西方見聞録...マルコ

 

 

5年 - 2007年11月29日(木)

 先週、運転免許証の書き換えをした。引っ越してきたばかりのころに0歳児のおKさんをつれて王寺の警察署で免許書き換えをしてから 、5年か、と感慨深い。

 さて本日は次女おKさんの「保育参観」と銘打った音楽会が保育園で挙行された。ひそかに1号さんの学校ではマラソン大会があったんだがマラソン大会より音楽会のほうがなんか楽しそうなので1号さんには応援なしで、あめでおさんもワタクシも保育園にGo。

 で、「年中児の秋」というのは私にとってはいろいろと思い出がフラッシュバックする秋なのである。

 我が家が神奈川から引っ越してきて1号さんがいまおKさんが通っている保育園に転園したのが5年前の10月1日。1号さんが年中児の秋を私たちはニューカマーとして過ごした。

 運動会も秋祭りもなんか必死だったことしか思い出せない。そして「保育参観」という活動の何たるかをまったく理解しないままに、保育参観の前、高熱の出る風邪とそれに続いた蕁麻疹で(これだってたぶんに心因性のものだったのではと今は思う)丸々2週間休ませてしまって1回も音楽会の練習に参加させないで保育参観(実は音楽会)当日にものすごく久しぶりに登園させるなんてスゴイこと、してしまったのだ。

 そのときの涙の日記がこれ

 あの時は私にも1号にも誰も友達なんかいなかった。心が引き裂かれるような思いでたった一人で、舞台の上の張り付いたような笑顔を浮かべるコレも孤独な戦いを強いられてる1号さんを見つめた。

 さて、5年の歳月が流れた。

 おKさんは過酷なじゃんけんを勝ち抜き、ボンゴドラムという楽器の担当者になって「風になりたい」の曲を合奏する。全体の曲のリズムを取るような結構重要なパートだ。0歳児から入園してこの保育園の長老になろうとしているおKさんは緊張しながらも、落ち着いて演奏している。はっと気づいたのだが彼女は今年度1度も病気で保育園を休んでない。
 
 今の職場に入って年月もたち余裕もかましてるあめでおさんはとっとと職場を午前中やすんで私と一緒に保育参観に参加してくれる。

 朝保育園で板友のノロさんい会えば「やあやあ昨日は掲示板でどうも」とか挨拶をするし、適当に座れば周囲は友達だらけで、あめでおさんはおKさんの友達の妹の赤ちゃんの写真を取り、私は周囲としゃべるねたは尽きない。

 そうだ、5年が過ぎたのだ。


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インスパイア ガンダム 大人になってわかること セイラさんのお守り - 2007年11月27日(火)


さて掲示板のほうではまだガンダム談義続いています。でガンダムはあの当時わからなくて、大人になっていく過程で、ア、あの時ガンダムでいってたのはこのことか!とはっとすることがあるというメディアなんですわ。

で、前回日記でニュータイプ理論の「人の進化」としてのばら色の局面を書きましたが、結局物語の中ではそういうユートピア的ニュータイプ論は宇宙で進化した人類による地上にとどまったオールドタイプへの服従の拒絶=独立戦争へと話がすすんでいくわけです。ユートピア論が戦争遂行のための論理に読み替えられるとき選民思想的解釈を加えられて、独立側(ジオン公国側)が全体主義的色彩を強めていくのですわ。

なんかこの革命のユートピア的言説が現実の統治理論になるとき陳腐化し、堕落するってかんじが大人になって振り返ってみるとリアルです。共産主義革命やイスラム革命とか、例を挙げるまでも無いのかもしれませんが。

まあそういう大きな物語もリアルなんですが登場人物の設定とか細かい風俗とかも大人になって、ア、アレはこのことね、って思う部分があるのですわ。

で、「セイラさんのお守り」なんですが、これは小説版ガンダムのほうで出てきます。小説版ガンダムはアニメよりさらにリアルです。アムロは物語の中盤でかなりあっけなく死にますし、登場人物の死が「リュウのモビルスーツは帰還しなかった」の1行で片付けられたりするんです。 きっと戦場ってそうなのね、というかんじ。

そこでは通信兵のセイラ伍長にアムロ曹長が恋をして二人は恋人関係になるのですが、モビルスーツ乗りの風習で恋人に陰毛をもらってお守りにしてると弾をよけられるって言うのが出てくるんですよ。それでカイさんに「セイラさんにお守りもらったか?まだもらってない?だめじゃん」といわれてアムロがセイラさんに「お守り下さい。」とお願いするんですが「人に言われてもらいにくるあなたの神経が信じられないわ」みたいな結構きついことを言われて断られます。

でこのお守りの風習の説明の箇所で「女性兵士(ウェーブ)のお守りより民間の<陸>の女性のもののほうが御利益があるといわれている」って記述があるんです。中学生だったワタシはふ〜んと思って読みました。

さて時は流れて、私は青年海外協力隊になってアフリカに行くんですが年に3回新隊員を迎える協力隊ソサエティはその新隊員に結構色めきたちます。で、新人紹介が必ずケニア協力隊誌「ウペポ」に載るんですがそのアンケート式自己紹介文に恋人の有無を書く欄がありました。そこで赴任時の恋愛状況が自己申告されるんです。なんか書いてみるとすごい風習だな。まあ2年なり3年なりの赴任中にきったはった別れた振られたといろいろ起こるし、現地のケニア人と恋をする人もいますし、隊員同士で新しいカップルを作る場合もあります。ひたすら仕事に精を出す人ももちろん多数派として存在します。意外に多かったのが赴任前3ヶ月ほど訓練所で協力隊候補生が150人以上缶詰になって訓練を受けるんですが、そこで他の国に派遣される予定の人と恋人になっちゃう例です。3ヶ月の訓練期間中に恋をして2年間の協力隊任期中を遠距離恋愛して過ごすのです。

 で、そういういろんな個人事情を抱えた隊員間では日本本国に恋人を残していると言う状態がなんか一番ステイタスだったように思いました。私は当時彼氏だったあめでおさんを日本においていたわけですが、「パンピーの彼氏持ち」として時々うらやましがられました。

 まあ恋愛デスマッチに参加せずに高みの見物をするから余裕があるように見られるんでしょうかね。しかしそこには本国との絆という見えないステイタスもあったように思います。

 赴任初期そういう本国の恋人持ちはごろごろいるんですが時がたつにつれ、くしの歯がぬけるように本国の恋人に去られていくなんて現象も起こります。

 日本国内の人々を「ドメスティックなオールドタイプ」と笑いながら、そこと結ばれた艫綱をありがたがる、なんかこの感じに「ア、セイラさんのお守り」と思ったことでした。お守りは同じ空母に乗ってる女性兵士(ウェーブ)のものより陸の女性のほうがありがたい。空の果てに消えていってしまうかもしれない己の身を少しでも地上に結び付けたい。そんなかんじです。

 でも別に陰毛は男性のも女性のも誰もありがたがって持ち歩いたりはしませんでしたけどね。





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インスパイア ガンダム〜剽窃の記憶〜 - 2007年11月26日(月)

いま掲示板のほうでガンダムが話題です。んでガンダムってのは小学生や中学生ではわからんようなことをごんごん詰め込んだつくりになってて子供だましじゃないな-って感じで子供時代見てました。わからなかったら、関連文献よめ!みたいな。
 
 ニュータイプ理論とかさ、ウィキによると作者本人が揺らいじゃってますからね。で私はこのウィキのニュータイプ理論の説明にあるような宇宙空間における人類の進歩って部分にすごく興味を惹かれていました。

 で、ガンダムのニュータイプ理論は朝日ソノラマ文庫が出してた小説版ガンダムで一生懸命勉強して、小説読んでない友人がロボットの戦闘モノとしてしかガンダムを理解してないと、ケーベツしたり。そう、ガンダムってのはわかりにくいので、小中学生が頭の進み具合を物語の理解度で微妙に測定するといういやらしいアニメだったのですわ。

でその後立花隆が宇宙からの帰還で宇宙空間を経験することで人間の精神にかなり影響が出るらしいってことをアポロ計画のパイロットたちにインタビューすることで描いていくんですが、わたしゃ高校生のときそれよんで、を?これってニュータイプ理論の実証編?てかんじでわくわくしました。あら、アマゾンにそういう書評をつけてる人がいる。(余談ですがガンダム小説編も宇宙からの帰還も2歳年上の兄貴の書庫から拝借して読んだんでした。兄ちゃんの轍踏んでてすんません。)

 でさすがの私も高校生でオタク人生とおさらばして、大学生ではちょっとオタクな思い出ひきづった普通の大学生になるんですが1年生のときに[文学原論]って授業をとりました。あんまり自分の専攻には関係なかったんですが文学してみたかったんですね。

 そんで天地2元論だったかな?なんか宮沢賢治の研究をした院生に影響を受けたとか言って退官間際の老先生がわりと新しいテーマに取り組んで講義組み立ててみたって本人が言ってました。とにかく地上が人間の住処で天界が神の領域と2分された世界観がある。そこに紐がたれたり、柱が立ったり天と地の間でいろんな媒介が発生して天から支配者が光臨したり、天の技術を得るために人が苦労しちゃったりする世界観が世界のあっちこっちで散見されるとかそんな講義だったと思います。で、レポートを書けといわれてマルコが書いたレポートは立花隆の「宇宙からの帰還」を主な参考文献にして<天に向かって旅した宇宙飛行士が天と地の間の宇宙空間で精神的に進化し、国境で分けられた地上を相対化する。多くの人が神の領域に近い宇宙空間を経験する時代、地上の抗争を繰り返す人類の歴史は次のパラダイムを迎えるかもしれない>ちゅう感じのレポートを提出しました。本当は参考文献に朝日ソノラマ文庫の機動戦士ガンダムを加えるべきだし、冒頭のウィキのニュータイプ理論の解説にあるジオン・ダイクンのニュータイプ理論の剽窃の様なレポートです。

 でも老先生は宮沢賢治までは理解できてもガンダムは理解できなかったのです。おかげさまでばっちりAをいただいたように思います。

 というわけでガンダムを掲示板で語ってるうちに突然思い出した剽窃の記憶です。ごめんなさいもうしません。



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春日山原始林登山 - 2007年11月23日(金)

 秋なんで「紅葉のきれいなところを登山する」ということをお題に本日は若草山の脇からぐいぐいと春日山原始林方面へとハイキングしてきました。

 春日山原始林とはまあウィキによるとこんなところでございます。天然記念物で世界遺産なハイキングルートです。

 1号さんは若草山をあっけらか〜んと登りたかったらしいですが、今日は山道を攻めたいの、と言う父母の希望に無理やり山道を攻めさせられます。

 


 写真は自転車ファミリーが写ってますが私ども一家は徒歩にて攻めました。




 紅葉は、かなり爆発してましたが、やっぱ樹種によっても、個体差によってももう爆発しちゃってるのも、爆発前夜な感じの赤くなり加減のもありました。




 春日山原始林にはこんなにいっぱい動物がいるわよ、って看板があったので読みます。いのししとか狸とかムササビとかマムシとかヒルとかが楽しそうに絵になってました。




 そんで予定では鶯滝などがあるというさらに奥を攻めようと思ってたんですがそっちはマムシが危険なので立ち入り禁止って看板が出て進めませんでした。そこで皆で持ってきたおにぎり(1人1個ずつ!)をぱくつきました。あとロールケーキも持ってたんですがあめでおさんが「遭難した時用に持っていましょう。予定してた道に進めないので必然的にわしらは裏側から若草山山頂を攻めることになります。山頂できっと屋台かなんかがあって、なんか食べられますから、今はコレだけにしときましょう〜」ちゅうことでおにぎり一個では腹は3分目くらいしかたまらなかったんですが、さらに登山します。

 行き会うのはアウトドアファッションな中高年ばかりざます。
 途中でおKさんが歩くのが嫌になって「だっこしてよ〜、おんぶしてよ〜」と結構うるさい感じになりました。

 そこであめでおさんが「ここから若草山山頂まで競争しましょう。勝った人にロールケーキを全部あげます。」と宣言するとおKさん目の色変えていきなり山道をダッシュ!わりといいペースで歩いてた1号さんとワタクシマルコはいきなり置いていかれます。あめでおさんは鉄砲玉と化したおKさんを必死にフォローします。

 で、唐突に山道は終わり、突然駐車場が現れ(どこに車の通れる道があったのだ!)若草山山頂に到着しました。




 駐車場に屋台が出てたのでそこでたこ焼きと焼き饅頭を購入し、ロールケーキとともに若草山山頂の見晴らしのいい場所で4人で食べました。食料が豊富に確保されたのでおKさんもロールケーキ独り占めとかせずに、人間らしく皆で分け合って食べました。

 で、当初の1号さんの希望通り若草山のあっけらかーんとオープンな植生の山道を降りていくことにします。今日は深い山を分け入って紅葉狩りってのがテーマだったんですが、まススキもきれいだし、いいか。




 しかし春日山原始林の登山路で行き会った皆さんとは客層がガラッと変わります。若草山入山路。あっちは中高年アウトドアな皆さんだったんですが、こっちは若者も中高年もみんなカジュアルスタイル。あっちは登山でこっちは散歩道なのね。




 眼下の奈良市めがけて駆け下ります。走ったら危ないです。おkさんズボンが落ちそうなので抑えて走ってます。




 こっちも以外にも入山路近辺は整然と紅葉してました。




 ここは手向山神社のもみじかな。大変きれいでした。そのあと東大寺鐘楼のあたりの「あぜくら」と言う喫茶店でぜんざいとかお抹茶とかを飲み食いし、そんで東大寺大仏殿方面へ。




 おお〜このへんはなんつうの、観光の表玄関って感じでえらい人手でした。

 それで県庁前までてくてく歩いてバンビーノバスという市内循環バスににのってJR奈良駅まで帰ってきました。余談ですが近鉄奈良駅であめでおさんとぶつかりそうになりながらバスを降車したおじいさんが小泉元首相に死ぬほど似てて私は本人紅葉狩りにお忍びでふらりときたんか、とまじで思いました。

 この日の歩数はワタクシの万歩計によると18,000歩。奈良公園周遊ルート2周り分くらいの距離を歩いた感じですね。あ、そういや朝春日山原始林に入る前、奈良・シルクロード会館というところにラクダの剥製に誘われてふらふらと入場して敦煌バッコウ窟の展示とか見たりもしました。わりと脈絡も無く盛りだくさんな一日。



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よいこのくに - 2007年11月22日(木)

このごろひらがなを見ると何でも声に出して読んでみないと気がすまないおKさん。普通に読むだけでなくて逆から読むのにも熱心である。

でで、保育園で毎月各家庭に下さる月刊絵本があるんだが、その名も「よいこのくに」。逆から読むと「にくのこいよ」

「肉の濃いよ」あるいは「肉の恋よ」どんな漢字が当てはまるのか、そしてその意味は?漢字がよめるワタクシと夫あめでおと小4の1号さんはしばし考え込んでしまうのでした。


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皮膚展 - 2007年11月20日(火)

 板友のAkikoさんとあと某Kさんと3人でランチしてそんでそのあと国立国際美術館の皮膚展に行きました。

 見終わってすぐに、どの展示が面白かったかな〜と思い返して「マーク・クインの皮膚の抜け殻がぽろんと置かれてるの」が表現がデジタル表現とかいろいろ洗練されても所詮人間は生々しい肉体ひきづって生きてるのよ、ってかんじがして面白い、とAkikoさんに申し上げたんですが、一晩寝てみて思い返すとイ・ドンウの「柄」とか印象がじわじわきました。刀なんだけど柄の部分が小さな肌色の人間の体がいっぱい集まって出来ててぎりぎりに縛られてるの。わかる?ぎりぎりに縛られた人間が何も出来ないでそれで刀を支えてる感じがなんか怖いの。

 あと、遠距離恋愛中のカップルのベットが2つ置かれてるmutsugoto2007は、そこからAkikoさんと話し合った遠距離恋愛譚がおもしろかったです。いない相手との間で媒介になるのは架空のSEXではなくって星とか太陽とかなんでないかとか。もちっと精神性のほうを大事にしてくれよ、みたいな。

 えーっとすごくすいてます体験型の展示とか独り占めできて面白かったです。

 しかし作家さんも「皮膚展」ってくくりで展覧会があるとは思わなかっただろうな〜。意表をついた企画展って感じがしました。


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世論誘導現場 - 2007年11月10日(土)

 この週末読○新聞の世論調査を受けた。有権者名簿から抽出されたんだそうで、調査員が行くからよろしくねってはがきを金曜に受け取ってたんで、まあつつがなく正味30分ほどの調査を玄関先で受けた。夕方のご飯時間のときのことだ。

 まあ支持政党がどこか?とかそういう基本的な問いから始まって、テロ特措法の延長についてどう思うか3択で聞かれたり、特措法を延長しないと日本の国際的評判はどうなると思うか3択で答えたり、特措法の延長を支持しないなら代替案として適当だと思うのは次の7つのうちのどれか?とか結構突っ込んだことをきかれた。

 そんで小沢さんのこのところの動向がかなり否定的な論調でひとしきり説明されたあと「あなたはこんな党首を信用できるか」YesかNoかで答えよ、と言う設問があった。

 思わず「ずいぶん誘導的な設問ですね。コレは世論調査じゃなくって世論誘導ですか?」とおもわず調査員の顔を見てしまったわ。なんつうのこういう誘導的な質問をして、そんでその結果得られた最初からフィルターのかかった回答を「世の中の意見」として新聞が載せて、その結果を見ながらまた世の中が右往左往するのね。マスコミ世論操作の現場見学って感じがした。

 あめでおさんにこの件を報告すると、(ってか彼の方は隣接する食堂で子どもにご飯を与えながら聞き耳立ててた模様)「ナニきかれても『悪いのはナベツネ』って返答し続ければよろしい」と言う御意見。はああ、、


 この日、上記のような夕方を過ごす前は、午前中から奈良医者に行って、家族でインフルエンザの予防接種打って、そんで興福寺の秘仏公開を見て(友の会なので半額で入場)、そんで春日大社、若草山の下のところ、手向山神社、二月堂とまわって大仏殿まで歩いて、そんで帰ってきた。
 紅葉は爆発寸前だった。


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パンズ ラビリンス (ネタばれ注意!) - 2007年11月08日(木)

 パンズ・ラビリンス うーんなんかすごいものをみてしまった。
以下の文章はネタばれ満載です。そんでまだみてない人でこれから見る予定のある人は読まないでください。すごくお勧めの映画でございます。出来るだけ見て見て。そしてみる人はこの文章を読まないで。

私にお勧めくださったD様ありがとう〜











でここからネタばれ












1944年、スペイン。
山中で戦うゲリラとフランコ側の掃討軍が戦う陣営での一人の少女の死の物語。
虫けらのように、その短い人生に何の意味を持つこともゆるされず、ひっそりと死ぬ女の子が、ファンタジーに自らの死の意味、生の意味を仮託し、それに自ら納得して折り合って、死んでいく物語。客観的には。

主観的にはつまりその少女の死の際紡がれた「物語」はそれなりに美しい。しかしそれは現実の冷徹な死を受け入れるために紡がれたファンタジーなのだと思う。

この後スペインはフランコの国になり50万人の難民がピレネーを越えたと言う。その過程でいったい何万人の子どもが大人がむなしくその一生を終えたのだろう。 そして今もなおイラクでアフガニスタンでどれだけの子どもと大人が死んでいるのだろう。

その一つ一つの死にファンタジー、SF、もしくはホラーかもしれないが、その死を受け入れるための物語が死に行く子どもたちに寄り添ったのか。

まったく余談だが私の長女が主人公の少女とほぼ同じ発達具合の肉体を持っていて、少女の奮闘と死がどうしても私の長女の肉体感覚とダブり、映画を見ながら、特に後半、現実世界の厳しさが増すほどに、震えてたまらなかった。

理不尽な死を受け入れるためのファンタジーもSFもホラーもいらない時代を子どもたちが生きていくことを願わずにはいられない。せめてそういう「空想の世界」と幸福に別れを告げて、現実社会を歩んでいく年齢まで、生き延びて、子どもたち。




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禍福あざなえる縄の如し - 2007年11月05日(月)

禍1 非常勤講師先の大学の組織改革でコマ数が減らされました。そこは1日で3コマそれぞれ、ぜんぜん方向性の違う社会科学系の授業を担当すると言う大変に大変な大学だったのでここのコマ数が減るってのはすごいラクになるってことなんだけど、ペイもそれなりに良かったので、来期はもしかしたら再び扶養の身に転落する可能性ラージ。しく。

福1 散々掲示板で大騒ぎしてた学会発表ですが(お恥ずかしい)、学会賞受賞することになりました〜。思わず「こんなわたしでいいんですか?」と思わぬプロポーズを受けた娘っこのようなことを口走りましたが、まあ若手対象の奨励賞なので「若手」って言われたことが単純にうれしかったりするので、ニマニマ喜んでます。そうよ私は若いのよ。忘れてたけど。

禍2 ちょっとパッチギのキョンジャの気分。「言ってよ!最初っから」とかつぶやいてしまいました(意味不明)。

福2 そういえば、内緒にしてたわけではないのですが先月中旬に40歳になってました。学会発表準備スパート時期でその上、あめでおさんが長期出張中でぐるぐるしてたので、あと1号さんの誕生日直後で、なんか言い出せないうちに年取ってました。まだケーキ鍋してないわ。しなきゃ。




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