英国人の彼女 6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。
index|day after
2003年04月30日(水) |
エジプト6日目(アブシンベル) |
この日は朝からアブシンベル神殿へ飛行機で向かいます。空港で朝食を取ろうとパンと紅茶を買ったら、町中の10倍くらいの値段を取られてビックリ。何かの間違いじゃないかと思って売り場の女の子に聞いてみても、「空港だから」の一言で片づけられました。「空港だから」って、何の理由にもなってないから。
エジプト、観光で成り立っているのはわかるけれど、あからさまに観光客をカモにするやり方はどうかと思います。
日帰りで行くと、アブシンベルでの滞在時間は2時間程度になります。まあ、2つの神殿を見学するぶんには十分な時間ではあるのですが、この時間帯に同じ飛行機に乗ってきた人(けっこう大型機)のほぼ全員が集結してしまうので、かなり混み合います。空港から神殿までは無料バスが出ているのですが、誰もいない神殿を散策したい人、観光客の写っていない写真を撮りたい人には、空港から出たらすぐにタクシーを捕まえて自力でアブシンベルまで向かうことをお勧めします。
空港からタクシーを飛ばして20分程度。料金所から山をぐるっと回ったところにアブシンベル大神殿と小神殿が登場します。実はこの日、朝から微妙に揉めて、ダーリン(仮名)も私もお互いムッとしてたのですが、そんな気持ちは一瞬でどこかへ行ってしまいました。
とにかくすごい迫力。ナイル川をスーダンとの国境まで上ったこんなところに、紀元前1300年代にこれだけのものを立ててしまうラムセス2世の威光とは、どれほどのものだったのでしょうか。
アブシンベル大神殿
一番乗りするダーリン(仮名)。中は一面壁画。
しかもどこを向いてもラムセス2世像だらけ。すごい自己顕示欲です。
昼過ぎにアスワンに帰ってきたあとは、夕方まで休憩してから再びクルーザー探しのためにナイル川沿岸に向かいます。この日は希望通り明日ルクソールに向けて出発するクルーザーが沢山停泊していたのですが、やはりなかなかこれぞ、というものに出会えません。だんだん疲れてきて、もう適当なので手を打っておくー?という気持ちになったときに登場したのが、Abercrombie&Kentの船です。
Sun BoatIVというそっけない名前からしていい感じ。(他のはナイル・ビューティだの、クレオパトラだの・・・)外見もシンプルでいいし、だいたいAbercrombie&Kentが経営するクルーザーなら、まず外れることはなさそうです。絶対いいよね、でも絶対むっちゃ高いよね、と言い合いながら、とりあえず中に入ってみることにしました。
高級感漂う趣味のいい内装。クルージングについて聞きたいんですけど、とレセプションに声をかけると、オーナーが出てきて、バーに通され、飲み物の好みを聞かれます。そんなところも、今までの船とは天と地の差で、私の中でもう絶対この船!と盛り上がってゆきます。乗客は24人までに限定されているらしいのですが、オフシーズンな上に戦争直後で、エジプトはどこもガラガラ。この船も他聞に漏れず、まだ部屋は空いているらしく、ゆっくり考えてね、とオーナーは去って行きました。
客室も素敵だし、船に何の不満もありません。ただ一つ気になるのは、その値段。3食付き、途中立ち寄る遺跡のツアーガイド付き、で、いったいいくらになるのでしょうか。なんたって、ケニア・タンザニア2週間の旅6000ドルから、などと企画している会社ですから、どれほど高くても驚きはしません。
彼:一泊いくらまでなら出していいと思う? 私:3泊することになるんだから・・・1人150ドルくらい? 彼:僕もそれくらいを考えてた
3日で1人5万円というものやや考えものですが(その上オールド・カタラクトで3泊合計1000ドル近く使ったばかり)、せっかくエジプトまで来てケチるのはつまらない。一泊1人150ドル以上ならあきらめようね、と決めて、オーナーに話しにいったところ、
1泊1人75ドル。
オフシーズンで、しかも観光客が全然来ていないからでしょうか。すぐさま決めて、明日の朝8時半までにチェックインすることになりました。
後から聞いたところ、この船は、ハイシーズンには1泊200ドル以上するそうです。
2003年04月29日(火) |
エジプト5日目(アスワン) |
体調が悪くてダウン。午前中はホテルでじっとしてました。午後からちょっと調子が良くなってきたので、停泊中のクルーザーを見にナイル川へ。
アスワンのナイル川沿いには、ルクソールまでナイルクルージングができるクルーザーが山ほど停泊しているのです。旅行代理店で手配もできるけれど、せっかくだから自分たちの目で見て素敵なクルーザーを選びたいので、ブラブラ散策しつつ、いい感じのクルーザーに入って、船の内装と部屋の内装と値段とスケジュールをチェック。
クルーザーにも星がついていて、とりあえず五つ星を目安にしたのですが、なんだか内装の趣味がことごとく悪い船ばかり。部屋自体は、シャワーも綺麗で、ちゃんとシャワーと洗面台の間にガラス戸がついていて(超重要ポイント)、どこもそれほど悪くないのですが、ロビーやダイニングのセンスがとにかくあり得ないのです。金ぴかで、ミロのビーナスが意味なく立っていたり。これがエジプト人の限界なのでしょうか。まあまあ許せるかな、という船は、出発日がわたしたちの予定と合わなくて、結局この日はいいクルーザーを見つけることができませんでした。
もう疲れたので、夜はルームサービスをとって部屋で夕食。高いくせにめちゃくちゃまずかったです。このホテル、食事はとことんダメ。
2003年04月28日(月) |
エジプト4日目(アスワン) |
エジプト3日目も先ほど更新しました。
------------ 4月28日 寝ている間にルクソールを通り過ぎてしまい、午前8時頃アスワン着。電車大好きなダーリン(仮名)はワクワクしすぎて寝られなかったらしく、「ナイル川沿いにずっと走っていてね」「ルクソールの駅も見たよ!」と嬉しげに報告してくれます。たまに、「この人少年?」と思うのですけど。
アスワンでのホテルは、もちろんオールド・カタラクト。アガサ・クリスティの「ナイルに死す」(だか「ナイル川殺人事件」だか。)にも出てきた、老舗中の老舗です。このホテル、料理はまずいし、サービスはいまいちだし、ソフト面ではほんまに五つ星なん?と思わずにはいられないんだけど、ハード面の良さはそれを補って余りあります。
天井が高い部屋も、広い廊下も、重厚なロビーも素敵だけれど、窓からのナイル川の眺めがとにかく凄い。エレファンタイン島が正面にあって、一瞬息をのむ景色が目前に広がっています。この景色を見るためだけでも、このホテルに泊まる価値は十分あると思いました。
オフシーズンなのと、ダーリン(仮名)が外交官というので何故か自動的に割り引きしてくれて、朝食込みで1泊300ドルしなかったと思います。
午後はフルーカ(ヨット)に乗って、島に行ってみたり、植物園に行ってみたり、のんびり。カイロの喧噪を離れてナイル川を漂っていると、なんだかほっとします。このときのフルーカ乗りのヌビア人のおじさんが、エジプト人とは思えないほどソフトなあたりをする人で、さらにほっこりできました。
夜は、ホテルの中の1904というレストランでディナー。正装しろ、とあったので、正装しましたけど、必要なかったようです。Tシャツとジーンズでなければ、余裕だと思います。ご飯は高くてまずいです。
2003年04月27日(日) |
エジプト3日目(カイロ) |
午前中は考古学博物館を見て回りました。この博物館は、内容的にはものすごく充実しているんだけど、とにかく整理がなっていません。展示の仕方もぐちゃぐちゃで、展示物の説明もほとんどなし。きっと博物館展示のプロが見たら、なんとかしたくてうずうずするんだろうねえ、と言いつつ、3時間ほどうろうろします。
お昼ご飯は、「フェルフェラ」という地球の歩き方にも、Lonely Planetにも載ってる有名店で。ガイドブックには庶民的と書いてあったのでドメドメな雰囲気漂ってるのかと思いきや、割と普通のレストランでした。でもレストランの中で、鳥を飼うのは衛生上どうかと思うー。ミンチと卵とトマトソースの料理がとてもおいしかったです。食べきれないほど頼んで、2人で40ポンドほど。
ぷらぷらと市場などを見て回り、7時過ぎ(たしか)に中央駅へ。ここからアスワンまで12時間ほどかけて寝台列車の旅です。
ちょっと狭めだけど、あこがれのダイニング・カーはついていないけど、初寝台列車で、しかもダーリン(仮名)と一緒で、嬉しい。エジプトの電車的には、これでもかなりゴージャスらしく、偶然隣に止まった電車の窓から、エジプト人のおじさんがこれでもか、というほどのぞき込んできて、しょうがないから2人で手を振ってみたりしました。まずい夕食を食べた後、乗り物酔いでしんどくなってきたので、早めに就寝。
朝からピラミッドへ。
エジプトに来る前から、クフ王のピラミッドに入りたくて入りたくて、ドキドキしていたダーリン(仮名)。わたしは前に入ったことがあって、今回は絶対入らないからね!入るんだったら1人で入ってよね!!と幾度となく念を押したにもかかわらず、彼の「一緒の方が楽しいのに・・・」という懇願の目に負けて、またもや入ってしまいました。すごく入りたくなかったのですが。だって、めっちゃくちゃ臭くて(観光客の体臭)、暑くて、狭くて、息苦しくて、不愉快この上ないんですもの。1回入ってみたい、という気持ちはわかりますが、1回で十分です。この後、ピラミッド熱が冷めきらないダーリンは、カウラー王のピラミッドに1人で入りに行っていました。モノズキ。
昼ご飯はオベロイ・ミナハウスでモロヘイヤ。ここも歴史あるホテルで、こっちに泊まっても良かったのですが、場所がピラミッドの目の前っていうのがちょっと難点。ピラミッド見放題ではありますが、市内をブラブラ散策するにはあんまり向いていません。ダーリン(仮名)は、タクシーに乗るより電車や徒歩が好きな人ですし。わたしはわりとタクシー好きなのですが。
午後は、土産物満載の巨大バザール、ハーンハリーリーをあっさり素通りして、イスラミック・カイロの裏道を延々と5時間に渡って散策。さすがに足が疲れ切りましたが、庶民の生活を垣間見ることができて、なんだかわからないけどエジプトに触れたぞ!という気持ちになりました。
ゴミだらけの路地で猫が寝ていたり、子供が遊んでいたり、鉄くず屋さんがあったり、かと思えば路面に椅子を並べてお茶を飲みながらおじさんが水タバコを吸っていたり。気楽に「こんにちは」「どこから来たの?」「エジプトへようこそ」と、声がかかります。観光地で話しかけられるとほぼ100%客引きだから、こちらも身構えてしまうのですが、こんなところまで入り込む観光客はなかなかいないようで、ここではただ外国人が歩いてるから話しかけてみよう、といった雰囲気でした。
カイロ到着。カイロの空港には政府の人間を装った旅行代理店の人がうろうろしていて、平気でウソを言いますのでご注意下さい。ホテルまでのタクシーも、彼らを通すより、自分で空港の外のタクシーを捕まえる方が、断然安いと思います。
カイロのホテルはWinsor Hotel。かつてイギリス将校のクラブがあったという古いホテルで、Lonely Planetに載っていたのですが、歴史あるホテルマニアなうちらのツボにぴったり。泊まった一番高い部屋でも5000円くらいだし、高い天井、広い部屋、なかなか良かったですよ。でもお風呂とトイレと洗面台が古いのは、頂けませんが。(洗面所重視派)あと、ツアー勧誘がウザイです。この手の中流ホテルは、ツアーからのコミッションで儲けを出しているらしく、気持ちは分かるけれど、やっぱりちょっとね。
昼まで休んでから、カイロからアスワンまで寝台列車で下る予定なので、27日発のWagon Litの切符を買いに中央駅に行きました。1人50ドル。Wagon Lit(ワゴン・リー)は、フランスかベルギー資本のオリエント急行等、超高級寝台列車を運行してる会社なんだけれど、エジプトWagon Litはずいぶん前にエジプト資本になってしまっているらしく、ゴージャス感のかけらもありませんでした。
この日悲しかったこと。地下鉄に乗っていたときに、すごく揺れるので、彼につかまっていたんですね。すると、エジプト人のおじさんに、「この国はイスラム教だ!人前で抱き合うんじゃない!!」と怒られました。で、それに十分落ち込んだのですが、その後、道を歩いているときに2回も通りすがりにお尻を触られて。中東と日本は痴漢が多くて有名ですけど、それにしてもあの「人前で抱き合うんじゃない!」というのと、痴漢という行為(しかも1回は12歳くらいの子供)が、この国でどう結びつくのかわからなくなって、ちょっと泣きました。
2003年04月24日(木) |
しばらく留守にします |
うちの国のダメダメぶりをアピールする「コピー機を買いに」も本日更新です。
日記を書き始めて3週間が過ぎましたが、訪れてくださる方が少しづつ増えていて、毎日パソコンを立ち上げるのが楽しみです。読んでくださってありがとうございます。そして投票して下さっている方、ほんとにありがとうございます。
明日からエジプト&トルコ旅行に出かけます。のっぽの金髪とのっぽのアジア女をそのあたりで見掛けられましたら、我がバカップル(ラブラブ度やや下降気味)かもしれません。次の更新は5月26日の予定です。1ヶ月後になりますが、覚えていて下さると嬉しいです。
それではまたお会いできますことを。
こないだ、大使館で新しいコピー機を買ったの。ゼロックスのんで、ホッチキスが留められるタイプのやつ。
で、使い始めて二日目にいきなり、ホッチキスを留めようとするとコピー機にエラーが出るようになってん。それで買った会社の技術者を呼んだら、コピー機に接続してる電圧安定器の電圧が弱いからだっていうのね。パワーがなくてホッチキスが留められへんせいやから、新しいのを買えって。しょうがないから電圧安定器を買ったんだけど、やっぱりホッチキスを留めようとするとエラーが出る。
それでまた技術者を呼んだら、今度はコピー機をカーペットの上に載せてるのがあかんって言うねん。そんなあほな。なんでカーペットのせいでホッチキスが壊れるねんな。だいたい、あんたんとこの会社がコピー機持ってきて、カーペットの上に置いたんやんか!って言っても「それは誤解だ(この「それは誤解だ」って現地の人の得意技。自分が悪いんじゃなくて、あくまで相手が誤解しているらしい)」とか言って全然聞いてないし。
それで、またうちの現地職員が汗だくになってコピー機の下からカーペットをのかせて、それでもやっぱりエラーが出るし。当たり前やけど。わかってたけど、ちょっとは期待した分沸々と怒りがこみ上げてきて、また技術者を呼ぶと(これがまた、電話すると「じゃあこれから行く」とか言っておいて、3日後くらいに来るねん。その遅さはなんや?ロバ乗ってきたんか?っていうくらい、必ず時間通りには来ない)、もう文句いうのもイヤなくらいむかついてると、今度は違う技術者がやってきて、黙ってホッチキスを留めてる金具のねじを巻いて帰っていった。その後は全く問題なく動いてるけど。動いてるけど、電圧安定器とカーペットはいったいなんやったんや!
そういう話はいっぱいありますが。印刷するといつも紙が2枚一緒に出てくる(2枚目は白紙)プリンターがあって、修理会社に持っていったら「これは内部のスペシャルなローラーが摩耗しているからだ。このローラーはこの国では売っていない(ローラーどころか何にもこの国には売ってない)から、今度隣国から持ってくる」とか言われてん。それでしょうがないから2ヶ月も待って、ようやく「ローラーが来た」っていうし修理に出したんだけど。1週間後にプリンターが帰ってきたから、いそいそと印刷してみたら今度は紙が3枚一緒に出てきた、とか。
こういうくだらない雑用に日々怒ってると、非常に疲れてきます。
日曜日、昔の彼女から電話がかかってきて激しく鬱入ったわたしですが、昨日は軽く別れ話になりました。
ずっと考えてはいたのです。
9月以降、ここに残るべきかどうか。
すごく残りたいと思います。彼と一緒に暮らしたい。彼がこの国から一緒に出るときに、わたしも一緒に次の国に旅立ちたい。
でも、「彼氏と一緒に住むことにしたから、大学院辞めマース」なんて、お世話になっている大学院の先生に、周りの人々に、言えるでしょうか。わたしもたいがい型破りな、彼氏を職場のパーティに連れて行くような人間ですが、それでもやっぱり、それだけはできないな、と思うのです。
だから、結婚することにならなければ、彼女という立場のままなのであれば、日本に帰ろう、と思っていました。
その話を彼に昨晩しました。
彼は、結婚願望のない人です。わたしは、ほんとはそれが少しうらやましい。幸せな家庭に育ったんだな、と思って。わたしは「幸せな家庭」の記憶が6歳までしかないので、昔から、本当に自分の家族が欲しいと思っていました。早く結婚して、家庭を築きたい。それが夢でした。
彼の夢は、十分なお金が貯まったら早めに外交官を辞めて、ロンドンにフラットを買って、第二の人生を歩むこと。それまでは家庭に落ち着きたくない、と言います。
彼といると、きっと私の夢は叶わない。
今まで彼は、つき合っている彼女を次の赴任地に連れて行ったことはない、と言っていました。付いていきたいとみんな言ったようですが、すべて断ってきたと。だから、この次の国にも連れて行く、と言ってくれているだけ、わたしは今までの彼女よりも一歩リードしているのかもしれません。でも、すごく慎重な人ですから、すごく理想主義な人ですから、何年も一緒にいたあとで、やっぱり君とは結婚できない、と言われるかもしれません。もしも自分のキャリアを捨てて彼を選んだあげく彼に選ばれなかったら、わたしはどうしたらいいのでしょうか。
世間体を考えなくても、やはり彼女としてこの国に残るという決断はできません。
未来のことはわからない、2人でじっくり関係を築こう、と彼は言うけれど、じっくり関係を築く時間なんて、わたしたちにはありません。結婚しよう、と彼が言ってくれることはまずあり得ないから、わたしは9月に日本に帰るのでしょう。君が日本に帰るからって別れなくてもいいじゃないか、と彼は言うけれど、たった5日間で会えなかっただけであんなに辛かったのに、1年間会えないなんて、わたしには耐えられません。
つまり、この先9月までの毎日毎日が、別れる日までのカウントダウンです。
それもまた、耐えられない。いったいどうしたらいいのでしょう。
2003年04月21日(月) |
出会いから付き合うまで【4】 |
ようやく日付に追いついてきました。20日の日記も更新しています。よろしければ。
今週の金曜日から、エジプト旅行なので、さっき銀行にドル現金を下ろしに行ってきたんですけど。
もうねえ、やっぱりこの国は一生発展しないと思いましたよ。たかがドル小切手をドル現金にするのに、
1.ドル小切手を現地通貨口座に入れる(手数料3000円ほど)、
2.現地通貨口座からドル現金を引き出すために、
3.申込用紙に記入し、
4.パスポートと航空券と申込用紙を窓口に預け(1回の海外旅行で1200ドルまでしか現金化できないため。この国では、外貨はすごく貴重なんです)、
5.申込用紙に窓口職員の署名を受け、
6.それに別の窓口で判子を押してもらい(意味不明)、
7.さらに別の窓口で現地通貨からドルへの計算、
8.元の窓口で申込用紙を提出し、パスポートとチケットと支出通知書を受け取り、
9.さらに別の窓口でドル現金を受け取る。
で、それぞれの窓口は長蛇の列で、ようやく自分の番が回ってきても一つ一つに15分くらいかかって、全部で1時間半くらいかかって、いつものことながら、めっちゃイライラしました。それも全部手作業で、電卓使いながら、一生懸命手で台帳だの用紙だのに記入しているのです。せめて、一人で全部やってくれれば、列に並び直す手間と時間だけでも省けるのに。機械化して欲しいとまでは言わないから。
ここの現地通貨を海外に持っていって、そこで直接換金できればまだいいんですけどね。うちの国の現地通貨が換金できる国なんて、聞いたことがありません。国外では紙くず同然です。
ちなみに、わたしの給料は円建てドル払いで、なぜかニューヨークの口座に振り込まれます。つまり、今回、エジプト・ポンド入手までに、円→ドル→現地通貨→ドル→エジプト・ポンド、と4回も為替交換されるという。この過程でいったいいくら損しているのか。考えたくもありません。
久しぶりにこの日の日記の続きです。
そして日曜日。
初めて足を踏み入れる英国大使館に圧倒されました。広大な敷地内には、テニスコート、プール、フットサルコート、バトミントンコート、バレーボールコート、馬屋、パドック、クラブ、食料品店、森。その中に、外交官の家が点在しています。うちの運転手と二人、すごいね、うちの大使館とはずいぶん違うね、こういうところに住みたいね、と言い合いました。このときは、まさかその半年後に、ほんとに住むことになるとは思いも寄りませんでしたが。
生まれて初めての乗馬は、とても楽しかったです。乗馬って、特殊技能が必要かと思っていたのですが、素人でも案外乗れるものですね。大使館の裏手にある山に登って、高原を駆け回ってきました。その後、大使館内のクラブで昼食、そして大使館内を散策しました。
ここで、どうやら彼が激しくエコ派であることが判明。鳥や昆虫、花を見かけるたびに、「あ、ほら見て、イモリ」と言っては立ち止まって鑑賞します。
実は、わたし自身はまったくもって非エコなんですが、エコな人にとても弱いのです。昔の彼氏も超エコで、環境に悪いからとタクシーにも乗せてもらえず、自販機のお茶も買わせてもらえず、どこに行くにも徒歩と自転車で、水筒にお茶を入れてデートしたものでした。そのときは、最初はエコ☆と幸せだったものの、だんだんあまりのエコぶりについていけなくなってしまったのですが(「ドライブしたい!わたしは助手席デートが好きなの!」と言ってしまい、「自転車の荷台じゃダメなのか!?」と別れ話になった。)、それでもエコな人ってなんだか心優しい感じがして、惹かれてしまうんですよね。
そんなわけで、彼のエコぶりにちょっとくらくら。その後、家に帰ってお茶をしながら、オセロで遊びました。そこで次なる発見。この人、オセロ強い!!わたしも自分でオセロ王と自負するくらい、オセロが得意で、ほとんど負けたことがないのですが、この日、彼には僅差で負けてしまいました。なんでも彼は、11歳の時にオセロを買ってもらってから、まだ一度も負けたことがないとのこと。オセロが強いなんて・・・さらにくらくらします。
エコなうえオセロ王。今までの人生で、これほどわたしのツボはまる人がいたでしょうか。しかも、エコはエコでも行き過ぎエコではなく、ランドローバーディフェンダーなんて、どうにも環境に悪そうな車に乗っているところも、いい感じです。まあ、我ながらちょっとズレてるな、とも思いますが、彼のそんなところにも心惹かれていきました。
帰り際に、この国のボーリング場なかなかすごいから今度行ってみない?と誘われ、次は金曜日に会うことになりました。
もともと、乗馬だけして帰るつもりで、運転手を待たせていたのですが、この日、大使館を出たのは夜の8時。運転手の存在をすっかり忘れていて、結局10時間も待たせてしまいました。
2003年04月20日(日) |
遅まきながら「指輪物語」 |
なかなか日付が戻りません。今日は火曜日です。
昨日は、仕事帰りに大使館までダーリン(仮名)に迎えに来てもらって、映画館に行ってみました。上映映画は、ロード・オブ・ザ・リング。十分新作じゃない?もちろん1の方ですけど。二人とも見てなかったので、早速入場しました。
入場料は300円程度。ここの物価を考えると、けっこう高いです。現地の人はなかなか来られないだろうなー、と思っていたら、案の定めっちゃ空いていました。混んでいて現地の人と隣同士に座ることになると、体臭にノックアウトされてしまうので、これくらいがちょうどいいのですが。
期待しまくっていた映画館そのものは、映画館というよりは、劇場?まあ、劇場兼任なのでしょうが、舞台の上にスクリーンがかけてあって、うちらの感覚で言えばしょぼしょぼだけど、まあこの国ですし。ポップコーンもコーラも売ってないけど、でも映画館というのが重要です。ダーリン(仮名)と初映画。ふふふ。嬉しい。彼もけっこう嬉しそうです。会場が暗くなると、軽くキスしてきて、「やっぱ映画館ではキスしなきゃね」って。映画館に女の子連れてきたら、こういうこといつもしてたのねー、とそれはあんまり幸せじゃない。
ロード・オブ・ザ・リングはめっちゃ怖かったです。ああいう変な生き物がいっぱい出てきたり、戦ったりするのん苦手。しかもすごく長いのね。ずっとビクビクしてたので、疲れました。
映画の後は、最近できたインド料理屋さんでご飯。この国のレストランって、たいてい普通の家をそのまま使っているので、トイレに行くとお風呂が付いていたりします。ここも多分に漏れず。アットホームといえばアットホームなんですけど、なんか違うような。料理はそんなに悪くなかったです。インド在住が長かった彼も、割と満足していました。
私:映画見て、それからディナーなんて、ほんとのデートみたいやね 彼:じゃあ、この後君にキスしてもいい?
日曜の昼前。(未来日記の勢いですけど。ただいま月曜日。)
うちの職場の人主催のバーベキュー・パーティに招待されていて、その出かける準備をしていたところに電話の音。
ぱたぱたと駈けていく彼。電話に出る。最初不審そうで、そしてびっくりしたような嬉しそうな声に変わる。
やあ、どうしてるの・・・授業はどこまで進んだ?・・・本はどうなってるの?・・・実はこの前お袋が遊びに来てね・・・君とも一緒に行ったタンザニアの自然公園に連れて行ったよ・・・実は僕にいままで知らなかった異母兄弟がいるらしくてさ・・・
あまりにも個人的な会話。聞かない方がいいと思っても、耳に入ってきました。そして、彼に聞くまでもなく、すぐに相手がわかりました。
昔の彼女・・・
彼の歴代彼女の話は、概要だけ、聞いたことがありました。真剣に長期間付き合ったのはたぶん3人。タンザニアに一緒に行ったのは、確か二番目の彼女だったはず。一番長く付き合った彼女のはず。そして、この国に彼が赴任してからも、一度遊びに来ているはず。この家に。あのベッドに。
ごめんそろそろ出かけないと・・・うん、今度こっちから電話するよ・・・じゃあね。
「今度こっちから電話するよ」
彼の「○○からだったよ」との声に、わかっているくせに「○○って誰なの?」と聞いてしまいました。
「前の彼女。D国にいたときの。フランス語を教えながら本を書いていてね。7年前からずっと書いている本。まだ書いてるんだって。」
やっぱり聞かない方がよかったのに。こんなのばかばかしいと思いつつも、意味ないと思いつつも、過去に嫉妬してしまうのです。フランス語を話したり、本を書いたり、あなたの好きなタイプだね。わたしがピアノを弾いたり、絵を描いたりするのが、すごく気に入っているものね。
「ふーん。よく電話かかってくるの?」「いや、ぜんぜん。1年ぶりくらいかなあ。どうしたんだろうね、突然。別に用もないみたいだったけど。」「ふーん・・・」
なぜか泣きそうになってくる。
「どうしたの?もしかして気分を害してる?」「ん・・・別に。でもちょっとブルーかも。あ、もう出る時間やん。着替えてくる。」
彼が追いかけてくるのをわかっていて、バスルームに飛び込んでドアを閉めました。泣いたらあかん、泣いたらあかん、と、目頭に力を入れて、気合いもいれて、バスルームから出ると。
彼が立っていて、困った顔をしながら「どの服を着ればいいか、選んで。」と言いました。
2003年04月18日(金) |
ラブラブ映画館デート(希望) |
うちの国に、新しく映画館ができたらしいです。すごい。めっちゃ嬉しい。昨日、友達が行ってきたらしいんだけど、そして「ミッション・インポッシブル」を、しかも1の方を今更やってたらしいんだけど、でも座席も綺麗で、画面も見やすいんですって。
映画館に、すごく行きたかったんです。ほら、やっぱりデートコースの定番だし。隣同士に座って、肩とか抱かれてみたりして、ポップコーン一緒に食べたり、コーラ飲んだりしたいな。で、見終わったあとで、晩ご飯食べにいって、映画の感想とか言い合うの。はー。アコガレ。
この国にいると、できないことがいっぱいあります。おいしいレストランとか、カフェとか、そんな飲食関係は全滅。ショッピングもほぼ不可能。コンサートやライブもないし、ミュージカルや演劇なんてとんでもないし、書店もないし、ぶらぶら町を散歩することすら難しいのです。治安は悪くないのですが、物乞い10人くらいに歩いている間中ずっと、つきまとわれる羽目になるから・・・。
今度、初映画デートしてきます。
2003年04月17日(木) |
作成中だった「ポークチョップのトマト煮」は、焦げ付いてしまいました |
ダーリン(仮名)が帰ってきました。よく考えればたった5日間なんですよね。会わなかったの。5日なんて、大した期間じゃない。
遠恋してた前彼とは、こちらに来てから1回しか会えませんでした。1年に1回。七夕じゃないんだから。でも日本からこの国まで、往復5日かかるのです。もちろん飛行機で。往復航空運賃は軽く20万円を超えます。世の中にはまだまだこんな国もあるのですよ・・・。
今回、彼が出張していたB国は、無政府状態が10年以上続いているところで、もちろんインフラが整っているわけもなく、国際電話なんてかけられません。(国内電話もないのでは?まあ、うちの国も、電話普及率及びテレビ普及率世界最低を誇っているらしいので、人のことは言えませんが。B国は、政府がないので、統計には載ってません。)Eメールなんてもってのほかで、出張中まったく連絡が取れなかったから、その分寂しさが募っていたのかも。彼が帰ってきたとき、私は台所で夕食作成中だったのですが、ドアが開いた音をしたとたん、菜箸も何も放り出して、駈けだして、首に抱きついてしまいました。
自分で「Mousy Colour(ネズミ色)」と言うくすんだ金髪の、腰のないさらさらの髪も、青い目も、長いまつげも、キスするときに邪魔になる高い鼻も、薄い唇も、泣きぼくろも、何もかも懐かしい。
ギューって抱きついたら、ギューって返してくれました。「長い5日間だった。昨日はもうずっと会議中も君のことを考えていたよ。すごくさみしかった。会えて嬉しい。」と耳元でささやかれて、「わたしも。あなたが恋しすぎて、「ワンダとダイヤと優しい奴ら」まで観ちゃった(この日の日記参照)。」とささやき返したら、「ちょっと待って。なんで僕が恋しくて、Basil Fawlty(イギリスでたぶん一番有名な70年代のコメディドラマ"Fawlty Tower"におけるJohn Cleeseの役名)を見るのさ?」と耳をつまみ上げられましたけど。
でも、「最近John Cleeseすごく好きなの。」と言ったら、まんざらでもない顔をして、「なんでそんなに彼がいいのかわからないけど、もちろん僕は彼とは全く似てないけれど、君がJohn Cleeseを好きなのを許可しよう。」ってさ。(バカップルですか?)
この街は、最近、季節はずれの雨期に入っていて、夕暮れ時にはいつもスコールのような大雨が降ります。葡萄の蔦が絡まる彼の家の軒下には、よくお腹の赤い小鳥が雨宿りしています。窓の向こうの小鳥のさえずりと、遠くの雷の音を聞きながら、だんだん暗くなる部屋の中で、いつまでも彼の腕の中にいました。
私:あ、そうだ、B国のことを聞きに、今度ダーリン(仮名)のところに、うちのC書記官と行くから。 彼:君が僕の膝の上に座っていても、彼女は許してくれるかなあ。
2003年04月16日(水) |
彼のこと、わたしのこと、出会いからつき合うまで【3】 |
昨日の昼過ぎ。
「ねえ遙ちゃん、悪いんだけどこれ2・3日中に全訳してくれる?」
直属上司からあっさり渡された英文法律関係文書37枚。・・・全訳ですか?それも逐語訳ですか?それ、ほんとにする必要あるんですか?(あんたが英語読めないだけじゃないの?)
そりゃ、やれと言われればやりますど。雑用係だし。でもね、これだけやってていいならそんなに時間かからないだろうけど、わたしには他の通常業務もあるんです。しかも、明日、6日ぶりにダーリン(仮名)が出張から帰ってくるんですー。とってもとっても定時退社したいんですー。残業なんてイヤなのーー。
そんなわけで、昨日のうちにみっちり残業してとりあえず3分の2まで終了しました。国語辞典と首っ引きで。英語を理解するのはいいんだけど、その法律用語的日本語訳が思いつかないんですよ。「控除」だの、「扶助」だの、「留保」だの、「拘束」だの・・・。一応ワタシ法学研究科所属なんですけどね。法学方面の脳みそは1年半の間お休みされているので、もうさっぱり思い出せません。
こんな、世界で1人しか読まないであろう文書、適当でいいような気もするんですけどね。でもいくらなんでも「この人は、さっきの文書に従わねばならない」じゃあ、あまりにもアホっぽいじゃないですか。やっぱり法学者の卵たるもの「右は、当該文書に拘束される」くらい書きたいじゃないですか。レベル低いけど。その前に、大学院中退寸前だけど。そんなわけであと3分の1。今日は、絶対定時に帰るぞー。(それよりも、ほんとにこれ全部目を通すんでしょうね!?)
この日の日記の続きです。
あまり知り合いがいなさそうで、行くのが気が重かったこのパーティ。行ってみればやっぱり気楽に話せそうな人はいなくて、唯一の友人である主賓の同僚は途中で休暇に出発してしまうし(まあ、それがパーティの主要目的だったのですが。彼女を送り出そう!という。)、ちょっと辛いなー、もう帰ろうかなーと思っていたところにダーリン(仮名)登場。後ろからなぜか軽く抱きしめられ、めっちゃ嬉しそうに挨拶されて、いや、わたしも会えて嬉しいけど(知り合いに。)、どうしたのこの人?と、ビックリしました。
(お互い他に誰も知らなかったのもあって)、その後は2人の世界。ばったり会ったのが偶然台所だったので、そのまま台所でずっとしゃべっていました。内容といえば、わたしの修士論文のテーマについての議論とか、あまり色気はなかったのですが。
そんな話の中で、彼から「乗馬とか興味ある?よかったら明後日の日曜日にでもうちの大使館で乗馬しない?」とのお誘いがありました。・・・これって、相当卑怯だと思いません?乗馬ですよ?大使館で外交官1人1人が馬持ってるんですよ?そんなん誘われたら断れます?よっぽど馬嫌いでないかぎり。
つき合い初めてしばらくしてから、わたしが国際会議にメモ取り要員で出席してたときに、その辺の外交官にナンパされまくったことがあるのですが(国際会議ではみんなあまりにもヒマしているので、お茶の誘いがよくかかる)、「今日は、イタリアとコンゴの人にお茶に誘われたよー。断ったけど、外交官っていったいどうなってるん?ナンパしに会議に来てるん?」と報告したところ、「やっぱりお茶じゃ、ありきたりだし、つまんないし、ダメだよね。やっぱ馬くらい出さないと」との発言があり、お前乗馬に誘うのがナンパの手かよ、と。「ふううん。乗馬に誘うと成功率高いんや?」と冷たい視線を送ると、「イヤ、別にしょっちゅう乗馬に誘ってるわけじゃないよ。ほんとに。君くらいしか誘ってないよ。」と動揺しつつ言い訳してましたけど。
続く。長くなってます。すみません。
2003年04月15日(火) |
彼のこと、わたしのこと、出会いからつき合うまで【2】 |
仕事は終わったものの、彼のいない彼の家に帰るインセンティブが湧かなくて、未だ職場でグズグズしています。「赤いきつね」食べながら。
うちの国では、日本の醤油一つ売っていないので、日本の物は全て海外から取り寄せることになります。ジャンク好きなわたしには、なかなか辛いこの生活。安いからこそのジャンクなのに、インスタントラーメン一個500円とかしちゃうしね。
この「赤いきつね」は、ドバイから1箱24個入りを大人買い。いま6つ目ですが、すでに飽きてきました。ほんとはチキンラーメンが欲しかったんだけどね。もう1年くらい売り切れているのです。チキンラーメンなら毎日1食1年食べても飽きない自信あります。(チキンラーメン作成の達人と呼ばれたことあり。嬉しくない。)
今日の日記はこの日の日記の続きです。
次に会ったのは、3ヶ月後の9月下旬。8月頃には、彼氏(当時)がわざわざこの国までわたしに会いにやってきてくれました。なのに、久しぶりに会ってみるとわたしの中で軽く別れモードに入り、「しばらく距離をおこう」という話に。彼は再度プロポーズをしに来てくれたのに、なんか違う、と感じてしまったのです。どうして結婚を決断できないんだろう、と考えていると、この先のことも含めてちょっと距離をおくことで、2人の関係を見直してみたいと思いました。まあ、距離をおこうもなにも、十分遠恋だったんですけど。とりあえず。
久しぶりにダーリン(仮名)に再開したこの時は、友達の友達のパーティ。全くの他人です。前の日記に登場した同僚に、何となく連れて行かれました。知り合いもいないし、1人ぽつーんはやだなあ、と思っていたときに、ばったりダーリン(仮名)に遭遇。久しぶりだねえ、という会話を交わし、ちょっと盛り上がります。彼とまともに話したのは、たぶんこのときが初めてです。思ったより話が合って、わりと楽しかったです。で、いつの間にかダンスが始まり、ダンス好きな2人、とにかく踊りまくりました。十分ダンスを満喫し、深夜を過ぎた頃、一緒に来た同僚が帰るというので一緒に帰りました。
彼の印象では、気が付けばいなくなっていたらしいです。「あれー?あの子どこいったんだろう」みたいな。
また特になにもなく。当時の手帳を見返すと「楽しかった。○○(彼の名前)かっこよかった。」とあって、まあ、その程度だったのでしょう。この日は、ダーリン(仮名)以外にも何人かと知り合いになって、どちらかと言えば知り合いが増えた方が嬉しかったようです。
そして運命の(?)10月4日。これまた例の同僚がらみで、今度は本人の「長期休暇行ってらっしゃい会」でした。
彼の出張4日目。寂しい。寂しすぎて昨晩は、「ワンダとダイヤと優しい奴ら」(原題は、A Fish Called Wanda)を観てしまいました。何故かと言えば、これに出てくるJohn Cleese演じる弁護士が、どうにもダーリン(仮名)を彷彿とさせるのです。
いや、顔は似てないのよ。全く。これは彼の名誉のために言っておきますが。うちのダーリン(仮名)の方がずっと若いし、カッコイイし、後頭部も禿げてません。
証拠写真↓
鳥を観察中。(エコ派)
John Cleeseはコメディアンで、お世辞にもハンサムではないので、本人に「この映画のJohn Cleeseって、自分そっくりやで」といったら、微妙にショックを受けていたけど(自分ではできればロバート・ダウニーJr.、落ちてもヒュー・グラント系のつもりらしい。なぜロバート・ダウニーJr.かと言えば、わたしが好きだからなんだけど。ムリだから。)、でも似てるのですよ。
なんたってあの、妙なジェントルマンぶり。映画の中で、プンプン怒った奥さんが自分でお茶を入れようとしてるところに、John Cleeseが「あ、いや、あの、僕が入れてあげるから、ね?」みたいに、後ろからおどおどオファーするシーンがあるんだけど、それとか、もううちの彼氏そのもの。ほかにも、変にプライド高そうなとことか、頑固そうなところとか、よく分からないユーモアセンスとか、イギリス人ってみんなこうなのでしょうか。それともうちの彼氏とJohn Cleese演じる弁護士が特別似てるの?
まあ、いくら似てるからといって、彼氏恋しさに「ワンダとダイヤと優しい奴ら」を観るわたしもどうかと思いますが。
この映画、モンティ・パイソン的イギリスコメディが好きな方には、お勧めです。
2003年04月13日(日) |
彼のこと、わたしのこと、出会いからつき合うまで【1】 |
週末分の日記をせっせと更新しております遙です。昨日の日記もさっき書いたばかり。よかったらご覧下さいませ。
今日は、彼のこと、わたしのこと、2人のなれそめなどを。
彼は、当地イギリス大使館の一等書記官です。オックスフォード出身で、外務省に入り、あと2回か3回昇進したらたぶんどこかの国の大使になります。はっきりいって、わたしとは住む世界の違う人です。年もけっこう食ってます。11歳年上のただいま36歳。
わたしは、しがない大使館雑用係。日本では大学院休学中(中退の危機)、家も貧乏。ただの庶民です。この仕事は、「あら、こんなところに楽に金のなる木が☆」程度の気持ちで応募しました。外交官に対する熱い気持ちなどかけらもありません。
そんな2人の出会いは、わが家でした。去年の6月に職場の同僚がワーキング・ディナー(要するにご飯を食べながら仕事の話をする)をするというので、うちの家を提供したのです。彼女の家のダイニングには、なぜかテーブルではなくて、ビリヤード台が置いてあるので・・・。そこに呼ばれたフランス公使、アメリカ書記官、イギリス書記官(彼)。
わたし:ねえ、うちらが初めて会った時、何しゃべったっけ? 彼:Hallo, Nice to meet you, Thank you very much for today, Good-bye
いやあ、ほとんど会話ありませんでした。だって、わたしが気軽に口を出していいような話題じゃなかったし。それにけっこう人見知りしてしまうので、初対面の人は苦手なのです。彼のことをちょっとかっこいいな、とは思ったけれど。この国、外国人はけっこう多くて、そのうちの半数以上は外交官や国際機関職員ですが、かっこいい人は驚くほど少ないんですよね。
次に会ったのは、その2週間後。上記職場の同僚の同居人の誕生日パーティ@知らない人の家。ほぼ他人の家の他人のパーティですが、とりあえず誘われたので行ってみました。この時のパーティのテーマは「地中海風」で、招待状には「地中海風の服装で来てください。水着もオッケーよ」と書いてあったものの、みんなその辺は軽く無視して、普通の格好で来てました。彼以外は。
さすがに水着は着てなかったけど、アロハシャツにバミューダパンツ。今から思えば、がんばったんだろうなあ。例の生真面目さで、一生懸命タンスをひっくり返して探したんだろうなあ。・・・ちょっと受ける。ププ。でもそのときは、「あ、あの人この前うちに来てた人だ・・・変なかっこ。」と思っただけでした。
いや、そういえば一緒に踊った気もするけど。次の日、例の同僚に「ちょっとー、あの人めっちゃかっこいいやん!お姉さん、彼とつき合ってよ。お友達になりたーい。」と言った気もするけど(←けっこう気になってる)。でも自分がつき合う、というのは全く考えていませんでした。だいたいこの時は、プロポーズされてた彼氏がいましたし・・・。
長くなりましたので、今日はここまで。
彼とつき合うまで、これほどジャガイモという存在が気になったことがあったでしょうか。あー、肉じゃがにはいってるやつね、おでんのジャガイモはあんまり好きじゃないんだよね、程度?ていうか、他にジャガイモ使う和食ってなんですか?マクドナルドのフライドポテトは好きだけど、ケンタッキーフライドチキンのは余り好きではありません。イモっぽいので。
ところが(たぶんこれはうちの彼氏1人の問題ではなく、イギリス人一般に言えると思うんだけど)、彼はジャガイモ命。とくにマッシュポテト命。ですが、別にマッシュポテトに限らず、とにかくジャガイモなら何でもいいと思われます。一緒にウガンダに旅行行ったときには、ウガンダ産のジャガイモがいたく気に入り、ジャガイモ畑の写真まで撮る始末。アホなのでしょうか。ほんとに毎日毎日飽きることなく、ジャガイモ食べています。
いや、気持ちは分かるんですけどね。わたしもコメ命だし。それも日本の米。・・・は残念ながら手に入らないので、カリフォルニア米をわざわざドバイから1人輸入しています。在留邦人はけっこうみんなカイロ米とかイタリア米とか、日本のお米に近いと言って食べているのですが。わたしも何度かトライしたのですが、とても食べられませんでした。なんか変な癖があるし、臭いもあるし、パサパサしていて、飲み込むこともできないくらい。正しくない米を食べると、吐き気がこみ上げるのです。大げさに言っているのではなく、本当に。そんなわけで、先週も新たに50キロドバイに注文したばかり。米がないと死ぬ。
と、同じ気持ちで、イモがないと死ぬ、と思っているのかどうか。お手伝いさんに「僕は毎日ジャガイモが食べたい。毎日ジャガイモ料理を一品作ってくれ」といって、「そんなにジャガイモが好きなのか・・・」と驚かれた彼。わたしもうちのお手伝いさんに「毎日米!それも圧力鍋で炊いた米!」と断言してるので、あまり人のことは言えませんが、それにしてもジャガイモだよ?とやや小馬鹿にしておりました。
しかしながら、習慣というのは恐ろしいもので。彼が出張中にも関わらず、せっせとジャガイモの皮を剥き、茹であがったものをマッシュして、1人マッシュポテト完食したわたくし。マッシュポテトうまー。
それにしても、西洋料理はバターを半端じゃなく使いますね。日本で1人暮らししていたときは、バター一箱を1ヶ月くらい延々使っていたものですが、今は週イチペース。下手したら3日で終了。太るわけです。当国在住1年半にして、10キロ増。
えー、ノミの季節です。湧いてます。咬まれまくりです。全身かゆいです。彼の家とか害虫除去が定期的に入るのに、まだ咬まれるということは、たぶんお手伝いさんが外から運んで来てしまっているのでしょう。もうこればかりはどうしようもないようです。みんな咬まれてます。でも現地の人は咬まれないの。おいしくないのでしょうか。確かに肉ついてないしなー。
数えてみたところ、現在16ヶ所咬まれていました。職場で聞いて回ったところ、どうやらダントツ1位のようです。嬉しくな。隣で寝ている彼氏はあまり被害がないようだし。やっぱり肉ですか?
ちなみに、ノミが一番好きなのはウエストライン。特にパンツの線付近です。
ダーリン(仮名)は、今日から国外出張です。水曜日まで。今朝は7時半に出勤してバタバタ仕事をしていたようですが、わたしが出勤する8時半過ぎにいったんうちに帰ってきて、ちゃんとお別れの挨拶してくれました。僕がいない間気を付けるんだよ、また水曜日に会おうねって。こういうところがとても好きです。まあ、家と職場が同じ敷地内にあるからこそできる技ですけど。
2003年04月09日(水) |
天皇陛下が来たって休みます |
4月後半から1ヶ月休暇が取れることになって、浮かれております。遙です。
なんたってこの9月には離任するというのに、今までさっぱり取れなかった有休が貯まりに貯まって30日分。このまま使えずに終わったらどうしてくれるんだ、金返せ!(?)くらいの勢いで上司に直談判し、何がなんでも休めることになりました。なんたって、最初の長期休暇の予定→大臣訪問により却下、次の長期休暇の予定→副大臣訪問により却下。軽く嫌がらせ?嫌がらせなの?
だって、この国、ザ・世界最貧国、今まで、そんな大物が来たことなんてないのです。日本政府高官の訪問は、実に15年ぶりだそうです。それが二連発。わたしの任期に限って二連発。到着の1ヶ月前から我が職場は大混乱。うちはまともに飛行機も飛んでいないので、大臣が来たときには、ボーイングまでチャーターしましたよ。わたしが。(←飛行機係だった。)
この手配がまた、ほんとに大変でした。とにかく、このあたりの国々はみんな終わっているので、その飛行機の到着先A国(仮)からは、飛行機着陸させてやるかわりにワイロよこせ、とまで言われる始末。アホかお前。なんで大臣が親善のために訪問しようとしてるのに、そんな態度デカイねん。日本がどんだけのお金をODAでつぎ込んでると思うねん。
しかしながら、どんなに懇切丁寧に説明しても彼らにはそれが理解できず、しょうがないから当地のA国大使に直談判しにいきました。うちの大使と一緒に。帰国の着陸許可に手間取っておりますので、どうぞご尽力下さいませ。と。あんたんとこの役人からワイロ要求されてるんですけどー、と言ってやりたかったです。とっても。
まあ、そんな終わったことはどうでもいいのです。そんな激務に見合うほどの給料もらってないけど、それもいいのです。それより休みをくれ。この国とこの職場から脱出させてくれ。
今度は天皇陛下が来たって休みます。
旅行は、彼とエジプト3週間、妹とトルコ1週間の予定です。楽しみ〜。ついでに7月には、彼の出張にくっついて、モザンビークにも行くことになりました。ふふ。ダイビングするぞー。
今日も英国大使館から日本国大使館に出勤した遙です。いいのでしょうか。というか、いつの間にか一緒に住んでます。実感あるような、ないような。大学生の頃、彼氏が一人暮らしだったわたしの家に転がり込んでいたときには、けっこう主婦な気持ちになったものですけれど。やっぱり何が違うって、家事一切する必要ないことでしょうか。
彼の家には使用人が2人います。お手伝いさんと庭師。庭師っていうところがどうにもイギリス人でしょう?ガーデニング命。掃除・洗濯・炊事は全てお手伝いさんがしてくれて、家の外の掃除と庭の手入れは庭師の仕事。彼は何もしなくていいのです。住んでいるだけ。もちろんそこに居着いているわたしも、趣味で料理するくらいしか、家事はしてません。お手伝いさんが来ない週末は、皿洗いもしますけど。
それにしても、人間そんなことでいいのでしょうか。ダメになるんじゃないでしょうか。
が、ちなみに、
うちの家には使用人が5人います。内訳は、お手伝いさん1人、運転手1人、警備員兼庭師兼犬の世話役3人。
ゴメンナサイ。25にしてこの生活。大使館の雑用係にしてこの生活。職場ではお前が使用人だろ?って感じですが。家ではダメ人間決定です。もう何もできません。お茶も自分では入れなくなりました。身分不相応にもシェパード飼ってますが、エサをやったことも、自分で洗ったこともありません。可愛がっているだけです。ダメ人間万歳。
よく考えれば、ここのところ家にはさっぱり帰っていないので、彼らの仕事は、犬の世話オンリー。犬のエサやり、犬が散らかした庭の掃除、犬の散歩。わたしは、犬のために使用人を雇っているのでしょうか。
この国、使用人1人当たりの月給は、約7000円です。(外国人値段。現地人が雇う場合は1000円くらいらしい。)
うちは、彼氏が日本語を全く解さない人なので(知ってる単語は3つだけ。「いただきます」「乾杯」「眠たい」)、2人の会話は全て英語です。
英語自体は、仕事でも使っているので会話に困るということはないのですが、いかせん今まで外国人なる人々とお付き合いをしたことがないので、というよりお友達にすらいなかったので、イマイチ恋人な会話が分かりません。
なんたって海外歴→高校留学1年、この職で英語が母国語でない途上国1年半目、というしょぼさ。帰国子女が多い環境で、ちょっと引け目を感じる今日この頃。まあ、英語が全くしゃべれない人々もけっこういるのですが。(それも外交官で。とチクってみたり。現地職員の方がよっぽど語学堪能です。)
話が脱線気味ですが、そんなわけで、ラブラブモードになると、とたんに語彙不足に陥ります。そして、今でもどうしたらいいのか分からない英語の一つが、相手に対する呼びかけです。
英語ワールドでは、ラブラブ度がアップするにつれて、相手のことは名前で呼ばなくなる(ような気が)します。そして、彼はわたしのことを「Sweetheart」とか「Sweetie」とかなかなかラブリーな呼び方をしてくれていますので、わたしもなにかスイートな呼び方をしたいのです。しかし何も思いつかない。最初は「ハニー」と呼びかけてみたけれど、呼ぶたびになんかこっ恥ずかしくて震えるし、彼もそんな「ハニー」タイプではないし。最近は「ダーリン」を使用していますが、これって男→女の方が一般的じゃないのか、という疑問が。わかりませんが。悩みは深いです。どなたか代表的な女→男な恋人的呼びかけを教えてください。
まあとりあえず、そんな感じで、彼との会話は基本は全部英話な私ですが、唯一ベッドの中だけは日本語で通しています。そんなところまで英語を持ち込むのはムリです。単語がわからなさすぎて、無口になってしまいます。いろいろ日本語で口走ってますが、何一つ伝わってないのは、いいことなのか、ちょっと寂しいのか。
2003年04月06日(日) |
イングリッシュ・ブレックファスト |
目が覚めたら(というか、先に目が覚めた彼氏に軽くキスされて起こされたのが)、10時半。休日の朝って感じで、ちょっと幸せ。シャワーを浴びて、紅茶を飲みながら2人で朝食作成しました。といっても、朝食に限っていえば、彼氏の方がずっと上手なので、わたしは昨日の夜からほったらかしの洗いものに専念します。和朝食なら得意だけれど、イングリッシュ・ブレックファストとなると、彼のこだわりが半端じゃないので、下手にわたしがごちゃごちゃするよりも、全部お任せの方が気楽なのです。
そんなわけで、この日の朝ご飯。
紅茶 フルーツジュース数種類 コーンフレーク トースト ベーコン スクランブルエッグ bubble and squeak (マッシュポテトに野菜を混ぜて 軽くフライパンで焼いたもの) トマト (柔らかくなるまで焼いたもの。 何がおいしいのか、いまだに分からないんだけど)
天気がいいので、庭でガーデン・ブレックファスト。作成過程は、彼氏とラブラブで二人っきりだったけど、食べるのは、居候エマと一緒です。またこの子がよくしゃべる。うちはそんなにしゃべらないで、鳥とか花とか雲とかをぼうっと眺めていることが多いカップルなので、ちょっと調子がつかめなくて朝から疲れてしまいました。しかも絶対年上(ていうか30前後?)と思っていたのに、1歳下なことが判明。思わず、明らかにびっくりしてしまいました。
彼氏は朝から水泳へ。起き抜けの水泳は、彼的にとても気に入ってるらしいんだけど、わたしは断固拒否。泳ぐのは好きだけど、朝はまだ空気も冷たいし、プールでばしゃばしゃやるよりも、乾いたおふとんの中でゴロゴロしてる方が断然好きです。
今日はだるいことに、昼に日本人会総会が入っていましたので、一日一緒にいられると思ったのに〜と悲しそうな、彼氏をおいて1人、ヒルトンホテルへ行って参りました。予想に違わずかなりだるかったです。ヒマすぎるので、隣の席の友達と、「奥さん金目当て?」とか、「亭主関白そう」とか、「残り物同士じゃない?」とか、よその夫婦を勝手にピーチクパーチク。お前ら、くやしかったら結婚してみろよ、って感じだけれど。
総会のあと、彼氏が迎えに来てくれたんのですが、2人で手をつないで歩いてるところで、ばったり職場の人たちに会ってしまいました。引きつった笑顔で挨拶する私。無邪気に「日本人会はどうでしたか?」とか挨拶する彼。英語がほとんどしゃべれない職場の人たち。それはそれは、居心地の悪い空間でした。しかも、今度はわたしが激しく噂される気がします。しょうがないけど。
家に帰って、ヒッチコックの「めまい」見て、晩ご飯を作成。今日の献立は、前菜にアーティチョーク、メインは子牛のマスタードソースにマッシュポテトと蒸したキャベツ(ナツメグで風味づけ)です。マスタードソースの材料は、コニャック、バター、マスタード、生クリーム。子牛を多めのバターで軽く焼いて、そこにコニャックを投入。火を付けてフランベ。肉をだして、その他の材料を入れて塩胡椒し、しばらく煮立てるだけなのですが、かなりおいしくて、見た目よりずっと簡単だし、お勧めです。
それからグウィネス・パルトロウの出てる「大いなる遺産」(この映画、画像がすごく綺麗で大好きなのです。どの場面にも緑色が入っていて、俳優の目の色まで緑色。)を見てから、空港にスウェーデン人(フィンランドじゃなかった)のエマを迎えに空港へ。可愛くて大人っぽかったらちょっとやだな・・・と思ってたんだけど、可愛くない。大人というよりおばさんぽい。なんとなく嬉しかったりしました。わたし、性格悪いのでしょうか。
一緒に住む話は、とりあえず9月までは住もう、と。家も壊れていることだし。そして、日本に帰るかどうかは、まだ決めないでおこう、ということになりました。というか、「やっぱり日本はイギリスよりもずっと保守的な国だし、結婚ってけっこう重視されてるから、「彼氏と住むから大学院辞める」なんてなかなか言えない。」って言ってみたら、「時間はあるから、じっくり考えたらいいよ。ノープレッシャー」とか優しく答えられて、ちがーう!!お前がプレッシャー感じろーーー、と思ったのですが。鈍いのでしょうか。わざとでしょうか。
2003年04月04日(金) |
結婚話だったらよかったのにな |
9月に帰国するかしないか。まだ決められません。(あと半年は決めなくてもいいんだけど、まあとりあえず。)わたしは2年限定の派遣社員で、この僻地に勤務しているわけですが、日本に帰れば大学院生。在学期間が最長4年なので、10月までに復学しないと大学院中退決定です。彼氏はここにあと1年勤務したあと、ロンドンに帰り、その後先進国に3年勤務の予定。その先進国で大学院行ってもいいかな、とは思うのですが。(学費全額出してくれるなら。2年間この年にしては高給取りだったのに、全く貯金のないわたし。旅行しすぎです。)
でも、その先進国に行き着くまでに別れたら?
女、(たぶんその頃)27、職歴ほぼなし、大学院中退。たぶん、きっと、確実に、とても生きていけません。
ちなみに、彼氏の家は大使館の敷地内にあるのだけれど、「そんなところに、外国人が同居してて大丈夫なの?(しかもやや同業者。)」と聞いたところ、「私生活に口出しなんて絶対させない」との答えが返ってきました。これが日本大使館だったら、絶対認められないでしょうね。なんでも、ついこの間まで、日本の外交官は外国人と結婚できず、配偶者が日本国籍でない場合は、配偶者が帰化するか、本人が外務省を退職するしか、道がなかったらしいですし。人でなしって感じ?今更驚かないけれど。
今日はこれからデートです。(今は仕事が終わったあとの誰もいない職場で1人、パチパチ中。)明日から例のフィンランド人が泊まりにきて、2人でのんびりできなくなるし、しかも来週半ばから出張だから、今日は弾けようね(?)、とさっき電話がかかってまいりました。弾けるって何をする気かしらないけど、今日はあんまり夜遊びモードな服じゃないんですけど・・・。1回彼の家に寄って着替えるか、このまま彼の仕事が待つまで、時間つぶししてるか。
人のいない職場は、いる職場より断然好きです。
庭の底が抜けた話のその後。
彼に、来週までに家が直らなかったら賃貸契約解消するんだけど、そしたら次の家が決まるまで泊めてもらっていい?って聞いてみました。まあ、ここ1ヶ月くらいほぼ住んでるようなものだし、今更泊めてもらっていい?も何もないとは思うけど。図々しいとか思われるのもイヤなので。
そしたら、さらっと「ずっと住んでいいよ」と言われてしまいました。
怒濤のようにうれしさがこみ上げてきて、でもなんだか恥ずかしくなって、思わずうつむいてしまいましたよ。ブリッコ風に。そう言ってくれるとは思っていたけれども。わたしにはまってるっぽいし。(自信満々)でも、やっぱり想像してるのと、実際言われてみるのは全然違っててなんだかすごく感動しました。
「うん、そうする。ありがとう。」って言ったら、ギュッって抱きしめられて幸せ実感。こうやって、結局9月に帰国することなしに、この国でこの人と生活することになるのかなあ、となんとなく思い始めてみたりも。
ところで、土曜日からフィンランド人の女の子(って何歳かしらないけど)が、彼の家に泊まりに来るらしいのです。フィンランドからの乗り継ぎで、3日くらいあるからその間泊めて、って言われたんだけど、と相談されたのが先週くらい。1回くらいしか会ったことがないのに困るよねえ、と彼は困ったさん顔で言ってたけど、ちょっとムムッって感じです。じゃあわたし、その間家に帰ってたほうがいいかなあ?って純粋な目で(もちろん心は真っ黒だけど)聞いてみたら、いや、いてくれた方がいいから。是非いて。って。まあ、一緒にいれば、いかにもカップルな振る舞いをしてくれるからいいのですが、向こうはちょっと期待してくるんじゃないのー!?って、微妙ーーーーな気持ち。
この日の夜のお手伝いさん作献立は、マッシュポテトと牛肉の煮込みで、彼がその牛肉料理に飽き飽きしてる風だったので、タマネギ、トマト、赤ワイン、ハーブ、チキンストックを加えて、最後に生クリーム投入して、別の料理に変身させてみました。思いつきで作ったわりには、かなりおいしくて、やっぱ天才シェフか?こういうとき、日本人の過去の彼氏たちに「わたし天才?」とかいうと、まず確実に軽くはたかれてたのですが(関西だからかもしれないけれども)、今の彼氏は「ほんとに天才だよね。料理の学校、行きたいなら行きなよ。今の仕事より、シェフの方が絶対向いてるよ。」ととことん誉めてくれて、それもまたややうさんくさく感じてしまいます。
食べ終わったあと、台所に食器を持っていくついでに音楽聞きながら軽く抱きしめあって踊ったりしていたら、なんだかいい雰囲気になり、その後なんだか怪しい雰囲気になり・・・。
食べたばかりで激しく動くと、おなか痛くなって良くない、と学習しました。
ええと、前段階として、いま、わたしの家の隣が建設工事をしております。で、この国では、公共スペースだの、私的スペースだのいう概念など全くなく、とにかく何もかもむちゃくちゃなので、うちの家の前にも隣の家の建設材料がドカンと積み上げられており、道路は通行不可能。いくら警備員を3人雇っているからといって、セキュリティも何もあったものではないから、この1ヶ月余り、ほぼ毎日彼の家に居候しておりました。
(その前段階として、わたしは一軒家に一人暮らし、彼は勤務先の大使館の敷地内の一軒家に住んでいます。)
そして、昨夜。久しぶりに夜仕事があったので、彼の家ではなく自分の家に帰宅。「仕事終わって、今から寝るところなの」「君がシャワーを浴びた後、びしょびしょの髪のままでベッドに潜り込んでこないのが寂しいよ」(一言余計)、というラブラブな会話を電話でかわし、まあでもたまには1人も楽だわー、お風呂もゆっくり入れるし、と思っていたそのとき。
「ドーーーン」という大音響と「ジャバジャバジャババーーー」という大水音が、家中に響き渡り。何事かとあわてて庭に出てみたら、庭の右半分の底が抜けて(!)、水道管が割れておりました。
は?
なんで庭の底が抜けるの?ていうか、なんで庭に底があるの???
そのときは意味が分からず、真っ暗すぎて懐中電灯の明かりではよく見えず、とりあえず気を取り直して寝たのですが。(けっこう余裕?)
朝になって太陽の光の元で見てみると、なかなか大惨事でした。庭のタイルやコンクリート部分が下に抜け落ち、家を支えている柱も丸見え。周囲の状況から判断するに、隣の家がどうやら土台工事中にうちの庭の方まで掘りすぎ、もともと脆弱だった土台が家を支えきれずに崩れた、というわけのようなのですが。理解はしたけど、納得はできません。なんなんそれ!!!今回は、庭が崩れただけですんだけど、家まで崩れてたら、軽く寝てるうちに死んでましたよ?まじで。
もうむちゃくちゃ腹が立って(もともと隣の家の工事にはむかついてたのもあって)、大家に朝から電話し、「1週間以内に直さなかったら賃貸契約解消して出ていくから」。と、言い切ったものの・・・。行く場所は?しばらくは彼の家にいればいいんだけど、この先もずっといるべきか。頼めばダメとは言わないだろうけど(9月から一緒に住もう、と言われたばかりだし)、自分の家がなくなるというのはやっぱり不便な気がして、ちょっと悩んでしまいます。
まあ、1週間以内に、家が直ればそれでいいのですが。
「英国人の彼女」は、わたしが彼女の方で、彼が英国人の方です。わたしが帰国する今年の9月まで、というリミット付きの恋愛だったはずが、なんだか最近雲行き怪しく・・・。
しばらくお付き合い頂ければ幸いです。
そんなわけで、わたしの中で大イベントが起こった4月1日:
いつも通り仕事を終えて、彼の家へ。2人とも空腹で眩暈がしそうだったので、手っ取り早くスパゲッティ・ボロネーゼを製作しました。トマトソースは以前作って、冷凍しておいたものを使用。牛肉のミンチをみじん切りのニンニクと一緒に炒めて、そこに赤ワインを大量投入します。解凍したトマトソースを入れて、20分くらいグツグツ煮込むだけなんだけど、これがけっこうおいしくて、時間のないときはコレ、といった感じです。
で、おなかも落ち着いて、昨日観た「カサブランカ」の内容について、ワイン片手に2人で語っていたのですが。「ハンフリー・ボガードとの恋が、どんなに精神的でピュアなものであったとしても、夫がいるのにそういうのは好きじゃない」とわたしが言ったのに対し、彼は「結婚すると愛が続かなくなるから」と答えました。
映画の話をしているのは分かっていたのですけれど、「愛が続かない」っていうのがなんだかショックで、最初は「何それー」って冗談っぽく言ってたのにどんどん悲しくなってきて、気が付いたら涙がぽろぽろこぼれていて。自分でもびっくりしてしまいました。そして彼はもっとびっくり。どうしたの?何がそんなに悲しいの?ちゃんと話して?と、一生懸命顔を覗き込んできます。
今までだったら「なんでもないの」で済ませていたのですが、思わず「愛が続かないってことは、じゃあわたしが9月に帰国したら、それで終わりなの?たぶん終わりなんだろうな、とは思ってたけど、でも今はまだ直面したくないの」と、けっこう感情を出して言ってしまいました。ほんとはそういうこというの、好きじゃないんです。重い女だと思うし。
そして、これに対する答えはきっと「遠距離になるけど、別れることはないよ」とか、「離ればなれになっても、きみのことが好きだよ」とか、まあそういう感じだろうな、と思っていたのですが・・・。彼にきつく抱きしめられて(鼻水が彼の服に付きそうになりながら)、「9月になっても日本に帰ることはない。このまま僕と一緒にここに住めばいい」と(!)言われました。
え、ちょっと待って・・・・。
index|day after
|