+シコウカイロ+
此花



 不要必要

お前などいらない




ただ広がる白い世界の中に残された


無意味で不要な

それでも

つながりを
ぬくもりを
居場所を
求めている


通り過ぎていく
時間と空間
人は時折立ち止まっては俺を見て

笑ったり
慰めたり
眼差しをなげるだけ
利用しようと近づいては吐き捨てていく


なぜ、ここに来たのだったか
なぜ、ここから動けなくなったのか

揺れる人の波間に
変わらぬ己への嫌悪に

なぜ、ここを選んだのかと


陽炎のようにゆらめく人影は

現れてはゆらゆらと消えてゆく


白い世界に自分の血を流しながら
生を描いていく


選んだのは自分


それでも
これからも

自分の価値も
意義も
何もかもが無意味だ

2011年07月18日(月)



 日々の糧に

人の持つものがうらやましいと思う


自分にないものが欲しいと思う


ないものねだりの果てに
手に入れたものは
自分の手の中では
すごくつまらないものに見えた


あんなに欲しかったのに

輝いて見えたのは
それが他人のものだったからで
自分が手にしたところで
それはただの
不要なものになってしまった


広がっていく世界を
怖いと思う

その中心にいる人を
羨ましく思って
ついには妬ましくさえなる

たとえ
そこに自分が立ったとしても
僕に君の代わりは
出来ないと知っているのに


世界は僕だけを置いて回り続けて
いつかきっと
僕は一人きりだ


最初から誰もいなかったただそれだけのこと

2011年07月16日(土)
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