Love Letters
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デート3日目、
私達は11時にホテルをチェックアウトしました。
最近正午チェックアウトというのに
慣れていたせいでしょうか。
朝、のんびりベッドでまどろんでいたら、
あっという間に時間が過ぎてしまって、
気がついたらもうチェックアウトの時間…
慌しく部屋を出ました。
夕方まで一緒に居られるということで、
荷物はホテルのクロークに預け、
近くのレストランにブランチに出かけました。
デート最後の日というのは
特にプランも立てずにぶらぶらと過ごすことが多いのです。
ブランチを済ませた後、私達はホテルに戻り、
1階のカフェでお喋りしていました。
「さて、これからどうしようか。」
あなたが時計を見ながら、尋ねました。
二人に残された時間は3時間を切っていました。
いつもなら、
朝はもう一度あなたに抱かれるのに、
この日は目が覚めたら
既に時計は10時半を過ぎていて、
あなたとKissする時間すらなかったからです。
あなたは私の気持ちを知っていて、
わざと意地悪しているようでした。
「中途半端な時間だよな。
小夜子はどうしたい?」
「う〜んと、どうしましょ。(笑)」
「とりあえず、外に出ようか。^^」
元町の方へ行ってみようかということで、
カフェを出て、あなたと歩き始めました。
歩いているだけで汗が噴き出してくるような暑さです。
「やっぱり、どこか涼しいところに入ろう。」
「うん。」
「どこ行く?」
「あなたとKiss出来るところ。」
「昨夜、あんなにしたのに?(笑)」
「今日、まだあなたとKissしてないもの。」
面白がっているのか、
困っているのかわからないような表情で、
あなたは通り過ぎる車を見送っていました。
暑さのせいか、
行き交うのは車ばかりで、
歩いている人はほとんどいません。
「小夜子、こっちにおいで。」
不意にあなたが私の手を握って、
舗道から外れた
閉店しているブティックの塀の陰に
私を誘いました。
あなたは私の肩に手を置くと、
少し身をかがめてKissしようとしました。
「駄目よ。誰かに見られちゃう。^^」
「誰も見てないって。」
「人前でいちゃいちゃするの嫌いなくせに。(笑)」
「小夜子がKissしたいって言うから。^^」
「ちゃんとKiss出来る場所に行きましょう。^^」
「そうしようか。^^」
それから、私達は
近くにあるラブホへ行き、
そこで別れるまでの時間を過ごしました。
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今回のあなたとのデート。
デート直前にあなたから携帯にメールがありました。
今日は朝からドキドキしてます。(笑)
諒が参加するサマーキャンプの場所が
私達の待ち合わせ場所に近かったので、
私が諒を送って行く時に
少しだけあなたに会わせようという話になったのです。
一度も会ったことはないけれど、
諒は今まであなたから怪獣のフィギュアを貰ったり、
私から時々あなたの話を聞いたりして、 少しだけあなたのことは知っていました。
あなたも以前から
子供達に会いたいと言っていました。
早紀は塾の夏期講習があって都合がつかなかったので、
今回は諒とだけ初対面ということになりました。
子供好きなあなたのことだから、
きっと諒と仲良くなってくれるという自信はありました。
でも、私の母親としてのもう一つの素顔を見て、
がっかりしないかなという一抹の不安も正直ありました。
諒を連れて待ち合わせの駅へ行くと、
あなたは既に私達を待っていました。
「こんにちは。諒君。(笑)」
あなたが少し腰を低くして、
諒と目を合わせるようにして挨拶しました。
「こんにちは。^^」
諒は少し照れた様子で言いました。
キャンプの集合時間まであまり時間がなかったので、
駅の近くのジュースバーのあるオープンカフェで 西瓜のジュースを飲みながらお喋り。^^
「諒君、何のジュースがいい?^^」
「西瓜のがいい。^^」
「諒君もママと一緒で西瓜が好きなんだね。(笑)」
いつになく恥ずかしそうにしている諒でしたが、
あなたに好印象を持ったようでした。
それから、
あなたは学校のことや
これから参加するキャンプのことなど、
諒と色々話していました。
あっという間の短い時間でしたが、
あなたと別れた後、
諒はあなたにまた会いたいと言っていました。
あなたも
「諒君、やたら照れてたけど、
小夜子がいつも自慢してるだけあって、
可愛いよなぁ。(笑)」
と言っていました。
あなたに諒を褒めてもらえて、
私は自分のこと以上に嬉しい気持ちになりました。
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2005年08月29日(月) |
恋人はベッドで嘘をつく |
ベッドで
お互い服を着たまま、
薄い生地が擦れるほどに
きつく抱き合いました。
抱き合えば抱き合うほど
切なさが込み上げて来て、
あなたの耳元で
吐息混じりに尋ねました。
「ねぇ、いつかあなたと一緒に暮らしたい。
あなたのお嫁さんにしてくれる?」
あなたは私を抱き寄せると
唇が蕩けるような甘いKissをくれました。
ベッドの上の言葉の戯れ。
耳が心地よくなるような
あなたの言葉が欲しくて尋ねてみただけ。
あなたと一緒に暮らしたいというのは
現実味のない真実だけれど、
あなたのお嫁さんになりたいというのは
現実味のない嘘。
結婚しようと言ったあなたの言葉も
BGMのように耳に優しい。
ベッドの上の嘘は愛撫のようなもの。
いつもSexを気持ちよくしてくれるから。
辻仁成の小説の中に
愛と嘘についての言葉がありました。
嘘は愛の飛距離を延ばす唯一の道具である。
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2005年08月28日(日) |
粘着質な女は嫌われる |
昨夜
あなたに嫌われるようなことを言ってしまいました。
事の発端は昨日の日記の話から。
あなたが付き合い初めの頃は
80%の愛情しか返せなかったと言っていたことが、
まだ頭の片隅に引っかかっていて…
「京都の詩仙堂へ行った頃も
初めて指輪をプレゼントしてくれた頃も
まだ80%の愛情でしたか?」
「好きの度合が変化するのに、
明確なポイントなんてないでしょう。」
「一年間もあなたの気持ちが少し醒めてたって思うと
少しショックです。
自分が馬鹿みたいに思えるというか…」
「80%って
自称醒めてる自分にとっては
最高ポイントに近いんだけど?(笑)」
「じゃあ、今の100%は異常な状態?(笑)」
「人生初めての経験。(笑)」
「今まで好きだった他の人は?
例えば元カノとか。」
「もう忘れた。(笑)」
「今まで好きになった人で一番好きだった人は
何%くらいで好きでしたか?^^」
「それは小夜子の100%でしょう。(笑)
メーター振り切れてるかもしれないし。^^」
「他の人は?
私以外で一番好きだった人。」
「その他はもう忘却の彼方です。(笑)」
「今まで付き合った人とも
その時その時は100%だったんでしょ?」
「だから忘れたって。(苦笑)」
「ごまかされているような気がする。^^;」
「だって、本当に忘れてるんだもん。(笑)」
「答えてくれないならもういいです。」
「何度も忘れたって言ってるのに。
もう寝るから。」
「はい、わかりました。
おやすみなさい。」
「おやすみ。」
私が男だったら
こんなしつこい女は嫌だと思うのに、
たまにやってしまいます。こういうこと。^^;
深く反省。
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2005年08月27日(土) |
どれくらい愛してますか? |
ベッドの中で
あなたと抱き合いながら、
そっと尋ねました。
「ねぇ、どのくらい好き?」
「いっぱい好きだよ。^^」
「きっと、私の方が好きだよね。」
「ってことは前はそうでもなかったんだ。(笑)」
「初めの頃はさ、
小夜子が俺を好きな80%位だったかなぁ。(笑)」
「あら、自惚れてる。(笑)
私だって初めはそんなに好きじゃなかったもん。」
「あれ、そうなの?(笑)」
「そうよ。結構冷静だったし。(笑)」
「また、ムキになってるし。(笑)」
「ふんだ。(笑)」
「負けず嫌いだ。(笑)」
あなたって正直過ぎるわ。
嘘でもいいから言って欲しいものです。
「君が俺を想うよりもっと、
俺は君が好き。」って。
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2日目は
近くにある別のホテルへ移動。
とりあえず、
荷物だけ先にクロークに預けておきました。
中華街にあるお粥の美味しいお店でブランチ。
五目粥と海老巻き、鶏の唐揚げを注文しました。
ここのお店は私達のお気に入り。
いつも行列になっているのだけれど、
待たされても美味しいから、
横浜でデートする時は必ず行きたくなるお店です。
ブランチを終えて、
映画を観に行こうかということで…
シネマコンプレックスは中華街から歩いて20分程のところ。
既に気温は30度を越えて暑かったので、
タクシーで映画館へ向かいました。
上映時間まで間があったので、
しばらくお店を見て回ったり、カフェでお茶したり…
外はうだるような暑さでしたが、
映画館のあるビルの中は涼しくて快適でした。
ほとんど二ヶ月ぶりにあなたに会ったので、
途切れることなく会話が続きます。
目と目を合わせて会話をするのは、
やはり電話やチャットとは違います。^^
その日私達が観た映画は、
『スターウォーズエピソード3』でした。
映画の後、
四月に一度行ったことがあるカクテルバーへ。
普段あまりお酒を飲まない私でも
ここのカクテルなら何杯でも飲めちゃうという美味しさ。
カウンターとテーブル1つしかない小さなお店は
開店して30分もしないうちに満席になります。
一人一人の好みや体調に合わせてアレンジしてくれるから、
酔い潰れる心配もありません。
例えば、同じ桃のカクテルを作ってもらっても、
あなたのものと私のものでは度数も味も全く違います。(笑)
お酒に強いあなたにしてみれば、
私は『全く飲めない部類』に入るのだそうですから。^^;
3時間ほどバーで飲んでから、
9時頃にホテルに戻りました。
その晩私達が泊まったのはタワーと呼ばれる建物で、
私達のお部屋も高層階にありました。
大きな窓からは
美しく煌く港とベイブリッジが見えました。
「こんな贅沢しちゃっていいのかな。」
「たまにしか会えないんだから、
このくらいいいんじゃない。(笑)」
あなたはいつもさりげなく
私をエスコートしてくれるけれど、
私はあなたの優しさに慣れっこにならないようにしなきゃと
心の中で呟きました。
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2005年08月25日(木) |
星屑のような夜景を見ていた |
あなたはベッドに腰掛け、
私は窓際の椅子に座っていました。
部屋の窓から見えるのは、
星屑のように瞬く美しい夜景。
人は時に
抗うことの出来ない運命の波を
小さな船で乗り越えなければならないのです。
悲しみと不安を
淡々とあなたに打ち明けながら、
あなたは私のそばに来て、
後ろからそっと抱きしめました。
私の肩を抱くあなたの腕は
とても優しく温かでした。
しばらくあなたは私を抱いたまま何も言わず、
私の気持ちが鎮まるのを待っているようでした。
それから、
伝う涙を拭うように
私の唇にKissをしました。
あなたの情熱的なKissは、
私の悲しみを取り払うためのものだったのでしょう。
けれど、
私の悲しみは取り残されたまま、
身体の芯は熱く欲情して、
まるで盛りのついた猫のように
あなたを受け入れるのでした。
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11年というあまりにも短い人生を
風のように駆け抜けた祐未ちゃん。
あなたは私の生徒だったけれど、
あなたは私に
色々なことを教えてくれました。
棺の中のあなたは、
四度の大きな手術と
厳しい放射線治療に耐えたことすら忘れたかのような、
穏やかな優しい表情をしていました。
葬儀の間、
誰もが泣いていました。
みんなあなたのことが大好きだったから。
去年の夏、
病室の窓から近所の公園の美しい緑を眺めながら、
早く外に出て遊びたいと話していたあなた。
その日が来ることをずっとずっと祈っていたのに。
去年の年末、
お正月を自宅で過ごすために
一時退院したあなたから貰った
檸檬色のフレーム。
いつまでも教室に飾っておきます。
あなたの笑顔をいつでも思い出せるように。
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小夜子
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