|
|
■■■
■■
■ Molly Moon's Incredible Book of Hypnotism/Georgia Byng
内容(「MARC」データベースより) 孤児院のいじめられっ子モリー・ムーン。ある日、偶然図書館で出会った一冊の本が、彼女の人並み外れた「催眠術」の力を花開かせた。めくるめく冒険の数々。しかしそこには思わぬ落とし穴が…。女の子版ハリー・ポッター。
<参考・邦訳> モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語 ハリネズミの本箱/ジョージア ビング (著), Georgia Byng (原著), 三好 一美 (翻訳) 価格: ¥1,800 発送可能時期:通常24時間以内に発送します。 単行本: 444 p ; サイズ(cm): 182 x 128 出版社: 早川書房 ; ISBN: 4152500018 ; (2002/10) Amazon.co.jp 「女の子版ハリー・ポッター」という、うたい文句に懐疑的になったとしても、本を閉じた瞬間、そんな気持ちは露と消えているにちがいない。いたるところにしかれた伏線と巧みな文章構成に読者は膝をたたき、人間の欲望や暗い部分にもふみこんだ人物設定に自らの一面を見、本書から目を離すことができなくなる。なにより、この本を子どもたちに独占させておくのは惜しい、そう思わせるところが「ハリー・ポッター」的である。 孤児院ハードウィックハウスに暮らすみなしごモリー・ムーン。不器用でトラブルメーカー、お世辞にもかわいいとはいえない彼女は孤児院でも学校でもいじめられてばかり。 しかし、ふとした偶然で手にした「古代の技が語る 催眠術」という1冊の本が、彼女の眠っていた才能を花開かせた。催眠術を武器に、モリーは孤児院を飛び出し、ついにはブロードウェイのスターとなる。しかし、そんな彼女をつけねらう悪徳教授ノックマンの手はすぐそこにまで伸びていた。 いじめられっこが、催眠術を通して自分に自信をもち、数々の難題に果敢に挑んでいく。そして、周囲にちいさな幸せの種をまくその姿は、鮮やかな印象を残し、多くの子どもたちに勇気をあたえることだろう。 早川書房が子どもたちへ贈る「ハリネズミの本箱」シリーズ第1弾のうちの1冊となる本書。「エサを巣にためておくハリネズミ」のようにいつまでも本棚にとっておきたくなる本である。(小山由子)
孤児でいじめられっ子のモリー・ムーンが、催眠術を使ってアメリカで大成功をおさめる話。と思ったら、あれ?と思ううちに話は二転、三転していく。結末は明かせないが、めでたし、めでたしといったところ。
だいたい人に催眠術をかけて、自分の思い通りにするというのは、卑怯じゃないのか?とずっと思っていた。しかも劇場やテレビでも催眠術を使い、アメリカ中の人(モリーはイギリス人だが、催眠術を使ってアメリカに渡る)を虜にするなんて、詐欺じゃないかと。飛行機のファーストクラスや、ニューヨークの最高級ホテルのスイートも、すべて催眠術のなせる技なのだから。
結局そんなショービジネスの世界は寂しいとわかったモリーはイギリスに帰ってくる。しかもあんなに嫌っていたハードウィック・ハウスへ。そこはモリーが出て行ってから、ひどい有様になっていた。けれどもモリーの優しい心で、孤児たちは皆幸せに暮らせるようになるのだが、もうけして催眠術は使わないと決心するモリー。しかし、その裏には、驚くべき事実があったのだ!
最後に、なるほどねー!と思うのだが、それでもやっぱり催眠術を使って人を操ったことには変わりなく、ちょっとばかり首をかしげながら終わった物語だった。
それにしても、モリーがいつも食べていた「ケチャップ・サンドイッチ」って、どんなんだろう?それと、「女の子版ハリー・ポッター」というのも全然見当違い。これはこれでそれなりに面白いが、ハリー・ポッターの世界とは似ても似つかない。
2004年01月30日(金)
|
|
|