2004年04月29日(木) |
■太鼓たたいて笛ふいて |
林芙美子の半生の舞台化。 初演の時から、見たかった。。。 そして、初演が終わった時点では再演化が決まっていた という驚異の舞台。
のくせに、林芙美子=「放浪記」←しかも読んでない、 知らない自分の認識の甘さを恥じちゃう位、 面白くて、心にしみいるのです。
劇の構成は、ミュージカルじゃない、 あくまで音楽劇で、違いはというと、 伴奏がピアノだけというシンプル差だけではなく、 こう、劇中の歌が、鼻歌を歌うような感覚で、決して歌ったり 踊ったりすることが、大仰じゃなく、 日本人の身の丈にあってます。特に戦前−戦後の、 日本らしい、 「滅びるにはこの日本、あまりに美しすぎる」日本に。
井上ひさしって、やっぱり上手いのですよ。何もかも。 長いけど。
私は第二次世界戦、国民に戦況を伝えるために、 作家を用い、文字通り、 「太鼓たたいて 笛ふいて」国民を踊らせるペンの力の 存在なんて、知らなかったし(←不勉強?)
戦場に行って傷ついて戻ってきた人が、途方に暮れながらも、 ぼろぼろの本を読んで、ちょっとだけ救われるというのに、 やはり、じーんと来るのです。 (というか、泣いた。私だけじゃなかったけど)
役者さんでは大竹しのぶがいいのですよ、、やっぱ。 がらっぱちというか、野田秀樹が作った一人芝居の、 「売り言葉」の高村智恵子とエンギはあんまりというか、 そんなに変わらないような気がするんだけど、 でも、そんなことはどうでもいいの。 ホンを伝える術、 役に入り込む術は素晴らしいの!!!
というか6人の登場人物が皆、いいのだけど。 ムスメのナマ原稿売っちゃう、おかあさんとか(笑) 音楽プロデューサーから、特務機関を得て、 ラジオのデレクターに華麗に転身する三木さんとか。
そして、彼を通して、改めてマスコミの功罪を考えさせられます。 やっぱ戦争はいけないよ。←子供のような書き方ですが、 だって、傷つくのはいつも兵隊さんなんですもの。
でも、そのこととは関係なくもないけど、やっぱり関係なく、 この舞台は素晴らしかったです。 楽日だったのですが、スタンディングオペレーションがっ。
いや、ワタシ、こまつ座、そんなに回数、こなしている方では ないのですが、やっぱ芝居にはスタオペ←いいのか、この訳し方で。 しやすいというか、おきやすいものと、おきにくいというか、
こう、紙に火が点くのは簡単だけど、 炭だと付きにくいじゃないですか。その炭がついちゃうって、 改めて、脱帽せずにはいられないのです。
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