコテコ歩いて移動。
生憎の小雨模様でしたが、お堀の土手には菜の花と紫色の花が咲き乱れ、
ツツジやミズキが満開で、桜の時期とはまた違う趣きで、なかなか綺麗でした。

 さて、肝心のギャラリートークですが、流石は人気のシモン氏だけあって、
展示会場ではなく、近代美術館内のホールが会場。開演10分前に到着しましたが、
すでに満席。ギリギリでなんとか座れましたが、大盛況です。

 今回は、シモン氏と近代美術館館長の対談形式。これがまた微妙で。
質問が曖昧で話が拡散するわ、ちょっと的外れな感が否めない内容で、
せっかく生でシモン氏の話が聴ける貴重な機会でしたが、期待が大きかった分、
物足りなかったかな。館長の微妙に外しつつも一生懸命な感じと、シモン氏の
飄々とした雰囲気の温度差が、面白かったですが。


 参加者からの質問時間も設けられたんですが、これも見事にすれ違ってまして。

 四谷シモンの人形というと、幻想的で耽美なイメージが強く、女性ファンが多い
こともあって、作り手であるシモン氏にも、芸術的でロマンティックな信念や、
作品に対する強い思い入れを、どうしても期待してしまう訳で。
写真や映像でみる、シモン氏の独特な風貌や経歴が、また否が応にも、そういった
期待を煽るような気がするんですけどね。

 しかし、シモン氏本人は、飄々とというか、淡々というか、とても自然体な方で、
自身の創作する人形に対しても、かなりクール。
創作活動を、職人的というか、キチンと仕事として捉えているので、熱狂的な
ファンが期待するような、熱い主張は、今更特にない。

「ご自身が亡くなられて、一体だけ一緒に焼いてあげる、と言われたら、
 どの人形を選ばれますか。」

 と聞かれれば、「特にないですね〜。」と笑顔でかわし、

「完成後も、ずっとお手元に置いておきたいと思われた、思い入れの強い人形は
 ありますか。」

 と質問されれば、「仕事ですから、売れてくれないと困るんですけど。」
 と、ある意味、爆弾発言。
 
 「創っている時はとにかく苦しいので、出来上がったら、もうあんまり見たく
  ないですね〜。時間が経てば、反省点を客観的に見ますけど。」

 と、いたってクール。

 創作途中は自分で作り上げる以上、人形は自分のものだけど、完成すれば、
自分の手を離れ、他人のものになるのだ、という意識が強いのね。

 だから、人形の持つ、場の空気を支配する存在感には、強い興味があっても、
どういった状況で、どのように展示するのかは、人形の所有者や美術館側が
決めることで、こういう風にしてくれなきゃ嫌、という主張はないらしい。


 自分の創作活動についての質問に関しては、全体的にこんな調子だったんですが、
一番好きだという、興福寺の恵心上人の立像についてと、澁澤龍彦氏に関しての
話の時は、一転して、胸に去来する感情のまま語ってくださいました。


 澁澤龍彦氏と四谷シモン氏、澁澤龍彦氏と三島由紀夫氏の交流については、
私が好きなこともあって、何度かこの日記でも書いていますが、奇しくも
シモン氏が今回語られた、澁澤氏の思い出話も、三島由紀夫に関する話でした。

 三島由紀夫の割腹自殺後のお正月、シモン氏が澁澤邸を訪ねた時の話。
あの澁澤龍彦が、子供のように、おいおい泣いたそうです。

 「あの澁澤さんが泣くなんて思わなかったし、後にも先にもあの一度しか
  泣いている姿を見たことがなかった。そのぐらい、衝撃だった。」


 という話は、人形の話以上に、グッと胸にきました。(それもどうかな)


 四谷シモンという人は、本当に純真な人なんだなあ、と感じた講演会でした。
人の思惑など関係ない、自分自身の世界がキチンとあって、興味があることや、
純粋に感動したことを、素直に吸収して、肩肘張らずに自然体のまま表現する
ことが出来る人。

 質問内容はともかく、いろいろな発見のあった講演会でした。



2003年04月19日(土) 題名のない音楽会。

 って、日曜日の朝に、昔クラシックの番組ありましたよね。
小学校高学年の頃、毎週日曜日に塾へ行っていたのですが、朝、通塾の支度を
しながら、ぼんやりと、よく見ていました。

 しかし、幼少の砌、10年もピアノを習っていたのに、上達の兆しも見えず、
今では全く弾けないことからも判るように、私にクラシック音楽への造詣など、
全くもって、皆無です。曲名も作曲家名も、ほっとんど知りません。

 でも、バッハがヅラで、怒るとあの頭を外して投げつけた、という、嘘か本当か
判らない話は、バッチリ覚えています。


 さて今日は、会社の方が所属している、区民オーケストラのコンサートを
聴きにいってまいりました。
私自身は、先程も申し上げたとおり、クラシック音楽の詳しい知識も理解も
全くないのですが、周辺を見回してみると、ヴァイオリンにビオラにピアノに
ハープと、意外とクラシックに慣れ親しんだ人が多い。


 楽器が弾ける、というだけで、私にとっては充分尊敬の対象です。
男性の場合、かなりの好印象です。そして、私の周りの楽器が弾ける男性は、
えてして、楽器演奏が自分の武器となることをよく知っている。

 かつて、戦メリの「Merry Christmas Mr. Lawrence」が好きだ、と言ったら、
その場で譜面なしで、さらっとフル演奏してくれた猛者がいましたが(実話)、
あれでオチなきゃ、女じゃないだろう。客観的に見ると、かなりサムい話ですが、
マジ、惚れた。性格の難なんて関係なく、いきなり3割増くらい男前に見えた。

 
 話が大きく脱線しましたが。

 区民オーケストラですが、クラシックに興味のない私でも知っているような
有名な曲が演奏されたこともあって、想像以上に楽しかったです。
やはり演奏者の顔を直に見ながら音楽を聴くと、当然のことながらCDとは、
全然違いますね。思わず音楽の波に引き込まれて、自然と身体が揺れてくる。

 それでなくとも、クラシック音楽は、構成がはっきりしているので、
私のような単純な人間は、同調しやすい。
グアーッと演奏が盛り上がってくる場面など、来た来た来た〜っと、一緒に
盛り上がって、鳥肌たっちゃいましたよ。


 自分の興味がない分野でも、時には足を踏み入れてみると、新鮮な感動や
発見があって、なかなかいいものですね。



2003年04月18日(金) どっきりチャンネル vol.2

 4月の番組改編で、テレビ番組もすっかり一新。
人並みに、新しい番組のチェックに余念がない、今日この頃。


「動物のお医者さん」
は、人間・動物共に、キャスティングが絶妙でしたが、
ハムテル役と二階堂役の演技が、あまりにも学芸会レベルでちょっとゲンナリ。
動物は、苦労して撮影してるだけあって、予想よりもよかった。
チョビやミケが考えてることが、明文化されてなくても、雰囲気は出ているので、
吹き替えとテロップは却って要らないだろう、と思ったり。

 あと、原作に比較的忠実な脚本ですが、どうにもこうにも詰めが甘い。
動物病院や大学の様子など、専門的な部分が素人目に見ても、かなり曖昧で、
キャラクターの面白さと、動物の可愛らしさだけで、話を進めようとしているのが
ありあり判るというか。

 あれだと、どんどん面白くなくなっていく気がするわ。
確かに動物モノが難しいのは判るけど、原作があれだけ面白いのに、もったいない。


 4月からのドラマで一番面白かったのは、「ブラックジャックによろしく」
深夜の再放送で、第一回放送を見たんですが、俳優陣がみんなとても上手。

主役の妻夫木 聡の、理想に燃える、世間知らずなボンボンって雰囲気が
とても嵌っているし、演技上手なのね。妻夫木クン。ちょっと吃驚した。

 脇を固めてる俳優さんも、緒方拳、三浦友和、杉本哲太、鈴木京香と、アクが強くて、
存在感ある人ばかり。その分、科白に説得力があって、グッとくるシーンが多い。
私的には、極楽トンボの加藤サンが、すっごくツボ。本業の俳優さんの中でも
全然遜色なくて、演技上手いなあ。

 腐ってもドラマのTBSだけあって、医療現場のシーンや脚本も、若干の誇張は
あるものの、素人目には、凄くリアリティーがあるし。
医療活動とそれに絡むお金、という現実を、ただ単に、人命の尊さを説くといった
薄っぺらな道徳観で語らずに、もっと深い部分で問題提起しているように感じられました。

 2回目以降、どう転ぶかわかりませんが、面白そうです。絶対見る。


 深夜番組は、お気に入りだったトリビアの泉の終了で、チョットしょんぼりして
いたのですが、新たに面白い番組がスタートしてますよ!

 フジテレビ木曜24:35〜25:05 「お厚いのがお好き?」
哲学書など、世界に名だたる名著を、判りやすくもユーモアたっぷりな、卑近な例え話で
解説していく、という、フジお得意の、教養お馬鹿バラエティー。

 第1回放送は、残念ながら見逃してしまったのですが、第2回はばっちりチェック。

ニーチェの「ツァラストゥラ」読んだことねぇーーー!!!
ニーチェって、虚無主義だっけ????「神は死んだ」???ああ、聞いたことあるかも。

で、「ツァラストゥラ」の中で、ニーチェは、その当時の欧州の絶対的価値観であった、
キリスト教の教えを、全否定しているらしい。

 で、「神を深く信仰する」→「天国へ行けて幸福な死後」という構図は、只の幻想だ、
とするニーチェの主張を、「ダイエットをする」→「痩せてモテモテになれる」という
幻想に例えて、解説したりする訳。

 こういう卑近な例えって、根本を履き違える可能性もあるから、教育現場などの
人にモノを伝える専門分野では、結構否定的に捉えられるけど、やっぱり人間は
自分の身の回りと照らし合わせて、実感できる事象でないと理解できないものなので、
お馬鹿な私には、このくらいが理解の許容範囲で、丁度いいです。

 「カノッサの屈辱」が好きだった人なら、きっと好きだと思う。
来週は、孫子の「兵法」がテーマらしいので、興味のある方は、是非。



2003年04月17日(木) 記念日。

 人間それなりに生きていれば、1年365日、大抵の日はなんらかの記念日になる訳で。

 それは嬉しく楽しいことばかりではなく、辛かったり寂しかったり哀しかったり、
慌しい日常の中で、時間をかけ徐々に癒えてきた傷が、思い出したように不意に
シクリと痛むような、そんな記念日もあります。

 過ぎ去った時間は決して戻らないし、嘗て味わった悲しみを、感傷的に振り返る
だけでは、先には進めないと、充分判っていますが。

 全てが正しく、満足がいく結果のみの積み重ねで生きていくなんて、到底不可能で、
失敗も痛みも、必ず出会わなくてはいけないものであるからこそ、時には記憶の奥から
引っ張りだして、同じ轍を再び踏まぬよう、考え、努力していく必要もあると思います。

 可哀相な自分の思い出に浸るのではなく、そんな結果しか招けなかった、愚かで
間抜けな自分を叱咤し、前進していくための記念日。

 日々の出来事の全てを、明日の糧にしていきたいものです。 



2003年04月16日(水) サボテンの花。

 3月末に伊豆へ旅行に行った時に買ったサボテンに、花が咲きました。
外側が赤、内側に向けてオレンジ色のグラデーションが綺麗な、八重咲きの花。
とってもラブリー。これからも大事に育てよう。

 動・植物問わず、自分で世話した生き物の成長を見るのは、嬉しく心弾むものです。
自分が一生懸命世話した結果が、顕著に表れているのなら、尚更のこと。

 鮮やかで明るい色のサボテンの花に、最近荒み気味だった私の心も、ホッコリ
温められ、潤されたような気がします。

 寂しかった僕の心に、サボテンが咲いた〜。って、マイク真木か。私は。



2003年04月14日(月) ミカン星人SOS。

 異星人繋がりで。
テレビで、「エイリアン4」やってましたね。
エイリアンシリーズ大好きな私は、勿論見ました!

 4は、私の好きなフランスの、ジャン・ピエール・ジュネが監督だし、
ウィノナ・ライダー出演してるし(演技はそれほど好きじゃないが、ルックスが大好き)、
あんまり評価は高くないみたいだけど、好きだ。
奇形のクローンや、宇宙船のセットの端々に、監督らしさを感じるんだよね。

 シガニー・ウェーバーはシリーズが進むにつれ、どんどんマッチョになってますな。
4では、アップ画面だと、結構年取ったなあ、と感じさせたものの、相変わらず
鍛え上げたガタイしてます。凄いなあ。


 目玉のエイリアンのデザインも、水陸両用になってたりと、随分進化。
リプリーが宿主となったことで、エイリアンと人間のDNAが融合し、最新型の
エイリアンは、人間に近い姿で生まれますが、この最後のエイリアンと、リプリーの
母性愛による結びつきが、今まで恐怖の対象として、全く違う次元で存在していた
エイリアンを、食うか食われるかの関係ではあるものの、同じ生命体として捉えていて、
最後、エイリアンがリプリーによって殺される場面、母親に助けを求める、哀れな
子供のような表情を浮かべているように見えて、ちょっと切なくなります。


 ジャン・ピエール・ジュネは、最近はすっかりアメリで有名になっていますが、
エイリアン4の前の作品もSF。「ロスト・チルドレン」という作品。

仏・西で、ハリウッドに負けないSFを創ろう、ということで、巨額の費用を投じて
撮影された映画なのですが、ハリウッドナイズされたエイリアンのようなSFに比べると、
叙情的というか詩的というか、お伽噺のような、それでいて退廃的で不安定な雰囲気が、
非常にヨーロッパ的で、面白い。

 なにしろサーカスだし、シャム双生児の婆さんに、同じ顔したクローンの6人兄弟の
オッサンに、子供の大きさのままのオバハンだし。
極めつけは、主人公が小悪魔的な魅力の美少女。ハリウッドじゃありえないね。

 衣装担当が、ジャン・ポール・ゴルチェで、セピア掛かって暗い画面の色彩が、
またさらに、ヨーロッパのお伽噺風の世界を演出。
大変判りやすい、私のツボの結集のような映画だった…。



2003年04月13日(日) 薔薇刑。

 昨日の夜、NHKで美輪明宏様の、特集番組を放送していまして。
相変わらず、強い信念と美学を貫き通した生き方だ。

 この人は本当に心が強い人だと思う。
美輪様の主張や思想は、正しいとか正しくないとか、理論的なのかとか、そうした
客観的評価を超越して、説得力がある。一種のカリスマだ。宗教だ。

 自らの手で自由を獲得して生きていくために、差別や貧困や、そういった過酷な
状況にも負けずに、社会の規範や大多数の意見に流されることなく、自分の目で
見て体験し、心で感じて考えた主義主張だから、人の心に響くのだと思うわ。


 「黒蜥蜴」の舞台が公開されたばかりで、その練習風景や実際の舞台の
様子を織り交ぜた構成だったので、番組後半は、三島由紀夫の話が中心。

公私に渉る、美輪様と三島の親密な交流は、有名な話ですが、融通が利かない真面目で
お茶目な三島の人柄が伝わる話が多くて、興味深かったです。

 
 有名なあの耽美写真集、「薔薇刑」が、実は撮影も出版も、奥さんに
内緒だったため、三島邸を訪れた美輪様に、奥様が席を外した時を狙ってこっそり
一部渡したのに、奥様が勘付いて、

「またそんな人様に笑われるようなことをして!」  

 と怒られた、という話が面白かった。確かにあの写真集見たら、そう言いたくなるわ。
(ちなみにこんな表紙 → http://i-debut.org/opinion/m_disp.asp?code=1548

 三島の市ヶ谷駐屯地での自決についても、かなり時間を割いて話していました。
自決の一週間ほど前、美輪様の舞台の楽屋を訪れた三島が、真っ白なスーツに
ピカピカのエナメル靴で正装し、300本の深紅の薔薇の花束を、

「これから先の舞台に、君に贈る全ての分の花束だ」

と言って渡した、という逸話は、何度聞いても胸にぐっとくる。

 彼の自決については、当時のマスコミでは、馬鹿げた凶行、理解不能、といった
見解が多かったようですが、美輪様の、三島が死を自ら選んだ心境についての考察が、
先日読んだ、澁澤龍彦の三島由紀夫論と、大変酷似していて、文面を追うだけでは、
少し理解できなかった部分が、ストレートに納得できて、成る程、と思いました。


 人が自らの生き方を、能動的に決めることは、とても難しい。
人は、この世に生を受けることも、自らの意志では選べない。

 由緒正しい良家に生まれ、祖母や両親の決めるままに、エリートとしての道を歩んで
いた三島は、そんな自分の受動的な青春時代を、恥ずかしく感じていたらしい。

 後年、周囲に笑われようが眉を顰められようが、自らが着たいものを着て、徹底した
管理によって、自己の肉体を改造し、映画や舞台に出演したのも、人に決められた
のではない、自らの意志によって選び獲得した、「自由」を求めていたから。

 彼が素晴らしい作品を生み出したのも、もしかしたら、本来は自在に操ることが
できない、時間や運命といった概念を支配し、自分の精神をその足枷から解放した
かったからかもしれない。

 そして彼は、死ですら、受動的であることを拒み、自らの意志で迎えたかった。

 澁澤龍彦も著書の中で述べていましたが、盾の会での活動も、駐屯地を占拠しての
自決も、表面的な政治的思想は、大して重要ではないのだと思います。
本質は、三島本人が、自らの意志で選択し行動することにある。

 逃れられない刻の流れの中で、せっかく自由意志によって獲得した、鍛え上げられた
肉体は、次第に老い衰えていく。

 自らが作り上げた肉体を、自決によって、自らの手で時間の呪縛から解放する。
つまり、獲得した「自由」を完全な形のまま、自らの手で終わらせること。

 完璧主義の三島の美学が、その死には結集しているのです。


 三島も美輪様も、あの思想や生き方の全てが正しいと、盲目的に信じて崇拝する
必要はないですが、ああいった、真の自由を求めて、日々戦い、自分の目で真理を
追究する姿勢は、私の理想です。



2003年04月12日(土) ピグマリオン。

 今日は、国立近代美術館・工芸館へ。
「今日の人形芸術 想念(おもい)の造形」展 http://www.momat.go.jp/CG/doll/doll.html

 日記でも何度かお話した、私の好きな人形作家、四谷シモンと、吉田良(本当は、
天野可淡の方が好き)の人形が数点、そして、関節球体人形の元祖、ハンス・ベルメール
の人形写真が公開されるというので、これは外せないな、と。

 会場は、他の展覧会に比べ、若いお嬢さん方が多い。しかも自分もお人形さんみたいな、
ゴスロリ調の服や、和服のお嬢さんもいて、一種独特な客層。
吉田良あたりは、ゴス好きビジュアル系バンド好きなお嬢さんなら、絶対一度は目に
したことあるはずだしね。

 四谷シモンは、何年か前に小田急百貨店の個展に出展された作品で、見たことが
あるものだけだったんですが、やはり群を抜いてエロスが漂ってます。
無垢な表情の、中性的な少年・少女の人形なのに、思わず凝視せずにはいられないような、
ザワザワと心に細波を立たせるような、妖艶さ。
ちなみに、人形の顔は、性別問わずシモン本人に似てる…。まさに自己愛。

(四谷シモン公式サイト → http://www.simon-yotsuya.net/


 吉田良の人形の色気は、もうちょっと判りやすい、少女らしい艶かしさ。
赤い着物をぞろりと着流したり、黒いコルセットにガーターベルト、目に包帯を巻いた
少女の人形など。
この人の人形も、似通った顔をしているんだけど、シモンの人形より生々しさがあって、
思わず頬に触れたくなるような感じ。

(吉田良のサイト → http://pygmalion.mda.or.jp/

 ハンス・ベルメールは、関節球体人形の先駆者で、名前は勿論知っていたのですが、
この人の作品を写真とはいえ、キチンとした形で見るのは、今回が初めて。
なんというか…。凄いです。特に、白い靴下と革の靴を履いた少女の下半身部分が
2つ繋がった、異形人形は、写真でもうわ、ヤバイ、と思わせるなにかがある。

http://www.mmjp.or.jp/art-u/contents/surre/bellmer/bellmerj.html

 
 偶然、友永詔三サンという人形作家の方の、ギャラリートークに参加しまして。
この人、NHKで今月から放送されている人形劇、「プリンプリン物語」の人形を
創った人なのです。

 今回出展していた人形は、プリンプリンとは別の作品だったのですが、ギャラリートークに
プリンプリンや、ルチ将軍、花のアナウンサーなどの実物を持ってらして、間近で
見られたばかりか、触らせてくださいました。
全部木で作られているそうなんですが、緻密な造りもさることながら、遊び心満載の
人形たちで、お話もなかなか面白かったです。

 (プリンプリン物語サイト → http://www2.nhk.or.jp/tv50/prinprin/


 赤ちゃんのプリンプリンが、丈の長い、白いベビードレスを着ているのね。
だから身体の部分は外から見えないけど、触った感触で、足がちゃんと付いていたのが
判ったので、ヒョイっとドレスを捲って中を覗こうとしたら、隣にいたカップルに
笑われました…。結局、ドレスの裾が袋縫いになっていて、捲れなかったけど。
 
 なんだか気になるじゃない。ああいう人形の中身って。



2003年04月11日(金) ぶらりみちのく。

 今いちばん行ってみたい場所。
それは、青森県三沢市。青森県の太平洋側の市。

 行きたいと言っておいてなんですが、小川原湖という湖があるものの、青森県の中でも、
特にこれといって目立つ観光スポットもない、小さな街なんですが。
あるんですよ。ここに。

寺山修司記念館が!!
http://www2.justnet.ne.jp/~aomori/hakubutukan/terayamakinenkan.html

 行きたい!!激しく行きたい!!
でも、宿泊費はともかく足代が馬鹿にならないし、遠いから、ピンポイントで
見に行くには、チト躊躇われるのよね…。

 なにしろ、かき集めた情報によると(公式HPすらない…)、意外と施設は小規模だし、
東京から行くには、飛行機で移動しても、さらに三沢市街地まで、バスで約30分。
その上、記念館自体が市の中心部から離れていて、駅前から車で小1時間。
三沢駅前から循環バスが出ている、という情報もありましたが、1日3往復のみ。
移動だけで半日潰れるっつうことですね。


 うーん。愛が試されてる気がする…。
今年はGWも飛び石で、3連休しかないし、纏まった休みが取れないから、本州の
先っちょまで旅行に行くのは、結構厳しいなあ。


 他にも、行きたいのに遠くて行けない場所がいくつかあるのよね。

愛媛県にある、四谷シモンの病院ギャラリー。病院施設をそのまま利用して人形を展示。
http://www.simon-yotsuya.net/oeuvre/hos_galerie/hospital.htm

香川県にある、平家物語歴史館。写実的な蝋人形で、平家物語を再現。
http://www.pasutel.co.jp/person/party/heike/index1.htm

 なかなか同志も見つからないし、果たして潰れる前に全部制覇出来るのか…。
なかなか難しいところですな。



2003年04月10日(木) プレゼント。

 アナタが私にくれたもの〜。ってな感じで。
誕生日にクリスマス、バレンタインにホワイトデーと、色々とプレゼントを貰う機会って
多いですね。お付き合いしている人がいれば、尚更。

 最近、周囲の人と話をしていて気がついたのですが、一人暮らしをしている女への、
お付き合いしている相手からのプレゼントの中で、個人的な趣味趣向に関係なく、
一番ポピュラーなものって、プレステなんですよ。

 そういえば、ウチにあるポケステもPS-2も、自分でお金出してないや。
プレゼントとしてそれほど廉価でもなく、DVDも見られてそれなりに用途がある
という意味では、無難な選択なのでしょうか。

 そして、別れた時に相手に返品する確率が最も高く、且つ、相手が替わったら、
また貰う率が高いプレゼントも、プレステ。

 指輪等の装飾品は、突っ返されても相手の男性も困るだろう、との配慮(?)から、
返品しない例の方が、圧倒的に多いんですが、プレステは、大抵買ってくれた彼氏も
欲しくて、一人暮らしの彼女の部屋に入り浸ることを前提で、プレゼントしている
ことが多いので、自分がお金を出した以上、返して欲しいと思う人がいるらしい。

 今まで付き合った彼氏の数だけ、プレステも替わったという人もいました。
まあ、プレステの寿命は3年程なので(それ以上経つと、大抵不具合が生じる。不思議)、
付き合う人が替わる周期は、結構プレステの買い替え時期としても、適当なようですが。
なんだか確信犯ぽくて、嫌ですね…。


 ちなみに、私は、人を憎んで物を憎まずがモットーなので、一度いただいた物は、
例え贈り主との縁が切れても、普通に使わせていただいてます。
返せ、なんて言うような男は、私のような我儘者と最初から付き合わないだろう。

 というか、指輪など、新しい彼氏が出来てまで使うのに、支障があるようなプレゼント
を貰わないせいなんでしょうが。それはそれで寂しい…。
 



2003年04月09日(水) あかい花、しろい花。

 あんなに満開だった桜もハクモクレンもすっかり散って、瑞々しく柔らかな若葉が
枝に新たな彩りを添えていますね。
白木蓮に替わって、紫木蓮が、すっかり暖かくなった春風にようやく目を覚まし、
フワフワの産毛を纏った蕾を綻ばせ始めました。

 名前のとおり、白木蓮は白い花。紫木蓮は赤みがかった紫色の花を咲かせますが、
厳密に言うと、「モクレン」というのは、紫木蓮のことのみを指すのだとか。
この二つはよく似た近い種ながら、実は別の種類の花なんだそうです。
白木蓮の方が高木に成長し、開花時期も早い。

 ちなみに、清冽な印象から、私は白い花が好きなので、白木蓮はもっとも好きな
花のひとつです。
桜も染井吉野のような薄紅色より、白味の勝った色合いの方が好き。
でも、あんまり自分自身のイメージにはそぐわないのよね。白い花。



2003年04月08日(火) 春眠不覚暁。

 めっきり春めいて温かくなってきましたね。
寒い冬も終わって、朝もシャッキリと、布団から一思いに出られるようになりそうな
ものですが、生温かい布団の誘惑は、収まるどころか強くなる一方です。
タオル地のシーツと柔らかな綿毛布の狭間で、身体が根を張って動けない…。

 ここのところ天気が安定しなくて、満開に咲いた桜も、そろそろ散り透き始めて
きたし、先日の土曜日も、あいにくの雨模様でしたが、昼近くまで寝ていたところ、
近所の雀が、ウチのベランダの軒先で雨宿りをしていて、随分と賑やかでした。
まさに孟浩然の、「春暁」ライクな日々。

 
 ところで「春暁」ですが、あまりにも有名な漢詩で、今更書き下し文で、意訳つけて
私如きが偉そうに薀蓄たれるのも無粋なんですが、井伏鱒二先生の「厄除け詩集」
の訳が、すごく好きなので抜粋しちゃおう。
「厄除け詩集」の漢詩訳は、リズムがあって洒脱で、全部好きだ。粋。


 ハルノネザメノウツツデ聞ケバ
 トリノナクネデ目ガサメマシタ
 ヨルノアラシニ雨マジリ
 散ッタ木ノ花イカホドバカリ


 夜は風雨の音を肴に、独り静かに杯を傾けて、朝は、小鳥の囀りで目を覚まし、
寝覚めの一服をしながら、昨日の風雨に散らされた花を想う。
そんな風に、ありのままに、自然体で生きられたら、理想的だ。
ソウイウ人ニワタシハナリタイ。



2003年04月07日(月) かわいいうさこさん。

 朝、布団の中からゴソゴソとテレビを見ていると、NHK教育で、ミッフィーの
3Dアニメーションをやっていて、目が釘付け。
おそらく、クレーンアニメだと思うのですが、まん丸のミッフィーが、ポテポテ
動いてるんですよ!!
ぐはーーーーっっ!!!可愛い〜。

 さすが天下のNHKの仕事だけあって、滅茶苦茶出来がいい。
あの絶妙なまろみが、私のハートをがっちり鷲掴んで、離しません。
特に、斜め後ろから見たミッフィーの、耳の付け根とまん丸な後頭部が、秀逸。

 ミッフィーは、日本でも大人気のキャラクターですが、私が乳幼児だった頃は、
ミッフィーなんて小洒落た名前じゃなくて、うさ子さんという名前だったはず。
絵本を持っていたので、間違いない。

 去年の夏、新宿三越でディック・ブルーナ展をやっていて、勇んで見に行きましたが、
原作のミッフィーは、長い年月の中で、結構顔の雰囲気が変わっているのですね。
原作ミッフィーは、意外と目が小さくて、キャラクター商品のミッフィーと比べて、
甘い可愛らしさが薄いし。

 ちなみに、ミッフィーのお父さんは、ふわふわさんという名前で、口が×ではなく、
ミッフィーより一本多い、米マークなのです。そして等身が高い。ちょっと怖い。

 あまりに少女趣味なので、グッズはほとんど持っていないのですが、ブルーナ展で
買ってもらった、ゾウに乗ったミッフィーの陶器の貯金箱は、お気に入り。
ゾウもミッフィーもまん丸で、とてもプリチ−。

 基本的に、丸くてポテポテしているものは、可愛く感じて好きなのです。
むっちり太った子犬とかね。我ながら単純だなあ。



2003年04月06日(日) お母さん、もう一度私を妊娠してください。

 昨日、というか今日の深夜から夜明けまで、ちょっと外出。
といっても、ウチの近所のファミレスだったんですが、窓側を向いて
座っていたので、漆黒から群青、紫がかった澄んだ青へと、刻一刻と
染まっていく空の様子を、久しぶりに堪能できました。満足満足。

 朝ごはんを食べてから帰宅。
昨日の冷たい雨空から一転、晴れ渡ったお天気に、洗濯をしてから就寝。
当然、午前中などには起きられず、昼過ぎまで爆睡。

 妹は友達とお花見に行ってしまっていたので、昨日に引き続き、家で
のんびりまったりと、ビデオ鑑賞。

 今日は、寺山修司の、「田園に死す」
白塗り学ラン角帽ですよ。下駄で線路を疾走。家出に母殺しで、少年期の脱却。
短歌の朗読を、寺山修司本人がしてました。東北訛りはともかくとして、
意外と声が高いのが、気になるのよね。

 なんだか、天井桟敷の色々な舞台の要素が、そこかしこに埋め込まれていて、
興味深かったです。
八千草薫が、「お母さん、もう一度私を妊娠してください」って言ったり。
そりゃ、身毒丸じゃなかったっけ?

 映像のインパクトでは、脳内トップ3に入る、寺山修司。
舞台の人だから、映像でも大掛かりで象徴的な舞台装置での、断片的かつ暗喩的
映像の連続で、なんだか脳味噌が、ショッキングピンク一色に染まっていくような、
不思議なトリップ感が味わえます。しかも恐山に賽の河原に奇形サーカス団だし。
J・A・シーザーの音楽が、また癖になるのよね。一種の宗教音楽だ、あれは。



2003年04月05日(土) 薄倖なお姉さんは好きですか。

 久しぶりに、ビデオ鑑賞。
宮沢りえが、モスクワ映画祭で主演女優賞を取って話題となった、「華の愛 遊園驚夢」

 舞台は1930年代の蘇州。人気の歌姫であった、宮沢りえ扮するジェイドは、
ある貴族に落籍され、その第五夫人となり、一人娘を儲ける。
華やかな宴が催される、贅沢な生活。美貌・財力を備えたジェイドは、しかし
屋敷を蝕む退廃と、忍び寄る没落に抗う術を持たない、美しく孤独な、籠の鳥
にすぎなかった。

 彼女の心の支えとなっていたのは、一人娘と、夫の従妹である、ラン。
格式ある家柄に生まれながら、教師として独立した生活を送り、時には凛々しい
男装で現れるランとジェイドは、正反対の存在であるが故に、惹かれあっている。

 次第に大きくなる没落の足音に、とうとうジェイドは娘と共に屋敷を追い出され、
ランの元へと身を寄せる。
誰かに縋らなければ生きていけないジェイドと、必死で支えようとするラン。
しかし、ランに想いを寄せる男性が出現したことで、二人の関係に、微妙な
亀裂が生じ始める。


 一種、同性愛的な雰囲気すら漂う、二人の濃密な空気、絢爛豪華な調度品や
衣装、そして目にも鮮やかな紅葉の風景が、美しくも物哀しい旋律にのせて、
圧倒的な美しさで、訴えかけてくるような、映画でした。
とにかく、綺麗。破滅に向かう美。薄倖の美。それに尽きる。

 宮沢りえは、歌姫という設定なので、劇中歌うシーンが大変多いのですが、
実は彼女の声はすべて吹き替え。
でも、不自然な感じは全くしなくて、もともと台詞が少ない役なのですが、
目線や微妙な表情の変化で、薄倖の美姫を見事に演じきってます。
儚げで退廃的な、散り際の満開の牡丹のような、胸を締め付けられるような
雰囲気に満ち満ちていて、こりゃ、ランじゃなくても手を差し伸べたくなるわ。

 ラン役には、チャイニーズゴーストストーリーのヒロインを演じていた、
ジョイ・ウォン。この人も、スラッとしていて、綺麗。宝塚の男役みたい。
劇中前半は、男装が多いのですが、後半は、シンプルなデザインのチャイナ服
を着ていて、もうシルエットが細くて足が長くて、スタイル抜群。

 ランが想いを寄せる男性役の、ダニエル・ウーも、メッチャ格好いい。
なぜか男性の半裸シーンが多いこの映画。ダニエルも結構長い行水シーンが
あるんですが、涼しげで端正な顔なのに、意外と筋肉質でイイ体してるのよ。


 映像の芸術的な美しさに拘り、ストーリー的には救いがない感じが、なんとも
映画祭受けを狙ったかのような印象がありますが、目の保養になります。
すごく女性的な感性に溢れた作品。監督はオッサンなんだけどね。



2003年04月03日(木) 桜の森の満開の下。

 本日は、急遽KサンとMサンとお花見へ。
赤坂プリンス入り口付近の桜→上智大脇の桜並木→千鳥ヶ淵の桜 と桜三昧。
昨日の雨のせいか、随分涼しかったですが、桜は満開。

 特に千鳥ヶ淵は、大きくて花つきも良い古木が多くて、圧巻でした。
この時期、夜10時まで千鳥ヶ淵緑道はライトアップされているのですが、
狭い遊歩道が、白っぽい桜の天井で覆われ、お堀に雪崩れ落ちそうな勢いで、
土手一面を桜が埋め尽くす様子は、季節外れの雪景色のようでなんとも幻想的
であり、それでいながら冬景色にはない、樹々の生命力に満ち満ちているようで、
思わず見入ってしまうような、圧倒的な美しさ。

 1年にたったの数日間しか、この美しい光景を見ることができないなんて。
いや、たった数日間だからこそ、こんなに爆発的な、生命力に溢れた華やかさが
生まれるのかもしれない。

 じっと貯めこんだエネルギーを瞬発的に放出することで、もっとも美しい刻を
生み出し、それを惜しむことなく、いさぎよく散っていく姿には、儚い、などという
弱弱しい印象は、まったくない。
桜の姿こそ、まさに武士の姿ですよ。日本の漢たるもの、桜のようにあるべきだ。

 桜を愛する日本に生まれて、本当によかった。



2003年04月02日(水) さらば、わが愛。

 日記でも度々取り上げていましたが。
私の大好きな香港の俳優、レスリー・チャンが、昨日1日、亡くなりました。

 突然の訃報を今日の朝のニュースで知り、暫く呆然と画面から目が離せませんでした。

 香港のマンダリンホテルの上階から、転落したそうです。
精神的に不安定になっていた、と書かれた遺書が遺されており、日本でも今年公開
された映画「カルマ」の撮影中から不調を訴え、最近は入退院を繰り返していた、
という話もあるので、ほぼ自殺で間違いないとか。

 まだ46歳。これからも、新しい作品に意欲的に出演してくれて、格好良くて
お茶目で胸を締め付けられるような、魅力的な姿をたくさん見せてくれるのだ、と
何の疑いもなく信じていただけに、もうあの姿が、繰り返し見た映画の中でしか
見られないのかと思うと、なんともいえない、遣る瀬無い気持ちになります。

 基本的に、人が自分の命をどう全うするかについては、たとえそれが他人には
理解しがたい理由であるにしろ、本人の意志で自ら命を絶つことを決めたのであれば、
他人がとやかく言うべきではない、と私は考えているのですが、それでもやはり、
レスリーの死を残念に思わずにはいられない。

 胸に去来する複雑な心境を、上手く言葉に表せませんが。
ご冥福をお祈りします。おやすみレスリー。安らかに。
 



2003年04月01日(火) 春爛漫。

 都内でも、桜が見頃を迎えていますね。
今週末は残念ながら天気が崩れるようなので、花見をするなら今、と思い立ち、
会社の昼休みに、新宿御苑へ行ってまいりました。
平日昼間だというのに、物凄い人出。明らかにサラリーマン風の人が、真昼間から
ビールを飲んでいたり(新宿御苑は酒持ち込み禁止)、お花見気分も最高潮。

 広い芝生広場を取り囲むように植えられた染井吉野が零れ落ちそうなほど
満開で、大変綺麗でした。
新宿御苑は、大きな樹が多いので、かなり見ごたえがありますね。

 桜を眺めつつお弁当を食べた後、少し散策。
御苑内は、染井吉野以外にもたくさんの種類の桜があるので、満開のものもあり、
いまだ蕾のものもあり、すっかり花は散り葉が生い茂ったものと、状態もさまざま。

 桜のほかにも、白木蓮やコブシの花が満開。
特に、樹齢130年にも及ぶ白木蓮の巨木は圧巻。
桜の薄紅色と、白木蓮の僅かに黄緑がかった白が折り重なる様子は、桜だけが
群生しているよりも、清楚な印象があって、なかなか趣き深いです。

 一般的に、桜の樹が群生している方が、見応えがあるように思われていますが、
白木蓮や芽吹いたばかりの青柳に寄り添うように咲く桜の方が、しっとりとした
可憐さがあって、私は好きです。
量の勢いよりも、コントラストの美しさを愛でる、そんな花見もなかなか乙です。


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