Love Letters
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2006年03月31日(金) 堕ちていく恋


 私の友人には

 色彩、匂い、感触が直に伝わってくるような

 繊細な言葉を紡ぐ

 彼女の小説が好きという人が多いのです。

 語学に関る仕事をする友人が多いせいでしょうか。

 童話の翻訳もする彼女の文章には

 どこかエキゾチックな雰囲気があって、

 そこに惹かれるのかもしれません。

 そう、江國香織さんです。

 


 彼女の小説はほとんど読んでいます。

 中でも好きなのは、

 『落下する夕方』と『ウエハースの椅子』です。

 彼女の小説は

 愛や恋が少しだけ孤独を埋めてくれるということを

 教えてくれます。

 全部ではなく、少しだけ。

 彼女の小説に出て来る主人公は

 恋人や旦那さんに依存しないように見えます。

 自分の孤独はちゃんと自分で抱えているから、

 凛としていて美しい。

 


 一昨日、私が買ったのは、

 江國ファンの間では賛否両論ある話題作。




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 恋人に依存しない女主人公の小説が多い江國作品ですが、

 これは親子ほども年の差がある

 人妻と若い男性が恋に落ちる話。




 彼女の他の作品は

 どこか現実離れしたストーリーの中にも

 妙なリアリティがあるのですが、

 この作品に限っては

 男性の心情の描き方に無理があるのではと

 思ってしまいました。

 いくら年上好きとは言え、

 健康な若い男が

 母親ほど年が離れた女性にのめり込むって

 かなり不自然な気がしたのですが…^^;



 というわけで、

 この作品に限り、

 いまいち感情移入出来ませんでした。



 それにね

 こんな風に落ちていく恋って

 狂気というか、怖い気がします。

 まさに自分達のことしか見えず

 堕ちていくという感じで…




 恋する人は綺麗に見える…というのは、

 恋をしたら

 周囲の人達にも優しくなれるからじゃないかな。

 罪のない人を傷つけたり、

 常に嫉妬に身を焦がしているような恋愛は

 私には向かないような気がします。



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2006年03月30日(木) あなたの声に呼ばれて


 「しばらく待ちそうだな。」

 
 バス停の時刻表と時計を見て、

 あなたが言いました。


 「ちょっとここで待ってて。

  他にもホテルへ行くバスがあるかもしれないから。」


 夜の冷たい風を

 アルコールで火照った肌に受けながら

 あなたを待ちました。

 このシーズン初めて袖を通したスプリングコート。

 昼間は少し汗ばむほどだったのに

 夜はまだ寒さを感じます。




 あなたに会えた日は

 夜になるといつも少し悲しい。

 さよならするまでの時間を

 もう数えてしまうから。

 人が列を作り始めたバス停、

 私達以外は皆

 同じ家に帰る家族に見えました。

 毎日同じ家を出て

 同じ家に帰る家族。

 私達はそんな家をずっと持たないでしょう。

 少し感傷に浸っていたら、

 後ろから私の名前を呼ぶ声がしました。




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 家族でも友達でもなく恋人の名前。

 


 そんなにもはっきりと

 あなたに名前を呼ばれたことはなかったような気がします。

 周囲の人にも聞こえるくらいにはっきりと。

 二人で帰る家はなくても

 私にはちゃんと愛してくれる人がいる…

 そんな風に思える優しい響きでした。



 人ごみの向こうに

 あなたの笑顔が見えて、目が合いました。

 私は温かな気持ちで

 あなたの方へと歩き出しました。



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2006年03月28日(火) 薄紅色の幻惑


 去年はあなたと

 遅咲きの桜を見ました。

 移りゆく季節のほんのわずかな時間だけ、

 私達を楽しませてくれる

 桜の花のはかなさが好きです。




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 私達のスケジュールと

 桜の暦を合わせるのはなかなか難しいようです。




 休日のお昼に

 お弁当を持ってお花見するのもいいけれど、

 ライトアップされた美しい桜の下を

 ゆっくり散歩するのも好きです。

 闇の中に浮かび上がる

 薄紅色の花びらをじっと見つめていると、

 その美しさに幻惑されそうになります。



 桜を見た日に

 あなたとさよならすると、

 桜の幻惑のせいで

 寂しさの余韻がいつまでも心に残ります。



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2006年03月24日(金) 香り


 この前会った時、

 あなたは初めてデートした時と同じ香りをつけていました。

 柑橘系の香りとともに蘇る

 懐かしい記憶。



 ほんの微かな香りだったのに、




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 あなたの隣でカクテルを飲んでいた時、

 街を歩いていて、不意に寄り添った時に、

 あの香りがしました。



 家へ帰ってからも

 あの香りが身体のどこかに残っているような気がして、

 ベッドの中で

 あなたの香りを抱きしめるようにして眠りました。



 あの時すでに

 私はあなたに抱かれることを

 予感していたのかもしれません。



 今度あの香りの名前を聞いてみようかな。

 寂しくて眠れない夜に

 あなたの香りを身に纏えば、

 まるであなたに抱かれているみたいに

 優しい気持ちで眠りにつけるでしょうか。



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2006年03月22日(水) おしゃべりな唇


 「入院中はよく小夜子の画像を見たよ。(笑)」


 「思い出してくれてた?^^」


 「色々思い浮かぶんだよなぁ。(笑)」


 「そうなの?^^」


 「小夜子の言葉とか。」


 「言葉?」




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 「恥ずかしいから思い出さないで。*^^*」


 「あまりに印象的で忘れられない。^^」




 あなたの腕の中で

 私は饒舌らしいです。

 
 「そういうの、嫌じゃない?」


 「いや、わかりやすくていいよ。

  攻め方を考えやすい。(笑)」




 意識して口にする言葉もあれば、

 無意識に零れる言葉もあります。

 快感の階段を登りつめながら、

 幾度も繰り返される言葉もあります。



 「逝ってもいい?」


 「いいよ…」


 「本当に逝きそうなの。」


 「逝っていいよ。」



 感じながらあなたの声を聞いていると、

 快感に拍車がかかり
 
 登りつめる速度が速くなっていきます。




 朝、あなたと抱き合うと、

 私の声が誰かに聞かれているようで

 恥ずかしくなります。

 いっぱい感じている私の声が

 ひんやりとした静けさの中に響くようで…



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2006年03月21日(火) 愛する理由


 あなたに言えないことがあります。

 もしそのことを話したら、

 あなたは私から離れていくでしょう。




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 それが全部の愛のうちどれだけの割合を占めるのか

 定かではないけれど。

 それにあなたは否定するかもしれないけれど、

 あなたの気持ちの中にも

 きっとそれは存在するのではないかと思うのです。




 何の雑り気もない

 100%純粋な愛について考えてみます。

 利害や独占欲や同情や執着などを一切含まない愛。

 それは母親が子供に注ぐような無償の愛情でしょうか。




 幸運とは言えないあなたの運命に同情し、

 それに向き合うあなたの姿勢を尊敬するからこそ、

 私の愛はあなたにしがみついている…

 そんな気がします。



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2006年03月18日(土) 性欲


 ぎらついた性欲を見せない人が好き。

 オブラートで包まれた色気のある人がいい。




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 ガツガツしているように見えるのは、

 10代の男の子か

 長いこと恋愛から遠ざかっている中年のおじさんか

 どちらかのような気がします。

 あまりに性欲が先行してしまったら、

 もう恋は出来ないような気がします。




 男でも女でも

 恋は人を美しく見せるし、

 精神的にも向上させるでしょう。

 それに対して、

 性欲に溺れた生活は人を堕落させるし、

 その人の本当の色気を奪うことにもなるでしょう。 



 30過ぎてナイーブということは有り得ないけれど、

 仕事も体型も性欲も

 きちんとコントロール出来る

 大人の女でありたいと思うのです。



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2006年03月16日(木) Kissの雨に濡れて


 ホテルに帰る途中、

 美味しいと評判のケーキ屋さんで

 ガトーフレーズを買って頂きました。^^



 ホテルに戻って

 ベッドの上に寝転んでいたら、

 少しずつ酔いも醒めて来ました。



 あなたの顔が近づいて来て、

 私の唇にKissをしました。

 それから耳たぶや

 首筋や

 鎖骨の窪みや

 胸元に

 ガトーフレーズよりも甘い

 Kissの雨。




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 二人を隔てている布地がもどかしくて、

 切ないほどにきつく抱き合う二人。



 言葉にしなくても、

 お互いどれだけ会いたかったか

 伝わる瞬間。



 夜はまだ始まったばかり…

 あなたに愛される予感に身体が震えて、

 Kissだけで濡れていくのでした。



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2006年03月14日(火) 甘えてもいいですか?


 一月に会った時には

 あなたの体調があまり良くなかったこともあって、

 どこかよそよそしい二人でした。




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 だから、

 一番大好きな相手にさえ、

 というより寧ろ一番大切な相手だからこそ

 甘えられなかったりもするのです。




 でも、今回はいつもより少しだけ

 甘えさせてもらいました。

 久しぶりにバーで飲んで

 たった二杯のカクテルで酔ってしまった私。

 
 「少し気分が悪いの。」


 いつもの私なら無理をしてしまうのだけれど、

 正直にあなたに告げました。


 「ベンチに座って、休んで行こう。」


 顔色の悪い私を見て、

 あなたは心配そうに言いました。




 バーを出たところの

 小さな空き地にあるベンチで

 しばらくあなたの肩にもたれていました。

 普段私はいつも甘えられる立場で、

 そんな風に人に無防備になることなんて

 ずっとなかったから、

 そうしてあなたにもたれて

 優しい体温を感じているだけで、

 すーっと楽な気持ちになっていくのでした。




 ホテルに帰るまで、

 ずっとあなたの腕に

 ぴったりくっついて歩きました。


 「会社の奴に見られたら、

  たちまち噂になるな。(笑)」



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 「じゃあ、もっとくっついてよっと。(笑)」


 そう言って、あなたの表情を見たら、

 いつもと同じ穏やかな笑顔がありました。




 恋人同士なら

 こんな風に振る舞うことが普通なのかもしれないけれど、

 そんな当たり前の小さなことが

 とても幸せに感じられた一日でした。



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2006年03月13日(月) 自覚

 
 「小夜子が逝った直後に、

  立て続けに何度も逝かせたくなる。」


 あなたが言いました。




 一度逝くと

 女の身体は逝き易くなり、

 何度でもオーガズムを感じます。






 完全にあなたの支配下に置かれて

 苦しみ悶える私を見たいと思うあなたは、

 紛れもないSでしょう。

 私が激しく懇願するまで、

 あなたは私が最も欲しいものを

 与えてくれようとはしません。




 一方的に感じさせられることに耐えかねて

 あなたのものに手を伸ばす私に、


 「やっぱり縛っておかなきゃいけないね。」


 と、あなたが言いました。




 羽毛のようなタッチで

 全身を撫で上げられる甘美と

 最も欲しいものを永遠にお預けにされたかのような苦悶。

 あなたがしたいことと

 私がされたいことが合致するのは、

 ベッドでの嗜好が良く似ているから…

 そして二人がそれを自覚しているからでしょう。



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2006年03月12日(日) 優しい時間


 久しぶりのデートから帰って来ました。

 私は誕生日のプレゼントを用意していたのですが、

 あなたからも思いがけない素敵なプレゼントがありました。 




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 夜景の綺麗なダブルのお部屋。

 バスルームにはシャワーブースもありました。




 土曜の午後に待ち合わせをして、

 日曜のお昼過ぎには

 お別れしなければならなかったので、

 いつもより少し短いデートでしたが、

 あなたに思い切り甘えて

 幸せな時間を過ごしました。



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2006年03月09日(木) お久しぶり


 長いこと

 ご無沙汰していてごめんなさい。

 というのも

 日々の生活に追われていて、

 何も書くことがなかったからなんです。^^;

 

 昨日、仕事帰りにデパートに寄って、

 あなたの誕生日プレゼントを買いました。

 今年はネクタイと決めていたのだけれど、

 どの柄にしようか、かなり迷いました。

 結局、あなたのスーツ姿を思い出しながら、

 派手過ぎず地味過ぎないシックな柄を選びました。

 気に入ってくれるといいなぁ。^^



 それから、

 春夏用のノースリーブのワンピースに合わせて、

 黒のボレロをゲット。^^

 縁取りのシルバーのビーズの刺繍が綺麗です。

 ちょっと気が早いけど、

 ゴールデンウイークのデートは

 これを着て行こうと決定。^^



 もうすぐあなたに会えます。

 前回のデートからもう二ヶ月以上経ってます。

 最近、メールも電話も

 めっきり回数が減った私達。

 あなたが入院していた頃は、

 お互いの携帯電話料金もかなりの額だったけれど。



 それでも、会える日が近づくと

 そわそわ嬉しい気分になります。

 この浮き足立つ気持ちが無くなったら、

 遠距離恋愛は終わりでしょうね。





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 今年は何回あなたに会えるでしょうか。



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小夜子

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