サヨナライツカ |
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2002年11月30日(土)<<<私の存在
いつもいつも一緒なんて耐えられないと あのひとに言い放った私が、
あなたと一晩離れているだけで寂しいと思う。
信じられない。
今日は泊めてあげられないって言われたとき、 気持ちを隠しきれなかった。
だけど。 どれだけ表情に出てしまったとしても 言葉にすることができない。 私に、その権利はないから。
だから笑う。
私の存在なんてきっと、 彼女よりも友達よりもずっと下のほうだ。 そうやって比較するような次元ではないのかもしれないけど 優先順位をつけるとしたら。
でもそれはしかたない。 だから笑って、キスして、手を振った。
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2002年11月29日(金)<<<反応
手をつないで歩くのが好き。 腰に手をまわされるのはすこし苦手。
肌に軽く触れるキスが好き。 苦しくなるほど深いのはすこし苦手。
服を着てても着てなくても、 抱きしめられて眠るのが好き。 それ以上はかなり苦手。
あなたの肌も 触れ方も さらっとしてて気持ちがいい。 優しくて、心地いい。
だけどそれに どう反応していいかわからない。
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2002年11月28日(木)<<<都合のいい女
それ結局都合のいい女じゃん。
言われなくても自分がいちばんよく知ってる。
あなたのことだから、 きっと悪気なんてなかったんだと思う。 こんな会話があったことすら もう忘れてしまっているかもしれない。
だけど私はあのとき、 ばかみたいにどうしようもなく傷ついた。 全部最初からわかってることなのに。
あなたにとって いまの私はまちがいなく都合のいい存在だ。 否定できない事実。
だからって。
あのひとにとっての 以前の私までそんなふうには言われたくない。 よりによってあなたに、否定されたくない。
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でも笑っていよう。 私に与えられた役割が「都合のいい女」なら、 そういう存在であなたの近くにいるって決めたなら、 きちんとそれを演じなきゃだめなんだ。
傷ついても、あとからひとりで泣けばいい。
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2002年11月25日(月)<<<生きてる実感
朝、目が覚めていちばんにくれるキス。
夜、眠るときに差しだされる腕。
いまここであなたといられること。
だけど全部、現実感をともなわない。 私はいままで ほんとうになんとなく生きてきたような気がする。
もう死んでもいいと思うほどの嬉しさも 立ち直れないほどの挫折も知らない。
過保護なくらいかまってくれる両親と 数は少ないけど信頼できる友達と めいっぱい愛してくれたあのひとと。 平均的な頭脳と運動神経と姿かたち。
多少でこぼこしてたとしても、 ふりかえってみれば来た道を見渡せるくらいに。 恵まれてる。
だから、たぶんわからない。 必死でなにかを手に入れたいと願う気持ちとか 自分は確実に存在するんだっていう手応えとか。 どんなときにそれを意識するかとか。
「生きてる」実感なんて、考えたこともない。
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2002年11月24日(日)<<<あなたのいない部屋
夕方にメールを送った。 ほとんど時間あかないうちにすぐ携帯が鳴って、 部屋まで迎えにきてもらった。
でも19時から出かける予定があるとかで。
それは仕事ですか それともほかの誰かとの約束ですか、 なんてまさか私が訊くわけにもいかないし。 結局深夜までひとりだった。
雑誌ながめたり論文読んだりしてても 全然面白くない。
つまらない。 あなたのいない部屋にひとりでいることには なにも意味がないと思う。
ここにいれば必ず会えるっていう 確実な安心感があるのは楽だけど。
でも。
このままじゃ、あのひととなにも変わらない。
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2002年11月23日(土)<<<深い眠り
指先とか首筋とか背中とか。 そういう場所にされるキス。
好き。
でもやっぱりうまくいかない。
今日は友達と温泉に泊まるからって それぞれに違う場所で眠った。 邪魔しないようにと思ってメールしなかったのに 夕方から携帯のメール着信音が鳴りっぱなし。
スキ
っていうその言葉はどこまで本心ですか。 それとも酔った勢いですか。
私は今日、あなたの腕がなくても深く眠れました。
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2002年11月18日(月)<<<甘く響く声
毎日、仕事が終わってからかかってくる電話。
どこにいる?
そう訊く声がいままでと全然違う。 甘く響く声。
こんな話し方をする人だなんて知らなかった。
それにしても、 なんだかんだ言ってすっかり転がり込んでるこの状況は あのひとと同じでちょっといや。
だけど許されるなら一緒にいたい。
ねえ、そんな声で、 そんなこと言われたら期待する。
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2002年11月16日(土)<<<彼女の存在
このあいだもここに書いたけど、
あのひとと同じくらいとか もしかしたらそれ以上に疲れて帰ってきても 忘れずにかまってくれる人。
それはたぶん、私が「彼女」ではないからだ。 そのほうがいまは楽でいい。
あなたが愛してるのは彼女で、 私のことなんてきっと 真新しい小動物くらいにしか見ていない。 だけどそれでも私は癒されてるし 最初から彼女あってのあなただと思ってるから。
あなたのすべてを受けとめることはできないだろう。
私は、あのひととの関係を断ち切るきっかけを手に入れた。 あなたは、彼女と会えない寂しさを紛らわす 都合のいい遊び相手を手に入れた。 わかりやすくて、楽。
そう思っててもうまく笑えなくて。 彼女の存在が気になって、 あなたの言葉を素直に受け取れない。
まだ自制心が邪魔をする。 どこまで近づいていいんだろう。
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2002年11月13日(水)<<<メール
夜、寂しいってメールが届く。
びっくりした。 彼女から手紙でもきたのかな。
私は単純だから、 それだけですぐ嬉しくなってしまうけど。 あなたから連絡がもらえただけで、 こんなにも喜んでしまうけど。
もしかしたら 絶対会うことのできないこの状況だからこそ、 会いたいとか寂しいとか 安心して言えるのかもしれない。 そう伝えてもどうにもならないことがわかっているから。
だけどやっぱり嬉しかったんです。 届いたメールを 全部保護して残しておきたいくらいに。
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2002年11月12日(火)<<<狡猾さ
最悪。
あのひとに別れ話を切り出すっていうことは 当然、こういう事態も予想できてなきゃいけなかったのに。
散乱したメッセージはどこにも捨てられなくて いちばんずるい方法で消してしまった。 全部灰になった。
燃やしながら、 俺が出ていってやろうかって言ってくれた。
私がしてることは卑怯ですか。
こんなことで頼ってしまうのはだめだって それで返ってくるものは同情でしかありえないって
わかってるのに。
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2002年11月11日(月)<<<幸せをくれる人
朝、駐車場に停めた車のなかでキスされた。 …そんな無防備なことしてていいんですか。
バイト後にメールしてたらおいでって言ってくれた。
仕事で疲れててもかまってくれる人。 それは単に、 私との時間がまだ新鮮なものだっていうだけで いつまでも続くものではないのかもしれないけど。
でも私は基本的に愛されたがりだから。 たとえ強引でもかまわれると嬉しくてしかたない。
束縛でも依存でもなくて ただ純粋にかまってくれる人。
私に、幸せをくれる人。
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2002年11月10日(日)<<<イルミネイション
陽が傾くまでずっと部屋のなかにいた。
あのひとに抱く嫌悪感とは違う。 触れられるのが気持ちいい。 だけど。
どうしてもだめだった。 昼間で、明るくて、自分の身体に自信がないから?
夜はすこしだけ街デート。 手をつないで歩いて 一緒にクレープを食べた。 冬季限定のイルミネイションの下でキスまでされた。
いいのかな。 誰かに見られたら困るのはあなたなのに。
って思ったけど、 たとえ目撃されたとしても あんなのただの遊びだよって笑えばそれですむのかも。 私なんか、それだけの存在でしかないのかもしれない。
それでもいいや。
友達との約束をキャンセルして一緒にいてくれた。 それが新しいおもちゃに対する好奇心からだとしても、 十分嬉しかったから。
昨日は一応あのひとにメールした外泊。 今日は無断。
もう、いいや。
この場所は居心地がよくて まだしばらくここにいたいと思った。
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2002年11月09日(土)<<<必然
午前中にメールが届いた。 いつでもあいてるよって。
もしかしてほんとうにプリテストだけで そのまま帰されたらどうしようって思ってたけど、 パスタを食べて 書店で本を見たりしながら 最後はDVDをレンタルして部屋まで。 ちょっとデートみたいだった。幸せ。
誕生日には彼女と会うって言ってたし あれはやっぱりなかったことにしようとか言われても おかしくないと思ってたから。
約束を覚えてくれてて 時間もあけてくれた。 それだけですごく嬉しい。 一緒にいられるだけで笑ってしまうくらい満足。
どうしてもっとはやく会えなかったんだろう。
そんな言葉は、 彼女と別れるつもりはないって 別れられないって 宣言されてるようなものだけど。
初めて会ったときからそれぞれに別の相手がいて、 たとえ気になっていたとしても おたがい行動しなかったっていうことは、 そのときそうなるべきではなかったんだと思う。 だからこれまでずっと切れてしまわずにいられた。
それでいまこうなってることも 全部必然だったんだと思う。
こんなこと大きな声では言えないけど 罪悪感なんてほとんどない。 彼女と別れてほしいとも思わないし そんなことにならないのはよくわかってる。 ここにいられるのもあと数ヶ月だから。 これがもっとはやい時期だったらたぶんもうすこし苦しかった。
だから全部必然なんだよ。傲慢でも。
もっとはやくに会っていたとしたら 私なんか気がついてももらえなかったかも。
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2002年11月08日(金)<<<一日千秋
研究室で「楽しそうだね」って言われた。 表情がいままでと全然違うって。 楽しい…。そうかも。
最近、あのひとと一緒にいてもいらつくことばっかりで。 前みたいな気持ちにはどうしてもなれなくて苦しかった。
いやな部分しか見られなくて。
こうなったことではっきり自覚した感じ。 いまのこの感情を「恋愛」と呼ぶなら あのひととのあいだにはもうなにもない。
はやく明日になってほしくて一日千秋のこの思いが それでもまだ「恋愛」感情じゃないなら あのひととのあいだにはもうなにもない。
夕方送ったバースデイメールに返信がなくて こんなふうに約束流れたらいやだなあって落ち込んだ。
あのひとには向かわない感情。
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2002年11月05日(火)<<<リフレイン
期待なんかしない。 有給をとったのは単純に眠たかったからで、 好きだと言ってくれる気持ちにたとえ嘘がなくても 流される勢いはないと思う。
いまさら本気にさせるだけの そんな魅力が自分にあるとは思えない。
でもちょっといい気分。幸せ。 それで満足。
夕方、散々迷ってプリテスト依頼メールを送った。 このままなかったことにされてしまうのが不安。 会いたい。 プリテストなんて口実にすぎないことは たぶん全部ばれてるんだろうけど。
あんなふうにそっと扱われるのは新鮮で それがすごく嬉しくて舞い上がってる。
投げかけられた言葉も眼差しも。 ずっとリフレインしてドタキャンされないことを祈った。
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2002年11月04日(月)<<<サヨナライツカ
いままでは流してた言葉に初めて返事をした。
持ち帰ってみますか。
ほんとうに部屋まで連れていかれても まだライヴの続きみたいで、 その気持ちを持続させたまま長く一緒にいられることが 単純に嬉しかった。
予想外の展開。 いろんなことを話して、優しいキスをたくさんもらった。
だけど期待なんかしない。 彼女の存在も全部わかってて踏み込んだ。 私のことを好きだって言ってくれたその言葉だけで。
かなしく終わってしまうとしても。
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サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように 永遠の不幸もない いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる 人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと 愛したことを思い出すヒトとにわかれる
私はきっと愛したことを思い出す
「サヨナライツカ」 辻仁成
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