short story


2003年01月20日(月)


「窓辺」


風吹く窓に
軽い足音。
背後に伸びるのは
穏やかな熱線。

一枚の絵に納めるべきは
ただひとつの真実より
僕とあの人との
あんなことやこんなこと。

いつだって前言撤回しながら
言葉と裏腹な口笛で
風の中に紛れ込むんだ。

今日は日が沈むまで
こうしていよう。




2003年01月05日(日)


「失うこと」


ただ笑い合い
足りないものを補うように
共に時間を過ごすことは
僕が考えていたよりは複雑で
そして残酷だった。
軽々しく求めることは
それなりの代償を伴って
僕から大事なものを奪う。
それを引き止める場所に僕はいなく
力もないのは
自分で招いた種であるが
選択肢のない道の真ん中で
戻る事のないあの頃に
思いを巡らす。
だっていつだって僕は
こんな結末を望んじゃいなかった。
失うのは耐えられないこと。
今はただ
誰も僕を知らない世界へ行きたい。
そこならばもう
失うことはないかもしれない。


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日記才人