思考回路2011
もくじむかしあした


2002年03月22日(金) 黒ポンは活躍しないな

なま暖かな強風が吹き付けていた、ごくごくありふれた夜。
11時過ぎ、バイト先には二階に十人前後のお客さん。
私はドリンクの注文を受け、夜はメンテナンスのためスープ
は作って置いたものをレンジで温め直す。
本来は許されないそのやり方で作ったのが災いの元だったのか、
しかし、いつも通りの夜の風景に、不吉な足音が忍び寄って
いたことを私は察知することはできなかった。
その場をはなれもうひとつオーダーのコーヒーを入れようとした
その瞬間。
ブァッチン!
大きな音が鳴り響き、店内が暗闇に包まれる。
同時に二階からはお客さんの悲鳴。
細々と非常灯がつくが弱々しい。
薄暗い厨房の中、もう1人の夜番の黒ポン(仮)と顔を見合わせる。
マジで?。
うろたえながらも、外を見る。ウチの店だけが消えている。
ブレーカーを見るが、すべてオンになっていて落ちた様子はない。
店内のすべてが停止状態、自動ドアもその役割を果たさず
じょじょに冷めてゆく鉄板が、私を焦らせる。
お客さんに状況を説明し、店長の携帯に電話をいれるが
むなしくコールが鳴り響くのみ。
次ぎに、夜番の女帝に連絡を取る、出てくれ!
祈りが通じたのか超不機嫌な声で女帝登場。この祭贅沢は言って
いられない。状況を説明しいろいろブレーカーをいじくるが
まったく反応なし。
電力会社に電話を入れるが、・・・営業は17時まで・・・という
留守番電話。だろうな、と冷めたツッコミを入れる。
二階にいたお客さんも帰り始め、オーダー入っている分は代金返金で
・・・ってレジが開かない!!。しょうがない自分で立て替えよう
・・・ってこんな日に限ってサイフ持ってきてない!!2人とも。
ストックのお金があったことを思い出し、お客さんの問題はクリアー
店の前には「電気のトラブルで営業を中止しております」の看板を
だす。もう一度、店長に電話する。今度は繋がった!
何度目かの泣きそうな声で状況を説明、部長に連絡を取ってくれ
るとのこと。そして心配してくれたのか、女帝も来てくれて
事態はようやく、いちバイターの手をはなれた・・・・。
その後、事務所のおエライさんが来店、原因はセコムにあると
判明。セコムの兄さんがきて部品交換し、すべてが終わったのが
1時すぎ。あと一時間営業しても微々たるものだからということで
繰り上げ閉店・・・・。
そうして、みんな帰っていき、静かな店内にまた2人。
再びいつもの夜の風景が始まる・・・。






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