西方見聞録...マルコ

 

 

原稿を落とす - 2010年10月31日(日)

 10月末締め切りの原稿を落とす。

 ある程度できていたんだけど、やっぱり学会での批評を受けての再構築がうまくいかなかった。というよりぜんぜん集中できなくて、敗北ってかんじ。

 一応1次審査を通ってた共著枠を手放すのは無念だけど、そして調査に協力してくれた人には幾重にも申し訳ないのだけれど、とにかく再構築しないと世に問う声が、正しく出せない。

 何のために今自分が何をしているのか、何を優先して何をあきらめるか。とりあえず明日、フィールドでの調査が久しぶりに入っているので初心に戻って、現場でうずくまって耳を澄ませてこようと思う。


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台風の奈良 - 2010年10月30日(土)

 えーっと今日は台風が午前中近畿直撃って前評判だったんですが、意外と穏やかだったです。午前中、マルコとおKさんと二人でおKさんが受講を希望しているお絵かき教室の見学に行きました(しかし8人のお教室が全員男の子で構成されていることが分かり、おKさん「絵は家で描くわ」という結論に達しました。誰か女の子マジョリティのお絵かき教室、あったら教えて)。そんで、その後、あめでお・1号コンビと駅前で合流し(1号さんは部活の秋季大会だったんですが、台風が来るって言うから延期になって自宅待機になってました)、奈良市のかかりつけ医にインフルエンザ予防接種に行きました。





 おお!久しぶりのJR奈良駅、遷都1300年祭終了も間近になりやっと新駅舎完成か?
 まずはお医者に行き、インフルエンザ予防接種を受け、ビブレで娘2人はプリクラとって(それにしてもいまどきの子はプリクラ好きだよね〜。そんなにかわいいわたしが好きか!)ちょっとその辺で昼ごはん食べて、そんで、奈良公園へ。

 はいはい善男善女が入っていくここはどこか!



 ふお〜いつもは非公開の興福寺五重の塔の内陣です。中はレアな仏様と(知恵の象徴の獅子に乗った文殊菩薩と、慈悲の象徴の像に乗った普賢菩薩が印象に残りました)芯柱と礎石の最下層の部分が公開になってました。


 何年か前に一度秋の公開のときに来たんですがものすごいこんでました。本日は待たずにするする入場できました。お寺のスタッフさんに聞くと「台風の影響ですね。先週は結構待ち時間あったんですよ」となぜか悔しそう。

 まあ待たずに観れるとはよいことです。ちょっと阿修羅ブームでバブルっぽい人気だったからさ>最近の興福寺。

 このあと東金堂もいきます。ここはいつも拝観できます。我が家は興福寺友の会会員なのでこのスペースは3名までただでは入れます。しかし本日は東金堂の須弥山の裏側が特別公開になっていて、後ろ側で仏法の守護神「正了知大将像」が拝観できました。この仏さんは1017年の火災のときに自ら躍り出て焼失を免れたという「稀代の霊像」なんだそうです。この辺の薀蓄を語ってくれるお寺スタッフが中に居て、要所要所解説してくれるのが楽しかったです@秋の特別開扉。



 さてこれはこうやってがんばって稼いでいる興福寺の財の注ぎ先、再建中の中金堂。この立派な木材はカメルーンから来たアフリカケヤキだそうです。





 ここは興福寺から猿沢池に下りていく階段ですが、工事中だったのが整備できました。いろいろと整備完成のころには1300年祭が終わるのですな〜




 で、出発時JR駅でもらったスタンプラリーをしながら帰路につきます。いつもの奈良漬け屋の辰巳屋さんでもひのな漬けと奈良漬けを購入してスタンプを押してもらい、JR奈良駅でゴール。2回引いて、参加賞のはがきを2枚もらいました。わたし達の後に並んでいたご夫妻が2回引いて2回何物かを当てていました。き〜。




 ハイ、最後は駅の東西が行き来できるようになったJR奈良駅。1300年祭の今年1年工事中ですが、のこりあと1週間というところで完成した模様です。地元民的にはそれでぜんぜんOKよ。


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合唱コン - 2010年10月28日(木)

 1号さんの合唱コンクールがあったので有休とって行ってきた。合唱コン、中学校で初めて追加される行事ですな。

 正直なところ少し仕事が込んでたので、今回は失礼しようかな〜と思ってたんですが、2日前に「1号さん、実は指揮者です」ということがプログラム配布によって発覚したのであわてて有休とった。

 行ってよかった。指揮者でなくてもこれから毎年行こうと思った。

 指揮者もピアノも30人に満たないクラスから選出されるので、とにかく必死(わが町の中学は町条例で30人学級です)。中にはどうしてもクラスに現役でピアノやってる子が居なくて、コンクール2週間前にずいぶん前にピアノをやめた子を促成伴奏者にして、必死に練習してもらって本番を向かえ、本番でもとまってしまう伴奏に合わせて、必死に音楽を作ろうとしたクラスもあった。そのクラスのピアノを支えようとするうたいぶりは、なんかちょっと感動的だった。
 男の子は変声期の最中で声がでない子や1オクターブ高い声で男子パートを歌う子もいる。女の子は必死ののりで声の出ない男子をカバーする。とにかく1年生の歌いっぷりは必死なのである。

 そこに行くと2年生は、かなり男子の変声期が進み「混声合唱」になっているし、ハーモニーがきれい。保護者席が狭かったので2年生の途中で出てきてしまったのだが、1号さんによると3年生は「やばいで」というくらい別次元の上手さなのだとか。

 上級生、ちょっぴりツッパリ君も居るけど、舞台の上ではしゃきっとするようだった。そういう反抗期のアンビバレントな感じも面白い。

 またもや、ああ青春のおすそ分け。

 

 

 


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2010年秋ダイジェスト - 2010年10月26日(火)



秋ですね。
写真は近所の水田農園の柿です。今年は不作で数は少ないけど1こ1この味はものすごく濃厚だそうです。柿を実家や数軒お世話になってるところに送ります。この柿は自家消費用でちょっと安いけど贈答用はもうちょっと素敵なのよ。

さて、この秋なんだか忙しくすごしてたけど、少しずつ収束してきたのでまとめ日記。

1)運動会が2回

 小学校と、中学校と2度行きました。
 小学校は昨年子ども二人で見所満載だったんですが、今回子どもが1人で見所が半分になってしまった!余裕で観る。
 おKちゃんは保育園時代からの友と二人でやっぱり保育園時代からの友のちょぴっと障害のある友のサポートをしながらフォークダンスを踊っていた。保育園時代からみんなその子のサポートに慣れているので熟練の連携って感じで、ソレをするのが当たり前のようにすっとサポートに動きながら踊っていて、きっと関係者以外、そこで何が行われていたか気がつかなかったと思う。あの子がそこに居てくれて周りの子はほんとにいろいろ学んでいる。ありがとう。学校があの子にとっても良い場所でありますように。

 中学校運動会ははじめて参加。平日やるんですよ!父母ともに仕事休んで駆けつける。
 しかし中学校個体差が激しい場所です。すでに大人になっちゃってる個体もいれば、小学生と変わんない個体も居るわけですから、そこで行われる競技は大変なことになってました。母友とかっこいい男子チェックをしました。「いや〜ん趣味一緒じゃない」とか言いながら。これは男女逆なら(親父が女子中学生の品定め)すごい怖い構図です。いや母が男子中学生の誰がかっこいいか見るのも怖いか。以後気をつけます。
 中学生はリレーとか激走ものの競技が多く、男子リレー(3年)で先生チームが参入してものすごい勢いで走ってそして敗れていた。中学生の(特に3年生の)身体能力おそるべし。1号さんは運動会トリの男女混合代表リレーにも出場していた。(学年ごとに男女別クラス全員参加リレーがあり、さらに最後に男女混合代表リレーがある。どれだけリレーがすきなのか。足の遅い子は結構つらい運動会だろうなと心配しながら見る。)代表リレーはすさまじかった。最初のほうに走った1号さんはまだドラマチックじゃなかったけどアンカーから3人くらいは鬼気迫る走りを見せ、1号さんチームは序盤6チーム中5位だったのに、3位まで盛り返してフィニッシュ。アンカーから2番目を走った女子の母と抱き合って喜ぶ。ああ、青春のおすそ分け。




2)出張三昧
 9月中頃、タイに10日間出張に行って、10月の中頃、静岡に3日間出張に行った。
 広々と手足を伸ばして眠れるのはうれしかったが、静岡の3日目くらいにやっとさみしくなった。自由と孤独は表と裏。でも自由も孤独も結構好き。個人競技者としてもやれる自分をときどき感じる。






3)秋は板の上の季節

 なんだかたくさん、板の上に乗った。職場のシンポジウムっちゅうか報告会のコメンテーターが直前に逃げたので、前の夜に同僚とじゃんけんして負けたので、私がコメンテーターの代役を務めた。(代役コメンテーター決めの過程で某板友様に泣きながらお願いするという暴挙もしました。該当の方ごめんなさい)たくさんの人の前でシエラレオネについて語る資質が自分にあるのかすごく疑問なのだが語った。

 それから静岡の学会で何事か語った。

 そんで先週の土曜日、おKさんのピアノの発表会にて、連弾伴奏者の1号さんの代役を急きょ務めた。

 急遽の代役。得意科目になりそうです。




4)そんで誕生日だった

 1号さんはロウティーンに、わたしは老フォウティになりました。


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秋の一日(テニュアと本とピアノ) - 2010年10月19日(火)

今日はいろいろあったから箇条書き。

1)ランチをした
 ご近所大学勤務のアカデミズムの先達S様とランチ。職務の悩みを聞くが、その悩みが話芸になってるところがこの人のすごいところで、悩みの内容が小説のよう。愚痴を聞くのは大変という人もいるが、今日伺った「愚痴」ははらはらどきどき、え〜どうすんの!ってはなしの連続で申し訳ないけどすごい興奮した。でも大変そう。体にも悪そう。ご自愛ください。
 今日S様から伺った「悩み」は、私が渇望していろいろ就職活動している先にあるテニュア(期限無採用研究者)だからこその大学運営にかかわる悩みなんだけど、そこにどんな地獄が待ち受けていても、突き進まねばならないレミングのように研究する期限付き雇用研究者なのであった。


2)出版社から電話が来た
 午後、携帯に電話が来る。
 とりあえず今年でなく来年の助成金を目指して今ある原稿(博士論文)をリライトしていくことになった。予想通り時間がかかりそう。
 電話では年末までに
A.読者が誰か想定する。
B.その上でタイトルを改題する
C.一番言いたいこと、結論が盛り込まれた1ページ目をとにかく書くこと
を指示される。
「研究論文は自分のために書くものだが、書籍は他人のために書くもの。時々ソレが一致する奇跡があるけど、奇跡はあんまりないので、お客さん第一で。」と助言を受ける。思い人は商売人。


3)ピアノレッスンをうけた
 今週週末、次女のピアノ発表会がある。3曲弾くうちの連弾曲のパートナーを長女(部活多忙につき、すでにピアノを引退している)が勤めることになっていた。
 駄菓子菓子!!長女学校行事が午後までずれ込むことが判明して、不肖マルコ急遽、代役で舞台に上がることに!そんでいつもは土曜日のレッスンなんだけど、土曜日静岡で学会に出ててレッスン行かなかったら、先生がキれちゃったので(あめでお談)、今日夜7時から30分だけ2500円エクストラに払って次女と一緒に特別レッスンを受ける。
 いや〜音楽業界の人、コミュニケーションが異文化です。「もっと歌って!」とか言われても、、、ピアノなんですが、、
 でもなんか自己解放って感じで30分のレッスン後半では楽しくなって来た。ピアノレッスン受けたのって中2でピアノ辞めて以来だから30年ぶり?
 老後お楽しみリストに「ピアノを習う」と書き加える。


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その脈はあるのか - 2010年10月08日(金)

 なんか、、色男に振り回されている片思いの女みたいなんですが、返信メールの思わせぶりな感じの、でもストライクで私の想いに答えてくれない感じに、悶死しそう。

 出版プロジェクト、今週発動。


 ちなみに石井ゆかりの星占いによると今週は「長い道のりの出発点」だそうです。そうか。長いのか、道のり。

  


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子育てを語るときの当事者意識の欠落について(あるいは他人事に対する上から目線に関して) - 2010年10月02日(土)

 江川紹子の電車で子どもは立って発言への感想です。拡張版もあるようです。

 「子育て」関係者への冷たい言説のひとつなんですが、われと彼はこうも隔たっているのか、というのがひとつの実感です。

 子どもを電車乗せて出かけるというのはすごく、力のいる技です。子どもは疲れれば、感情がコントロールできなくなるし、もっと疲れれば、突然眠ります。そうすると保護者は15キロを超える物体を背負って歩かなければならなくなります。通常の荷物を持ってその上15キロを超える米袋を担いで歩く図を想像してほしいです。

 そんなんで移動中の電車では保護者は立っても子どもにはできれば座ってほしいし(保護者は、疲れたからって感情がコントロールできなくなって泣いて騒ぐことはないわけですし、子どもも成長して体力がつけば疲れから泣いて騒ぐことはなくなります。電車内で泣いて騒ぐ子どもの問題はしつけの問題だけでなくて体力の問題も多分に含んでいます)できれば、移動電車の中で座って眠ってくれたりすると、その後の目的地、あるいは帰りの電車での保護者への負担はぐっと軽減します。

 で、子ども連れのお出かけが如何に大変か、なんて話は、直接自分が子どもの保護者でなくても、甥や姪がいれば、あるいは本音で話し合う関係の人に子どもがいれば、実感をもって理解できることだと思うのです。

 子育て言説から当事者意識が欠落し、実感を伴う情報にアクセスできない人が増え、そしてマジョリティとなろうとしていることを江川氏の発言から感じました。

 例えば江川紹子氏が専門の問題について語るとき、もう少し当事者の視点に立った情報を探そうとするのではないかと思います。でも子育てに関してはこうも上から目線で頭だけで考えた言説が流通させてしまうのはなぜでしょう。

 「子育て」は子どもとして全員が経験しているので子どもの側からなら誰でも「頭で考えて」語ることができます。でもそれは親側からの実感の欠落した情報となる可能性もあります。
 
 何も親になる必要性を唱えているわけではありません。育児の当事者と腹を割った話ができる友人関係になるだけでいいとおもうのです。

 実感を伴う情報の流通、それを阻んでいるのは何なのか。子どもをめぐる立場によって生じる「情報租界」の発生を憂慮します。

 



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