関東平野にいつになくたくさん雪が降った日、
この辺の雪は海風が吹くし、雪凍ってつるつるするし、
冬乾燥しすぎやっちゅーねん……
とかなんとか心中ぶつぶつ言いながら歩いていると、
むこうから可愛げのないちょっと太ったガキが、
長靴でシャーベット状になってる雪を、
ジュシャーッ！
ジュシャーッ！
と、左右に蹴り散らしながらやってきた。
びじゃびじゃ左右に飛び散る泥雪。
てめえ……すれ違う時は当然それ、やめるんやろうな…
え、かけんじゃねえぞこのやろう…
さっかの殺気はびしびしと、間の抜けたガキの、
赤いほっぺたに結集していった。
このガキ……このガキ……このガキ……

と、そのときっ！
ズジャーーツ！！
ガキの足が後方に吹っ飛び、
ガキは前のめりに倒れこんだのだった！！
やややややったぜしずちゃん！！　ブラボー！
突然世の中が思い通りになって、なんだか、まさか、
世界ってこんなにも美しい？！
体中を駆け巡る「ざっまあみろ！！」

とはいえ、無視出来ないほど近かったので、
一応、公共の福祉に反さないように、
「だいじょうぶ？！」と反応してみたりしてみた。
ガキは四つんばいになって、むぐむぐとあがいている。
ガキは雪の上の、丸い異様なかたまりと化した。
むごむごむごむご……。
ま、まわりはじめている……。
やばい。
おもしろすぎる……
むごむごむごむ、むむむッ、
「ぷはあー！」
いきなりガキは気合一発復活し、
何事もなかったかのように去っていった。
って、貴様、私は無視？！
ってか、貴様、息止めてたのか？！
どうなんだ？！　どうなんだよ！！
笑いそうになってるさっかを、昼間の道端に残すのが、
さ、最初から目的だったんだなー？！

でも私は、そんなガキの魂胆には負けない。
なんとか笑いをマフラーと咳払いで消化して、
ふらふらになりながらなんとか、駅に到着した。
思い出しても笑いそうや。
と、思い出すうちに、私はなんだか、ガキが転んだ瞬間、
本当に「だいじょうぶ？！」って言ったかどうか、
不思議な気持ちになってきた。
なんか、「ざまあみろ！」って言った気がしてきた。
「だいじょうぶ？」って言ったはず……なのに、
まだこの体中に熱く流れる「ざまあみろ」。
ざまあみろ……

昨晩、ポータブルＭＤプレイヤーを準備した。
「明日はオアシスを聴こう」と思ったが、
開けてみるとデビッド・ボウイが入っていた。
「うーん、ええもん入っとるやないのー」
と、カツアゲ中のレディース（古！）みたいなことを
言いつつ、オアシスをカバンのポケットに封入。
これで気分に応じて二つのＭＤが用意されたわけだ。
うーん、パーフェクト・ワールド。
まさにわが人生に悔い無しってかんじ。

さて、今朝になって意気揚揚と家を出たネルは、
イーグルスのTake it easyを心の中でリフレインさせつつ、
バスを待っていた。寒い。…もうだめかも。
しかも、サビの「てきりってぃいーじぃー♪」ってとこしか
知らないため、永遠に回りつづけるテキリッティ…永遠に…
しかも、知らないうちに何故かビートルズの、Let it beに
変わっていってしまう。
てきりってぃいーじぃー　……　れりび〜…。
違う！！！！！！！！
そうさ、ボウイだ！！！！！！
私には奴がいるんだ！！！！！
さあ、イヤホン装着、いざ、再生！
しーん。

げ？

まさか。

入ってない。

があん。
　
どーん。

ずしゃっ。

ざしゅっ。　
　
ぐふっ。　
　
もうだめだ…。
さっかはうなだれた。
バス来ない。
寒い。
死にたい。
ひどいよ……のんたん……。
まさにわが人生隙だらけってかんじ…。

仕方ないので、オアシスを入れた。
でも、なんてゆーか、せつない……。
ボウイが入ってたのに…出したなんてね…は、ははは…。
け、けけけ……く、く、くく……。
……う、ひゃ、ひゃ、ひゃ……。
……ん？
うーん、やっぱりオアシスはいいなあ。

さっか、はやくも復活。

おかんが、買い物に行こうとしている。
おかんは、外が寒いのですごく嫌がっている。
しかし、国内有数のエンゲル係数を誇る我が家にとって、
食物不足は深刻な飢饉を招きかねないかもしれない
危機管理上最重要事項な問題なのである（？）。
おかんはついに、最終兵器を持ち出した。
ぶあついベージュ色のダウンジャケットである。
もこ。
しかもおかんは、裾の紐を引いて絞った。
暖かそう。
カッコ悪いとは言わない。むしろカッコイイ。
でも……言いたかないけど……そのシルエットは……

たまご星人だ！！

たまご星人が出た！！

ほんとなんだ！！
おいら嘘なんかついてないよ！！
しかもベージュだから、そのたまごってのが、
おでんに入ってるやつなのーーー！！！！

うちには確かにその日、
おでんに入ってるやつのたまご星人がいたんだ！！

もう死ぬ。生きていく気力がわかない。
だって、もう三回も「冒険野郎マクガイバー」見てない…。

今日、母校（ど田舎）に出かけたついでに、
イーオンのポスター探しを実施してみた。
だってこんな田舎なら、わりと簡単に
ユアン･マクレガーのポスター頂けちゃうんじゃないのッ？！
とかなんとか、それなりに過熱して出撃。
ところがあるのはジオスのしろたけばっかり。
しろたけ、しろたけ、もう一度右を見てしろたけ。
彼は広東語を喋ってる時が一番楽しい。
そんなことどうでもいい。
こら町民、イーオンを貼れ、イーオンを。
私に盗られるために貼れって言ってるんだよ！！

シッカ〜モ。
下車駅そばにあるイーオンのポスターが、
夜な夜なスプレーを手に徘徊するのが趣味と思われる、
おろかな若者の魔の手にかかっていた。
黒い……黒いよ、ユアンくん……。

しかし嬉しい事件も発生したには、したのです。
寝ぼけて一つ前の駅で降りちゃったのさ。
あははは……
ま、負け惜しみってなんでしょうね、お母さん…。
ほら、渓谷に落としたあの麦わら帽子ですよ…。

ところで、なんでこの日記が一番人気なんですか？
私の日記だから？　イヤイヤ、えへへ……
っておだてられている場合じゃねー！！
ちくしょう、見てろ。
ますます手を抜いて書いてやる……！
ジャバッ子はもう終わりだぜ！！
（ゴレンジャーの悪い人みたい）

正月には下宿先から兄貴が帰宅。
我が家の食物を食い荒らして帰っていった。
この兄貴に関しては、なにしろ私の兄貴だし、
山ほどいかれたエピソードがある。
まあ、ネタがなくなったときとかに、
次第にあきらかになっていくだろう。

一応彼を簡単に紹介をしとくと、
小６くらいのときは曲がり角で必ず
「喜望峰をまわれ！」と言って加速したりしてた。
困ったことがあると「人っていう字はさあ…」とか、
「空って青いよね…」とか言いはじめるが、
ついには電気の妖精さんが暖かく迎えにきてくれるらしい。

目は２個で鼻も口も一個だから、
たぶん普通の人間だと思いますよ。
でも幼稚園の時、
「お前は俺が生まれたあと橋の下で拾われた」
と言っていたので、本当の兄弟ではないらしいです。

今朝、電車に乗っていたさっかは、
どこかに行かなくちゃならんことだけわかっていた。
しかしどこへ行くってんだろう。どこだ、海か。
海だ！！
てなわけで、茅ヶ崎駅から徒歩で南下することに決定。

ところがこれまた異様に風が、強かったんですよ！
なんやこれ、なんやこれ、おこるでしかし。
しかしネルには２代目の新品MDウォークマンと、
オアシスのサウンドがついてるじぇい！！
やられはせん！
と、なにやら意気込んで南下。

リサイクルショップにギターがたくさんあるのを
発見して喜んだりしつつ海岸に着くと、
なんかしらんが人がいっぱいいる。なんだろう。
黄色いジャンパーの連中がいる。なんの組織だろう。

無視して私は海岸に出た。と、すっげーのなんのって、
風！　風きた！　砂もきた！　波もきた！　海がきたあーー！！
てか満潮やし！！
私ここで死ぬかも。津波に注意しながら海岸線を東走。
ボードウォークを歩いてるとますます風が強くなって、
ちょっと飛べそうなくらいやったので、ジャンプ！
落ちた。爽快じゃん（横浜弁？）。

鳩が必死で飛んでたので目で追うと、
防砂用の柵の内側に鳩の大集団がかたまっている。
すげえ。怖え。

しかしなんで道路のほうに、人がいっぱいいたんだろう……。
おばあさんとすれ違って挨拶。
「すごい風だわねえ。マラソン見に来たんでしょう」
マラソン？
そうか今日は、正月恒例箱根駅伝！！

てことは……今日は……、

正月恒例１２時間時代劇！！

慌てたさっかは昼までに、帰巣本能に基づいて帰宅。

バカとガンダムが好きなきみに、
特別に奴の年賀状をみせてあげよう。

＜…リンクは削除いたしました…＞

今世紀もバカをよろしく。