海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2003年06月30日(月) ゲツマツ

は〜〜〜〜〜〜。厳しい月末でした。

ただでさえ振るわない6月の売上が、今年は輪をかけてよろしくありません。不況やら、飲酒運転の取り締まり強化やら、さまざまな要因がからみあっているのでしょうが、一番響くのは地元消費の低迷です。

午後おいでになった東洋商会(安土町で吟醸酒醸造用のいろんな便利な道具を製造販売しておられます)の高木社長と雑談していますと、経営を学生にたとえ、こんな笑い話がでました。

「昔は60点の経営でやっていけた。今は90点以上の経営をして、なおかつスポーツが国体級であるとか、絵がずばぬけているとか、そういうセミプロ級の特技を持っていないと事業を拡大していけない。」

まことにその通りです。ただマジメに朝から晩まで働いているだけでは、売上を右肩あがりにできなくなってしまったのです。

マジメに働くことはもちろん、新しい発想やアイデア、強力なリ−ダーシップがさらに一層求められているのだと思います。

下をむいていても仕方ありません。暇なときには、時間がなくてできなかったことをやりましょう。

明日への顧客開発のために、ホームページの充実や、中元ギフトのDM発送などをがんばりましょう。

PS.この日記を見て専務あてに融資の電話をしても取り合いませんので、ノンバンク(邦語訳/高利貸し)の皆様はムダな電話代をつかわないように。






2003年06月29日(日) 理科教室2年生

7月1日にホームページの表紙を更新するため、午後からデジカメをもって取材です。ウェブマスターの幡さんがせっかく頑張っているのですから、できるだけ活きのよい情報を仕入れねばなりません。

いまのところ、滋賀県の蔵元では一番イキのよいサイトだと自負いたしていますので、少なくとも1年間はこのハイテンションでやってみようと思っています。

夜、一杯やりながらホームページのことを考えていると、いろんなアイデアがわいてきます。みなさんに造り酒屋の1年を、できるだけ身近に、ユーモアーをまじえて疑似体験してもらうためにこれからもがんばります。

7月からは、週がわりでマキノ山田錦の田んぼを定点撮影したコーナーがアップします。2ヶ月くらいたまったら、コマ取り撮影風のアニメにしてみようかと思っています(NHK教育テレビ理科教室2年生のアサガオの観察を御想像ください)。

お酒の話題ばかりでは食傷されると思いますので、マキノの観光情報も、より地元密着した、ローカルな話題を提供していきたいと考えています(何をかくそう、ほろよいはマキノ観光協会特産品部会理事などという、訳のわからない仕事をしているのです)。

「地方限定キティちゃんをさがせ(地キティをさがせ)」のコーナーもこれからますます充実させていきます(とりあえず滋賀限定キティを専務が営業の途中でさがしてきます。浜大津の琵琶湖汽船お土産売り場に1種生息しているという未確認情報がはいっています)。

7月1日には、ほろよいと、幡さんの共同作業で、竹生嶋のホームページがより魅力的に更新されます。

乞う御期待。








2003年06月26日(木) マキノ吟吹雪の会

昨年からJAマキノ町の後押しで、マキノ町産の「吟吹雪」を仕込みに使わせてもらっています。JAマキノ町さんは特産品開発の一環として、マキノ産コシヒカリ「清水桜」というブランド米をすでに販売していますが、ほろよいの蔵が地元マキノ町で山田錦を栽培していることを知り、酒米もぜひやってみたいと打診がありました。

徳島や兵庫に大切にしている栽培者があるとはいっても、弊社はやはりマキノの地酒屋です。やる気のある地元の栽培者さんが手を上げている以上、ひと肌ぬがないわけにはいけません。

マキノ町蛭口の安井保雄さんと、寺久保の久保井五夫さんが吟吹雪をつくてみようということで、昨年は2人で約8反(80アール)作付してもらい67俵の収穫がありました。

品質はモミ摺り(表皮であるモミガラを除去して玄米にする作業)直後は、未熟米や汚い玄米が目立ちましたが(あとで聞くと1.9のふるいで選別したのが原因でした)、2.0のふるいで2度選別しますと、見違えるように綺麗な米粒ばかりになり、みごと米穀検査は1等にとおりました。

吟吹雪は「玉栄」という滋賀県の酒造好適米に「山田錦」を交配した大粒米なので、血統上、心白の出現率は高いのですが、マキノのそれは、ほとんどに心白が入った優秀なものでした。

今年は、お二人の吟吹雪だけで「竹生嶋・純米酒」を仕込み、いつにまして味わいの濃いコクのある純米酒ができあがりました。

今夜はそのお米で仕込んだお酒のおひろめを兼ね、JAマキノ営農販売課長の伊吹さんと、安井さん、久保井さんと、ほろよいの4人(マキノ吟吹雪の会と勝手に名前をつけました)で駅前の「ととろ」で宴会でした。

宴会で3人さんと歓談しながら、ほろよいは、しのび持ったデジカメで皆さんの笑顔を狙います。実は、このお酒の裏張りに2人の顔写真を入れようという思惑があったからです。

いつもはいかついお二人さんも、お酒を飲めば笑顔満面、いいお写真がとれました。さっそく顔写真入りの裏ラベルをつくらねば。

吟吹雪を植えた田んぼは知内川の中流域にあり、今さかんにホタルが飛んでいるあたりで、いわゆるマキノの「里山」の1部を構成している田んぼです。ここでとれたお米で酒造りをすることで、里山の保全に間接的にお手伝いできるのもうれしい話ではありませんか。

もう数年栽培を続けて、お二人が吟吹雪の栽培に慣れたら、マキノ里山の地酒として、新しい商品設計で、純米吟醸あたりを造ってみたいなあと夢見ています。



2003年06月25日(水) 粕出し

そろそろ奈良漬用の酒粕が出回る季節になってきました。

個人的には7月も半ばすぎの、少し茶色っぽくなったくらいが漬け頃かと思いますが、最近どんどん出荷時期が早まり、生白い粕が市場に出回るようになっています。

これでも漬からないことはありませんが、精がきついのか漬けるものによっては形が崩れてしまうことがあるようで、もう少し熟成が進み、ベッコウ色になって味が慣れたくらいのものを使った方が結果が良いと大奥様は申しています。

とはいえ注文もちらほらと入りはじめ、お客様を待たすわけにもいきませんので、今日は社員さんに、今年はじめてタンクで熟成させていた粕をスコップで掘り出し、4キロ入りの袋詰を詰めてもらいました。

昨今は、液化プラントで醸造したお安いパック酒が増えてきたためか、昔のようなエキスのある粕が少なくなり、昔からの醸造方法で造っている地酒粕に人気が集まっています。(この事情について詳しく知りたい方は、弊社のホームページ蔵だよりのコーナー「酒粕がおかしいぞ」を御参照ください)

7月にはいり、夏本番となり、キュウリや瓜などが次から次へとなり始めると、田舎のお爺さん、お婆さんたちは、食べきれない分を塩漬けにして、どんどん粕に漬け替えていかれます。

7、8月は生酒の出荷と奈良漬粕の出荷で、また少しばかり忙しい日が続きそうです。




2003年06月24日(火) 今日は銀紋のビン詰めでした

午前中、銀紋普通酒のビン詰めでした。

これからどんどん暑くなるので詰口本数は800本程度、これでまあ1ヶ月分くらいでしょうか。日本酒メーカーにとって、2月、6月、9月は需要が中途半端で、売上に苦心する月の代表です。

銀紋はいわゆる晩酌用の酒なのですが、原料米は金紋本醸造とほぼ同じ米を使い(やや加工用米の量が多いくらい)、麹はすべて玉栄、オール精米歩合65%で、白米1000キロあたりの100%醸造アルコール添加量が200リットルと、このクラスのお酒としては、かなり原価の高い酒を入れています。

ところがどうも最近売れ行きがよくありません。お客様がもっとお安い酒に浮気しておられるのか、焼酎を飲んでおられるのか、飲酒の取締りが厳しくなったから飲む機会が減ったのかよくわかりませんが、弊社の売上のかなり大きな部分を占めるお酒の売上が減っていくのは、ボディブローのように経営に響いてきます。

純米酒や純米吟醸酒の生原酒が好調とはいえ、銀紋でへこんだ売上の穴を埋めるのは並大抵ではありません。はやく梅雨があけて夏本番となり、生酒がどんどん売れればよいのに。

月末を前にグチをこぼすほろよいです。




2003年06月23日(月) 呉越同舟

今日は湖西5蔵元セットのセットアップの日です。

作業場には9時前に到着。すでに大方の小売組合の役員さんと、各蔵元さんがお待ちで、すぐに流れ作業ができる段取りを開始。最初にきっちりと作業の準備をしておかないと、300セットの化粧箱の組み立てや、各蔵元のお酒を1本ずつ入れていく作業能率が悪くなります(ルーズに作業すると絶対ひとつの箱に同じお酒がダブってはいってりして、最後に余ったり、足らなかったりして泣きを見ることになります)。

とはいえ、みなさんお店や会社にかえれば一国一城の主なので、あれやらこれやら各自が良いと思ったとおり動かれるので、なかなかうまく事前準備ができません。

これはもしかすると舟が山に登るかなあと危ぶんでいましたが、30分ほどかかり、ようやく準備完了、流れ作業が始まりました。箱を組み立てる人、酒を箱に入れる人、できたセットを車に積んでいく人、まあまあなんとか順調に流れていきます。

酒販業が元気だった時代は、いろんな利益のでる商材があって、みんながお互いにライバルで競い合い、共同で地酒をセットして販売するなんて発想はうまれなかったのですが、今は量販店やDSと勝負できる商材がほとんどないといってよいでしょう。なんとか消費者さんに興味をもっていただける商品を自分たちの手でつくっていこう、という意欲がみなさんに出てきているのかもしれません。まさに呉越同舟を地でいくような光景です。

せっかく汗を流して作った商材です。ぜひとも将来への展開につながるような販売ができることを祈っています。

「こんなもの売れやしない、酒販青年会もムダなことをする」などと考えている小売さんがいたら(絶対いるんですが)、怒られるかもしれませんが、こう申し上げたいと思います。

「それじゃ、あなたは何を売ってこれから生活していくんですか?」

ビール?大手のパック酒?
……「仕入れ価格では勝負になりませんな。」

ワイン?
……「フランスやドイツのワイナリーに1度くらい行ったことはありますか。きちんとお酒の説明ができないと消費者さんや、有名レストランのシェフは相手にしてくれませんよ。ところで少しはフランス語できるんでしょうね」

焼酎?
……「もうあらかた、乙類焼酎の有名ブランドは有力な小売さんに押さえられてしまい、なかなか新規の取引は無理でしょう。ところで1度くらい宮崎や鹿児島のメーカーに見学にいったことはありますか、これからというあなたはもう遅過ぎます。」

結局、地酒しか選択肢はないと思うのですが。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
御案内

湖西5蔵元セットを吉田酒造でも販売いたしております。
24日午後2時現在、12セット残っていますので、御希望の向きはメールかお電話にて御注文ください。在庫限りにつき、売切れの場合は御容赦のほど。






2003年06月21日(土) 泰山鳴動してネズミ一匹

食道内24時間pHモニタリング検査の結果を聞きに、きのう京都府立医大病院へ行ってきました。。病院通いも3日もつづくとほんとにゲッソリです。予約をいれてあるので、指定時間に受付へ行き20分ほど待って、先生の診察室へ通されました。

結果はシロ。食道への胃液の逆流は見られず問題ないそうです。今後、胸焼けなどを感じたら来院してくださいということで投薬もありません。「泰山鳴動してネズミ一匹」どころか、ネズミも出なかったというお粗末。

まあ、なんともないのが一番で、読者の皆様にも御心配をおかけいたしました。

病院をあとにして北大路通りの「おうむ亭」さんに、今夜のイベント「近江銘酒蔵元の会20本セットを楽しむ会」に使うお酒をお届けして、ちょうどお昼時、御自慢の日替わりランチをいただきました。こういう心配事が失せた後のごはんは、まことに美味ですねえ。

午後は県庁前の滋賀会館(いつもいい名画をやっているんだよねえここは。私が大学時代にがんばっていた京一会館を思い出します)にある滋賀県酒造組合連合会で「近江銘酒蔵元の会」の正副部長会議、今年8月の総会で役員改選があるので新役員の構想などを意見交換しました。

マキノへは午後8時に帰りつき、マキノ町観光協会の臨時総会に出席、新理事の選出。ほろよいは特産品部会を代表して理事を勤めており、今回は後任に成り手がなくあと2年理事を勤めるハメになりました(サマーカーニバルの協賛金集めとか苦手な仕事があるんですよこれが)。

総会が終わり、駅前の「栄とこ」で一杯、御主人の谷口さんと怪気炎をあげ、帰宅は午前様。はーしんど。

(金曜の日記なのですが、日付を土曜にして書きこんでしまい、どうも訂正がきかないようなので、きのうの日記としてまとめています)














2003年06月19日(木) チーズとお酒

午前11時、24時間pHモニタリング検査のチューブを抜いてもらいました。入れるときは20分くらい痛い目をしたのに、抜くときはスルスルとたった5秒ほどです。

ただこれだけのために京都府立医大病院に出頭するのもなんかもったいないなあと思いながら、開放されたほろよいは河原町通りをバスで南下、高島屋に向かいました。来月「お酒とチーズの会」に呼んでもらっているので、すこし下調べをしておこうと思い立ったのです(昨日のバカツキでふところも暖かいしねえ)。

チーズ売場を探して日頃うろついたことのないデパ地下をうろうろ。平日の昼前にこんなところをうろつくのはどうも苦手です(闊歩しているのは、ほとんど御婦人ばかり)。

程なく売場をみつけたほろよいは、チーズを物色です。白カビタイプのチーズを2種類、ウォッシュタイプとブルーチーズを1種類ずつ買って帰宅しました。

夜は「常温熟成 純米大吟醸 鬱金 1993年」「常温熟成 吟醸原酒 忘憂」「純米吟醸生 雪花」「竹生嶋 大吟醸」の4種類をワイングラスに入れ、4種類のチーズと食べ合わせ。

鬱金と忘憂の藁や古木を思わせる重厚な含み香は、ウオッシュタイプの癖のある香りを包み込み、やや塩加減の強いトロリとしたチーズの味わいと渾然一体となって、鬱金はマイルドで重厚な甘味、忘憂はコクのある辛口の味わいを口中に広げます。

2種類の白カビタイプのチーズは、さわやかでしっかりとした酸がありやや甘口の雪花や、軽快でフルーティーな香りとドライで切れのよい大吟醸でも十分に、四つに組めました。

青カビタイプで、塩味のきついブルーチーズは、もちろん鬱金や、忘憂の包容力のある味わいに違和感なくたのしめました。

物の本によりますと、チーズはメチオニンやアスパラギン酸など各種アミノ酸成分が多く含まれていて、肝臓の働きを助ける働きがあるそうで、まさに雑飲性アルコール生物のほろよい向けのお酒の肴といえましょう。










2003年06月18日(水) 食道内24時間pHモニタリング検査

先月16日の日記で書いた通り、京都府立医大病院で胃カメラを呑んだほろよいですが、その検査結果に担当の消火器内科の先生が注目されました。

食道内が軽い炎症を起こしているのは(胃カメラの写真では白く移っているんですが)強酸性の胃液が食道に向かって逆流しているのではないか?

と、いうことで食道内24時間pHモニタリング検査なるものを受けるハメになってしまいました。これは、チューブ状のpH(酸性、アルカリ性の度合いを示す数字)センサーを24時間胃と食道内に留置し、その値の変化を記録する検査です。

具体的には、鼻の穴から5ミリ弱の細いチューブを挿入して食道を通して胃袋まで垂らし、先端のpHセンサーで胃の中のpHを、中ほどのpHセンサーで食道のpHをはかって、肩からぶら下げたトランジスタラジオほどの記録器で24時間記録しようというものです。

言うのは簡単なのですが、鼻から胃袋にチューブを挿入するのに一苦労。ケツの穴の小さな人間はたくさんいるようですが、鼻の穴の小さな人間は私くらいで、なかなか鼻を通過してくれません。何度も何度も痛い目をしてようやく成功。ほろよいはすでに涙目です。

チューブと記録器を固定したら、あとは「24時間普通に暮らして、明日抜きにきてくださいね♪♪。」と女医さんはやさしくおっしゃるのですが、鼻の穴からビニールチューブを垂らして腰の機械につないでいるような輩を、普通の人間とは見てくれないでしょう。

というわけで、午後は顔を大きなマスクで隠し(SARS患者ですなこれは)、コードと機械はラフなシャツの下に隠して、久しぶりの河原町遊興です。

といって一人ですることもなく、御馳走をたべるのも食道にビニールチューブが垂れ下がっている身ですから、不自由なことこの上ありません。

やむなくパチンコ店に入り、銀玉と戯れていますと(大学生のころはよくやったのですが、社会人になってからはほとんど御無沙汰状態、コンピューター化して腕より運のお遊びになってしまったからねえ)、神様がほろよいの身の上を哀れんでくれたのか、大当たりが出ます出ます。夕方6時までかかって、2万7千個の銀玉をゲットしました。

下向き加減のほろよいの顔が、上向きかげんになったのはいうまでもありません。




2003年06月17日(火) ヱビスの<黒>

サッポロのヱビスの<黒>が人気だそうです。新聞紙上では生産がおいつかず、出荷をストップしているとのこと。ネットでもいろいろ取り沙汰されています。

雑飲性アルコール生物のほろよいとしては、とるものもとりあえず、滋賀酒販今津支店で350ml缶24本入り1ケースをゲット!今、日記を書きながら呑んでます。

感想は……?

中途半端やなあ〜。黒ビールというよりはハーフ&ハーフ(黒とラガーを半分ずつまぜたもの)ですなこれは。ギネスの黒のほうがコク、香ばしさ、クリーミーさ、すべての点で勝ってます。前にアサヒも黒ビールを出していましたが、これも似たようなものでした。ジャパニーズビールの金看板<ヱビス>が泣きますぞ。どうやらマスコミの大騒ぎは、つくられたもののようです。

なぜ、日本人向けにアレンジする必要があるのか私にはよくわかりません。本場ズバリの風味で勝負したほうが差別化できていいのではないかと思うのですが。

不毛なシェア争いは、アサヒとキリンとお調子屋のサントリーにまかせて、サッポロは独自の商品路線をとってほしいと個人的に思っています(だってビールに地方色があって独立独歩でがんばっているのはサッポロだけでしょう。南の雄オリオンはアサヒと業務提携しちゃったからねえ)。

これまで日本のビール業界がやってきた、容器競争(昭和60年代)、ドライ競争、DSを舞台にした安売り乱売合戦、発泡酒競争(ここ最近)は、日本のビール業界の進歩につながったのでしょうか。

サッポロだけがこの自由競争に名をかりた付和雷同競争から脱却し、独自の路線をとれる立場にいるのではと私は考えています。

大卒の社員を山ほど抱え、資金も潤沢、頭のいいひとが沢山いるんだから、各社もっと変わったことをしてくれよう〜。




2003年06月16日(月) あと1本

飲み屋の注文ではありません。

今日、サーマルタンクでマイナス3度で冷蔵していた、生原酒1.370リットルほどをビン詰めしました。半分は生のままプレハブ冷蔵庫で、残り半分はビン火入れをして年末用に熟成です。

6月にはいり時間的な余裕もでき、プレハブ冷蔵庫もいささかすいてきましたので、2本のサーマルタンクで囲っていた生酒のうち1本を片付けてしまい、残りが「あと1本」です。

余裕をもって氷点下で生原酒を冷蔵できるサーマルタンクの能力はたいしたものですが、この梅雨空では湿度が高く、断熱していない露出部分の結露がひどいものです。もう1本のほうもできるだけ早くビン詰しなければ。

もうじき始まる、夏の冷酒商戦に期待です。




2003年06月15日(日) 草刈りサンデー

ボランティアで草刈りです。

ほろよいの町はずれにある「奥田沼」が、去年親水公園として整備され、小学生が、柳や桂、クヌギや桜などを記念植樹してあるため、年に何回かは草刈機をもっていって、ボランティアメンバーとして草刈りをせねばなりません。

県や町の方たちが、草ぼうぼうになった沼地を整備してくれるのはありがたいのですが、後の管理が大変です。

植えた苗木もまだ小さいので、ほっておくと雑草やツル草に負けてしまいます。1本1本に植えた子供の名前がつけてあるので、いいかげんなことはできません。

3時間程度かけて、そこそこまで刈れたので作業終了となりました。東小学校の校長先生や教頭先生も、日曜にもかかわらず出役でご苦労様でした。

それにしても、先週の日曜は小学校の環境整備で草刈り、今週はこれで草刈り、もう少しするとマキノ山田錦の畔草刈が必要になってきそうです。

日曜といっても完全休養というわけにはいかないようで、
ハーしんど。



2003年06月13日(金) フリーズ

今日は「湖西5蔵元セット」の折込みチラシの作成です。

ダミー瓶のセットを預けて、撮影やら、キャッチやら、文章やらを全部印刷会社におまかせにすると楽なのですが、酒に素人の人間がデザインしても、お客様の財布のヒモをゆるめさせるものを作るのはまず無理です。

ましてや、23日には手配り分を完成させるという話なので、ほとんどこちらでデザインを仕上げてしまわねばなりません。こういう仕事は嫌いではないのでお引き受けするのですが、各蔵の写真や酒の説明文、キャッチフレーズなどを考えているとけっこうな時間がかかります。

幸運なことに年末ギフトのラフなデザインが、コンピューターのハードディスクに残っていたので、それを原型にして作成です。

あれやこれや、写真をいじり、文章をいじり9割がた完成したところで、コンピューターが突然のフリーズ!どうやっても復旧しないので、泣く泣くコンピューターの電源を切って再起動。ほろよいの3時間の労働が水の泡に帰してしまいました。

結構写真(特に商品写真は大きく引き伸ばすのでデータが重い)の枚数が多いのでいやな感じがしていたのですが、案の上のトラブルです。

なんとか作りなおし、ハードーディスクに上書き保存してやっとこ一安心。MOにコピーして印刷会社さんに渡してきました。

今夜はしっかりハードディスクをデフラグしておきましょう。







2003年06月12日(木) 湖西5蔵元セット

高島郡(今津酒造組合管内)でお酒を造っている、5つの蔵元のお酒をお中元用に詰め合わせた、「湖西5蔵元セット」の打ち合わせに今津小売酒販組合まで行ってきました。

セットの内容は300ml詰で

萩の露(高島町)    限定吟醸酒
不老泉(新旭町)    純米吟醸
松の花(新旭町)    吟醸生貯蔵 花ある郷
琵琶の長寿(今津町)  限定吟醸 吟醸り(ぎんつくり)
竹生嶋(マキノ町)   純米吟醸

と、いずれも個性(一癖?)ある、蔵元の銘酒ぞろいで3000円(税別)とはお買い得。郡内の蔵元を走り回って買い集めることを考えれば安いものです。

特にこの酒造組合のメンバーは、すでに全国区銘柄として活躍している蔵や、滋賀県全域で広く販売している蔵元、他の蔵ではちょっとマネできない酒母の技術をもっている蔵や、地元で圧倒的なシェアをもっている蔵など魅力的なところばかりで、消費者さんにとってもうれしいセットです。

小売屋さんにとっても、DSに山積みしてある、定価があってないようなビールや発泡酒のセット、大手酒造メーカーの冷酒セットに比べ、値堅く販売できるうれしい商品です。

価格競争は自由主義経済のならいですが、えてして行き過ぎがおこり、自身の経営を脅かすような不毛な値引き合戦になりがちです。

また、値引きしている商品がいつのまにか、輝きを失い、消費者さんにとって魅力のない陳腐なものになってしまうのも不思議なものです。

マクドナルドのハンバーガー安売り攻勢のてん末や(ほろよいが大学生のころ食べたビックマックは、燦然と輝いて見えたものですが)、流通革命の旗手としてマスコミにもてはやされたダイエーの末路はみじめなものです。

6月23日に、酒造会社と小売店が一緒に詰め合わせ作業をし、6月末より販売開始。7月にはいってすぐ郡内全域に折込チラシがはいります。

ほろよいの蔵でも20セット限定で販売(先着順)しますので、御希望の方はメールにて御注文ください。発送の場合は送料が実費にてかかります(関西エリアは740円)ので御了解のほど。













2003年06月10日(火) 日本酒とチーズの会

今日、大津の小売屋さんに生酒を納品したおり、その小売屋さんが主催される、「日本酒とナチュラルチーズとオーボエ演奏を楽しむ会」(7月26日、琵琶湖ホテル)についてお話をお聞きいたしました。

実はほろよいはチーズ大好き人間なのです(干支がネズミ年だからでしょう
か)。カマンベールはもちろん、もっと臭いのでも過熟気味でもノープロブレムです(最近ちょっと血圧高めなので、塩分の高めのものは控えめにしていますが)。

鮒寿しの飯漬けで小さい頃から慣らしているので、ちっとやそっとの臭いでは動じません、ごはんにカマンベールをのせて熱いお湯をかけて食べる、カマンベール湯漬けなどもけっこう好きです(これを悪食というんでしょうな)。

ちなみに飯漬けの飯(いい)はとってもしょっぱすっぱく、ナチュラルチーズを彷彿とさせ、これだけで充分にお酒の肴になってしまいます。

小売屋さんとは、チーズの合いそうなお酒のことで相談をうけ、常温熟成10年古酒の「鬱金」や、酸が高めの純米酒のヌル燗なんかどうでしょうかと提案させていただきました。生酒よりは熟成してボディのしっかりしたお酒のほうが美味しいようにわたしは思います。



2003年06月09日(月) 畦道ロードにほろよい専務(滋賀東びわこ農協編)

滋賀県酒造好適米生産の総本山「JA東びわこ農協」へ見学に行ってきました。

東海道線JR川瀬駅前に東びわこ農協本店があります。

玉栄と吟吹雪のたんぼは、主に国道8号線東側より、名神高速道路にはさまれた(甲良町、豊郷町、秦荘町、愛知川町にまたがる)地域に広がっており、キヌヒカリやコシヒカリ、転作の麦畑(取り入れ直前)と混在しています。

本年の作付面積は、玉栄100町歩強で9.500俵の収穫。吟吹雪は20町歩強
で2.000俵の収穫を予定しておられるそうです(反収9俵程度がこれまでの実績だそうですが、個人的には少し取り過ぎかと思います。でも1俵あたりの農協買上単価が低迷しているから、できるだけ沢山とってという気持ちはわからないでもありません)。

去年最大の問題点であった、7月下旬の出穂(しゅっすい)から登熟期にか
けての高温障害による胴割米(稲刈り前、あるいは収穫後の乾燥で玄米にヒビがはいること)の大量出現に対して、今年はどのように農協が指導されているかが、私の一番の関心事でした。

胴割れの最大の原因は、出穂(7月下旬)からお米が成熟していく登熟期にかけて、高温が続き、夜もあまり温度が下がらないため、稲の呼吸量が増大し、エネルギーを消耗、デンプンがこのために消費され、お米にまわらなくなるために、お米の組織がもろくなるからだそうです。この現象ははここ数年続いて起こっており、地球温暖化が遠因になっている可能性が高いと思われます。

こうしたお米は精米にかけると、すぐに砕けてしまい、1000キロの玄米を600キロとか500キロに磨きこむ高精米が非常に難しく、歩留まりが悪くなってしまいます。

一番の対策は、田植えの時期を1ヶ月ほど遅らせ、5月下旬くらいにもっていくことだと思うのですが(少し前の日記に書いたとおり、徳島とか兵庫では品種は違うとはいえ、6月になるまで田植えはしていません)、このあたりのお百姓さんは兼業農家が多く、高齢化がすすみ、平均の田んぼの面積が6反程度、苗はほとんど農協のものに頼っておられれます。息子さんが容易に休みがとれるゴールデンウイークに田植えをせざるを得ない事情があるそうです。

そのかわりに、肥培管理や水の管理などで胴割れをふせぐ方策をかんがえておられるそうですが、それで本当によいお米がとれるのでしょうか。他にも、単位面積あたりの株の多さや、一株の苗の本数の多さとか、不満な点はいくつかあるのですが、今年のところは、JA東びわこ農協さんのお手並みを拝見させていただこうと思います。

もし、今度のお米が今年と同じような結果になってしまった場合は、ユーザーとしてはっきりとした発言をさせていただくつもりです。こちらも、日本酒市場が低迷し、経営が難しい中で多額の資金を準備して、前払いでお米を仕入れているのです。中途半端なお米なら欲しくありません。


PS。胴割れの原因は、穂の先端から根の方に向かって成熟していくお米の登熟期に高温が続き、急激に登熟して過乾燥を起こし割れやすくなったり、稲刈り前にコンバインを入れやすくするために田んぼの水を落とす際、早く落とし過ぎて米が乾燥しすぎることも原因になるそうです。(6月11日追記)







2003年06月08日(日) 資源回収

子供たちが通学するマキノ東小学校の資源回収の日です。

8時からトラックで受け持ちのエリアをまわって、清酒1.8リットル瓶、ビール瓶、アルミ缶の回収です(前は新聞紙やダンボールなども回収していたのですが、古紙の市場が低迷しているので今はやってません)。清酒1.8リットル瓶の引き取り先はもちろん弊社です。

回収瓶というと、昔は、2.3年も軒下にほったらかしにしておいたようなカビカビのビンや、マムシ酒を造って飲んだ後の、マムシの死骸がぼろぼろになって残っているビン、大豆、米を貯蔵してびん底に大豆や米がへばりついているビン、タチの悪いのは、農薬や混合油、灯油がはいっていた瓶が時たまあって、社員たちを悩ませたものです。

今はリサイクルの考え方がそこそこ行き渡っていますので、あんまりエゲツない瓶は少なくなってきました(皆無ではないので洗浄後の検瓶はかかせません)。

大手のメーカーさんは、こういうタチの悪い不良瓶を恐れるあまり、もっぱら新瓶をお使いになられます。検瓶にもれて異物混入した製品を出荷し、PL訴訟や、保健所の立会い検査、マスコミにたたかれるリスクを負うよりは、コストは少しかかっても、なんの問題もない新瓶のほうがいいに決まっています。

大手さんが投入した新瓶が、結果的に回収瓶をつかっている中小メーカーにまわってくるわけで、これでうまく1.8リットル瓶の需給がうまくいっていたのです。

むしろ問題なのは、パック酒の飛躍的な増加です。すでに大手メーカーの出荷の半分以上がパック容器による出荷です。このため1.8リットル瓶の供給が少なくなり、中古1.8リットル瓶の需給がタイトになってきてます。

また、1.8リットル瓶を入れる6本のプラスチック箱(エンジ色のやつです)のレンタル会社も1.8リットル瓶での出荷が減ってきているため、レンタル料が減少してその経営が困難になりつつあります。

流通容器の変化は、従来の1.8リットル瓶リサイクルシステムを脅かしているのです。

追記)1.8リットルびんを洗って使う場合にも、大量の水を使い、洗浄後のアルカリ洗剤を酸で中和して下水にながさねばなりませんので、これはこれで結構な環境負荷がかかります。使い捨てのパックがよいのか、1.8リットル瓶を洗ってリサイクルしたほうがよいのかその点も考えねばなりません。リサイクルと一言でいいますが、現場にいると難しいものですね。
















2003年06月07日(土) まんぷく道中御一行様御来店

「西近江路夢まんぷく道中」御一行様がおいでになりました。

これは高島郡の観光振興を目的に、京阪神の観光客を募集して、湖西の見所、味どころをツアーで巡るというお得なイベントです。

地元ボランティアが添乗員として四六時中お世話をやき、要所要所には、これまた歴史や染色、自然など専門の説明員がつき、各町役場の職員さんも出役するというまさに「上げ膳、据え膳」の御接待です。

弊社の蔵には、1時半頃、第1グループがおみえになり、順次4グループがおいでになりました(1グループだいたい15人前後で、滞在時間20〜30分程度)。

これくらいの人数と時間ですと、ざっとお酒の説明ができ、ゆっくりとお酒の試飲を楽しんでいただき、希望する方にはお酒の販売もあわてずにできます。

去年同じ企画で人数が多過ぎたため、充分な御接待ができなかった反省から、1グループの人数を減らしてもらうようお願いして正解でした。






2003年06月04日(水) 畦道ロードにほろよい専務(徳島阿波町編)

四国の地図がある方は開いてみてください。

徳島平野から四国山地の方へほぼ東西に走る大断層にそって流れるのが吉野川で、流域はなだらかな河岸段丘が形成されています。阿波町はその中流域に位置し、農産物生産が中心の町です。

この土地も非常に山田錦栽培の条件に恵まれており、土壌、日照、湿度、日較差など申し分ありません。平成の始め頃から山田錦栽培に着手され、徳島経済連米穀特産課と地元阿波町農協さんの熱心な栽培指導の結果、良質のものが次第に取れるようになり、当時、兵庫県産の山田錦を充分に確保できなかった全国各地の蔵元さんが買付けにお見えになるようになりました。今、作付け面積は150町歩を超え、一万俵強の収穫があります。

阿波町農協さんのすごいところは、ユーザーである蔵元の希望に沿うような米作りをされているところで、田植え、穂肥、稲刈りと3回の現地説明会をひらかれ、意見交換をされます。また冬季の仕込みの時期は、徳島山田錦を使っている蔵元をまわり製造見学においでになります。そして、その時に聞いた山田錦の評価は必ず生産現場にフィードバックさせ、次の年の生産計画に反映させます。

品質管理もきびしく「山田錦に向いていない田んぼにはつくらせない」「栽培が下手で、一定のレベルに達していない栽培者にも作らせない」という姿勢を一貫して貫いておられます。

そうした生産姿勢を評価して、阿波町山田錦を買う蔵元さんは、北は青森県から、山形、福島、埼玉、愛知、三重など全国各地に及び、当社も場末の造り酒屋ながら、本年も60俵(3.600kg)購入を予約しています。

この日は1時すぎに阿波町農協に集合、15蔵(地酒ファン垂涎の金看板蔵元さんも何軒かおいででした)ほどの蔵元さんと一緒に現地見学し、7畝ほどの田んぼに手植えで記念田植えをみんなでしてきました。

阿波町を出発したのが午後4時すぎ。帰社は9時を少しまわっていました。


◆ほろよい旅日記(おまけ)/ウダツあがるかあがらぬか◆
奥様の実家がある、さぬき市(日本全国どこでも市町村合併はいいけど、もっといいピリッとした名前をつけてくれーい。これじゃあ最大公約数の無表情な名前じゃないか)寒川町で一泊したほろよいは、一路高松道を東進して徳島へ、途中、津田サービスエリアでモーニングコーヒーを一杯。

ぼんやりおみやげコーナーを徘徊していると、おおっとありました!讃岐の国限定「うどんキティ」携帯ストラーップ!。思わずお留守番の奥様のおみやげにゲット。これだけあちこちにあるのだから、地方出張するたびに探してホームページで公開しようかね。名づけて「地方限定キティちゃんをさがせ」略して「地キティをさがせ」。乞、御期待。

高松道全線開通のおかげ(なんと有力政治家のいる県は道路整備の速度がちがうねー)か、集合時間2時間前に阿波町に到着。時間調整のため、となりの脇町に立ち寄る。ここは「うだつのある町並み」を観光資源にして町おこしをしているそうな。

脇町は、昔、染色につかう藍(インディゴ・ブルー)の生産で財をなした商人が多く、立派な「うだつ」があがった町屋がならぶ町並みが保存され、特に藍商吉田家(ほろよいと同じ姓なのがニクイじゃないか)が一般公開されています。なかなか徳島県の片隅でこんなにりっぱな町並みを拝見させてもらえるとは思いませんでした。

ほろよいの蔵も、大手清酒メーカーの乱売合戦を耐え抜いて、地酒で「うだつ」があがるのでしょうか?

まだまだ勝負はつづきます。

















 








2003年06月03日(火) 畦道ロードにほろよい専務(兵庫中町編)

午前9時すぎ会社を出発。京都東インターより名神高速、中国道をへて滝野社インターで下り、加古川沿いに北上、中町をめざします。

ここには、15年ほど続けて兵庫県産山田錦を買わせてもらっている、栽培農家、間嶋宏行さんがいらっしゃいます。中町は山田錦の親、山田穂発祥の地(もう一方の親は短稈渡船/たんかんわたりぶね)で、昔は繊維で大いに栄えた町だったそうですが、今は山田錦で町おこしをしておられます(なんとJAや役場の公用車は山田錦のマーク付き)。

山田錦といえば、中町のもう少し東にある吉川町や東条町の特A地域が有名ですが、間嶋さんの田んぼもその地域によく似た土壌で、地元の栽培農家が模範にするほど立派な山田錦を取られます。「作り手の顔の見えるお米」を使うことをモットーとする弊社としては願ってもない購入先なのです。

昼食をすませ、1時すぎに中町に到着、間嶋さんとの仲立ちをしてもらっている、地元の肥料店、吉田商事さんとともに自宅を訪問させていただきました。

中町の田んぼはまだほとんど田植え前。山田錦は7、8日からはじまり、14、15日くらいがピークだそうで、去年、出穂(しゅっすい)後の8月末から9月にかけて高温が続き、胴割れ米が多かったことへの反省から、できるだけ田植えを遅らせているとのことでした。

ここで話題になったのは良質の山田錦をとるための条件で、環境的要件はもちろんのこと、栽培する人の素養も大切で、特に田んぼの水のかけひき(1日に何回か水の様子を見て、水を入れたり、抜いたりすること)は良い山田錦をとるためには大変重要なことだそうです。山田錦も人を見ているそうで、水のかけひきをルーズにする農家は良質のものをとれないそうです。

環境要件の主なものを、順番にあげていきますと。
1)土 壌

2)日 照
日照時間が長いこと。品種名の通り山田錦は平野部ではなく、山間で栽培されるため、南北に走る谷よりは、東西に走る谷の方が理想的。(中国道沿いに栽培地がならんでいるのはこの理由もあります)

3)気 候
当然ながら稲刈りが終わる10月末くらいまで、霜の心配がないことが条件。これによりおのずと北限が決まってきます。

4)湿 度
湿度は低めで、風通しのよいほうが病気が出にくい(減農薬につながります)。

5)日較差
夜と昼の温度差が大きいほうが良い。山間で栽培されるのもこの理由によります。

2時間程度、3人で山田錦について情報を交換し、山田錦の苗をみせていただいて、そこで間島さんの記念写真。ことしも良い山田錦を期待しています。

4時すぎに中町を出発して、明日は徳島県阿波町の山田錦見学です。淡路島を縦断して、私の奥様の実家、香川県さぬき市寒川町でお泊りです。


◆ほろよい旅日記(おまけ)/6月淡路は、たまねぎロード◆
淡路島は日本で有数のタマネギ産地って知ってました?本州四国連絡道で縦断中、車中にまで漂ってくる面妖な匂い。今、春タマネギの収穫で高速道路までタマネギの匂いがただよってくるのです。
そして、明石海峡大橋のたもとのサービスエリアには……、ありました!
淡路島限定「たまねぎキティちゃん」携帯ストラーップ。

























2003年06月02日(月) わかった気になる

この稼業、けっこう五感に頼るところがあります。

丸二日かけて麹をつくるときには、麹の温度はもちろんのこと、現在でも「甘香」とか「おはぐろ臭」とか「栗香」など、麹の育成にともない漂ってくる香りを目安にしています

お米を蒸したときも、その蒸し具合を「ひねり餅」をつくって米の芯が残っていないかチェックしますし、手を蒸米にいれて、蒸したお米のコワサを判断します。

もろみの状態を見るときも、櫂棒を入れて撹拌し、棒を通して伝わってくる感覚からサバケが良いとか悪いとか判断します。

この冬、あるお酒の会に参加したとき、若い看護婦さんと同席になり、そんな話をしていると、「患者さんをお世話しているとバイタル(体温とか、血圧とか体の状態をあらわす数値)が正常でも、なにか元気がないとか、おかしいなと感じることがある、若いお医者さんは数字だけ見て気のせいだというけど、往々にしてそんなときは患者さんの状態が急変することがある」そうです。

現場にいて、五感を働かせて仕事をしていると、第六感まで研ぎ澄まされてくるのだと思います。職人さんの勘というのは、空想的な、神がかり的なものではなく、現場を際限なく積み重ねることによって得られる現実主義の延長線上にあるものなのかもしれません。

本や、テレビや、インターネットなど間接的な情報では伝えきれないものが、現場にあることを、常に心しなければならないと思います。

間接的な情報で生半可にわかった気で入ると、手ひどい失敗をしてしまうことがありそうで、徹底した現場主義がお酒の世界には必要だと考えています。

明日より1泊2日の予定で、兵庫県中町と徳島県阿波町の山田錦を五感をはたらかせて見学してきます。その報告は日記にて。









2003年06月01日(日) 栄とこ開店5周年記念 竹生嶋をかこむ会

マキノ駅前の寿司屋「栄とこ(ええとこ)」さんが開店5周年をむかえました。

その造作といい、料理といい、接客の意気のよさといい、ほがらかで愛想のよい美人な奥さんといい、マキノにはもったいないお寿司屋さんです。

地酒にこだわり、「竹生嶋」はもちろんメインに、各地の地酒数点(やみくもにあれやこれや集めないのがまたうれしい)。焼酎もレアな銘柄をいくつか、なんと月に1度は草津の「とくち酒店」(県内屈指の地酒専門店)さんまで仕入れに行くという熱心さです。

お客さんも、マキノ町内はもちろん、町外のお客さんもたくさんお見えになり、マキノに別荘をもっている方や、Iターンでマキノに家をたてた方など、結構舌の肥えたお客様もご贔屓の様子です。

ここで5周年記念イベント「竹生嶋をかこむ会」をしていただきました。
以下は当日のお酒のメニューです。

●乾杯(ソーダサイホンで炭酸をからめて、雪冷えにて)
純米大吟醸生 花嵐(兵庫山田錦) 

●冷酒
純米大吟醸生 雫 斗瓶取り 出品酒
純米大吟醸(火入)
大吟醸(火入)
純米大吟醸生 花嵐
純米吟醸生 雪花
純米吟醸生 雪花 にごり酒(ざる漉し特濃)
辛口純米生原酒
辛口純米生原酒 うすにごり

●常温
純米
辛口純米
常温熟成 吟醸原酒 忘憂 2001年
常温熟成 純米大吟醸 鬱金 1993年

●お燗 いずれもぬる燗にて
金紋 竹生嶋 本醸造
常温熟成 吟醸原酒 忘憂 2001年

これに、松花堂弁当とあたたかい椀物がついて、会費2.000円でした。
とってもお徳なのに参加が少なかったのは、何ンでだろう〜。

でも、みんなしてほとんど全部飲んでしまいました。
またやりますから、今度はぜひ、にぎにぎしく大勢様でおいでください。

























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