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■ 家出
我が家のパンちゃんが、行方不明になった。
とてもおりこうな子で、放してやっても絶対に帰ってきた。 散歩に出すと,フンをする場所をちゃんとわきまえていた。 ラビットフードの中に,一粒ドッグフードを混ぜてみても,きちんと見分けて決して食べてしまわなかった。
シエロ君とも仲良くて,いつも隣りで寝そべっていた。 リーちゃんとは、、たまに追いかけられたりちょっかいをかけられてはいたが、それもじゃれあっているようであった。
そんな,パンちゃんなのに…。
3日前から,家に戻ってこない。 いつもなら朝には帰ってきているはずなのに、待てど暮らせど一向に姿が見えない。
おばあちゃんは言う。 「何かに捕られたに違いない。多分野良猫か狐に…」
そんな…。
3日前,あれは今日のようにとてもとても暑い日だった。 一日中ケージの中の生活を送っていた彼だったが、夕方、子供が扉を開けた。 パンちゃんは、暑さから開放されたかのように飛び跳ねながら,涼しい場所へと向かった。
私が見たのはそれが最後だった。
その晩,パンちゃんは帰ってこなかった。
開け放たれた扉の中に置かれた、大好物のラビットフードも残したままで…。
しばらくして,ふと気がつくとラビットフードがすっかり無くなっていた。
(パンちゃん!戻ってきたのか?)
ケージの傍らで,シエロ君が舌なめずりをしていた。 そう、パンちゃんのための夕飯を平らげてしまっていたのだ! ったく…。 (パンちゃんは決してドッグフードは食べないのに,何でこいつは人の分まで食べてしまうのか!) 自分の夕飯と,パンちゃんの夕飯を平らげた彼は満足そうにあくびをし、目を閉じた。
(なんてこった!)
そんな私のほうをチラッと見て,シエロ君はその場を去った。
そいて、次の日もそして、又その次の日も,パンちゃんは帰ってこなかった。
多分もうパンちゃんにあうことは無いのだろうか?。 パンちゃんは、やはり誰かのご飯になってしまったのだろうか?。
さようならなのか?、パンちゃん。。。
でもね、あなたの部屋の扉はいつでも開けてあるからね。 もし、ただ単に旅に出ているだけならば、またここへ戻っておいで!
私達家族は,君のことをいつまでも待っているから…。
2002年07月26日(金)
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