へそおもい

2003年04月28日(月) 大洪水

きのうは相棒に
 あんたはヨワヨワだ。
といわれた。

そうだ、ヨワヨワだ。

それで、
1500円をにぎりしめて、
小さな小さなバーにいったのだ。
マスターは音楽が好きで、
お客がいない時には
いつもギターをひいてるらしく、
いままでギター弾いていた気配がのこっていた。

音楽の話しから…気がつけば

今の世の中無駄がなさすぎる。
無駄こそが人生で大切なものなのだ。

…とかいう話を
聞き上手なマスターに熱弁していた。

かえったら
大洪水の夢をみた。

薄い板切れみたいなのにのって、
部屋の中でぷかぷかうかんで、
模様替えのことを考えていた。

そしたら、
なつかしい友だちによばれて、
彼女のすむ海の近くの町に
自転車でいくことになった。

模様替えのことは気になるが、
時間がないから
いくことにきめたのだ。

彼女と一緒に坂道をのぼる。
丘の上にのぼりきると、むこうに小さく海がみえる。

海までいこうよ。

その海沿いの町は、
水飴の産地らしく、
水飴で炊いた小魚のつくだ煮みたいなのが
とてもおいしいらしい。

坂道の途中で
子どもが水飴をうっている。
海から来る風がとても気持ちよい。

その子どもが彼女の手にいたずらして
水飴をいっぱいつけた。

すると、彼女は自分の手と、
子どもの手をぺろぺろおいしそうに、
なめたので、
ちょっとびっくりした。

さすが、
水飴産地育ちは違う。

ふと、
大洪水の自分の部屋のことを
おもいだして、
おちつかない気持ちになる。

かえらなきゃ、
海もみたいけど、
かえらなきゃ!

目が覚めたら、
なんだかいっぱい涙がでていた。
なんだろうね。

やっぱりヨワヨワなのかな。
つよくなりたいな。
っていうか。
ヨワヨワなのが人間なのだ。
わたしゃこれでいいのだ。

と、
ひらきなおってみる
月曜日の昼下がり。

はやく気持ちの模様替えをしなくては。



2003年04月27日(日) 心のある時間

お世話になっているカレー屋さんに
お酒をもってあそびにいったら、
たくさん御馳走になってしまった。

ミミガ−
豚の子宮
(なんていうんだっけ?卵管もそのままの形だった)
ホウレン草カレーピザ
トマトカレーピザ
贅沢ホルモン鍋
じゃこたっぷり焼飯
さくさくジューシー唐揚げ
ビッグ卵焼き
玄米酒むすひ
ドロドロのお酒
などなど…。
愛のある手作り料理で
それはもう、うまいうまい。

こんな時。
わたしはいつも、はっとする。
自分の気持ちに余裕があって初めて、
自由で豊かな自分の生活を大切にして初めて、
人に対して、心のこもったものを
ふるまうことができるような気がする。

食べ物でもモノでも音楽でも。

わたしのまわりには、
そういう人たちが何人かいて、
わたしは、
その人たちのことをとても尊敬しているのだ。

夜遅くまで、
みんなでちゃぶ台を囲んで
話をしていた。
共有した空気を、
すってはいて
あそんでいるみたいだった。

いろんな人生があって、
みんなそれぞれに愛するものがあって、
バラバラなところからきた人たちが、
いまここにいて。
だらだらぼんやりすごしている。

不思議やな…とおもった。

かえりみち。
ちょっぴり淋しい気持ちがした。

さて、
いまからライブ。
そう。
センチメンタルになっていっる場合ではないのだ。



2003年04月26日(土) さんぱつ

ひさしぶりです。
お元気でしたか?

きょうは
とても風が強く、
雨粒があっちこっちにとばされています。

きょうは髪をきりました。
ひかわきよしか、
もしくは宝塚の男役みたいになって、
ちょっとショックをうけています。

2000円だったので、
まあ、仕方ないです。

はやく髪の毛成長しないかな。
焼そばをたべると
髪の毛がのびるという噂を昔きいたので、
今夜は焼そばをたべました。

それでは。
おやすみなさい。



2003年04月20日(日) めい

金沢にきている。
人間がひとりふえていた。
生後1ヵ月のめいの名はめい。
だっこしていたので、
いまのわたしは母乳のにおい。
母乳臭の中で
今夜はねむるぞ。
おやすみ。



2003年04月15日(火) 大阪の街で路頭に迷う

5千円札を財布からだすとき、
あと1枚5千円札が残っているのを確認した。

それなので、
今日イチニチの御褒美として、
和風とんかつ定食とビールをいただいたのだ。
仕事帰り、
本町の地下、
煙草と汗のにおいのする居酒屋のカウンター。

満足しておちついて、
さあ、帰ってもうあとひと仕事!
とおもいきや。
財布はすっからかんなのだ。

札入れからでてきたのは、
5千円札ではなく、
どこかの美術館の割り引きチケット。
色が5千円札と似ているだけ。

給料日前なので、
銀行もすっからかん。
家までかえりゃなんとかなるのだが、
家までかえる金もなし。
手許には200円弱!

そう。
テレカも回数券も携帯ももっていない。

とりあへず、
店のにいさんに、
健康保険証を提示して、
苦笑いでつけてもらう。

100円玉を10円玉にくずしてもらい、
震える足で公衆電話を探す。
願いをこめて
ぱっとひらめいた友に電話をした。

そして彼女は電話にでたのだ!
秒刻みでおちてゆく10円玉の音。
片言で、一文無しで路頭にまよっていることを告げると、
彼女は自転車でかけつけてくれるという。
なんとわたしはいい友にめぐりあえたのだろうか。
ああ、かみさまありがとう。

彼女の告げた待ち合わせ場所を探し、
まつまつまつ。
珈琲でものみたいが
飲む金もなし。
空は真っくろで、
知らない車がびゅんびゅん目の前をはしる。
ああ、孤独だ。

まつまつまつこと30分。
マフマミノフ3世(自転車の名前)にのった彼女が、
風をきってさっそうとやってきた。
マフマミノフ3世には走行距離計測器がついていて、
8キロ走ってやってきたらしい。
おお、かみさまありがとう。
これで無事に帰れるのだ。

涙ながらにお金をうけとり、
居酒屋につけをはらいに走る。
店のにいさんとおばちゃんに、
「ねえさん、またおいでね」
とやさしく言われたが、
きっと本心ではないだろう。

…と、いうわけで、
きょうも無事に我がねぐらにかえれたわけであります。

ああ、よかったね。


*ビデオ救出作戦大成功!
 テレビがみれるようになりました。
 でもビデオはこわくていれられません。



2003年04月14日(月) テレビがみたい

一人暮らしをはじめてもう10年になる。
気づいたら10年たっていた。

そりゃ
当時買った家財道具たちも
ガタがくるだろう。

まずは箪笥。
もち手がことごとく外れるので、
麻ヒモと古着のボタンで修理した。
カタチも歪んできたが、
まあ大丈夫。

次は本棚。
台がはずれているのだが
無視して斜になったのを使っている。

そして
とうとう。
金なしの当時、19800円で入手した
お気に入りのテレビデオがこわれてしまったのだ。

しかも
友だちのビデオが
入りっぱなしででてこない。

電源をいれると
ウィーンとおとがして
10秒ほどで
ぷちっときれる。

テレビもみれないのだ。
ショックなのだ。

ああテレビがみたいよう。



2003年04月13日(日) はなふぶき

桜の木の下でスモークをした。
アジとチーズとウインナー。

風がふくと花吹雪で
故郷、雪国の冬をおもいだした。
ビールにいっぱい花びらがはいったので、
口のなかにもいっぱい花びらがはいった。

スモークはうまくできたよ。
まだカラダが煙のにおいがする。

夜は、
故郷の友とナガデンワ。
久しぶりで、
なんだか元気がでた。

ああ、わたしの原点は
やっぱりここだ、
とおもった。

人間はひとりぼっちだけれど、
ひとりではなくて、
世の中たいへん複雑にできている。
毎日毎日を新しく生きていくのは、
膨大なエネルギーを必要とする作業。

エネルギーを絶やさないように、
よく食べて
よく眠って
よく笑って
わたしを大切にしてやらなくては
いけないなあ…。

最後まで自分と一緒にいるのは
自分ひとりしかいないものな…。

などなど、
そんなことを、
ぼんやり考えていたのでした。



2003年04月10日(木) 携帯電話について

3月半ば、
人生初の携帯電話というもんをもった。
別にのどから手が出る程ほしかったわけでもなく、
携帯電話反対派だったわけでもなく、
そういうタイミングだったのだ。

もってみるとおもしろいもんである。
待ち合わせが簡単だし、
公衆電話をさがしまわることがない。
普段は連絡をとらない友だちとマメに連絡をとれる。
歩いていておもしろいことを発見したときに、
即座に友だちにメールでしらせられる。
突発的に飲みたい時に飲み友だちに連絡できるしされる。
写真もとれるので、うれしくていろんなものをとった。
生まれたての姪っ子の写真や
妹の授乳シーンがおくられてくる。
それはそれは、
現代人の悦びというのをじっくり味わったのである。

みんなこういう風な感じで
電車の中で携帯をいじくりまわしていたのか!
ちょっと開眼気分。

そして、3週間目。
二日酔でお腹をこわしていて、
地下鉄のトイレに入ったとたんに
その携帯電話をトイレにおとしてしまったのだ。
急いでひろってふいたが、どうやら溺死。
(注:おとしたのは、用を足す前)

それまでの3週間。
わたしは携帯電話のおもしろさにひきこまれていたので、
それはそれはショックでしたよ。
つきあって3週間目の大好きな彼にふられたようなもんだ。
かなりの喪失感。

しかし、
お金もないことだし、
最後の望みをかけて、かわかしてみることにした。

きょうはかわかしはじめて1週間目。
かわいたようなのだが、
普通には全く動かず。御臨終。

それで、
この1週間に考えたこと。

携帯をもっていると、
自然や自分の気持ちに対する感覚が
鈍くなるような気がする。
しゃべりたいとおもったらすぐに話ができるので、
相手のことを、自分の中でじっくり味わいながら考える
…という時間が少なくなる気がする。

わたしははまりやすい依存的なところがあるので、
特にそれを感じたのでした。

以前、
「最近公衆電話がなくて困る」
とぼやいていたら、
「相手のことを考えながら公衆電話を探す…
 そういう時間が人生で大切な時間なのよ」
といわれたことがある。

ホントにそうだ。

いまごろあの人はねむってるのかなあ、
今度会ったらこの話したいなあ…とか。
月のまわりに虹ができてるから
明日は雨かもしれないなあ…とか。
今日の空気は沈丁花のにおいがしてきもちがいい…とか。

そういう時間が減ってしまうような気がした。
まめに連絡をとろうがとるまいが
大切な人はずっとわたしの中で大切だ。

でも、
携帯をもっていると便利なこともたくさんあるしな。
使いかたによるよな。

酒はのんでものまれるな。
携帯はもってももたれるな。

人生で大切なものってなんだろな。
なんだろな。

さて、モンダイです。
わたしは、
携帯を買い替えるでしょうか?
もうもたないでしょうか?



2003年04月07日(月) さんぽ

さくらをみた。
じっくりみた。

さくらの隣にもみじがあって、
もみじの花がさいていた。
花かわからないくらい
ちっちゃかったけれど、
ちゃんと花だった。

“もみじがさくらのまねしとる”

さくらの下で
しばらく川をながめていた。
たくさん鳥をみた。
ひよどり
せきれい
さぎ
かも
はと
すずめ
しらないやつ。

“妙におしりうごかしてる”

こういう時間が好きとおもった。
今週から新学期なので、
忙しくなるので、
一瞬淋しくなった。

さくらをみていたからなのか

人生は短いから
うごけるだけ
うごいてやる
感じられるだけ
感じてやる

なんて
おもってしまった。

今流れていく時間は
はかないもんね。

“きょうは風がとまってるね”

“なんか風景が死後の世界みたいや
 悪い意味じゃなくて
 天国みたいなかんじ”

“ああ、そうかも”

風がなくて陽射しが一定で、
あともさきもないような気がした。

きょうはたのしかったよ
ありがとう。



2003年04月05日(土) はるの腕まくり

本日は明石に出向いて、
明石焼き屋を3軒はしご。
3軒目が雰囲気と値段込みで一番うまかった。
うまいと安いはセットなのだ。

それから
おもいつくままに話をしながら、
海沿いを一駅あるく。
たべすぎておなかがいっぱいだったし、
風が強くて髪の毛がずっとオールバックだし、
海がなめらかでやさしい気持ちになった。

それから
神戸にいってチャイをのんで、
元町までの高架下を物色。
わたしがすごく好きな場所でわくわくした。

わくわくついでに、
古道具屋さんで、
悩みに悩んだ揚げ句、
アコーディオンを買ってしまった。
十一屋小学校の音楽室で
さわっていたのと同じなので、
名前は「じゅっちゃん」。
赤くてかわいい。

それから
ベトナム人親子がやっている
ベトナム料理食堂にいって、
安くてうまいものを食べた。
シアワセ。

さっき、
じゅっちゃんと共に帰宅して、
これから
仕事書類とか部屋の整理をする。

きょうはいい時間をすごしたな。

わたしは、
わたしの中に芯が欲しいとおもっている。
わたしがひとりでどこにいっても大丈夫なような
しっかりした基盤がほしい。

よし。
はるやし。
腕まくり。



2003年04月01日(火) きりかえ

4月になりました。
きりかえです。

音楽モードから心理モードへ。

きのうまでの東京旅は、
すごく濃厚に楽しかったのです。
おもしろ新婚夫婦宅で一泊し、
その後2日間連続ライブといい出会い。
新しい何かが
ひょろっとわたしのなかに
はいってきました。

さて、
きょうから仕事です。
余韻にひたりたいところを、
いつも使う包丁よりも
もっとでかでかの包丁で
スパッときりかえました。
けっこう血が出た感じでした。
でも仕方ないのです。

音楽と心理の仕事は
わたしの奥深くでは
つながっているのだけれど、
カタチが違うので
わたしのなかで
同居させるのが大変。

いまは、
どちらもわたしのとって大切なものなので、
両方大切にしたいのです。
よくばりばばあだ。

そうだ。
昨年金沢の山から
こっそり持ち帰った
るり草がベランダで満開です。
イカリ草も咲きました。
すみれも芽がでました。

はるやなあ。

今日はエイプリルフールなので
これは全部ウソです。






というのがウソ。


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はたさとみ [MAIL]

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