2003年02月08日(土) |
河童が覗いたヨーロッパ |
今日古本屋さんで久しぶりにこの本見つけて、懐かしくて買ってしまいました。 高校のときに読んで、ずっと本棚に並べていたのですが、上京するときに実家におきっぱにしたんだよね。
河童さんの小説「少年H」は読んだのかな・・・・、覚えてないや。 でもこのイラストエッセイ(?)のシリーズはすごく好きで、他にも色々読みました。ニッポンとかインドとか、トイレまんだら、舞台裏おもて・・・・。 でも「河童が覗いたヨーロッパ」は特別ですね、自分の中で。 この本読んで、すっごくヨーロッパ行ってみたくなって、物凄くあこがれてたんですよ。「行ってみてえ〜〜〜〜!!!!!!」って。 で、大学の時に二度ほど行ったのですが、一回目に行って帰ってきたときに、この本思い出して、再読しまして、そのときは本の内容うっすらしか覚えてなかったんですが、読み返して実に失敗したと思ったのですよ。 本を初めて読んだ時、自分の目で見たいと思ったり、触れたいと思ったりしたことを結構遣り残したことに気づいたので。 なんかうまく言えないのですが、ガイドブックとか、他のエッセイ本みたいなのよりも、書いてある内容が物凄くリアルにわかりやすくて、読むと本当に行ってみたくなるんです、この本。ヨーロッパの匂いがする。
久しぶりに読んでみて、こんな経つのにやっぱりすごくイタリアの空気とか思い出しました。 ビデか〜。 使い方とか本当にわからなくて、なんで部屋にこんなのあんのか不思議だったんですよ。帰ってきてから読んで、すごく文化の違う国に居たんだな〜と思ったものです。 この本は初版が昭和51年、書いたのは1972年とかなんですよね。 ドルが300円以上のレートで時代を感じます。 私がイタリアとかあの周辺の国に行ったときには、それより20年くらいとか経ってて、1泊300円の安ホテルなんてみつからなかったけど、本の中の世界とあの国はそんなに変わってないように見えて、なんだか不思議。・・・・まあ何世紀も昔の建物を保管してるんだから、十年やそこらで町並みが変わるわけないのでしょうが。
映画ご覧になりましたか? 私は初日の夜中に見ました。 個人的には、よく出来た、綺麗な恋愛映画だと思いました。 平太(クサナギ)と葵(タケウチ)の間の空気とか、関係とか過去との絡み、ラストのどんでん返し・・・。説明の足りないところは確かに存在したと思うのですが、一つの恋愛ドラマとしてよく出来ているな・・・・ってね。
この黄泉がえりについては、ちょっと小説自体の感想ではない感想を書いておこうと思います。 テーマは「パロディ」 小説を読んだ方はモチロンご存知でしょうが、この黄泉がえりという映画、原作と同じ空気をさせている、別のお話です。 別・・・・ではないのか・・・・。 えーよく外国のSFアンソロジーとかで、ファンがそのシリーズの舞台設定や時代背景を使って、全く別のキャラを想定してお話を書いたものがありますが、まあそんな感じですね。舞台は熊本で、その場所の中だけ死者が蘇るという現象が起こるっていう大筋は一緒。だけど、主役の二人はこの映画の脚本の方の創作。まあ平太という名前の人は原作にもいますけど、年も、職業も違うわけで、葵に至っては全くオリジナル。 凄い。 はっきり行って、この脚本書いた人凄い。 なんかパロディの醍醐味っていうか、決まった時間の流れがあって、「こんなお話素敵だろうな〜」って想像することないですか?例えばマトリクスとか観てて、この時代にこんな人がいたら・・・とか。 でもそんなの普通は想像の中で終わる話で、それができないひとはこっそり書いたり、書いて売ったりすんだと思うんですよ。 なんか上手くかけないな。 まあ素敵な脚本だったという話。出来れば映画のノベライズを読みたい。
ついでに、この映画を観て、Nファンは絶対思ったであろう事をちょっと・・・。 羨ましい。 ね〜。原作があっての映画化は一緒だし、どうしても思うよ。 あの模○犯も物凄くパロディでしたが、あれは世界観を借りるタイプのパロディではなく、ファンが一つのキャラに執着して書くようなタイプの話だったし。 つまりはキャラ萌え。 あ〜〜あ。
近藤史恵という作家さん、はじめて読んだ。 なんか本屋で何冊か文庫買って帰ろうと思っていて、タイトルがいいと思って、あとカバーの写真も綺麗だったので、特に予備知識なしで読みました。
ミステリ?うーん、それはどうかな・・・と思う。 なんていうか、ミステリ・・・・推理小説とかそういうのでは決してないから、文庫の裏表紙の解説は失敗ではないかしら。
でも悪くない、というか好みな読みやすい本でした。 文字がぎゅうぎゅうじゃなくて、漢字がむやみに多くない。 (頭悪い子っぽいけど、ぎっしりしてるのは、結構読みづらい) 火夜という名前のオンナノコの周りの風景が丁寧に書かれていて、その空間の匂いとか温度が理解しやすかった。 タイトルにもなっている「庭」のうっそうとしていて、病的に綺麗な感じが凄くよかった。
ただ、ストーリー運びとしては、なんかそんなんで人を殺すのかね・・・。
まあ、全体的にみんな病気で、しかも異次元みたいな庭も出てきて、「あ〜こんな人いたら、まあ殺すかね」って感じだから問題ないのかな。 死んだりする事とか死んだりする怪我とかって、もっと無様になりそうだし、痛いだろうし、なかなか自分で自分を痛めつけられないもんじゃないのかな・・・・。 みんなあまりにも死ぬ事に潔いんだもんな。
でもとりあえず好みなテイストではあった。 ・・・・少女漫画が恋愛映画のようでね。だから他の本も読んでみようと思います。
ところで、この今泉とかいう探偵美人・・・・。
細いのに筋張っていない首筋。皮膚は不自然なほど白く、薄い。 彼は華奢だった。そしてきれいだった。男の人をきれいだと思ったのは生まれてはじめてだった。 (中略) 彼の美貌には、女性的なところは少しもない。けれど、その魅力は格好いいとかではなく、きれいとしか言いようがないものだ。男性だけが持ちうる美しさ。 (ガーデン168Pより引用)
どうよ、この表現。 な○いたん?!
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