あずきの試写室

2002年03月28日(木) 「蝶の舌」

蝶の舌って実際は見た事がないのですが
あの細い体(というのかな)の中に
渦巻き状のあの下が入っているのかと思うと
ちょっと不気味。
その蝶の舌がこの映画のタイトルであり
重要なポイントなのですが。。。

主人公の少年は、ちょっとナイナイの岡村くんに
似ている気がして、かわいいというより
ちょっとおじさんみたい(失礼)

1930年代のスペインのある町に
生活する少年一家の日常が
淡々と描かれています。
が、ところどころエピソードが
詰め込み過ぎ?なんて感じも。
その淡々とした生活のすぐそばに
やってくるスペイン内戦。

内線時代のスペインのことは
実はよく知らず(ほんと勉強不足です)
同じ国民ながら弾圧を受けるもの
するものに別れてしまうのは
時代とはいえ辛いなあ。

まるでハイルヒットラーのような
ポーズに、ナチとユダヤの人を
連想してしまいました。

上映中から、最後の言葉が重くいつまでも残ると
批評を読んでいたので
そのイメージが頭にインプットされてしまった私には
感動作!!と思えるよりも
うーん、感動しないとは言わないけれど
以前にも似たような話はあったぞ
なんて思ってしまったのでした。



2002年03月21日(木) 「ウォーターボーイズ」

見ていて安心の矢口史靖監督の本作は
男子のシンクロ!なんて
ちょっと不気味(失礼)なテーマに
取り組んでいて、
大丈夫かな?なんて
余計な心配をしてしまったのですが。
さすが監督。
不気味さを通り越して
面白くちょっぴりかわいい映画に
仕上げていました。

矢口監督の作品は「秘密の花園」を
見た時に、大ウケして、
「アドレナリンドライブ」も単館上映
ながらしっかり見に行っていたのでした。

シンクロをする男子学生達も
初々しく、文句を言いつつも
一生懸命取り組んでいる姿は
「アタック・ナンバー・ハーフ」(笑)を
思い出してしまった私です。

途中ちょこっと西田尚美さんも登場したり、
竹中直人さんのしつこい様な
演技もまあ大目に見よう(えらそうですね。失礼)と
肩の力を抜いて、楽しんじゃったのでした。

学生時代は、やはり楽しかったんだなあーと
想い出の学生時代は何かとぶつぶつ言っていたのに
映画を見ていたら懐かしく思ったり
(あ。全然学生時代はこうだ!なんて説教くさい
映画ではありません。。当然ですね)

不気味と思っていたシンクロ演技も
きらきら光るプールの水飛沫がとっても奇麗で
ああ。男子でもやるじゃん!なんて思ったのは
私だけじゃないですよね。




2002年03月18日(月) 「パズル」

パズル作家のもとに来た
脅迫留守電と共に始まる
スリリングなゲームとは。。

クロスワードパズルを
パソコンで作っている場面は
なかなか興味深かったです。
なので、全編パズルが
切っても切り離せない
重要な役割で出てくると
思っていたのですが。。。

確かに、パズルを解くような
犯人探しと言えなくもないのですが、
今一つ分かりにくいんです。

パソコンの画面に登場するゲームや
精巧に作られたジオラマは
なかなかユニークで、
小道具としては気に入りました。

舞台がスペインのセビリアという街なのですが
異国情緒ただよう、素敵な街で、
犯人を追うより景色が気になっちゃいました。
世界の車窓からじゃないんですけど。いいんだもん。
92年に行われた(映画を見て始めて知りました)
セビリア万博のパビリオンであろう建物は
斬新で、おもちゃの建物みたい。

映画の印象としては
マイケル・ダグラスの「ゲーム」を
思い出してしまったのでした。

監督が「蝶の舌」の助監督をつとめていたのは
ちょっとびっくり。



2002年03月17日(日) 「怨み」

「ゾンビ」シリーズで有名な
ロメロ監督8年ぶりの新作ですが
実は
8年も企画をハリウッドの
映画会社に出していたのに
採用されなかった監督自身の怨みだとか。
ブラックユーモアとしても笑えないなあ。
あ。映画業界暴露映画では
まったくありません。

雑誌編集部に勤める男性が
自分をないがしろにした人々に
怨みを晴らしていくのですが
ゾンビのイメージでどろどろした
ホラーかと思っていたら
全然違って
わりとあっけらかんとしています。

映画の冒頭では、実際と主人公の頭で想像したことが
あちこちとんで家の人など
マルホランド・サラリーマン?
なんていうのですが。違います。

実際はマスクマン!なんてほど
顔に張り付いたマスクが取れなくなり
そこから暴走が始まるのですが、
日頃対人関係で見せている顔こそが
マスクであって、
マスク姿の顔がない姿が本来の姿?
なんて感じで、
他の人がマスク姿でも不思議がらない。
自分が気にしているほど
人は気にしていないことが多いですが
マスクをしていても気づかれなかったら
悲しいなあ。(それ以前の問題ですね)

主人公の上司は、みんなに
変なやつ!なんて言われているほど
個性的で笑えます。

ホラー映画と思ってみない事を
オススメします。
監督これで怨み晴らせたのでしょうか。。。



2002年03月12日(火) 「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

チケット購入時から劇場の方がかぶっている
シャンプーハットのような被り物。
ヘドウィグのファラフォーセット・メジャース風
髪型だったんですね(気づくの遅すぎ)

ドイツ出身のヘドウィグは、怒りの一インチを残して
女性なのかはたまた女装の男性なのか中性的な存在に。
逆に一緒に生活する夫は、見かけは男性らしいのに
女性的(実際女優が演じてます。ちとびっくり)。
そんな二人とバンドのメンバーがツアーする先は
ヘドウィグを裏切り、人気ロック歌手になった
トミーのライブ先の近くのレストラン等。

ド派手のヘドウィグは、はっきり言って
悪趣味と芸術のぎりぎり境界線を歩いている感じ。
まさに、ベルリンの壁ぎわでしょうか。。

頑張って生きているのに、裏目に出てしまう姿は
切なさも垣間見えますが、
でも、底に見つめる眼差し弱くはない。
人生を裏手に取ったように唄う歌も
パンチが効いていて、逆にすかっとしました。

私から見たら、ハデハデメイクよりも
ナチュラルメイクをしているヘドウィグのほうが
ずっと可愛かったな。
また幼少時のヘドウィグを演じる少年が
いい味だしてます。
ベッドの上で踊り狂う姿は微笑ましい。
部屋が狭いからロックをある場所で
聞いているのですが。
あの発想はいいなあ。
自分もためしてみようかな(無理無理)

音楽。メイク。衣装どれも力が入っていて
架空の人物ヘドウィグを
実在の人みたいに、鮮やかに描ききっているのは
脱帽でした。








2002年03月10日(日) 「レクイエム・フォー・ドリーム」

怖い怖い。
ホラー映画じゃない怖さの極致かも。。

政府広告のドラッグの怖さを
扱ったCMを思い出してしまいますが、
ドラッグの果ては
想像していたことであっても
映像になると、神経にぞくぞく
くるものがあります。

特に、ダイエットからどんどん
薬物依存になる母、エレン・バースティンが
ふっくらお母さんからゾンビのように
なっていく過程も不気味。
ここまで演じられるってすごい!の
一言であります。

さらに、息子役のちょいジム・キャリー似の
ジャレット・レトといい
久々のジェニファー・コネリーといい
汚れ役を徹底して演じている。
なにしろ、私のジェニファー・コネリーの
イメージは先日見た「フェノミナ」から
いきなり薬物中毒のお姉さまに
すっとんでしまうから。
びっくり。

カゲキなダイエットから
冷蔵庫がまるで怪獣コールドボックスキング(謎)のように
変身するのは、おかしいような怖いような。

自分もこのところ、CMのダイエット薬をみると
簡単に痩せられるなら、ちょっといいかも!
なんて安易に考えていたことに
ちくちくちくと警告を鳴らされたようで
人の振り見て我が降り直せ的作品にも
感じてしまったのでした。




2002年03月09日(土) 「バミリオン・プレジャー・ナイト」

日曜の一番のお楽しみといって良いほど
気に入っている「マイキー」が、
実は、以前深夜放送でしていた
この「バミリオン・プレジャー・ナイト」の
ひとつだったと知ったのは、
渋谷で映画のちらしを貰ったときでした。

以前は「フーコン・ファミリー」と
呼ばれていたそうですが、
このフーコン・ファミリー
全員がマネキンという家族。
同じ表情なのに、何故か味がある。
たんたんとしていると思いきや
いきなりきわどい話をしたり。
侮りがたし。

そんな「フーコン・ファミリー」を
はじめ、ゾンビの親子が出てきたり、
料理はちっともしない
「ミッドナイト・クッキング」等
一話が3〜5分と超短い。
でも、その短さの中に
しまったやられたー
なんておかしさが入っている。

DVDの中には15本入っていたのですが
さすがに全部が笑えた!とは言えないものの
「ミッドナイト・クッキング」では
涙が出るほど笑ってしまった。

明日日曜日は「マイキー」の日。
しばらくは
私の「バミリオン・プレジャー・ナイト」に
はまっている日々は続きそう^^



2002年03月08日(金) 「ユリイカ」

3時間38分のモノクロ長編作のため
実は2日に分けて見てしまいました。
邪道なんですが、
テーマが重かったので
2日に分けてよかったかも。
あ。逆に2日間重い空気が。。。

バスジャックに遭遇した
兄妹と運転手。
他の乗客は、すべて殺され
残った3人は、
事故後年月を経て、疑似家族として
生活するようになりますが
そこに待っていたのは。。

映画の中では、その後の三人の再生の
物語ということなのですが
伏線としてもうひとつの出来事が
展開していきます。
それが、映画全体の雰囲気を
更に重くしています。

実際にそういう状況に出会ってしまった人の
心境は外からは計り知れないものがあります。
映画の中でも、その点を
模索している気がしました。そうですよね。

また舞台が北九州ということもあり
どうしても17歳の少年が起こした西鉄の
バスジャック事件を彷彿させてしまうものがありました。

本作品は、海外のキリスト教(プロテスタント・カソリック)
どちらの派の評論家も一緒になって
選出する賞を受賞しているということです。
テーマとしても、宗教的な意味合いがあるのかもしれませんが
無宗教の私には、残念ながら
その点は気がつく事ができませんでした。

話のトーンがいきなりかわって。
あの兄役は
RAG FEARの「ラブラブなカップルフリフリでチュー」の
ミュージックビデオに出てくる男の子じゃないですよね?
なんかとっても似ている気がしたのですが。。

うーん、重い映画とこのお気楽なタイトル差が
なんとも言えないですね(笑)



2002年03月06日(水) 「マルホランド・ドライブ」

いやー難解でした。いたるところに張り巡らされている
伏線を読みこなしてこその結論とは・・・
勿論(涙)私には、読みこなせなく
エンドロールでも???の嵐。
デビット・リンチ監督の挑戦状か。
はたまた、監督自身どうまとめていくか
悩んでしまったのか(そんなことないよね)。
はっきりいって「ツインピークス」以上かも。

アメリカに実際にあるマルホランドドライブでの
事故から始る、記憶喪失の女性と
記憶を甦らせる手伝いをする
カナダから女優になるためにやってきた女性。

このふたりが、なかなか良いです。
私は、同じ金髪のかつらをかぶって
椅子に座っているシーンで
児島都さんの「乙女地獄」の表紙を
何故か思い出してしまいました。
同行者は、叶姉妹!っておいおいですが。

そんなふたりのわきを固める出演者が
一体どういう役割を果たしているのか
これまたわかりにくい。。
監督なのか恋人なのか、
はたまた管理人なのかお母さんなのか
うーん書いていてもまたわからなくなった(爆)

鞄に入っていたキーが果たす世界。
夢か現か幻か。
2時間30分の満席の客席の
中に固まったまま見ていたら
終わった後、すっかり肩が凝ってしまったのでした。
(そんなに力を入れてみなくても。。。)



2002年03月04日(月) 「キリング・ミー・ソフトリー」

用事で出かけたものの
早く済んでしまったので
丁度良い時間の映画は
ないかしらんと
見たら、していたのが
この映画だけでした(笑)。

ちらっと広告は見ていたものの
18禁の官能サスペンス
うーんちょっとパスかなと
思っていましたが
見てみたら、退屈はせずに見れたけれど
話としては
昔からある内容という感じで
現代なんだけれど
ちょっと古臭い感じ(失礼)

映像は現代だし、監督の力が入っている
感じはとってもしました。
主演のヘザー・グラハムは
スレンダーで、かわいい。
ひと目惚れで、相手についていってしまう
心境はちょっと理解できないけれど、
恋に落ちたらこうなるという流れは理解できました。

実際、恋人を選ぶ時過去から調べて
この人なら安心!なんて選ぶわけじゃないですものねー。
すきなっちゃったら、やはり過去より今を
優先してしまうのが心情。
でも、その彼がとんでもない人物かもしれないと
後から気づいたら、どう反応していくのかな。
ある意味とっても怖いお話でした。


 < 過去  INDEX  未来 >


あずき [HOMEPAGE]

My追加