夕方の風が涼しくなってきた。夏が終わると思うと本当に悲しい。今年は、会社を辞めて新しい会社に入った特別な夏だった。生活は意外と淡々と続き、要するに働くことは大変だという事実は会社が変わってもあまり私の実存に大きな変化を与えず、日々自炊したい気持ちとできない自分との葛藤が続いた。
夏休み(休みじゃないけど)最後の週、『河童のクゥと夏休み』http://www.kappa-coo.com/を見る。驚いた。ぼろぼろ泣いた。同時に先日の吉田修一『悪人』同様心に鉛のようにひっかかり、沈み込む何かが残った。それは自分が続けている生活への疑問、というのか。とても気分の悪いものだ。子どもの映画だと思ってバカにしてはいけない。とても深い。監督は『クレヨンしんちゃん大人帝国の逆襲』の原恵一。
土曜日はもちろん阿波踊りに行きました。サさん一家が来て、ヨくんと遊んだ。ああ、あんなにかわいい子どもが毎日自分と一緒にいてくれたら、なんだか毎日のいろんな価値観が変わってしまうんだろうなあ。
タコライス。くだらない日記でごめん。ちょっと落ち着いたら腰を据えて書こうと思っています。おやすみなさい。
今週はお腹を壊して熱を出した。転職して1カ月。疲れが出たのだと思う。大宮の日赤に行って薬をもらい、その後実家に帰った。
最近、1週間があっという間に過ぎる。平日の生活をもっと、豊かにしたい。豊かというと難しいようだが、実はとてもシンプルだ。ご飯をつくって、本を読んで、お風呂に入って、夜更かしをせずに「おやすみ」と言って眠りたい。どうしてそんな普通のことができないんだろう。外食したり、朝風呂になったり、夜更かししたりしてしまう。それを、仕事のせいにする。でも今は転職する前よりも確実に、毎日の仕事がワクワクして面白い。がんじがらめだ。
ここのところ彼氏がずっとイヤホンをしたままゲームをしていて、2週間くらいたってそれが突然とても辛くなってきた。今日、「このまま1カ月続いたらちょっと辛い」と言った。なんだか涙が出てきたのでしくしく泣いた。こういう日もある。
マイナス思考が出てきたのは読書のせいかもしれない。吉田修一『悪人』を読んだ。傑作だ。しかし、後味のいい小説ではない。田舎の殺伐とした人や、風景を表した小説は、こたえる。私にとって、リアルだからだ。それでも最後のほうで、涙が出た。ここが作家の強調したい部分かは分からないが、私はここで泣いたので書いておこうと思う。多分こんなところで泣いている場合ではない。もっと深い。
「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思いこむ。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思いこんで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」
「東雲」を、25年間「とううん」と読んでいた天才の私です。暑い日が続きますが、熱いのは大好きなので楽しく生きています。夏は花粉症が出ないのも本当に幸せ。さて、最近気になったものなど。
■『情熱大陸』で見てから内澤旬子さんが好きで、毎日のようにブログを読んでいる。内澤さんの夫で「モクロー」こと南陀楼綾繁さんがすすめていた『Petit Book Recipe プチブックレシピ リトルプレスの作り方』(毎日コミュニケーションズ)を買う。本づくりの基礎が全て網羅されている良書。結婚式にリトルプレスを配るのが夢なので、今から(早っ)企画考えたいと思います。
■今日も「お茶とお菓子 横尾」に行った。私の好きなカフェランキング1位に躍り出つつあります。現在のランキングは 1位 横尾(吉祥寺) 2位 NOMAD(根津) 3位 ひなぎく(荻窪) 4位 DADA Cafe(代々木) 5位 七つ森、トリアノン(高円寺) って感じでしょうか。
■ロバート・サブダさんの飛び出す絵本を、彼ぴとせっせと集めています。『不思議の国のアリス』『絶滅した獣たち メガビースト』『恐竜時代』の3冊をまずはそろえました。これはすごいよ、ほんと。前に「うるるん」でサブダさん出演の回を見たけど、なんで、このシリーズって他の筆者、会社は真似しないんだろう。特許とってるのだろうか。
■読書は、相変わらず須賀敦子中心。まだ読んでるのかって言われそうだが、全集はついに7巻。吉田修一の『悪人』の評判がいいので、読む予定。
■須賀敦子つながりで、もう1つ。先日広尾で時間が空いたので、聖心女子学院の敷地をぶらぶらしてきました。夏休みで学生はほどんどいない。聖堂の裏の中庭には大樹う(何の木だろう)が木陰をつくり、その横にはこぢんまりとした棚に、薔薇の花が育ててある。廊下を歩くと方々にマリア像が。先日行ったイタリアを思いだして、心がなごんだ。『どんぐりのたわごと』(全集に収録)を読んでいるせいもあり、キリスト教について考えている。
■りかちゃんと串屋さんに行く。ギャラリー勤務者の労働条件などについて、興味深く聞いた。
■彼ぴがニンテンドーDSを買ってきてやっているので、我が家の会話が激減しています。
松浦弥太郎さんが編集長になってから毎号、『暮しの手帖』を買っている。丁寧につくられた記事に、心が洗われる。最後のページにある「編集者の手帖」(編集後記)を読むのがこんなに楽しみな雑誌はない。「今日もていねいに」―おそらくとても忙しいひとの言葉だから、毎回、はっとさせられる。本当にそう思っていることが伝わってくる文章は、気持ちがいい。複雑そうに見える料理も、挑戦してみると案外やさしい。先週は、最新号に載っていたケンタロウさんのカレーを作った。
今日は一日家にいて、ぱちぱちパソコンを打っていた(仕事)。夕方、ちょうどひときりついたころに雷が鳴って、夕立が来た。真っ暗な部屋でお風呂に入る。風呂から出たら、雨は上がっていた。気持ちがいいので外に出たくなり、黒くしめった道路を歩いて駅まで。濡れた髪が、夕暮れの風で自然に乾いていく。
スーパーとケーキ屋に寄った帰り道、毎日夕暮れ時に買い物をする人生を、想像してみる。掃除機をかけ、亭主が帰るまでに晩ご飯を作る。夕立の時にしまった洗濯物を、たたんで仕分けする。残った時間で新聞を読む。人には役割があり、それぞれがそれぞれの役割をまっとうして、おそらく昭和の人は暮らしていた。男は働き、女は家を守る。そうしたしくみを、ずっと不条理だと思ってきた。最近は、快適な生活を送るための知恵であったと、素直に認めている。
「働く」とは何だろうか。「暮し」とは何だろうか。社会人になって3年半、ずっと同じようなことを考え続けている。
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