ポスターの柳楽くんの姿を見るたびに、 その瞳の奥の気持ちをいろいろ想像していた私。 4人で生きることを否応なく 選択させられてしまった。お兄ちゃん。 実際の事件だけに、その時の気持ちはどんなものだったのだろうか。
あらすじだけ読んでいると、 とっても悲惨な話に見えてしまったのですが 映像を通じると、子供たちのたくましさや 何も無くても、遊べる柔軟な気持ち。 とくに驚いてしまったのが お母さんに対して、決して怒ってないこと。 勿論、お兄ちゃんはもっとして欲しいことが 沢山あったと思うけれど。 電話をかけてせめるでもなく。 小さい弟や妹も寂しいけれど、がんばっている。健気だなあ。
柳楽くんも、勿論よかったけれど、 他の3人北浦愛ちゃん、木村飛影くん(印象的な名前ですねー) 清水萌々子ちゃんもとってもかわいかったです。
正直この感想はお母さんについてかけません。 実は私はこのお母さんにどーしても、 しょうがないよね。って言う感情を持てなかったのです。 子供たちも嫌って無いし、監督もお母さんを悪者という イメージだけで描きたくなったそうなのですが。。
あくまで、この作品は「誰も知らない」という 作品であって、現実そのままじゃないものね。 それにしても 1988年に実際あった事件を全然覚えてなかったです。 あれあれ。なんでだろう。。 実際事件のあったマンションに住む人は、嫌がらせ等で 引っ越した人もいたというほど、話題になっていたというのに。。うーん。
2005年03月26日(土) |
「ロング・エンゲージメント」 |
「アメリ」から3年ジャン=ピエール・ジュネ監督と オドレイ・トトゥ主演で送るミステリー+恋愛(純愛?)作品。 「アメリ」とどーしても比較されますが、 バリバリの戦争ミステリー映画に仕上がっておりました。
とにかく、戦争シーンには力が入っていましたねー。 第一次大戦フランス軍とドイツ軍が数百メートルで 対峙する塹壕「ビンゴ」 そこで繰り広げられるシーンと、 戦後、戦争で処刑されたとされる彼マネク(ギャスパー・ウリエル)を探す マチルド(オドレイ・トトゥ)の必死な姿のシーンの 対比が印象的ですね。とくに、ビンゴの戦時中と戦後。 ああ。なんかこのシーンを観ただけで 戦争の空しさと人間の愚かさを感じてしまいました。
とにかくひたすら彼は生きていると信じているマネク。 その姿は、ちょっぴりだけアメリを想像しちゃうのは、 監督とトトゥコンビという先入観が強いせいだけかな?
ジュネ監督の映像美も随所に感じられるけれど、 全体的なトーンはあくまで地味で、 マチルドの信念を貫く気持ちに 支えられた物語。 ベテランに脇を固められ 安心して観ていられるけれど、 なんだかすごさを感じないのが残念。。。
2005年03月25日(金) |
「SEVEN ROOMS」 |
現在上映中の乙一さん原作オムニバス映画「ZOO」の 中の1編。ネットで315円で購入して観て見ました。 「殺人鬼の放課後」に収録されたいた、 この作品を読んだ時の衝撃は忘れられなかったので、 一体映像ではどうなってしまうのか興味津々でありました。
で、我が家のパソコンで深夜観てみたら。。。 いやーあの部屋の雰囲気が、出ていました。 7つの部屋に監禁される女性たち。 何も無い部屋の隅を流れる排水。 これがまた不気味というか気持ち悪いというか。
たった27分。しかもセットは、部屋だけ。 なのに、漂うこの緊張感。 乙さんの描いた世界が、実写で甦る雰囲気はいいですね。 正直、楽しみ半面、きっとなーんだ なんて思ってしまうかもと半々な気持ちで見たのですが。 想像したよりずっと面白かったです。
主人公姉弟を演じる市川由衣さん、須賀健太くん。 とくに須賀くんがいいんですよねー。 怖く切なく。 勿論乙さんの原作あってこそですが、 須賀くんの演技にもノックダウン。 安藤正軌監督の他の作品も観てみたくなりました。
1日発売になる「カザリとヨーコ」も観てみよう!
「笑いながら、せつなくなる。家族のおとぎばなし」 (パンフレットコピーより) 舞台は、一軒家の居間から始まります。 ベットに横たわるお父さんとヘルパーのさおりさん。 そうなんです、お父さんが密かに 可愛いと思っている女性。さおりさん。 年齢はかなり離れているけどね。
そんな日常に、お母さんの7回忌の法事で 帰ってくる2人の娘と息子。 そして、お父さんの回診に来る隣に住んでいる藪先生。 登場人物は、この6人だけです。
物語は家族の過去シーンを絡めながら お父さんと子供たちの 繋がりや思いを、ちょっとした 笑いも含めて進んでいきます。
長男役の堺雅人さん目当てで行った私なのですが、 お父さん役の前田吟さんの演技に釘付け。 昔(ほんと昔だなあ) 見たドラマで、とんでもなく張り切っていた 前田さんが印象的だったので、 本人を見れて感激でありました。 あ。勿論堺さんは素敵でした^^ 映画やドラマで見る ちょっと寂しげな微笑みも健在。 堺さんを見ているだけで、 なんか暖かいものを感じるなあ。
って、でも、舞台は暖かいものを感じる というのとはちょっと違って。 正直、話としては苦手なジャンルでありました。 子供の時の家族と大人になっての家族の役割は 変わってきてしまうとは思うものの、 お父さんの寂しさはほんと切ないです。 お父さんの恋しているのは、ひとりの女性というよりは 家族に対してのものかも。。。 なんて思わず深読みしてみたくなりました。
韓国の映画といえば、四天王なんて 人気男優の出ている作品が 注目されがちですが、女性陣の作品もなかなか負けて無いぞー と実感させられました。 5人の高校時代の女友達が 学校を卒業することで、それぞれ生活も立場も 変わってくるという現実。 ただ仲良しだけでは、乗り越えられないことをも。 この映画、面白いほど(表現間違ってるかも) 男性が出てきません。 友達の男性が出てくるけれど、あくまで脇役。 5人のうら若き乙女(なのか)が主人公のわりに 恋人みたいな存在がでてこないのです。 で、そこが良かったりするわけです(ロマンスゼロ。。笑)
個性的な5人は、目立つというよりは 本当に等身大。 社会に出ても、なんか満足できないような、 もっといい事、自分に合った事が あるのではないか? でも、じゃあ実際にどうしたいのか どう行動するべきか。 なんて難しく考えると、ちょっと面倒になってしまうような。
子猫も登場しますが、子猫みたいなテヒ演じるペ・ドゥナが かわいいですね。 またモデル出身のジョン(オク・ジョン)の 寡黙ながら、たまににこっと笑ったりする表情は 良かったですねー。 双子のピリュとオンジョは、この映画に出た後 芸名を役のこの名前に替えたとか。すごいなあ。 クラブで踊る二人のダンスは息も合って決まってますね。
正直ラストはあっさりしているような気もしないではないですが、 人生には子猫をお願いしちゃいたい そんな分岐点が誰にでもあるかも。 その時は、良い選択でありますように。
2005年03月04日(金) |
「ビヨンドtheシー」 |
ケビン・スペイシーが10年の思いをこめて 制作・監督・主役を務めた作品だけあって、 その情熱が観ているこちらにも伝わってくる 作品に仕上がっていました。 とにかく、あの歌声にはびっくり。 実際のボビー・ダーリンの歌声は 知らないのですが、きっとこんな感じに 違いないと思わせる説得力。 さすが10年だてじゃないですねー。
1960年代・70年代。 今のようなライブハウスに出ることではなく、 高級クラブで歌うことがステイタスだった時代。 ボビーの夢はコパカバーナのステージ。 バックバンドやコーラスを従えて 歌う姿は、ポスターにもなっている 奥さんサンドラのうっとりした眼差しも 納得です(とっても気に入ってます<ポスター) サンドラが16歳でお嫁さんになったのにはびっくり。
伝記物というわけだからというのではないですが ちょっと先日観た「ピーター・セラーズの愛し方」を 思い出したところも。 といっても、ピーターのファンというより 1人の俳優として演じきっているジェフリーと違って、 ケビンはもう愛情たっぷりという感じ。 本人の写真を見ると似ているところもすごいですね。
ケビンの愛情が詰まっているものの 地味な作品であることは否めなく、 「レイ」のようにオスカーを受賞 なんて機会に恵まれなかったけれど、 ボビーを知らない世代にも ああこういう人がいたんだ!と知らせたい という思いはびしびし伝わってきました。
今日MTVのランキング見ていたら、 映画の10位内には入っていなかったものの、 サントラの10位に入っていましたー。がんばれ!
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