目次|過去|未来
近くの動物園に、友人の子供が勤めている。二年前くらいに結構な競争率で難関を突破して入園した。お祝いを言いに動物園を訪れた時に、担当している鹿についておもしろい話を聞いた。 当時担当していたのは朝鮮鹿で、これが動物園の中でも特に発する臭いが強く、一端暴れ出すと飼育員でも手に負えなく、人工的に設えた藪の中に自ら身を沈め、興奮が収まるまで待つしか無いくらいに気性が荒いと言うのを聞いて、何だ、朝鮮人と同じだなぁと大笑いしてしまった。 これは差別でもなんでもなく、朝鮮の特有の病気に「*火病」と言うのがあって、まさにこの鹿が持っている性質と同じである。ちゃんと認定されている「風土病」なのである。 天才と言われている騎手の赳浴衣(たけ・ゆかた 仮名)の豪邸が、この鹿の檻の煉瓦塀一枚隔てた道路を挟んだ向かいにあって(臭いのせいかどうかつい最近引っ越したと言う話をいつも贔屓にしているタクシーの運ちゃんからきいた–3月–)、あんまりの臭さにそこから園に苦情が来ていると言っていた。 後から動物園の真横に引っ越してきて、臭いは無いだろうとまた笑って後、画学生時分、写生に来て以来の動物園見学をした。すでに三十数年動物園に来ていないことになる。小さい子供でもいれば家族で来ることもあると思うが、縁がなければ誰でもそんなものだろう。 風の強い明け方、ゾウや何かの獣の遠吠えが我が家まで聞こえてくる。だから動物園の存在はいつも意識にはある。もし、神戸阪神クラスの地震があったら、煉瓦積みの長い塀は簡単に崩れるだろう。 その時は、猛獣どもは間違いなく我が家のある、山の方に向かってやってくる…。
それはさておき、見て回っていて気が付いたことがあった。ここの動物達(他の動物園も)は、人間と同じか、かなりそれに近い環境で過ごした結果、自然界では見られない事が起こっている。 動物界に老人?がいるのである。普通、自然界の動物は、例えば、チーターは時速六十キロで走る縞馬を捕捉するのに、それ以上の速度で走らないと捕捉出来ない。
高い木ノ上から狙いをつけて飛びかかるにしても、老齢で歯が欠けたりしていると、致命傷を与えられず、結果餓死に至る。だから自然界に長老は存在しない(亀などの例外は除)。自然の動物には病気がないと言うが、なに、ほどよい内に死んでしまうのでかかる暇がない。 こうして、その群れは常に野生本能に満ちた強いオスが統治する。ところが平和ぼけした動物園では戦う事、食料調達することなく過ごせてしまう結果、長寿の動物たちが存在する。 今の日本は世界に冠たる長寿の国である。動物園の動物を見て思ったことは、長寿者が多く存在する国は、それだけ野生本能が失せているのではないか(平均寿命、日本1位、177カ国中、米国・韓国29位、中国68位 UNOP.人間開発報告書2007/2008)。
野生とは「戦い」である。 多分、世界一の長寿国は、世界一戦闘(精神面でも)能力に欠けた国になり果ててしまっているのではないかと言う思いがしている。一般人が徴兵にて戦地に行った時、白兵戦なんかは端から駄目だろう。子供が少なく爺婆が元気な国を若い兵隊が守る。婆さんは化粧をし、胸元の開いた服を着て、動物界ではあり得ない年取っても色気を振りまく行動をしている。 こういう事が日常茶飯の我が国を守るのは出来るだけ兵を動かさずに守る「核」しかないのではないか。
*火病…朝鮮特有の精神疾患の一つ。朝鮮では鬱火病ともいう。鬱火病の鬱は鬱病とは関係ない。若者の火病の初期症状として、強い怒りと共に八つ当たりの行動を伴う。アメリカ合衆国の精神科協会において、1996年に文化結合症候群の一つとして登録された。
→2007年の今日のたん譚
丑(うし)の声 臘(ろう= 晦日、12月)を送り、嘉辰(良き日)に入る 比叡山に祥雲、暁色新たなり まづ、屠蘇を哺(飲みほ)し、旭日を迎へ 君に献ず多幸一陽の春を。
ささ、一献。
健康に悪い高コレステロールの 数の子醤油漬け 鯛の子はぜ煮 屠蘇 [酒 真澄 純米吟醸(信州)+屠蘇散]
→2008年の今日のたん譚 →2007年の今日のたん譚 →2005年の今日のたん譚 →2004年の今日のたん譚 →2003年の今日のたん譚 →2002年の今日のたん譚
|