恋のさじかげん
れのん



 水底に輝く石

不倫の女の子なんて、水底に輝く石みたいなものね。
拾ったときは、みずみずしく光って、色も形もほかと違って見えて、
宝石みたいに、とってもきれいだけれど、
しばらくポケットの中に入れておいたら、
乾いて表面は傷だらけで、少しもほかと違わない、
きれいでもなんでもない石に過ぎなくなってしまう。
拾ったときは、日差しのきつい真夏の昼間、
暑さと、青空がまぶしいトキ。
気づいたときは、日も落ちて、夕暮れ色が迫っていて、
涼やかな空気になっている。
ねぇ、私は捨てられてしまうの?
何の変哲も無いただの石でも、変わらず宝石のように、
大切に、してもらえるの?
何年もかけて作り上げたプラモデルと、
今日のお昼間に拾った石、
あなたは、どちらを選ぶ?究極の(?)選択。

あなたは、
きっと、家庭を選ぶ。
それは子どものころから、決まっている。

子どもは、見つけたときの輝きを失ってしまった石になんて、
興味を抱かなくなって、「ちえっ、」って舌打ちしたあと、
また、元の川に投げ捨てるのでしょう。

そうして、私はまた、一人ぼっちで涙も水の流れに紛れて、
忘れられたまま、どこかに流れ着くことも出来ず、
大雨で流されてしまうのを、頼りにしたまま、
ずっと、ずっと、同じ水底に留まっているだけ。。。


2001年05月31日(木)



 不倫復活後の心境

何度、「好き」と言葉にしたって、
でも、結局は家庭が大切なんでしょ?
その程度の、好きなんでしょ、って思ってしまう。
それが優先順位で、男の人にとって家庭を壊すってことは、
自分の積み上げてきた人生におけるキャリア・男としてのキャリアを、
そっくりそのまま否定、もしくはその失敗を露呈させることになる。。。
でも、恋愛なんて、それぐらいの毒も危険性も併せ持つもの。
だからこそ、なおざりにできない。。。

彼と不倫を復活させてからの私は、
「あからさま」で「素直」になったとおもう。
気持ちの上でも、行動でも。。。
試すことも、暗に問うことも、辛さを匂わすことも、しなくなった。
ただ、聞きたいことは聞き、いやだと思うことは決してしない。
それぐらいの自分勝手や、自分本位を身につけるようになった。
そうなってみて初めて、私たちの関係は、安定したように思う。
私の我慢や、ぎりぎりの精神力や、彼の私に対する罪悪感も、
いわゆる不倫における、もろ・「マイナス思考」があまり出なくなったのだ。
自分が楽になったのを感じる。
けれど、楽になったとしても、
私が負わなければいけない罪悪の重さは変わらない。
でも、彼に対して、「不倫してるんだから、この程度の気配りは欲しい!」
と思うことはなくなったことは、大きな変化。
相手には、「何も求めてはいけない。」
その不倫の掟を今なら実践できそうだ。
ただ、不倫の恋に100%だと、やっぱり自分を磨耗させてしまうと思う。
だから、浮気を含めて、仕事も、遊びも、女友達との約束も、
良いバランスで組み込むことだと思った。
そうじゃないと、不倫なんてまともにやってはいられないでしょ?
まともに向き合いすぎると、息苦しくなって、圧迫感をともなうもの。
それが恋愛における危機・・・・。

2001年05月30日(水)



 コツ

好かれるためじゃないけれど、
好んで嫌われようと思うはずもなく、
ただ、自分の立場が少しでも悪条件の中にはまりこまないように、
私は無邪気な顔をしている。
実際は、そうじゃないけど。(笑)
計算づくの、無邪気さ。
それは浅はかさの対極にあるように思える。
もちろん、恋愛において、男にこびようとするために!では当然無く、
もっと広く言えば、世間体のため、
ちゅーか、損をしたくないから。かな。。。
そういう計算ができるようになって、自分がすれてきたようにも、
また、人間界を生きるコツを、習得しつつあるような気もしてきたり。
どこかでまだ、人を受け入れきれない。
受け入れる必要性もない?
誰もがデリケートな部分を持っているのは確かだけれど、
傷つくのを恐れるのは、修復不可だからなのか、
修復するのに時間が掛かりすぎるからか、
トラウマが未来を曇らせるからか。。。
考えすぎないことが、上手に乗り切るコツだと思う。
目立った動きをしすぎないことも。
どこにいても、目立たないけど、何時の間にか
手に入れたいものをしっかりと手中に収めている人もいる。
そして、「出し抜かれたな」って、不本意ながら、卑しさ満載で思ってしまう。
成功するコツとか、うまく生きるコツとか、本当はあるんだろうけど、
(そういう書籍が書店に並んでるし、、。)
そんなものを付け焼刃で知ったところで、実用化できるものか、、。
人は自分の経験に基づいた範疇でしか、コツを習得できないものだと、
つくづく思ってみたり。。。
そういう不器用さをいとしいと感じてしまったり。。。

2001年05月27日(日)



 やさしさの裏側 ・ 男の人が「癒される女」

「こんなにやさしくされたら、怖くなるよ。」
やさしさを再認識することは、不安を増大させる。
どうして「今になって」やさしいのか?
前と何か、状況が変わってしまったのか?
失うことが惜しいと思える何かが、私にはあるのか?
その問いのどれをとっても、歪曲した理由にしか、結びつかない。
不倫の恋が落とした影は、女の価値観も、素直さも、
すれっからしにしてしまう。。。。

男の人は、「子どものような心」でいる女がすきなんだろうなって思う。
「子どもの心」は、元気で、素直で、向こう見ずで、まっすぐで、、、
そして残酷。
忘れっぽい子どものような振りをして、
興味津々の子どものようなを顔をして、
純粋無垢な子どものような目をして、
驚いたり、喜んだり、表情をくるくる変えて、
元気いっぱいで、細かなことに疑念を抱かず、
言われたままの真実を信じて、ときどきわがままをいう。
彼に現実の辛さを吐露してはいけない。吐露させてはいけない。
一緒にいるときは笑って、微笑ませてあげなければいけない。
そうすれば、彼は愛人を手放さない。
「しかたがないなぁ」って顔をして、
「一緒にいると元気になるよ」って言葉にして、
「セックスの相性、最高だね」ってコトの終わりに言うわ。
彼との関係を少しでも良くしたかったら、オススメです。


2001年05月26日(土)



 日曜日の逢瀬

慎重に言葉を選んでしか、しゃべれないのは、
この関係が不倫で、危険な道で、禍根を残してしまうことが不安なの?

日曜日に、彼に会いました。
初めて、お日様の光を浴びながらのデート(?)。
いつもは、ラブホテルにいる時間。いつも、いつもは。
彼は二度目のデートだと信じて疑わない。
「キス解禁」を迫られたけど、
「結婚するまではしないの(にっこり)」と言い切り、
それでも迫ってくれば、
「結婚する気になったの?(にっこり)」と問う。
彼は困った顔というよりも、うなだれた顔をした。
そして、「(結婚)する気はある。」と小さく呟いた。
私はそれを聞こえない振りをして、昼間から飲んだワインに酔った振りをして、
ぼんやりと芝生の上を寝転ぶ人々に眼を向けた。
「寂しかった?あってない間(にっこり)」と聞くと、
「・・・・・うん、。」と照れてなかなか言わない。
そんな彼をかわいく思う反面、状況から考えるとずるさにも取れて、、。
そんな自分にいちいち嫌気を感じてしまったり。。。
「いっしょに頑張ろうね。」
「不倫を?それって頑張っていいものなのかなぁ、、。(にっこり)」
「・・・・・でも、いっしょにいたいから。」
私の手に重ねられた、彼の手が汗ばんでいるのがわかる。
緊張してる。この人も不安なんだなぁって思った。
そして、彼は謝る。
この数ヶ月のつれない態度を。
この2年間の付き合いの、自分勝手を。
そして、今度からは絶対にそんなことをしないと誓う。
「もう一度、付き合いなおそう」ということらしい。
私は、、、また、流される。
自分の気持を決めかねて、いつも情熱に流されてしまう。
彼に未練は無いけれど、彼をいとしく思ってしまうのはどうしてだろう。
こんなどこにでもいるつまらない男で、
妻子がいるのに、不倫してる不道徳な輩・女の敵。
また、不倫は始まってしまった。
削除したICQも、電話番号も、登録することになる。
でも、私はまだできない。意地を張っているわけでもない。
ただ、磨り減ってしまって、ただ、展開の早さに驚いてしまって、
動けなくなってしまっているだけ。。。。
キス、できないのは、「唇には真実が宿るから」
真実を交わすのは、人生でたった一人でいい。。。



2001年05月22日(火)



 部屋の大掃除→恋の後味

一人きりの休日ほど、気ままで、何でもできて、
けれど、それでいて、何もできなくて、孤独なものもない。
待たされたり、体だけを求められたり、、、、そんなデートでも、
むだ毛の処理や、体のラインに気を配ったり、下着を買いに行ったり、、
私は充実していたと言えるのかもしれない。
たとえそれが、「抱かれるための体」になるための準備であっても。
今日は部屋の掃除をした。
ありがちなことに、「過去の遺留品」を見つけ、浸るばかりで、
「片付けているのか、散らかしているのか分からない」状態。。。
昔の彼と泊まったホテルの領収書とか、
その前の彼にもらった手紙だとか、
なんで、こんなもん、分かれたときに捨てなかったんだろう、、、
と思わず地団駄踏みたくなるような、リアルな過去の恋愛が、
口をあけて、私を丸ごと、飲み込もうとしてるみたい。
泣きはしなかった。けれど、見ていられなかった。
領収書はくしゃくしゃに握りしめた。
過去になんて負けないし、後悔なんてしてないと言い聞かせるように。
ううん、自分に証明するように。
恋の後味が苦いのは、甘い恋愛時代を過ごしたせいでしょうか?
甘さも、苦さも、辛さも、、、、味わうから人は成長できる?
それらを味わうたびに、臆病になっていくように感じるのだけれど。




2001年05月01日(火)
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