へそおもい

2009年02月28日(土) ひっこしの春

そら豆を食べました。

おおきくて
しっかりした
そら豆。

冬はもうおわりです。





とても
ふるいふるい
家にひっこすことに
決めました。

昭和古年に
たてられたという家です。
古年…って
いつごろなのでしょうか。

土のある家を
ずっと探していたのです。

がんばって
探さずに
出会いを
まっていたのです。

そうしたら
今の家の近くで
家賃も安くて
土がある家と
とうとう
出会いました。

家の裏には
井戸があって

今は閉じられた井戸だけれど
昔はそのまわりが
ひとつの敷地で
そこの人たちが
みんな
この井戸をつかっていたそうです。

お風呂も
昔はなかったのを
外づけしているので

一瞬外を通って
お風呂にいきます。

みつばちの巣が
みっつ
洗濯場にありました。

ふるくてふるくて
可哀想な感じもあったので
どうしようか
ずっと
迷っていたのです。

迷っている間
まいにち
この家の前をとおって
家に帰りました。

まいにち
顔をみると

だんだん好きになって
天気や時間によって
みせる顔もちがって

ふるくて欠点だらけだけど
魅力も感じて
すこしずつ
恋におちて
いきました。

この
都会に住んでいて
きれいなマンションには
いくらでも出会うけれど

こんな古い家に
住む機会は
なかなか
ないだろうなあ
と。

たくさん
植物を育てて
工夫して
この家と楽しく
あそんでみたいなあ
と。

きっと
すきま風は
ぴゅーぴゅーだし
不便なことは
あるだろうけれど

自由に
工夫してみよう
と。

ひと月前に
出会って

すこしずつ
恋におちて
とうとう
つきあっていくことに
決めたようです。

わたしは
ちょっと変っていて
おもしろいものに
恋をしやすいみたいです。

たいへんなこともあるけれど
自分で工夫して
道をみつけていくおもしろさ。


いま
家賃交渉中。



2009年02月26日(木) パン屋でパンパン

出勤前に
パン屋さんに寄って
お昼に食べるパンを買う。

あまいの
おかず系
やわらかそうなの
かたそうなの
サンドイッチ風の

どのパンも
おいしそうで
どれを選んでもよくて

360度
さまざまなパンに囲まれ
パンに語りかけられ
パンの花畑でうっとりの
よりどりみどりの瞬間が
幸せだ。

そして
その幸せの瞬間の後は、
このたくさんのパンたちの中から
ふたつだけ
お昼用にえらばなければならない
くるしさがやってくる。

なかなか
きめられなくて
出勤時間がせまってきて
自分の優柔不断さに
つかれてくる。

この
朝のパン屋での
幸せとくるしさの感覚は
中学生のころから
なんにも
かわっていないなあと

しみじみと
おもった。

あのころは
ロシアっていう
大きくてシンプルなパンが
お気に入りだったような
記憶があるが

ロシア
ほんとうに
あったっけかなあ。



きょう
選びぬかれたのは
クリームをねりこんだパンと
焼そばパン
でした。



2009年02月24日(火) 酔いどれの夜

ろうそくで
お風呂にはいって

その
ろうそくたてを
床において

髪をかわかすときに
ドライヤーの風で
ろうそくの炎がゆれて

空気が
非現実の色に
なるときに

この
美しい瞬間を
だれかと
共有したい

そう
おもうと同時に

この
美しい瞬間を
だれとも
共有できない

そう
わかるので

この
美しい
光景と
気持ちを
なんとか
自分の中に
きざんで

ああ
人はみんな
ひとりぼっちーず

ですなあ



おもう
きょうこのごろ。


きょう
夜中まで
一緒に
飲んだ
仲間たちに

いとおしい
気持ちを
おくる。

人は
みんな
ひとりぼっちーず。



2009年02月21日(土) うずうずしてわきが鳴る

人はみんなそれぞれ
四角とか三角とかまるとか
ぎざぎざとか細長とか
違うカタチをもっている。

ひとつとして
同じカタチの人は
いなくて。

みんな
それぞれの
その人にしかできない
役割があって。

だけど、
粘土みたいなものが
それぞれのカタチに
くっついてしまっていて
本当のカタチじゃない風に
なっている人もいる。

みんなが
シンプルに
本来もっている
自分のカタチになったとしたら
世界は地球は
バランスよく成り立って
とてもハッピーになるのでは
ないかと

ふと
おもった。

それならば
わたしが地球のために
できることは

わたしのまわりにも
まだまだ
たくさん
くっついている

この
粘土みたいなものを
こそげおとし
洗い流し
自分のかたちを
つきつめることではないか!

そんなことを
考えて
熱くなっていたので。

ある人に

「わたしが自分らしく生きることが
 地球のためにいいような…
 温暖化がなくなるとか…
 そういうことと
 つながるような気がするんですよー」

と口走ってしまった。

その人は
一瞬とまってから

「そ、そうなんですか」

って納得したような
口ぶりだったけれど。

その話は
そのまま流れて。

帰り道に
なってから

きっと
意味不明だし
変なふうに誤解されてるかも
しれないなあ…と

おもいはじめて
後悔している

ああ
ハズカシイ。

わたしは
こういうふうに

自分の世界で
言葉を発してしまって

あとから
後悔することが
結構多いのです。




***

きょうは

インド写真の曲をふたつ

わきカスタの曲のようなものをひとつ

つくりました。

頭の中も
わきの下も
カチカチなって
3月ライブへ
一直線です。



■2009年3月8日(日)フリースペース宇治日和(0774-23-6631)
 『わくわく魅惑のインドライブ』
時間 14:00〜15:30
charge 大人\2000 幼児\500(カスタネット&コーヒー付)

春に共にインドを旅した旅仲間のひとり…辻野氏の
インド写真展の会場にて、久しぶりのソロライブです。
辻野氏の写真に音をつけたり、
インド旅で感じたものを曲にしてお届けします。

みなさんにもインド的楽しさを感じていただきたく
ライブの中で「わきカスタネットワークショップ」をおこないます。
わきカスタネットとは…わきの下でカスタネットをならす技です。
わきから音がでる楽しさ
わきがリズムにのる快感を
ぜひ体験しにいらしてください。

当日はみなさんそれぞれのわきの下にぴったりの
わきカスタネット両脇分のお土産つきです。

ライブの前後に
宇治川をながめながら
挽きたての美味しいコーヒーを
味わうことができます。

※要予約 メール neko2@hera.eonet.ne.jp まで。
    (件名に:宇治ライブ予約、とお願いします)

○フリースペース 宇治日和 へのアクセス
 京阪宇治駅より徒歩5分。
 宇治神社方面に向かう道を、宇治川の上流に向かって
 歩いていくと、右手にあります。
 あたたかな雰囲気の喫茶店です。

○辻野氏の写真展『ラダックの水精』
 3/7(土)11:00〜17:00  3/8(日)10:00〜17:00



2009年02月19日(木) こどもヂカラ

すっかり
熊本が好きになった。

天草にとまって
天草ライブをした。


お母さんには
口がおどりだすくらい
おいしいものをいただき
目が手をたたくくらい
楽しいものを
みせてもらった。

お父さんには
天草の踊りをおそわって
手ぬぐいまいて
一緒におどった。

そして
すてきな
小学校でのイベントを
ささえていただいた。

そのぜんぶを
つなげてくれた
しほちゃん。

ありがとう。

次の日は
阿蘇にいった。

すてきな友だちに
おそわった
すてきな場所には
空と地面しかなくて

また
うたをうった。

阿蘇の手のひらのうえ

そこで
おどらせてもらった。

ありがとう。




さて
きょうは
天草の小学校のライブのはなし。

***


小学校でのライブは
はじまる直前は
トイレで泣くぐらい
どきどきした。

350人の小学生たちが
あつまっていると
いうのだから。

体育館のうしろから
そっとのぞくと
黒いあたまが
きょろきょろしている。

どうしよう
どうしよう

えいっ!

5人で列をくんで
おもいきって

にゃにゃにゃーにゃと
うたいながら
でていったときの
こどもたちの空気が
もわっと
花畑みたいで

すっと
安心した。

「給食といえば?」ときくと
「ごはんー!」「カレーー!」「さしみー!」
『さしみ?』「ちがうー!」
というのが同時に。
みんなが叫び声をあげる。

声と声がぶつかって
耳にとどくころには
ただのかたまりになっていて
何をいっているのか
ぜんぜんききとれない。

この
こどもヂカラは
すごい。

わきカスタネットに
むらがる子どもたち。

大きな目の女の子が
必死の形相で
わきを鳴らしている。

みんなで演奏して
みんなでうたう。

さいごはみんな
たちあがって
ウホウホと
おどる。

その
子どもたちにまみれて
踊る
しほちゃんの
姿がみえた。

愛嬌のあるものを生みだす
あの白い手は
ひらひらとして
ほっぺはピンクで
つやつやしている。

その姿をみて
涙がでてきた。

しほちゃんと出会って
いろんなライブをして

舞台の上から
何回もしほちゃんをみた
とおもった。

しほちゃんは
天草に
とおくに
きたけど

また
これからも
しほちゃんをみたいなあ
っておもった。

こどもヂカラは
体育館の中で
たつまきみたいになって

わたしは
自分の真ん中の芯以外
いらないものは
ぜーんぶ
ふきとばされてしまった。

きっとみんな
そうだったと
おもう。

「きょうみんなと一緒に
 うたったりおどったりしたことは
 一生忘れません。
 ありがとう!」

残った
わたしの芯の部分が
そう言って

その声も
こどもヂカラの風にまじって
体育館の中を
くるくるとまわった。

みんなの顔が
うかんでくる。

たくさんの顔が

まっすぐで
とびまわって
カラフルで
さまざまなカタチが
一緒にあった。

みんな
その中の
ひとりだった。

みんな
ありがとう。

ありがとう。



***


この春で
ひとつ
仕事をやめるので

これから
最後の山場が
やってきます。

山をこえて
春が来たら

まずは100個
おもいつきことばを
つくろうと思います。

それを曲に
しようとおもいます。

ここ数年
忙しすぎました。


今年は
つくること
むきあうこと
ほりさげること。

おめでとうって

ハラハラと
花びらが
ふってきて

美しいなあって
おもいます。



2009年02月13日(金) ぬるいあめ

ぬるい雨の日。

ゴオゴオと音をたてて
流れるようなまいにち。

いろいろな種類の人たちに会って
いろいろなカタチが楽しく
興味深い。

わたしのものの見方でしか
この世のものをみられないので
もどかしいことがある。

ものの見方を
ひろげていきたいなあ。

そして
その芯も
掘り下げて
いきたいなあ。

いろんな人にあって
いろいろ勉強になる。

***

きょうはバレンタインの前の日。

帰りの電車が
人身事故の影響で
動かなくなって
しばらく
電車に閉じ込められていました。

もしも
このまま閉じ込められ続けたら…
今日だったらきっと
車内のチョコの数が多いから
通常よりも長く生き延びることが
できるかもしれない。

なんて
考えていました。



明日から熊本旅。
天草の小学校でライブです。

最近ずっと
練習してきた
ポニョもうたうし
わきカスタもしてきます。

どんな出会いが
あるのか

わくわくした
たのしみ感が
しあわせです。



2009年02月09日(月) ろうそく生活

ここ数日
夜はろうそくだけで
すごしている。

夜が明かるすぎて
植物たちがストレスで
数年後から枯れてゆくと
植物学者がいっているらしい…
という話をきいたのと

友だちから
とりかごみたいな
おおきくてすてきな
ろうそくたてを
いただいたので。

夜ごはんを
たべおわったくらいから
我が家は
ろうそくだけの
うすぐらい世界。

時間の流れが
ゆっくりになって
ネパールの山小屋とか
バリのログハウスとか…
旅の気分になる。

わたしは
ついつい
いつものクセで
トイレやお風呂のでんきを
つけてしまって

相棒は
電気のスイッチをさわったら
ビリビリとしびれる仕掛けにしよう
なんていいだす。

いかに
電気に依存していたかを実感。

そして
夜ははやくねむくなるし
太陽があがるのが
たのしみになる。

昔の人が
太陽を神様だと崇めた気持ちが
わかるような気がする。

もっともっと
土の近くで
自然のリズムで
生活できるように
なりたいなあとおもう。

今の生活のなかで
できるかぎり。

近づいていこう。


最近は
ろうそく部屋の中で
相棒の買ってきた
鳥居みゆきのDVDをみるのが
ハ・ヤ・リ



2009年02月02日(月) 宮古島旅




宮古島は
夢の中のような
不思議な島だった。

よいしょと
入りこむまで
時間がかかった。

入りこんでしまったらば
海と空と緑が
ぐぐっと
身体にはいってきた。

大切なともだちの
結婚式は
海の見える丘の上の
チャペルで。

ステンドグラスの中に
とんでいる蝶が
浜辺でもとんでいた。

新郎新婦は
キラキラしていて
新婦の父親の顔をみたら
泣きそうになった。

夜中
わたしたちは
新郎新婦の
スイートルームまで
はいりこんで
つまみのイカスミで
かきぞめをした。

指がまっくろになって

新婦は顔まで
イカスミだらけで

たくさん笑った。

窓をあけたら
波の音が聴こえて

しあわせな
島の夜。





シャーマニックなものに
興味のあるわたしたちは
せっかくなので
パワースポットといわれる
石庭にいった。

88歳のおじいさんが
30数年かけて
石の声をききながら
つくっているのだという。

宇宙人みたいな
たのしそうな石が
たくさんいて
ともだちになった気持ち。

せっかくなので
裸足になって
わきカスタネットをした。

石たちといっしょに
カチカチ
カチカチ
とおくまでひびく。

おじいさんも
まるで石の仲間みたいに

来客がくるまで
石がたくさん並べられた
小さな部屋で

じっと
ひじかけ椅子に
すわっていた。

「石にとらわれてしまった」
といっていたけれど

どんな風に世界がみえていて
どんなまいにちを
すごしているのだろう。



不思議な雑貨屋さんで
神人(かみんちゅ)さんのことを
教えてもらった。

のっぴきならない問題を
かかえている人には
医者で言うと
脳外科の名医みたいな
神人さんに会うのがいいらしいのだが

わたしは
「ご縁があれば
 会いたいのです」


その気持ちを言ったら
現代風の神人さんを
紹介してもらったのだ。


みんなで会いにいって
スケジュールをあわせて
ひとりひとりみてもらった。

わたしは
「わたしが生きてる意味」を
きいてみた。

彼女は誠実な
やわらかい感じの人で
水晶をみながら
ゆっくりと言葉を話す。

いろいろ
教えてくれたのだけれど
一番最初に
わたしが
「おとだまを使っていろだまを空間につむぐ」
タイプの人なのだといわれたのが
びっくりした。

音にも色にも魂があって
わたしは前世から
音をつかうことが
テーマなのだそうだ。

音楽にかかわっていることは
言っていないのに
ドキリとしたのと
うれしかったのと。

他にも
たっぷりたくさん
おしえてもらって。

頭の中がぐらぐらの
酔っ払いみたいになって
海にいった。





どうやら
わたし
宮古島に
はまってしまった
みたい。


***


旅から帰ったら
相棒が
鳥居みゆきに
はまっていた。


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はたさとみ [MAIL]

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