J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年01月25日(日)    お知らせ


 少し風に吹かれてみたくなりました。
 しばらく休筆ます。
 またか、と言われそうですが、ごめんね。

 春になったら帰ってきます。
 よろしくお願いいたします。

 お元気で。

 04/01/25 JeanJacques Azur



   2004年01月24日(土)    でも。そういう工藤さんも好き、

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (17)


「工藤さんはこう言ってくれた、、、。
 確かに、そうだね、って。
 そして、、、


>確かに、これから始まる運命、ってのもあるよな、
 生まれてきた順番は否めないけれど、ここまでが運命でこれからが運命じゃない、
 そんな理屈は通らない、うん、レイちゃん、いいこと言うね。

>エヘ、工藤さんが私の話に折れてくれた、なんか、うれしい、

>何、僕はいつでも民主的だ、人の意見はよく聞くし、自分の考えに固執しない、
 間違いはすぐに正す、そういう人間だよ、

>その言い方がな〜、なんか、固いのよね、、
 でも。そういう工藤さんも好き、だから、いいのよ、うん、

>好き、だなんてまた、大人をからかうように、、、もう、
 なんだか、君と話していると君との年の差を忘れそうになるね、
 ちょっとさ、僕は君より幾つ上だっけ。

>12歳です、確か、学年で11。


>だろ、それに僕は君の上司だ。
 しっかしまぁ、なんで君とこんなに深い話を身近に話せるんだろね、

>なんででしょうね、友美さんとは話さないんですか、こういう話、

>ああ、友美さんとは話さない、友美さんは、なんでもイエス、だからな、

>、、、そうなんですか、でも、そういう方が工藤さんのお好みなんでしょ。

>いや、、、、その話は、いいよ。いろいろあるからね、それに君に話すことじゃない、


(そうだ、俺は友美さんにレイみたいなところがあれば、と望んでいるのだ。
 友美さんは自分の考えを決して話さない、それが俺は物足りないと思うことがある、
 レイのように、こうして自分の意見を言ってくれると俺も楽な時もあるのだが、)


>じゃぁ、やっぱり、私みたいのはだめなんだ、

>そんなことは言っていない



、、、工藤さんと、私、そうとう酔っていたの、だから、こんな話になって、、、」

レイが一呼吸入れました。
 


   2004年01月23日(金)    これから始まる運命もあるんじゃないかしら、

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (16)


「確定!、そうだ、あの時、君はそう言った、」
「そう、あの時に私がそう言ったの、覚えてなかったんだ、工藤さん、」
「ああ、今の今まで忘れていた、だからか、だからあの二人で飲んだ夜、
 君は友美さんの妊娠の話を聞いて、“確定”と言ったんだ、、、」(参照こちら

レイは私の顔を悲しそうに見て。
「そう、私は確定ですね、って言ったわ、工藤さんは確定じゃないって言ってたけど、」

「ではやはり、俺の一生はこれで確定だと、そういう意味で言ったのだね、」
「違うわ、」
「どう違うんだい?」
「やっぱり、工藤さんは肝心なことを覚えていないんだわ、」
「すまん、教えてくれ、」

「人の出逢いってのは運命で定められているんだよ、って工藤さんは言った、
 そして私は、でも、これから始まる運命もあるんじゃないかしら、と聞いた、
 そこまでは思い出してくれたんですよね、」
「ああ、思い出した、」
「そう、、。」

 
レイはじっと考えて、うん、と頷いて、そして話し始めました。

私とレイの花火の夜の顛末を。

私の記憶のない話。


+++
ごめんなさい、今夜はもう眠くて、これで筆を置きます。
またあした。


   2004年01月22日(木)    すべて、運命、なんだ。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (15)


>君の好きな人が、俺?、、、それは、あり得ない。

>どうしてですか。

>現実的でない。

>もー。だから、もし、です。もし、私が工藤さんを好き、って言ったら、です。

>もし、ね、、、。


僕は内心ドキドキしていた。
酔っていたので心臓が高鳴って、どうしようもなかった。

もし、もし、もし、、、もし、そうだったら、。

だけど。それはあり得ないこと。


>もし、そう君が言ってくれるなら。僕はうれしいだろう。仮定の話だけどね。

>ほんと、ですか。

>何故なら僕もまた君が好きだから。これも、仮定の話。

>仮定の話、、、。なんか、誤魔化されたような。

>誤魔化してないよ。本心だよ。でも、考えても詮無いことなんだ。

>、、、。

>人の出逢いってのは運命で定められているんだよ。
>生まれてきた順番、出逢った順番、みな運命なんだよ。
>こうしてここでレイちゃん、君とこういうカタチで出逢ったのも運命なんだ、
>僕には友美さんがいて、遅れて生まれてきた君はそうした僕と出逢った、
>すべて、運命、なんだ。

>運命、、、。

そして。君は少し考えてから言ったね。

>でも、これから始まる運命もあるんじゃないかしら。
>まだ、すべてが決まったわけじゃない。確定しているわけじゃない。
>違いますか?


確定!


   2004年01月21日(水)    生まれてくる順番、の話、。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (14)


あ。

思い出した。
何もかも。

「レイちゃん、あの時の話、思い出したよ、、、。」

レイはほっとしたような顔をしました。
そして、「生まれてくる順番、の話、。」と言いました。

「そう、生まれてくる順番の話、だった。」
「工藤さんは長い時間を掛けて私にそれを話したわ、」
「僕は酔っていた、」
「私も、。」


・・

>俺、先に君に出逢っていたら君に惚れていたかもな、
>なんて思うよ、

それを聞いて君は言ったんだ、

>3年後にはどうなっているかしら、
>3年後、今の友美さんと同い年になった時、
>私には工藤さんのような素敵な人が現れるかな、

>君には好きな人がいるって言ってたね(参照)こちら
>その人はどうなの?

>その人には、決まった人がいるんです

>ふーん

>もし、それが工藤さんだったらどうします?

君は悪戯な顔で聞いた。
それは君の本心だったんだね。
けれど、その時は僕はそうとはとらなかったんだ。

その時は。


   2004年01月20日(火)    けれど。俺は自分の気持ちに背を向けた。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (13)


私の記憶が蘇る。
手繰り寄せた糸の先。
そこには切々と続いているレイへの恋愛の情があった。

俺はレイが好きなのだ。
あの時からそうだったのだ。
ずっとレイを想っていたのだ。

けれど。
俺は自分の気持ちに背を向けた。
自分の気持ちを覆い隠した。

そうするよりなかったじゃんか!
どうもこうもできなかったじゃんか!
どうすることもできなかったんだよ、、、


、、、そう、あの時、僕は言ったんだ。

>レイちゃん。そんなことないよ。君には君のよさがある。

君は首を横に振った。
慰みはいいわ、と言うように。

それを受けて僕はこう言ったんだ。

>さっき、海での話、あれ、俺と同じもの見て同じように君は感じてたんだよ。
>雲と海の切れるところに青い空が見える、明日がそこまで来ている、って。
>その感性、好きだな、って俺は思う、俺と一緒なんだ、。

君は聞いた。

>工藤さんと一緒?

俺は答えた。

>そう、俺と一緒。
>レイちゃん、君は自信を持っていいよ。君は素敵な女性になれる資質を持っている、
>俺はそう思うよ。

>ありがとうございます。

>ん、
>酔ってから言っちゃうけどね、
>俺、先に君に出逢っていたら君に惚れていたかもな、
>なんて思うよ、


、、、それを聞いて君は、


   2004年01月19日(月)    私はレイに何を話したのだろう?

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (12)


私は記憶の糸を辿ってその時の様子を思い出す。

、、、。

、、、そ、そうだ。
あの時私は友美さんから離れ新入社員の席に行ったんだ。
レイは、、、レイは一気呑みをしてたいそう酔っ払っていた。(参照こちら

そして、あ、あ、ああ、、、、そ、そうだ。
私も皆に勧められ一気呑みをして、ぐてんぐてんに酔っ払ってしまったんだ。

あっ、あああ、、、、あの時、そう、何故だかレイが、レイが私の隣りにいた、、、
何故だか、私の隣にレイが座っていて、何かを話していた、、、

私は何を?
私はレイに何を話したのだろう?


「レ、レイちゃん、思い出したよ、あの時俺は君とずっと話していた、ね、」
、、、レイは黙って頷きました。

「俺は何か君に話していた、ずっと。」
、、、レイはもう一度頷きました。思い出して、と言うように。

私は額に両手を当て何とかして思い出そうと試みる。
だが、なかなか思い出せない。


レイが口を開く。

「さっき、言ったこと。」
「さっき、言ったこと?」
「私はさっき言ったことと同じことを話したの、
 友美さんて、いい人ですね、私なんかよりずっと素敵な人ですね、って、」(参照こちら

「う、うん、、、、で?」
「で、工藤さんもまたさっき言ったように話してくれた、」
「君には君のよさがある、、、。」
「そう、覚えていらして?」


、、、そう、だ。
そんな話、前にもしてる。

そう、だ。
あの晩、あの時。


そう、だ!

そしてレイはさっきと同じように、首を横に振ったんだ!


そう、そうだ!

そして俺は、、、!
 


   2004年01月18日(日)    ああ、何と言う無常、、、。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (11)


あの時、俺は不思議に思ったんだ。

もの思いに耽っているのかと思うと、
ケロっと明るく楽しそうに振る舞ったレイ。

女心は分からない、と気にも留めなかったレイの心中には、
それほどの深い動揺があったのだ。


道理で。
その後花火が打ちあがった時もレイは私を見ていたわけだ。(参照こちら

私が友美さんと肩を並べて花火を見上げている姿、
レイにとっては切なく胸を締め付ける光景だったことだろうよ。


そう、あの時俺はレイと一瞬目があって、俺は自分から目をそらした。

そして、、、そして俺は、肩を並べているところを、
レイに見られたくないかのように、友美さんから身をずらし少し離れたのだった!


ああ、何と言う無常、、、。


・・

「工藤さん、」
「ん。」
「その夜、のこと、覚えていらっしゃらないでしょ?」
「、、、その夜、、、、さっきも聞いたよね、そのこと。」(参照こちら
「ええ、」

夏季研修の花火の夜。
私の記憶にない夜。
友美さんを抱き新しい命が確かに生まれた夜。

「う、うん、ごめん、本当はあまり記憶が、ないんだ、」
「やっぱり、、、」
「でも、言ってくれれば思い出すと思う、いったい、俺は何をした、何を言った、、」

レイは私の肩に頭を凭れ掛けました。
お願い、思い出して、と言うように。

私は一瞬レイの肩に手を掛けようとしましたが、、、、それは、出来ませんでした。
レイは少し私に体を預けてからまた体を離し、哀しげな目をして私を見ました。
私はすまなそうな顔をして、目で、申し訳ない、と言うのです。


しばらくして、やっと、レイが口を開きました。

「私は妬け酒を飲むように酔っていた、の。そこへ工藤さんが来たの、覚えてません?」

、、、。


   2004年01月17日(土)    二人を見るのが辛かったの、

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (10)


レイは少し考えるようにして。
私はまた掛ける言葉を失い、タバコに火をつけて。

しばらくの間、をおいて、レイが話し始める。

「あの日、私は工藤さんのこと、好きなんだ、って自分で確信したの。
 工藤さんと友美さんが楽しそうに話しているのを見ると切なくて、
 胸が締め付けられるようになって、」
「しかし、君も楽しそうにしていた、」
「ええ、楽しかった、けど、胸の内は違ったの、」
「、、、。」

「覚えてますか?、私がひとり海を見ていた時、工藤さんが来てくれた事、」
「、、、ん?」
「夏季研修の二日目、花火の前、みんなで海岸に散歩に行った時のこと、」
「あっ、」

私はつぶさに思い出しました。
思い出す、というよりは鮮明に覚えている思い出でした。(参照こちら

何故だかひとり皆から離れ海を見ていたレイは、
私と同じ海と空の境のところ、水平線の向こうを見ていたのでした。
そして、明日がそこまで来ている、と同じことを思っていた、、、。

同じものを見て、同じことを考えるレイ。

その時、私はレイの瞳の奥より放つ光に惑い、一瞬自己を失いそうになったのでした。
レイの瞳の奥に吸い込まれそうになって。

そのことは、生涯忘れ得ぬ思い出として私の胸中に残っていたのです。


・・

「あの時、工藤さんと友美さんは皆から離れて、二人っきりで話されていたわ、
 私はそれが辛くって、ううん、二人を見るのが辛かったの、
 みんな、遠くから興味深々で見ていたし、キスするんじゃないかとか、
 そのことも聞くに耐えなかった、だから、ひとり離れて海を見ていたの、」
「、、、。」

「でも、工藤さんが心配して私のところへ来てくれた、、、、うれしかった、、、、。」


ああ、それで合点がいった。
道理で。

でも。

俺はそのことを気づかずに、今日の今日まで、生きてきたんだ、、、。

なんと愚かな男よ、俺、、、。


   2004年01月16日(金)    夏季研修の日、あの日、私は初めて友美先輩に逢ったの、

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (9)


「憧れ、でしかなかったわ、工藤さんは大人だったし、上司だし、
 好きになっても叶わないこと、分かっていたし、」

「でも、一緒に仕事して、一生懸命働いて、工藤さんに認めてもらって、
 時には厳しく注意されたりもしたけど、誉められるとうれしくて、
 工藤さんと会社で過ごす日々が、私は楽しかった、幸せだった、、。

 、、、夏季研修の日、までは、、、。」

レイはそこで言葉をいったん切りました。
下を向いて、ちょっと苦しそうな表情、何か苦い想い出を思い出したかのように。


「、、、夏季研修の日、、、。」私は思い出すように言葉を漏らす。


レイが続ける。

「そう、夏季研修の日、あの日、私は初めて友美先輩に逢ったの、(参照こちら
 とても素敵な人だったわ、優しくて、可愛くて、人当たりがよくて、
 工藤さんのお相手として申し分のない、これ以上にない、そんな人だった、、、」

私はまた黙って聞くよりない。
なんと答えようか、言葉が見つからない。
呆然とレイの口元を見つめている。
魂を抜かれたように。


レイが話を続ける。

「けど、私は、、、私は、何故だか悲しくなってしまった、表面上は明るく振舞っていたけど、、、
 今思えばあれは嫉妬だわ、自分にないものを持っている、友美さんに対しての、
 ううん、劣等感、だから、悲しくなった、そうだわ、そうに違いないの、」

「でも、友美さんはそんな私の心のうちを知らず、私を優しく包むように接してくれた、
 いえ、私ばかりじゃなくみんなに、だから、すぐにみんなに慕われたわ、
 いい人、なの、友美さんて、本当にいい人なの、素敵な人なのよ、、、」

レイは相槌を私に求めました。

私は押し殺した小さな声で、「ああ、いい人、だ、」と答えました。


それを聞き、レイは、ふっとため息を吐いて、
「そう、いい人、私なんかより、ずっと、素敵なひと。」と言いました。

私は労わるように、
「それは違うよ、レイちゃん、君には君のよさがある。」と言いました。


レイは無言で首を横に揺りました、、、。


   2004年01月15日(木)    あの面接の日が、私にとって運命の日だったの、

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (8)


レイのその一言は私の心を突き刺した。
私は息の根を止められたかのように言葉が出ない。

(私、工藤さんが、好きでした。)

ああ、何ということをレイは言うんだろう!
だからといって何も変わらないのに!
言わないで欲しかった、その言葉。

俺が何故君への想いを固く封印してきたのか分かるか!
どうしようもないからなんだ。
今更、、、今更そんなこと聞いても、苦しいばかり、なんだよ、、、。


辛うじて私は言葉を返す。
「、、、あ、ああ、そうなんだ、、、。」

レイは私の方を見ずにぼそぼそと話を続ける。
思い出すように。
自分の気持ちを確かめるように。

「私は工藤さんが好きでした。最初から。」

そんなこと。
言っちゃだめだよ、レイちゃん。

「、、、いや、でも、それは、聞かなかったことにする。」
「どうしてですか。」
「君が傷つくよ。」
「そんなこと、ないです、」
「今更、過去の話、俺に打ち明けてどうする、何も得るものがないじゃないか、」

レイはキッと険しい表情をしました。
「得るもの、なんて、望んでもいない、話したいだけ、いい想い出、にしておきたいだけ、
 工藤さんはずるい、自分ばっかり気持ちを打ち明けて、私も、話しておきたいだけ、」

「ずるい、、、。俺が、ずるい、か、」
「そう、ずるい、私だって、いろんな想い、持ってきた、んです、」
「、、、ん、」

レイは一気に話し始める。
私の相槌を待たずに。

「私は、一番最初に工藤さんに逢った時、この人だ、って、思ったの、
 あの面接の日が、私にとって運命の日だったの、」

「工藤さんは私に熱意を持って会社の話を聞かせてくれた、
 うれしかった、この人と一緒に仕事をしたい、そう思ったの、」

「好き、になりたい、自分ではそう思った、けど、工藤さんは、言ったの、
 僕には婚約者がいるって、僕に恋しちゃいけないって、」(参照こちら

「なら、憧れ、でいいや、って、一緒に仕事、できればいいや、って、
 そう思って、会社に入ったの、だから、憧れ、ってさっき、言ったの、」


、、、私は返す言葉なくただ聞くのみしかできない。

レイの話は続く。


   2004年01月13日(火)    私、工藤さんが、好きでした。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (7)


「君の気持ち?」
私はごくと唾を飲んでからそう聞き返しました。

レイは泣いている。
泣きながら、うん、と首で返事をする。

「君の気持ち、って言っても、、、。
 ああ、ともかく、レイちゃん、泣かないで、君、酔ってるよ、」


しかし、レイの涙は私の涙なのだ、、、。
レイは私のために泣いてくれているのだ、、、。

何故ならば。
レイに泣かないで、と言いながら、私は心の中で泣いていたのです。


・・

レイは本当に酔っていました。
私も本当に酔ってしまっていました。

言うことが前後して、思いつくままを話して。

自分の世界に入って。
やがて、二人の世界に入って。

より一層親密さを増して、寄り添う二人でした。
肩と肩が触れ合うほどに。


「君の気持ちがどうあれ、すべて過去の話さ。
 始まりなく終わった話、そしてそれはいい想い出、それでいいんだよ。」
「でも。」
「いや、いいんだ。いいってさっき君も言ったじゃんか。」
「、、、。」

しばらく黙り込む、レイ。
話はここまで、だ、とタバコを取ろうとする私。

これで、よかった、んだ。

とその時。

レイがぼそっと言う。


「私、工藤さんが、好きでした。」


、、、痛ッ


   2004年01月12日(月)    そして。私とレイは始まる事無く終わった。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (6)


「いい想い出、か。なるほど、そうだね。」

私は思い出したようにこんな言葉を漏らす。
独り言のように。

レイもまた。
「そう、いい想い出、ですね。」
と独り言のように。

もはや私はレイが何を思っていい想い出といっているのかなんて、
どうでもよくなっていました。
私は私なりに自分本位でレイを思っていい想い出としていたのです。

少なくともレイは私に好意的であった。
私があの夜、ふたりで最初で最後に飲んだあの夜、
私がレイを抱き締めたこと、そしてキスしようとしたこと、は、
レイにとってはいい想い出となって残っている。

よかったじゃないか。
それで。

私はレイに好意を持っていたんだ。
レイに恋愛の情をもっていたんだ。
決して酔った勢いの蛮行じゃなかった。

君が好きだから。
君を欲しくなってしまったから。
純粋に、それだけの感情で君を抱き締めたんだ。

その気持ちがレイに伝わっていたんだ。
だからレイもいい想い出と言ってくれている。

よかったじゃないか。
それで。

そして。
私とレイは始まる事無く終わった。
それでよかったんだ。

想い出だけが、いい想い出として、残った。
それだけでもよかったじゃないか。


・・

「僕の気持ち、確かめられた、さっきそう言ったね、レイちゃん、
 それは本当に確かだと思っていいよ。」

私はいつしか考えていることを言葉として話しはじめました。
酔って自制心が薄れていたのです。
思考と言葉が区別できなくなって、ボロボロと心のうちを話し始めたのです。

レイは黙って頷きました。
嬉しそうな、辛そうな、どちらとも取れる表情で私を見つめて。

私は言葉を続ける。
「だけど。それ以上は聞くな、話すな、考えるな、だよ、、、。
 もう済んだことなんだ。始まる事無く終わったことなんだ。
 どうしようもないことなんだよ、、、。」


レイは。
レイは泣き始めました。
そして、、、

「けど、工藤さんは、私の気持ち、わかってない、、、。」

と、言いました。


   2004年01月11日(日)    此処にいるのは偶然ではない。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (5)


「でも、いいんです、もう、、、、。」
「うーん、それでは僕も消化が悪いよ、ね、話して、レイちゃん。」
「本当にいいんです、これ以上話すと、辛くなるもん。」

辛くなる!
おいよぉ、レイちゃん、何を言っているんだよぉ、、、。

「ん、、、、そうか、辛くなるか、じゃぁ、いいよ、」
「、、、すみません。」
「なんで謝るの、何も悪いことしてないのに、」
「いえ、ヘンな事聞いちゃって、」
「何、構わないよ、」


再び、少しの間。



レイもかなりアルコールが回っていたのです。
疲労、睡眠不足、出張先の開放感、そして夜景、、、
レイの心の扉が緩く開いて心のうちの想いが溢れて言葉になっていました。

思いもかけないその言葉の連続に、私も揺れ動き、
ついには私も心の扉を開いてゆくのでした。

知らぬ人が見れば、親密に話す恋人たちに見えたでしょう。
それほど近くに私とレイはお互いを置き追憶の糸を辿っていたのでした。

あの夜。
あの時。
あの頃。

何度も振り返り想い出し、言葉を重ねて。

そして今。
私とレイは此処にいる。

全てが繋がっているようで、繋がっていないようで、
ただ此処にいる自分達ふたりだけが存在しているような、
そんな錯覚をすら持ってしまう、不思議な心理状態になって。


此処にいるのは偶然ではない。

こうなるべくして此処にいる。

そんなふうに考えられる、ふたり、でした。


そして哀しいことには、私とレイはそれ以上も以下もない、関係でした。
だから、堂堂巡りばかり繰り返す。
肝心なことには触れられず。

酔ってこそ。

酔っても尚。


   2004年01月10日(土)    あの夜は。俺の記憶のない夜、、、。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (4)


「夏季研修の、、、花火の夜、、、!」

私はレイの言葉を復唱し、またも気が動転しました。

花火の夜!
覚えているか、だって!
レイちゃん、何を、聞いているだよ、、、!

あの夜は。

あの夜は、、、
俺の記憶のない夜、、、。

そして、新しい命が生まれた夜、、、。(参照こちら
その約一ヶ月後、私は友美さんから妊娠の事実を聞いた。(参照こちら

確かに、レイちゃん、君にはあの晩、そう君とすし秀で飲んだ夜、
そのことを君に話したよ。
そして君は、僕はこれで確定だ、と決め付けるように言ったんだよね。(参照こちら

けど。
あの花火の夜、の件は君には話していなかった筈。

だから君には関係ない夜の筈、じゃんか、、、!


・・

気の動転を抑えて辛うじて言葉を発する私。
「は、花火の夜、、、、ん、うん、。あまり、よく覚えてない、けど、覚えていることもある、よ。」

私の返事を待ってレイは、ふぅっと溜めた息を吐き、
「そう、、、、。」と一言。

「どのこと、を、君は言っているのかな、」
「覚えてないんだ、工藤さん、」
「いや、だから、どのこと、って。」
「いいです、覚えてないのならば、」
「なんだよ、。覚えているって。だから、どのことだ、って。」

レイはまじまじとまた私の顔を見る。
私は、、、。
実際には覚えていないので、後ろめたくなり、目を逸らす。


レイは何を言っているのだ。
あの夜、レイに何か俺はやらかせていたのか。

あー、だめだ。
酔いが回って正常に事態が掴めない。


   2004年01月09日(金)    急に打ち解けた拘りのない気持ちが広がって。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (3)


俺があの夜の出来事を覚えていると言ったあとに、
レイが立て続けに言った言葉。

想い出の夜。

・・ずっとそのことを気にしていた。
・・自分はあの時うぶだった。(参照こちら

でも。
・・あれでよかった。
・・いい想い出になった。
・・俺の気持ちを確かめられた。

そして。
・・俺に憧れて会社に入社した、、、。(参照こちら


だから、なんだ?
なんだというんだ。

俺がうろたえることはないじゃないか。

しっかりしろ、。
俺、。


・・

「工藤さん?」
「ん?」

レイが呼びかける。

「ん?、って、、、。工藤さん、急に黙り込んじゃって。」
「ああ、すまない、自分の世界に入り込んでしまったみたいだ。
 酔ってしまったようだよ。ハハ、、、」

「私も、ちょっと酔っちゃった、、、」ニコリとして、レイ。

私もニヤリとして。
急に打ち解けた拘りのない気持ちが広がって。

私は思うままにペラペラと話し始めました。

「ま、こういうことだな。
 つまり、レイちゃん、君は僕に憧れて会社に入社した。
 それは僕を通して仕事に魅力を感じたからなんだよ。」

「で、君はあの当時はまだ入社したてで、うぶ、っていうか、
 それこそ、当時、18歳だったのだから、幼くて当然さ。
 そんなことよりも僕がしたあの行為は許されるものじゃない。
 そのことについてはやはり僕は君に詫びておくよ。」

「君が何を想っていい想い出だとか言うのかは分からないが、、、。
 いずれにせよ、過ぎた想い出だ。
 いい想い出として残るならば、僕はそれでうれしく思うよ。」

「けどなぁ、僕の気持ちを確かめられた、で、うれしい、ってのはなぁ、
 なんとも解せないけど、、、。
 ま、いいや、ね、いい想い出、なんだもの、ね。」

、、、私はレイの返事を待たずに自分一人で話し、自分一人で話を〆ました。


レイは私の話の終わるのを待って、やっと、話す。

「、、、工藤さん、あの夜のことは、覚えてないんですか?」

「え?、あの夜って?」

「夏季研修の、花火の夜、、、。」


レイは私の目を奥を見据えて低い声で聞きました。


   2004年01月08日(木)    憧れる、と恋心を抱く、は根本的に意味が違う。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (2)


いや、違う。
それは俺の早とちりだ。

憧れる、と恋心を抱く、は根本的に意味が違う。

レイは俺に憧れて会社に入社したと言ったが、
決して俺に恋心を抱いて入社したとは言ってはいない。

ああ、また俺は自分に都合よく物事を捉えようとしているな。

何故だ。

今まだ俺はレイに未練があるのか。
結婚をして子どもまでいて、固く封印して風化している筈の恋愛の情。
よもや心の奥底で細々と残っているとでもいうのか。


それは、否、だ。

俺はレイに何も感じていない。
今隣に座るレイに些かなりとも恋情を感じ得ない。

間違いなく、、、。


間違いない、よな?

間違いないと思い込むんだ、俺よ。

そう思い込め!

そう思い込め〜、、、俺よ。

揺れてはいけない、、、。


ああ!、だけど、こんなに頭が揺れている!

くるくるくるくる、揺れている!

くっ!



、、、そう、そうだよ。

レイは俺に憧れて会社に入社したさ。
けど、恋心を抱いていたわけじゃない。

そして、そのことがどうだって言うんだ。
今さら何がどうってことあるまいに。

ふん、何をうろたえているんだ、クドウジュンイチ。


   2004年01月07日(水)    4. 無常   ・・・私の頭はくるくる回る。

J (3.秘密の恋愛)

4. 無常 (1)


俺に憧れて会社に入社した、、、。

そう言うレイを前に私は言葉が出ない。
ただ、頭の中がくるくる回る、くるくる、くるくる、くるくると。

・・

確かにそんな気もしていたよ。
けれどそれはずっと俺の心の中で打ち消してきたことなんだ。

そんなことはある筈はない。
レイは営業部という仕事の内容に惹かれて志望を変えた。
俺に関係のない動機で会社に入社したんだ。

だって君は履歴書にそう書いたじゃないか。(参照こちら


けれど。
確かに、あー、俺は、もしかしたらと、
そういう甘い幻想を抱いていたこともあるよ。

レイが少しでも俺に気があるんじゃないかってね。

でも、それは俺の妄想。

俺はそう決め付けてこれまでやってきたんだ。

それなのに、。


なんで、君はこの席で今そんなことを口走る!?

、、、レイちゃん、酔ってるよ、君、、、。



それと。
俺の気持ち、確かめられた、ってどう言う意味だい?

あー、確かに俺は君に猛烈な恋愛の情を持っていたよ。
狂おしいほどの。

そして、あの夜、俺は君が欲しくなって仕方がなくなった。

でも。
君は肝心のところで席を立ったじゃないか。(参照こちら

俺の記憶では、、、。

俺の記憶では、君に一言も君への恋心を打ち明けていなかった筈だよ。


なのに、なんで君は確かめられた、っていうんだ。

全て君にはお見通しだった、そう言うわけなのかい!?


、、、ああ、俺も酔っている、くるくる回るよ、頭が、、、


   2004年01月06日(火)    本当は私、工藤さんに憧れて会社に入ったんですもの。

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (18)


一呼吸置いてレイは言いました。

「あの時は私、幼かった、だから気持ちを抑えることができなかった、、、
 ほんっと、うぶ、だったんですよね、泣いちゃったり、逃げちゃったり、、、」

「ああ、それは、、、。」

(うぶとか、そういう問題じゃなくって、ひとえに僕が悪かったわけで、、、)
と私は言おうとしましたが、最後まで言えなかった。

何故かというと。
、、、レイの目が潤んでいたからです。


「でも、」、、、レイが話を続ける。
「でも?」、、、でも、何?と私。

「でも、あれでよかったんですよね、今となっては。」窓の外の夜景を遠く見ながらレイ。
「う、うん、そうだね、、、。」何がよかったのか、考えながら私。

ちょっとの間。


「でも、」、、、また、でも、とレイが話を続ける。
「でも?」、、、私。

「ううん、でも、じゃない、いいんです、これで。」今度はレイ、私の顔を見ながら。
「これで、ね。そっか。」

「いい想い出になりました。ありがとう、工藤さん。」
「ああ、そう、よかった、ね、、、」


何がいいんだ。
何がいい想い出なんだ。
ぐるぐる回る私の思考。

けれど、私は随分とまたアルコールが入ってしまっていました。
つぶさに答えを見つけることができない。

はっきりと聞いてしまえ。

酔った私はそうすることを選択しました。


「いい想い出、って、あの夜のこと、だよね、どうして?」

レイは私をまじまじと見て、そして言いました。
「工藤さんの気持ち、確かめられてうれしかったから、、、」

俺の気持ち!?

私は信じられない言葉にびっくりして相槌をうてない。

レイは続けて言う。
「本当は私、工藤さんに憧れて会社に入ったんですもの。」

何言っているんだよ〜。
レイちゃん、そんなこと、言っちゃだめじゃんか!


酔っているね、君、、、。



(3.想い出の夜、の項 終わり)



   2004年01月05日(月)    あの時、私、うぶでした、、、。

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (17)


「何を、どう、覚えているんですか?、、、あの夜のこと。、、、悪かった、って?」
レイは念を押すように再度聞きました。

私はジントニックをコクリとまた飲んで話し始める。
辛うじて思い出しながら話すような口調で。

「あの夜、寿司秀で飲んだ夜、僕はそうとう酔っていた。」
「そう、、、。工藤さん、酔っていたわ、記憶がなくなるほどに。」(参照こちら
「うん、、、。だから、すまなかった。」

私は肝心なことをボヤ化して詫びを入れる。
はっきりと言わなくてもレイは分かるだろう、そういうつもりで。

しかし、レイは納得いかない様子でした。
それはそうでしょう、これでは記憶がなくなるほどに飲んだことを、
私が覚えていてそれを詫びているようにも取れます。

レイは再び聞きます。
「帰りにタクシーに乗ったこと、覚えているんですよね、さっき、そう言ったもん。」レイ。
「ああ、覚えている、だから詫びている、」淡々として私。
「じゃぁ、あのことも。」
「うん、申し訳ない、」
「でも、翌日、記憶がないって?」
「そう、それもすまなかった、」

そうなんだ、、、とレイは独り言のように呟く。
私はタバコを咥える。

ちょっとの間。

「私、ずっとそのこと気にしていた、」
「すまなかった、」
「ううん、違うんです、工藤さん、」

違う?

私はレイの言う意味がよく分かりませんでした。
「違うって?」

「あの時、私、うぶでした、、、。」とレイ。

「うぶ、、、?」訝しげに私。


「私、涙など溜めてしまって、、、。」(参照こちら


   2004年01月04日(日)    だって、想い出の夜、なんだもん。

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (16)


私は先ほど皆と飲んだ酒にジントニックが加わって少々酔ってきていました。
またあの夜の話をするレイの真意を諮る事無く、
なんとなく「そうだね、」と相槌を打って話しを合わせました。

レイもまた少々酔ってきていました。
朝早くから立ち通しで仕事をして、草臥れた身体に染み入るアルコールです。
こうしてゆっくりとした席でコクリとジントニックを飲んでいれば自然酔うものです。
まして窓の外に広がる夜景に魅せられて。

「工藤さんはあの夜のこと、よく覚えていないんですよね、、、。」
「う、うん、、。」

ああ、さっきは、タクシーの中では、レイに詫びようとしてたのに!(参照こちら
何故俺はここではっきりとした返事をしないのだろう、、、!



遠い目で窓の外の夜景を見るレイ。

そしてふっと私の方を向いてぽつりと言う。

「私は、、、。私はよく覚えているんですよ、。」

「そう、、、。」、、、戸惑う私。

「だって、想い出の夜、なんだもん。」言った途端、にこりとするレイ。


想い出の夜!
どういうことだ!
なんでいきなり!

暫し私は頭を巡らす。

そして悪い方向にレイの話を解釈しました。

ああ、そういうことか、、、。
悪い想い出だね、きっと。
突然にあんなことをして悪かったよ。

私は胸が痛くなりました。
そして耐えかねるように口を開きました。

「レイちゃん、あの時は、悪かったね、、、。」


え?、という顔のレイ。

「工藤さん、覚えているんですか!?」


   2004年01月01日(木)    あれ?、俺とふたり、だって、、、

J (3.秘密の恋愛)

3. 想い出の夜 (15)


エレベーターは最上階に着いて。
扉が開く。
シックなピアノの音楽が聞こえる。

私とレイは窓に面したカウンターに腰をおろす。

大きな窓の外は眩いばかりの夜景が拡がる。


「うわぁ、キレイ、、、」

レイは心奪われて感歎の言葉を漏らす。

「だろ。」

私はにこにこして相槌を打つ。

「工藤さん、ありがとう、誘ってくれて。
 私、こんな素敵な夜景、初めて見ます。」
「うん、僕もここ、お気に入りでね。」
「よく来るんですか?」
「いや、たまに、けど、このホテルに泊まったときはいつも、
 さ、レイちゃん、何飲もう、」

「工藤さんは?」
「僕はジントニック、すっきりするから、」
「じゃぁ、私も。」
「ん、カクテルもあるよ、」
「分からないし、」
「そっか、」


私たちはジントニックを飲みながら夜景を見て。

隣り合って座って。
肩と肩が触れ合うぐらい近く。

心ゆったりと開放的な気分。
適度のアルコールも身体に回って。


、、、友美さんもお酒、飲めたらいいのにな。

レイみたいに。

私はふとそんなことを思ったりしました。


「ほんと、いいですね。ここ。」
「うん、気に入った?」
「はい。」

「よかった、少しは大阪の想い出、残さないとね。」
「いい想い出になりますわ。工藤さんとふたりでお酒なんて。」


(あれ?、俺とふたり、だって、、、)

どういう意味だろう、、、

私が黙っているとレイが続けて言いました。

「こうしてふたりでお酒飲むのも、あの晩以来ですね、」


あの晩。
また、その話か。



***

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

明日明後日、都合により「J(ジェイ)」休筆致します。
4日より再開致しますのでよろしくお願いいたします。


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