Love Letters
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2007年03月30日(金) 夜通し愛されて


 まるで初めの頃みたいに

 私達は

 一晩中

 愛し合いました。




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 終わりかけていた私達の恋は

 みずみずしく再生したのでした。




 しばらくずっと

 あなたに求められていないと思っていたけれど、

 私の心と身体も

 いつの間にか

 怠惰に硬くなっていたのかもしれません。




 皮肉なことだけれど、

 ジェラシーがきっかけとなって

 消えかけていた情熱に

 火が点いたのでしょう。



 
 「かけがえのない存在」


 あなたは私にそう言ってくれました。


 疑心暗鬼になっていた時も

 私はずっとあなたのその言葉を信じたかった…

 すぐでもあなたに会いに行き、

 心と身体両方で

 あなたの愛を信じさせて欲しかったのです。




 長いこと会えなかった時間と距離が

 二人の間に溝を作ったのだとしたら、

 修復する方法は

 一刻も早くそれを埋めること。

 すぐに会いにゆき、

 時間の許す限り抱き合うことだと

 思い知らされた気がしました。 



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2007年03月29日(木) 揺り戻し


 会ったら、

 またあなたを責めてしまうかもしれない…

 そう思っていたけれど、

 あなたの笑顔を見た途端、

 心を閉ざしていた冷たい氷が

 あっという間に溶けていくのでした。



 二週間前に会ったばかりなのに、

 その間にあまりにもあなたを遠くに感じていたから、

 こんなにも切ない気持ちで待ち焦がれたデートは

 今までなかったような気がします。



 桜の開花予想日も

 すぐそこまで来ているというのに、

 その日は春がまだ遠くに思えるほどに

 冷たい雨が降っていました。



 イタリアンレストランで食事をした後、

 ひとつ傘の中、

 腕を絡めてあなたと歩きました。



 最近、あなたと飲んでも

 あまり酔わないことが多かったけれど、

 この日はギネスの後に

 白ワインを一本空けて、

 私は久しぶりに酔っ払っていました。



 あなたと仲直りするために選んだ洋服は、

 グレーの花柄が全体に散らされた

 ノースリーブの黒のワンピース。

 シルバーの刺繍がほどこされた黒のボレロを着て。



 ホテルのお部屋に戻り、

 私は服のままベッドに…

 そのまま眠ってしまいそうなほど、

 心地よく酔っていました。




 やがて、

 あなたの手が

 私の脚を

 足首から脹脛、太腿へと

 優しく撫で上げていくのでした。




 アルコールで火照った唇に

 燃えるようなキス。

 舌を絡め合い、

 舌の裏側をくすぐるように舐められて…

 シルクの布を一枚隔てたままで、

 既に熱くなった私の素肌は

 あなたの丹念な愛撫に焦らされるのでした。




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 「こんなに欲しくさせるなんて、ずるい。」

 
 「相性がいいんだよ。」



 あなたの掠れた声…

 返す私の言葉も吐息混じりになって…

 恥ずかしいほどに

 身体の芯から熱いものが溢れ出すのでした。




 私の心を切り裂いたあなたの嘘。

 一度は決して許さないと思っていたのに。




 その夜、

 ずっと飢え続けていた私の身体は

 あなたに繰り返し征服されました。

 汗と体液にまみれながら、

 私は何度

 あなたの名を叫んだことでしょう。



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2007年03月28日(水) 愛が戻る場所


 関係修復するためにあなたに会って来ました。

 あなたが一時期頻繁にメールのやりとりをしていた相手は、

 入院中に始めたミクシィで知り合った女の子でした。

 あなたは幾つかの食のコミュニティに参加していて、

 その中の一つの飲み会で初めて彼女に会ったそうです。



 あなたの言葉を信じれば、

 そのコミュニティにはまっていた時期はあったけれど、

 女性として彼女に惹かれたことは一度もないし、

 二人だけで会ったこともないということでした。

 


 それならなぜ、あれほど嘘を重ねたのか?

 結局私の疑問はそこに辿り着いて、

 私はいつまでも疑心暗鬼になっていました。

 すぐにでもあなたに会いに行き

 一からやり直したい気持ちと、

 あなたのどんな言葉も信じられない

 絶望的な気持ちが交錯して、

 眠れない夜が続いていました。




 私達の諍いにピリオドを打ったのは、

 あなたの一言でした。

 それまで嘘を吐いたことを何度も謝り、

 会ってやり直そうと言っていたあなたでしたが、

 私のあなたへの不信が日ごとに募っていくのを見て、

 とうとうあなたが愛想をつかしたのでした。


 「小夜子にやり直すつもりがないなら、

  もういい。会うのはやめよう。」


 仲直りのために会おうと一度は約束した日の前日、

 あなたから拒絶のメールが届きました。
 
 愚かな私は

 失うものの大きさにその時初めて気づき、 




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 それでも、結局、

 本当はお互いに

 このまま別れるのは良くないと思っていたので、

 会って話をすることになりました。




 私は会えばすぐに分かると思いました。

 二人の心が離れてしまったのか、

 今もなお惹かれ合っているのか…

 私は不安で仕方がなかったけれど、

 あなたに会って、

 二人の気持ちが戻っていくのか

 確かめたいと思いました。



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2007年03月18日(日) 巧妙な嘘


 あなたに嘘を吐かれました。

 嘘の上に嘘を重ねて…

 いわゆる嘘の上塗り。

 濃い化粧が荒れた素顔をさらけ出すように、

 何度も重ねられた嘘はかえって不自然で

 あっという間に私に見破られたのでした。




 3月10日。

 あなたに会うのはクリスマス・イブ以来、

 本当に久しぶり。

 私はこの日をずっと待ちわびていたのでした。

 あなたに会うための白いブラウス。

 カーディガンの胸元に揺れるビロードのリボン。

 あなたに会える、ただそれだけで

 私は嬉しくてはしゃいでいました。




 あの夜、

 お気に入りのバーで

 あなたは気に入ったウイスキーのボトルの画像を

 携帯のカメラにおさめていました。

 あなたが携帯をいじっていた時、

 隣から、ふと見えてしまった受信メール。




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 それが何を意味するのか、その時はわからないまま。

 周囲の雰囲気に誤魔化されて、

 そのまま楽しい時を過ごすのでした。

 もう一人の冷静な私は、

 心をざわざわと掻き立てる

 嫌な予感を抱え込んだまま。




 あなたがリザーブしてくれたホテルのお部屋は

 コーナーフロントの贅沢なお部屋。

 煌くベイブリッジと

 大きな客船が停泊する港を一望出来る場所でした。

 意図的に…ではなく、

 あなたは残酷なほど自然に、

 私に冷たかった…

 お部屋に戻ると、

 あなたは私を抱き寄せることもなく、

 キス一つくれようともしないで、

 服を着たまま眠ってしまいました。




 前にも一度こんなことはあったはず。

 酔っ払ったあなたはそのまま寝てしまい、

 真夜中に起こされて、抱きしめられた夜。

 けれど、

 あの時の切ない気持ちとは

 決定的に違う哀しみ。

 胸が潰されるような孤独感。

 結局あなたは、

 一晩中、目を覚ましませんでした。




 翌朝、

 大きな窓ガラスを

 幾筋もの冷たい雨が伝っていました。


 一晩ずっと起きていた疲労感と眠気で

 ぼんやりとした視野の中に、

 心と身体がどんなに求めても求められない

 他人のようなあなたがいました。


 あなたは窓際の椅子に座って、

 無言で携帯をいじっていました。



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 今まで一度だってしようと思わなかったこと。

 最も軽蔑されるべき行為。

 でも、私は後悔しませんでした。

 もうすでに

 あなたの愛を失っていると思ったから。



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小夜子

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