2001年09月12日(水) |
■セッツアンの善人。 |
ブレヒト作。 セッツアンという中国をモデルにした 架空の街で、たった一人でもいいから、 善人を見つける為に地上に降りてきた 3人の神様は娼婦、シェンテ(松たか子) から一夜の宿を提供して貰います。
彼女を善人と定めた神様は そのまま善人で居なさいと彼女に命じ、 その助けになるようにと、宿賃として 銀貨を置いていくのです。
そのお金を元に小さなたばこ屋を 開いたシェンテの元には彼女に たかろうとする貧しき人々がわらわらと。 全ての人を救うどころか、 自分さえ危うくなっていくシェンテを救うために 現れたのは冷酷な従兄、シェイタ。 それは、シェンテの二役で・・・と、 いうお話です。
あらすじだけじゃワケ判りませんけど、 まあ、とりあえず雰囲気だけで。
えーと、テロ事件の後に観に行ったので、 (チケットがそうゆう日だったから) 「たった一人の善人さえ居れば」と、 しっぱなから、神様が叫ぶたんびに、 ぼろぼろ泣いてました。
一人の男とマジメに付き合いたいけど、 お金を稼ぐために娼婦をしている シェンテが、自分もビンボーできゅうきゅうなくせに 人にコメを上げたり、宿を提供したりと たかられ放題な所が、誰かを思い出さずには いられません。 ↑これは極めて個人的な感想なんですけど。
良いことをして地上を守っちゃうのも人間なら、 その誰かが守った地上を壊してしまうのも 人間だと考えると、やっぱ切ないです。
ちなみに3人の神様は黒人と白人と 黄色人の斉藤晴彦で、やっぱいいんだわ、この方。 なんだか中間管理職みたいな神様で、 温かみがあって、人間を信じている。 そのくせ、結局ラスト場面でシェンテを 本当の意味では助けてくれない所も 神様らしい気がして・・・。
ちなみに松たか子が恋する男が、 岡本健一=ヤンスンなんだけど、 こいつが悪い奴でさ。女にカネをたかるし。 母親、泣かせるし。 別で観に行ったお芝居友達の方は、 「騙されてもいいや」とメロメロになってしまった そうですが、私は腹が立ちましたね。
後半、男のせいで煙草屋を手放す羽目に なり、かつ妊娠してしまってにっちもさっちも いかなくなったシェンテが封印していたシェイタ になって、たばこ工場を作り、 そこの主任をヤンスンに任せるんだけど・・・
松たか子が男の為に帽子をプレゼントするの。 主任に相応しい身だしなみをっていうんで。 それまでは冷酷な煙草王なんだけど、男に 帽子をあげて、整えている仕草は乙女のそれなのに、 空気が切ないのに、 ヤンスン、気がつきやしないの。 あんた、莫迦だわと、又、(;_;) 私の萌えポイント。 えーと、最後はスラムの天使シェンテが シャイタに軟禁されていると、町中が大騒ぎになり、 (文章で読むと?と思うかもしれませんが 舞台で見ていると違和感ありません) シェイタが裁判に掛けられる。その裁判官は3人の神様。 そのことに気が付いたシェイタは、神様達と 4人だけになり、洗いざらいと告白する。そして、 神様が下した決断は・・・
「そのままで居なさい」と。 「月に一度くらいはシャイタになってもいいから」 でも、天上に昇っていく神様にシェイタは懇願するんです。
「助けて」と。
・・・長いですね。休息入れて、3時間半でした。 でも、長さをあんまり感じさせません。 松たか子は舞台で清楚で可憐で、しかも 美しいヒロインだったし。 舞台で、それをやれる方は貴重なんだよぉ。 と、熱弁奮ったから、上のお友達は観に行くことを 決めたそーです。はは。 思えば私のたか子らぶらぶもセッツアン初演から でした。はい。 cobaの音楽と歌も良かった。CD出ないかな。
トータル的におもしろかったです。 チケット安かったら、もう一度、行ってもいいなと 思いました。うん、でも芝居ってのは体調とか 気分によるから、その芝居だけを楽しめるように 早くならないかなと思ってみたり。祈ってみたり。
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