西方見聞録...マルコ

 

 

せんと - 2007年04月29日(日)

 今日、我が家がどこへ行ったかというと!
 平城宮遷都祭@平城宮祉だ〜。
以前行ったときは冬だったんでぜんぜんやるきなさげな凄い広い広場って雰囲気だったんですが今日はなんだかお祭りでした。




 まずは白虎エリアの、屋台街。ココは奈良の名店が自慢の品を売ってるブースがど〜と並んでてものすごい人手でした。ココであめでおさんとはぐれえらい目にあいました。



 しかしこの百虎エリアで買い物するには日本銀行発行の銀行券すなわち普通の「円」は使えません。ここでは「せんと」という本日と明日のまつりの間通用する、一種の地域通過にお金を換金しなくてはならないのです〜。
 これが「せんと」持ってるのは1号さん。100セント(=百円)紙幣と500セント銅貨(和同開珎=500円)の2種類の地域通貨が流通していました。




 そんでまだ12時になる前に私どもはお昼ご飯を食べました。山芋が入ってるらしい「大和たこ焼き」とスリランカ料理屋さんのカレーと韓国料理屋さんの韓国海苔巻きを買って、その辺の草原で食べました。奈良物産が立ち並ぶ中スリランカ料理はやっぱインパクト強かったです。まあ奈良の都はシルクロードの終点ですからね。スリランカ料理屋さんは尼辻近くのお店だそうで大変おいしかったので今度あめでおさんと行ってみたいです。




昼食後、おKさんが紙芝居屋のお姉さんの魔力にとりこになりまして、おKマルコ組を残して、あめでお・1号組はスタンプラリーに出発。コレはさまよえるスタンプを押してくれる虎。他のスタンプ台はみんな机に据え置かれてたんですがこのスタンプポイントだけロプノールのさまよえる湖のように移動していたようです。




そんでスタンプラリーで平城宮祉公園をくまなく歩き、会場の様子を大体把握したあと朱雀エリアの工作工房へ。

ココでは凧作りが超人気で12時過ぎには凧の道具が完売してしまっていて、営業終了。そんなんで私たちは竹で手作りカードを作るコーナーに行きました。



コレが完成品。左がおK作、「葡萄」。右が1号作の「金魚の姉妹」だそうです。はあ。




そんで時代行列というのがあるんですが、その参加者の皆さんがこうやって普通に歩いてるので、行列よりそっちのほうが奈良時代気分を盛り上げます。



で、コレが時代行列。












お、カルタ大会もやってます。畑カルタクイーンな皆様にお知らせせねば!と近づいてみると、





残念ながら100人一首ではないようでした。




このあと、大体堪能し終えたんですが、時間は3時。そこで平城宮祉公園と隣接するアスカボウルというボーリング場に行きました。なんかね、第1時ボーリングブームのころのボーリング場のようで大変渋かったです。点数も点数票渡されて自分で書くの。このころは電光掲示板だよね>点数。私は小学生のころ家族とボーリングしたことがあるので点数表に書いた覚えがあるんだけど、大学ではじめてボーリングをやったあめでおさんは、電光掲示板でないボーリング場は初めてだったそうです。

でもまあエチオピアのボーリング場は2投すると、ピン係の人の手が出てきて倒れたピンを直してくれるんだよ。とあめでおさんにボーリング場電化の歴史について語って差し上げました。

結果はあめでおさんが130点とかで、マルコが80点とかで1号さんが41点、おKさん@あめでおさんと2人羽織が42点でした。最後おKさんと1号さんのデットヒートが凄かったです。

そんで、このときはっと気づいたんですが、今日はマルコとあめでおさんの11年目の結婚記念日の翌日でした。(二人ともすっかり失念してました。あめでおさんが突然思い出してくれました。マルコまたもや失念しっぱなし)
1日遅れましたが、近鉄筒井駅前の日本一の看板を掲げる焼肉やで焼肉食べました。さすが日本1。おいしかったです。

遷都祭、30日もやってます!みなさんもぜひ!



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晩酌 - 2007年04月27日(金)

 なんか、、昨日の日記読み返すと、すごいですね。てんぱってて何を書いてるのかよくわからないのですが、夫の長期出張中一人で家事やって投稿論文書いて講義の準備がぜんぜん出来てなくってわたしピンチだけどまあよくやってるよ!ときっと自分で自分をねぎらったり褒めてあげたかったりしたのでしょう。

 さて、そんでてんぱり金曜日の講義3コマ@遠距離通勤先も無事に切り抜け、保育サポーターさんと子らの待つ我が家へと帰る途中のことです。
 梅田駅にて途中下車。

 昨夕メールで編集部に投稿した論文のハードコピーを郵送しなきゃいけないので梅田駅前の郵便局に行ったざます。その作業のために1時間時間を見てたんですが実際3分で郵送作業が終わってしまいました。55分ほど時間が空きました。早く帰ってもいいけどそうすると保育サポーターの保育時間が30分足らずで凄い安い保育料になっちゃうな〜、といらん気を回して梅田駅前で小一時間ひとりで1杯飲んで帰ることにしました。

 郵便局横にできた新しいレストラン街の中のビストロマルシェというところでワイン1杯プラスおつまみ一皿880円というセットがあったので頼みました。それからさっき駅前の本屋で買った「流星ワゴン」(重松清著)なんて読みながらだらだら飲み食いし、予定時間になったのでさっくり帰りました。

 明日から1週間完全フリーのゴールデンウィークが始まる前夜のことでした。ああ、しあわせ〜。



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おわた〜 - 2007年04月26日(木)

いや、ぜんぜん終わってないのですがなんとなくこの達成感を寿ぎたくて仕事の途中でネットです〜。ただいま26日から27日に移行しようとしている夜中の1時です。
 えっとたった今投稿論文を投稿しました。昨年のいまごろき〜き〜騒いで某板友さんに英文要旨のチェックもしてもらって(その節はありがと〜ありがと〜)、査読者にいろいろ言われていっぱいリライトさせられて挙句の果てにリジェクトくらって怒りでマジで視界が赤くなったあの憤死論文を再・リライト(頭痛が痛いみたいですな>再リライト)して投稿しました〜。(査読者のコメント読むたびに憤死してたので結構時間とパワーが要った。)あ〜もうかえってくんなよ。

 さて、そんでこれから明日の某遠距離勤務先での講義3コマ分の用意をするのだ〜。そんであめでおさんはなんだか出張中なので明日は保育サポータさんがお迎え業務をやってくれる。そんなわけで家の大掃除と夜ご飯の準備をして、あと朝は7時半に家を出ないと10時40分の講義開始に間に合わないので明日の朝ごはんの仕込みと洗濯干しだけやってから寝よう〜
ってなんか文化祭の前みたいで楽しいのでもあった。でもちょっと異常にてんぱってるかも。

 コレで朝おKさんがぐずったりなんかしたら、事件起こしそう>ワタシ

 、、事件を起こさないように上記の家事(一部職務)は全部投げて寝よう。おやすみなさ〜い♪



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卓球!やろうぜ! - 2007年04月22日(日)

 雨ですね〜
 雨だと町立図書館に合羽着て出かけるくらいしか思いつかなかったんですが本日は中央体育館に卓球しに行きました。ラケットと球を持参すれば台とネットを500円くらいで貸してくれます。

 マルコも幼少期ファミリーメンバーと卓球しました。父母と兄と味噌っかすのマルコでダブルスをしました。味噌っかすなりに楽しかったのでその経験に基づき今回我が家もダブルスで21点ゲーム形式でやりました。1勝負ごとに組み合わせを変えてマルコ&1号チームVSあめでお&おKさんチーム。マルコ&おKさんチームVSあめでおさん&1号さんチーム、そして最後に無謀にもマルコ&あめでおさんチームVS1号さん&おKさんチームの3つのカードを組みました。

 結果マルコ、あめでおさん、おKさんの3人が2勝1敗で、1号さんが3敗でした。これは1号さんは幼いなりに一人前戦わなきゃいけないんですが、おKさんが球を打つ順番のときは2人羽織でパートナーが助力したんですな。そうすると1号さんが入ったチームが一番弱くなっちゃうのです。

 マルコとあめでおさんは似たような実力の持ち主です。修士課程時代、研究室の廊下に卓球台があったので修論かいて徹夜が続いてたとき、マムシ生態学者のKさんやネパール・チェバン族研究者のTさんとマルコ&あめでお将来夫婦になる運命の人たちでハイになって深夜に突然卓球したりしました。

 そんなわけでいろいろ楽しい記憶と連動している卓球は今後もやりたいな〜。

 どうでもいいけど卓球中あめでおさんがボール(オレンジ色)をズボンにはさんでうっおなかが痛い!と叫びながらぽとりとお尻からボールを落とすという凄いシモネタ系の芸を何度かしました。スカトロ期のおKさんは死ぬほど喜んでいました。それでいいのか女の子育児、とか少し苦悩しますがまあお下劣英才教育中ということで、仕方ないな、とすでに諦念の境地のマルコなのでした。


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奈良公園 神苑(万葉植物園) - 2007年04月21日(土)

今日は毎月恒例、1号さんの喘息定期健診なので家族で奈良行って、診察後奈良公園をぷらぷらあるいて、そんで主に神苑(旧万葉植物園)にいきました〜。1日歩いて万歩計によると12764歩。消費はカロリーは463.9カロリー歩行距離は6.38キロでした〜。



エー珍しいコレは緑の桜。



相変わらず、いつも積極的に上陸を目指している神苑の池の鯉。



しゃくなげ。

さて質問。下の2枚は何の写真でしょう〜。









これはですね。
藤の花のつぼみなんですな。
咲く前の藤の花は1つ1つエナに包まれてるみたいなかんじ。もうすぐエナから出てきて開花する予定。昨年の日記によるとゴールデンウィークが見ごろです。うちもゴールデンウィーク中、1回見にこよっかな〜。



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新学期あわわ2 - 2007年04月20日(金)

 今日は1号さん小学校の年度初めの授業参観&保護者会。

 いつも金曜に行われるので金曜は必殺非常勤@すごい遠い場所の母マルコはコレに1回も出たことがなくて金曜日は研究日のあめでおさんがいつも出てた。

 そんでこの日もあめでおさんが出た。

 そんでPTA役員をめでたくもらってきた!!

 具体的な所属委員会なんかは連休明けの全体役員会で決まるのだがこの日もマルコは講義日であめでおさんは研究日なのであめでおさんが登板予定(コレに欠席すると楽しく欠席裁判が行われるらしい)。

 「広報委員会がいいらしいからその委員会の役もらってきて」とあめでおさんにリクエストすると

 「実際やるのはわしかもしれないから、わしが好きな役とってきます」
との返答をいただく。

 まあ、そうですね。でも2人羽織でやろうよ〜。ワタシも小学校PTAやっとかないとあっちこっちでいろいろ語れないじゃん〜とかPTA参加動機が不純なマルコであった。
  


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新学期あわわ - 2007年04月16日(月)

 新学期ですね〜
 マルコ職場もあめでお職場も1号さんもおKさんも新学期しております。

 1号さんはこの春からあんまり1週間びっちり学童なのは「4年生の沽券に関わる」そうなので(1号学童は6年生までフォローしてくれる。でもたいていの子は3、4年から塾や習い事の日を増やし学童へ行く回数を減らして外の世界に触れている)まあ習い事を始めました。

 しかし1号さん1日目にしてやってくれました。

 鍵をランドセルにくっつけてそんで家に帰って洋服を着替えて出撃するんですが、鍵をかけようと思ったらランドセルにくっついていたので使えなかったので、玄関の2つある鍵のひとつのほうを中からかけて勢いよく閉めたらうまく鍵がかかったのでニコニコ習い事に出かけたそうです。そんで帰り道、マルコとおKさんと合流して3人で帰ってきたんですが、、、


  鍵が開きません。

 2つある鍵のうち1つの鍵しか外からは開かないのです。1号さんが閉めてくれちゃった鍵は中からしか開かないやつなのです。

 夕方6時、闇が迫る中、携帯の電池がかなりやばかったんですが104で「鍵の110番」の電話を聞きだし、救援を頼みました。1時間ほどで到達するというのでそれまで3人で近所のファミレスにいってお茶しました。7時5分前、マルコは2児をファミレスにおいたまま、家の前まで戻り鍵屋さんを待ちます。来ません。いつもならそろそろ帰宅しているはずのあめでおさんも帰りません。7時10分過ぎやっと鍵屋さん登場!鍵開け作業中にファミレスに急行し。置き去りにしといた2児を回収。(ファミレスのお姉さん時々様子を伺ってくれたようでありがとう。ちなみにこのお姉さんは1号さんクラスメイトの本物のお姉さん)。そんで家に戻るとあっけなく家の鍵は開いていました。

 1万円払わなければならなかったけど、おうちに入れるっていいことだな〜としみじみいたしました。

 上記の騒動中マルコはそれなりにぴりぴりし、1号さんは申し訳なさそうに面目なさそうにしておりました。しかしおKさんはなぜか食事前にチョコクレープにありつけ「どうして今日はこんなにいい日なのかしら」と幸せそうにもぐもぐ太っておりました。


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マルコ デュークにやられる - 2007年04月15日(日)

 本日、我が家は町の中央体育館で卓球でもやるべ、とラケットと球を持って自転車で法隆寺を通過して中央体育館に参上しました。
 駄菓子菓子、体育館には赤いコカコーラののぼりが無数に翻り、なんか異様な雰囲気でした。そんでデューク更家がウォーキング講習会をするということで、今日は一般使用者に体育館は解放されてなかったのですごすご帰ってきました。

 そんで法隆寺の夢殿の枝垂桜をみて、門前の喫茶店でソフトクリーム食べて帰ってきました。




 地震はゆらゆらしました。三重方面の親戚縁者のひとりはちょうど外を歩いていて「すごいめまいだ!」と思ったそうですが、さいわいにもそれはめまいではなく、そして全員が無事でした。よろしおした。


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花まつり - 2007年04月08日(日)





 さて、ほんじつはお釈迦様のお誕生日のお花まつりの日でございます。メリーお花まつり。そんで法隆寺でもお祭りがひそやかに行われているのでいってまいりました〜。この日は普段一般公開されてない細殿の門が開かれます。↑は細殿の庭から撮った写真。

 で、朝10時からお坊さんがやってきて法要が始まります。
うちを10時半ころに出て、遅れちゃう〜とあせりながら2児を連れて行きました。とちゅうおKさんがあんまり小石拾ったり道草を食うので、横っ面張りたくなるくらいいらいらしたんですが、坊さんの読経を聞いて、仏教行事に参加したくて子どもに体罰加えててはいかん、と少し落ち着いた気分になりました。

 法要では、3枚1000円で売られている散華がばんばん撒かれます。
 法要後、参列してた30名ほどの見物人に散華が配られます(昔自由競争で散華を奪い合わせたらけが人が出たので、いまは寺男さんたちが散華を集めて、参加者に1セットずつ配ってくれます)。




 そのあと、祭壇にちょっこり置かれたミニサイズな誕生仏に甘茶をかけました。散華をもらうために並んだ列の順に甘茶をかけました。二つの甕と二つの柄杓があってまず甘茶をかけ、次に透明の水をかけます。マルコは柄杓を間違えて甘茶と水を混ぜてしまいました。



 そんで今日は無料休憩所でも甘茶が振舞われたのでそれも飲んできました。なんつうか口当たりは甘いんだけど、飲んだあとは漢方薬飲んだみたいな感じが口に残りました。




 御参考までに4年前の仏生会の様子
このときは平日で、おKさんが0歳児クラスの慣らし保育の最中で、11時に保育園におKさんを取りに行かなくっちゃいけなくて、法要の最後までいられなかったのよね〜。今はおKさんも法要に参加できるようになりました〜しみじみ。


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客体化とは何か - 2007年04月05日(木)

 トトロのカンタ少年やおばあちゃん、それからアフリカ舞台の映画群のアフリカ人登場人物のことをこのごろの日記で「客体化されている。」とよくマルコがきゃんきゃん指摘していたのだが、[客体化」ってなにかな〜ということをつらつら考えておりました。
(すまん適当に言葉使って意味づけをそのあとやってるってあんまり正しくない。でもまあ世の中正しいことだらけではないので許して)

 で客体化とは一言で言って「その人の欲望の不在」なんでないかな〜と思い至りました。単なるステレオタイプ化とかそういうのでは説明しきれない気がしたので。

 たとえばトトロで描かれる人の欲望とは「田舎のおいしい水と空気と野菜でお母さんを癒してあげたい」とか「森の精とであってわくわく」「お母さんと一緒に暮らしたい」とかなんつうのかな、サツキとメイの欲望ばっかで村人はその欲望に献身する存在として描かれる。

 たとえばナイロビの蜂では「ヨーロッパ製薬会社と大使館の陰謀を交渉によって平和裏に解決したい」というテッサの欲望、「テッサがなにやってたんだか知りたい」というだんなさんの欲望、「やばい手紙を思わず書いちゃったからとり返したい」だんなさんの上司の欲望、さらに「製薬会社監視NGO活動をしてたけど、いざ身に危険が及ぶと自分の子どもとの生活を守りたい」ドイツNGOスタッフの欲望と白い欲望は主役から端役まで非常に生き生きと描かれてるんですが、ケニア人側の欲望は生き生き描かれず、みんなその白い欲望に献身してる。テッサのケニア人カウンターパートのアーノルドだって「いや〜自分は恋人と安穏としたいっす」とか「交渉なんて生ぬるいこと言ってないでとっととマスコミに情報売っちゃおうぜ」とかそういうテッサと違う欲望があったっていいはずなんですが、ぜんぜんテッサに異議を唱えません。


 たとえば女性の客体化の例で言えばここでノロさんがとりあげている司馬遼太郎小説の女登場人物たちなんかも、都合よく竜馬にほれて竜馬の欲望に献身する女像として客体化されているといえるかな?

 人はその欲望がリアルに適切に描かれ、欲望充足のプロセスをしっかり追ってもらうことで客体から主体になるのかな?とか考えたりしています。



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となりのトトロ、あめでおさんに嫌われるの巻 - 2007年04月03日(火)

 娘2人はジブリ系アニメが大変好きでビデオなんて入手しようものなら、リピートリピートで大変な勢いで観ている。なんとなくマルコもジブリ印なら安心な気がして「目え悪くなんないようにしなさいよ」くらいの注意はしても観ること自体はとがめずに、やつらの注意がテレビ画面に向かってるうちになにやら自分の仕事が出来たりしてそれなりに得したような気分になる。2人に似た様な年恰好の姉妹が出てくる「となりのトトロ」には特に激しくはまっておられる。

 さてそんな子どもたちの様子を夫あめでおは苦虫をつぶしたように見ている。

 あめでおはジブリアニメが、中でもとくにトトロがが大嫌いである。彼が言うには、

「なぜ、森の神であるトトロに出会うのが、村に生まれ、成長してきたカンタ少年ではなく都会から来たサツキとメイなのか。なぜ、引越しのときこんなに世話になりながら、サツキの家族は田植えも手伝わんと『ごせいがでますね〜』と高いところから言って出かけてしまうのか。いなくなったメイを村の人々はこんなにも献身的に探してくれているのにメイを見つけた後、なぜまっすぐみんなに報告しないのか。

サツキとメイにとって村人はトトロよりも存在が薄く、まるできれいな空気やおいしい野菜といった風景の一部のように描かれている。人は風景ではなくて人なのだ。」

と、まあいろいろと不満を抱えて画面を見ている。

 山あいの小さな町を故郷とするあめでおさんは都会側から見える世界を常識として受け入れることにかなり激しい抵抗感を抱いている。でもそういう彼の苦虫感は現在まだあまり広く共有されていない。

 わたしも実はあんまり理解してやっていなかったのだが、最近アフリカが舞台の映画を観たり(たぶん「名もなきアフリカの地で」の主人公と土地の人の関係が「となりのトトロ」のサツキとメイーおばあちゃんやカンタ少年 の関係と一番似ていると思う)、ドラえもん映画へのさるとるさんの映画評(特に静ちゃんの描き方に関する箇所)を読んだりして、このマジョリティ側から見えた景色を常識として受け入れることの苦さが少し腑に落ちた。


 ドラえもんのジェンダー的な問題点やアフリカを舞台にした白人映画のポストコロニアルな問題点というのは結構多くの論者がすでに気づいていると思うのだが、となりのトトロに内包された地方差別に関してはまだあまり論じる人は少ないように思う(それともマルコが不勉強なだけ?)。差別は発見されるまで形にならずにうずくまり続けるのか。そんなことを考えながらトトロの明るいエンディングテーマを今日も聞いている。


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