紫
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ちょっと元気がありませんでした。
飲みすぎかな、と思える節もありました。
でも、それにしても……。
友が私に言いました。
「様子を聞いてみて」
私は聞けませんでした……。
友の愛する家族という名の、世間一般では「ペット」と呼ばれる存在が、「月に孵(かえ)った」そうです。
悲しいだろうに……。
どうか、友が、次に会うときには、少しでも笑顔でいられますように。
おやすみ。
寝倒しました。
すっきり。
気になることは気になるけれど。
おやすみ。
ふだん、電話に出ない私。
ケータイはもっぱらメールばかりです。
でも、きょうの着信には出ました。
もしや!
と思ったからです。
そして、その「もしや」が当たりました。
電話、出てよかった。
ステキな報告をどうもありがとう。
おやすみ。
駐車場に置きっぱなしの自転車が、心配です。
おやすみ。
忙しい週明け。
おやすみ。
「今度、もみじでも、見に行こうか」
先週の日曜日、母が言いました。
だから、今日はどうしても晴れてほしかったんです。
服喪中のため、出歩くことは控えている母。
いえ、控えるというより、出歩く気にもならないようです。
そんな母がぽつりと「もみじを見に行きたい」と言いました。
だから、どうしても晴れてほしかったんです。
快晴の空の下、車を走らせました。
北摂(ほくせつ)と呼ばれる大阪の北の端、箕面(みのお)のもみじを見に行きました。
本当は、大台ケ原や曽爾高原など秋の名所に行きたかったのですが、さすがに遠出はしたくないようです。
とはいえ、箕面のもみじも全国的に有名なところ。
あちこちに色鮮やかな紅葉が見られて、母も満足そうでした。
そんな母を見て、私も満足。
箕面の山のお約束の猿も車の前を横切ってくれました。
お猿さん、どうもありがと。
1時間ほどのドライブでした。
でも、今年の秋を感じることができて、よかったな。
おやすみ。
起きるのがちょっと怖い今朝でした。
おそるおそる手を動かし、そして足、体を起こしました。
………!
あれ?!
思ったより体が痛くありません。
いつもの大腿部の筋肉痛もありません。
疲労と少し膝が痛いくらい。
成長したなぁ……、ワタシ。
と思いながら、ホントは明日にやってくるだろう筋肉痛におそれをなしている自分に気づかないふりをして。
おやすみ。
朝3時半起床。
友が持ってきてくれたカップのお味噌汁を食べ、4時にほかの友が向かえに来てくれました。
10月からみんなでトレーニングを重ねてきた六甲全山縦走大会の日です。
5時にスタート地点の「須磨浦公園」に到着。
スタートチェック待ちの長蛇の列に並ぶと、なんと前に山の師匠がいました。
わぁ、偶然!
長蛇の列はなかなか進まず、ストレッチをしながら待つこと約40分。
やっとスタートです。5時41分。
総勢6人の精鋭ぞろいです。
聞いてはいたけれど、最初から大渋滞。
鵯越(ひよどりごえ)まで予定より1時間オーバーでしたが、オーバーすることは予測していたので、そこはそこでオッケー。
体調不良を訴えていて、ずっと遅れがちだった友は、そこでリタイヤ。
よくがんばった!
そして、この先、菊水山の登りから予定のコースタイムなんてもう役に立たないほど遅れてしまうのでした。
まず、菊水山の渋滞とチェック待ちの渋滞、高取山の登りの階段での渋滞、須磨アルプスでの大渋滞、摩耶山までの渋滞で、摩耶のテレビ塔に到着したのが15時過ぎ。
後方の友を待ち、摩耶を出たのが15時45分。
さて、これからが時間との勝負です。
チェックポイントは時間制限があり、次の六甲のチェックポイントには18時半までに到着しなければいけません。
渋滞のおかげで、覚悟していたほど体力の消耗はなく、スタスタと歩けるのかと思っていましたが、やはりこの先も渋滞。
車の通りの多いアスファルト道。
追い越しをかけるにも一苦労です。
そして、やっとトンネルを抜けるとチェックポイント!というところで、係りの人に止められました。
なんと、ここではボランティアの人曰く「縦走始まって以来の前代未聞のチェック渋滞」だったのです。
列に並び、寒さに震えながら待つこと30〜40分。
各自で持ってきたおにぎりやパンなどで行動食を取り、制限時間の18時半を過ぎても順番は回ってこず、18時45分ころ、やっとチェックを終えました。
気を取り直して、宝塚のゴールを目指します。通常なら3時間くらいの道のり。21時半には着くかな〜。
なんて思っていたら、やっぱりそこから先も急な下りの大渋滞。
しかも、ちょっと遅めの集団の後ろについたようで、どうもうまく前に進んでくれません。
ちらほらと見えるその集団の先はかなり空いているようなのですが、追い越すにも道が狭く険しくしかも暗くて怖くてできません。
でも、のんびり降りたおかげで、下りの怖さもあまり感じることなく、楽しんで下りることができました。
とはいえ、やっぱり長い長い東六甲十走路。
私ひとりだったら、きっと制限時間をかなりオーバーしていたことでしょう。
前方に宝塚の夜景が木漏れ日のようにちらちらと私たちを照らします。
もうすぐ、あの光りの中に行くんだ、と思うと同時に、まだ夜景がきれいな高さにいるんだ、という気持ちが心のあちこちでよぎりましたが、思考能力なんて、あんまり残っていません。
最後の広いアスファルト道に出てから、再びスピードアップして、途中、2グループに分かれて歩いていた5人ですが、最後はいっしょにゴール。
22時20分。ギリギリ制限時間内です。
数年前、申し込みはしたけれど怖れをなして不参加を決めた六甲全山縦走大会。
あの時から、毎年、友人たちがもらってきた参加賞の「たて」を見るたびに心がうずき、とうとう今年、リベンジを決めました。
今年なら行けるかな。
この仲間なら私をゴールまで引っ張って行ってくれるかな。
そして、この仲間たちとこの今の時に一生に残る思い出を作りたい。
今、私の目の前に、欲しくて欲しくてたまらなかった参加賞の「たて」があります。
手の平にのるくらいの小さなたて。
それでも、このたての輝きは「歩いた人にしか、わからない」。
いっしょに歩いてくれた仲間たち。
応援してくれた友たち。
縦走についていろいろ教えてくれた人たちへ。
どうも、ありがとう。
みなさんのおかでです。
おやすみ。
いつもの場所で鮭おにぎりを作ってもらいました。
おかずにと、ハンバーグももらいました。
22時に到着する友を待って、22時半にはふとんに入りました。
明日は早起きです。
そういうことで、おやすみ。
「飲みにいこうよ」
友に誘われました。
うぅ、久しく飲み会、していない。
行きたい!
でも、今日は家で食事をする日。
母が待っています。
待っているといっても、19時には寝てしまう母。
いっしょに食事をするわけではありません。
どうしようどうしよう。
どうしよう。
と、かなり迷いに迷い、改札をくぐり、電車に乗ってからも、どうしようどうしよう、と迷い続けて、家に着いてやっとあきらめがつきました。
500円玉貯金箱に、あるだけの500円をチャリンと入れた瞬間、きょうも貯金できてよかった。
飲みに行っていたら、この500円玉たちは、どこぞに連れ去られてしまったかもしれません。
うん、きょうは飲まずに正解の1日なのだ。
ふふん。
おやすみ。
「きょう、靴を買いに行く」
友が言いました。
週末、いっしょに六甲縦走に行く友です。
大丈夫かな。
新しい靴。
そんな心配を残したまま。
おやすみ。
小学校に通う途中、車の通りの多い交差点がありました。
信号もあったので、とくに怖い、という印象はなかったけれど、それでも、毎朝、「みどりのおばさん」が立ってくれていて、小学生たちに「おはよう」「おはよう」と声をかけながら、誘導してくれていました。
私が低学年のときは、そのおばさんにあいさつをするのが普通でした。
集団登校だったため、先頭をあるく高学年の「班長」がおばさんに「おはようございます」というのをまねて、私たち低学年も「おはようございます」とあいさつ。
ちょっとさわやかな気分。
でも、いつしかみどりのおばさんはいなくなりました。
どうしたのかな?
私たちが高学年になり、班長になりました。
そして、その交差点には以前の人と違う「みどりのおばさん」がやってきました。
また、ちょっとさわやかな気分になれるのかな、と思ったけれど、誰もあいさつをしようとしません。
低学年の子たちは、いっさい何も言いません。
どうしてかな?
なんであいさつしないのかな?
そんな毎日が続いたあと、ふと気づきました。
私のあいさつする声が小さくて、私のうしろを歩く人たちまで聴こえないんだ!
翌日から、ちょっと大声でおばさんにあいさつ。
数日後には、班全員があいさつできるようになっていました。
そっか。
みんな、上級生を真似するんだな。
私もそうだったもんな。
そんな「学び」を得た小学校6年生。
きょうは「みどりのおばさん」の日だそうです。
最近は、あんまり見かけませんが、まだ交差点で立っている地区があるのかな?
おやすみ。
久々に、祖母のところに行きました。
祖母は、数年前から老人ホームに入っています。
認知症が進み、徘徊が激しくなり、母が介護で倒れそうになっている寸前のところを見かねた市の職員さんが、優先的に祖母を入所させてくれたそうです。
たまには、いい人もいますね、お役所にも。
祖母は、元気でした。
90歳を数年過ぎていて、車イスの生活。
もう誰のことも覚えていないようで、誰が行っても、ケタケタケタ、と高笑いをします。
そして、すぐに眠ります。
でも、きょうはちょっと違いました。
母と私を交互に見つめ、私に向かって何か語りかけてくれました。
音にならないような声でうまく聞き取れませんが、確かに何かを語りかけてくれています。
そして、私の手をさすってくれました。
何度も、何度も。
母がいっしょでなかったら、私は間違いなく、泣いていたでしょう。
どんなに認知症が進んで私たちのことを思い出せなくなっても、どんな姿になっても、ここに「生きてくれている」ということのすばらしさとたいせつさを、感じました。
「生」は尊い。
おやすみ。
初対面でまったく会話をしなかった人を駅まで送りました。
たった10分ほどだったけれど、車の中で自己紹介&おしゃべり。
なんだか、いいな。
こういうの。
久々だな。
ちょっと旅先にいる気分。
旅先では、同じ宿に泊まった人同士で、翌日遊びに行ったり温泉に行ったりすることが多々あります。
前日までは見ず知らずの仲だったのに、なぜか翌日はいきなり旅の友に。
地元に戻ってきても交流は続き、いつしか親友に、はたまた生涯の伴侶になっていくこともしばしば。
きょう、駅まで送って行った人もなかなか旅のつわもののようで、時間が許せばもう少し旅の話が聞きたかったな。
よく笑う人でした。
駅で別れを告げ、ゆっくり車を走らせました。
私も数年前までは、誰に対してもあんなふうに素直に笑えていたんだろうな……。
いつの間にやらあっちこっちに高くて厚い壁を作って、自分自身もその壁から出られなくなっているような気がします。
だから、突如として旅に出たくなるのでしょう。
素直に笑える自分がまだいることを確認するために。
さて、来週からまた忙しい忙しい1週間が始まります。
がんばるぞー。おーー(虚)。
琴線に触れる歌、があります。
もう大丈夫かな、と思っていても、やはりその歌を聴くと、ついつい涙腺がゆるんでしまいます。
帰りたいけど、帰れない。
そんな歌。
そんな、大事にしている歌、ありませんか?
おやすみ。
なんだか最近、「疲れた」って人に言うことが多くなってきたような気がします。
ダメだな、ワタシ。
おやすみ。
あぁ、時間がなさすぎる。
おやすみ。
まだ、早いんです。
ひとりになるのは。
もう少し、待ってください。
おやすみ。
「あもうておいしいわ(甘くておいしい)」
いよいよ父が動けなくなって、母が父のベッドまでレモン酒を毎晩1杯ずつ運んでいました。
それほど長い期間ではありません。
父はあれよあれよという間に動けなくなり、いきなり入院してあっという間に他界しました。
だって、それまでは元気だったんです。
ホントに。
「あもうて、おいしいわ」
母がレモン酒を運ぶときに、父がよく言っていたそうです。
「レモン酒なんて、飲めるか!」
と、以前は豪語していた父ですが、いつの間にやら父も私も母の作ったレモン酒のファンになりました。
食べ物の出来合いのキライな父。
母のお手製のお酒を、とてもとても喜んで飲んでいたように思います。
レモン酒の原材料のホワイトリカーが700円ほど値上げされました。
父がいたら、なんて言うんだろうな。
想像がつきそうでつかない父の奇想天外なコメント。
誰か、知っている人はいませんか?
おやすみ。
久々に焼酎を飲みました。
おいしかった。
おやすみ。
六甲全山縦走大会の最終トレーニングでした。
摩耶山から宝塚まで。
20キロとちょっとある今まででいちばん長いコースです。
前回の続きからなので、摩耶山までバスでイッキに登りました。
途中のカーブにバス酔いしながら30分。
山頂で酔いを覚まして9時50分。
ようやく歩き始めです。
今回のメンバーは4人。
きょうもまたぺちゃくちゃとおしゃべりが止まらず、山の静けさをかき乱しながらの山行になりました。
まずは摩耶から目指すは六甲山頂。
山道を歩いたり、車道を歩いたりの繰り返し。
記念碑台で「自然保護センター」に寄り道したり、道端に咲く花や実、飛んでいる蝶を見つけては、自然保護センターでもらったパンフレットと見合わせ、名前を確認したりなど、ずいぶんのんびり歩きました。
そんなこんなで、山頂へは13時着。
なんと、友に頼んでいた塩ラーメンは、きょうはエースコックのワンタンメンとのブレンドでした。
その組み合わせのセンスに脱帽です(笑)
1時間の長い休憩を取り、さっさと荷物を撤収して次はゴールの宝塚を目指します。
登ったり下ったりを繰り返す尾根道をずっとずっと歩きました。
途中、うっそうとした山道に入りました。
大会当日は、ここは夜道の山歩きになるんだろうな。
ずっとずっと下って、やっと塩尾寺(えんぺいじ)に16時過ぎ。
ここからはアスファルトの急な下りになります。
このアスファルトが「きつい」と何度も聞かされていたので覚悟をしていたおかげか、それほどきつさを感じることなく下山できました。
宝塚駅到着は17時。
予定していたコースタイムとは1時間オーバーですが、ま、よしとしましょう。
もちろん、ビールで乾杯も忘れません。
これで、六甲全山縦走大会のトレーニングはひとまず終わり。
あとは当日まで自主トレに励みます。
当日、快晴になることを願います。
おやすみ。
今週は、かなり忙しい1週間でした。
自分の時間はほとんどなく、寝る前は披露困ぱい。
金曜日の夕方にはへとへとだったけれど、なんとなく1週間の労をねぎらうべく、友と2杯だけの約束でショットバーに立ち寄りました。
久々に友と語らい、なんとなくすっきり。
小一時間ほどでしたが、楽しい充実した「憂さ晴らし」になりました。
私の話しを聞いてくれて、ありがとう。
解放感に満たされて、帰りのバスの中ではぐっすりおやすみ。
気が付いたら、私が降りるバス停に着いていました。
さ、あしたはまた山登り。
楽しんできます。
おやすみ。
きょうは、「いい歯」の日。
11月8日だからだそうです。
そしてきょうは「刃物の日」。
「いい刃」だからだそうです。
さらに、きょうは「八ヶ岳の日」
「いいヤツ」だからとか。
こうして考えてみると、11月って「いいつき」なのかもしれませんね。
そんなことにふと気づいて。
おやすみ。
ホントは……。
ま、いいや。
おやすみ。
さようなら、2000円。
北海道から友がやってきました。
私が今、ちょっと忙しくて、ゆっくりお話する時間がないのが残念ですが、元気そうな姿にひと安心。
といっても、今年の8月に私が北海道に行ったときに会ってはいるのですが。
こんなふうに、年に1〜2度くらいしか顔を合わさないけれど、ふだん、よく会う友よりもお互いのことをよく知っていることがときどきフシギに感じます。
思えば、小樽の宿の仲間って、みんな、そう。
みんな、居心地のよい雰囲気を作り出しています。
ふと、思いました。
私って、どちらかというと、居心地、悪い部類なんだろうな。
たとえば旅先で、自分自身に出会ったとき、間違いなくお互いに近づくことはないでしょう。
自分がきらい、というわけではありません。
でも、近くにはいたくないかな。
そんな矛盾に気が付いて。
おやすみ。
山に関して全幅の信頼を置いている友の企画で、生駒山を縦走してきました。
以前から、ちょっと気になっていたコース。
ありがたくお誘いがかかり、約14キロを歩きました。
もちろん、六甲縦走のトレーニングも兼ねて。
生駒山。
これまでも、何度か登ったことはあるのですが、縦走は初めて。
いったいどれくらいの距離があるのかも知りません。
てくてく、てくてく。
ホンとにてくてく歩きました。
途中、休憩スポットで振り返ると、最初に登った生駒山が見えました。
振り返るたびにどんどん遠くなる生駒山。
わぁっ、もうあんなに遠い!
途中で、リーダーの作るラーメンのご相伴に預かり、なんだかあやしげな宗教団体の本部を通り、無線ジャック?の車を何度か見かけ。
楽しかったな。
帰りは、少し歩くことに飽きてきて、個人的にだらだら、あくびと闘いながらくだりました。
最終は、鶴橋の温泉でちゃぷん。
それから、居酒屋へ。
楽しかったな。
ホント。
久々に、東海自然歩道を歩きたくなりました。
また、企画、するかな。
おやすみ。
昼ごはんはカレーライス。
肉は入っていません。
代わりに、鯖の缶詰が入っています。
祖母が、母が子どものころによく作ってくれていたのを、最近になって思い出したそうです。
「懐かしいなぁ」
そう言いながら食べる母。
肉キライな私は、肉をよけて食べる必要がなくて、ラクチン。
「お父さんは、辛いカレーが好きやったなぁ……」
と、しんみり。
カレーが呼んだのでしょうか。
父の友から電話がありました。
父が亡くなったことを知らなかった様子。
母が、淡々と説明していました。
そして、しんみり。
父の話は、いつもおもしろおかしかったのに、やっぱりいなくなると、最後はしんみりするんですね。
なんとかなんないかなぁ、もうっ。
おやすみ。
車やバイクで旅に出ると、田舎道に「無人農家」があります。
取れたて野菜をリヤカーにのせ、100円ほどで売ってくれています。
もちろん無人なので、お金を払ったかどうかの確認なんてできません。
空き缶にちゃりん、と入れるだけです。
その無人農家。
実は、私の家の近所にも、あるのです。
しかも3つも!
そのうちのひとつは、私の家の窓からよく見えます。
ときどき、スーパーの白い袋がリヤカーに結び付けられています。
それは、私の母に「いい野菜が置いてあるよ」という合図です。
いつしか、リヤカーのおじいさんは、私の母にだけそんな合図をくれるようになりました。
合図がある日は、母はとくに欲しいと思っていなくても、野菜を買いに行きます。
だって、おじいさんが「これはうまい!」と教えてくれている野菜。
買わずにはいられません。
そして、母はおじいさんの野菜をことこと、ことことと煮物にしてお返しします。
いつも、おいしい、おいしい、と喜んでいてくれたとのこと。
そんなふうに毎日を過ごして約5年。
リヤカーのおじいさんは、母が柿が好きだということを知っていたのでしょう。
「おいしい柿が今年もなってるで。お金、いらんから、また届けるわ」
おじいさんがつい1週間ほど前に母に言ってくれたそうです。
おじいさんの柿、毎年、母は楽しみにしていました。
それが……。
「リヤカーのおじいさん、きょう、お葬式だったみたい……」
いきなりすぎる死に明らかに落胆している母。
「柿、楽しみにしていたのになぁ……」
いかにも「柿」だけを楽しみにしていたような発言を繰り返す母ですが、あした、母が元気でありますように。
おやすみ。
アサイチで、採尿と採血を済ませました。
採血といっても、指先の腹に針をぷちっと刺して4滴ほど血を絞り出すだけです。
針を刺すといっても、シャチハタのはんこみたいなのを指先に押さえつけるだけで、採取できます。
押さえつけると同時に、針が指先を刺してくれる感じ。
まったく痛くありません。
小さな遠心分離器にかけて、三層に血液を分離します。
すごい。
朝からバタバタしていると、母がひょっこり私の部屋にやってきました。
「尿、とったよ」
ええっ!?
尿は、尿用のカップに入れてスポイトで吸い上げなければいけません。
昨夜、母は検査なんかしない、と言っていたので、母にそのカップは渡していませんでした。
いったい、どこに?どうやって??
「瓶に入れておいたよ」
あぁっ!
「血液検査も尿もいっしょにしないとダメなんです。しかも、朝食前に」
なぜか敬語になりながらも、健康診断の方法を2分ほどで説明をして、まったく理解していない母を置いて、出かけてしまいました。
きのうは、あんなに嫌がってたのに。
あまのじゃくな母に、どこかのだれかにそっくりだ、と心の中で思いながら、それもまた仕方がないと自分に言い聞かせ。
それでも検診を受けてくれる気になっただけましだと前向きに考えながら。
おやすみ。
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