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仕事で札幌へ出張した。 スーツを着てこの街を歩くのはもう半年振りのこと。
東京は彼岸を過ぎてなお残暑が続いていて、 羽田に行く途中は、汗ばむほどだったのに、 新千歳空港に降り立って、そのひんやりした空気に触れて、 北海道はもう秋が深まっているのを感じた。
空港から札幌へ向かう列車の中で流れるニュースに 「明日の天気 北見 最低気温5度」 とあって、つい半年前まで自分がこんな環境の ところに暮らしていたのが信じられなかった。 この時期にこんなに寒かったのか。
19時半頃、札幌駅に着いた。 駅を出て夜空を見やると、とてもきれいな月が浮かんでいた。
************************************************************* 翌日、仕事を終え、空港へ向かう前に、3月まで働いていた 支店に立ち寄った。かつて自分のしていた仕事の話をした。 そこで、僕のことをとある野球選手の名前で 呼んでいると聞いた。 「どの書類を見てもお前の名前ばかりなのだもの」
頑張ってよかったと思った。
************************************************************* 着いた日、晩ご飯の帰り道、円山を歩いていると、 夜の闇の中にも、山の稜線が見えた。 山を間近に見ることが出来る街がうらやましかった。 札幌に暮らすことができてよかった、と思った。
「頑張って」という言葉は使わない。 もう頑張っている人に、これ以上頑張ってなんて言えないから。
そんな意味の文章に触れたのは、いつのことだったか、 多分大学生の頃で、当時大して「頑張って」もいなかった 僕は、そんなものかな、と思った。 言葉は意識的に使うよう心がけていたつもりだったし、 人を追い詰めるつもりでその言葉を使うことはなかったと思う。
時が経つにつれ、いろんなところでよく耳にするようになった。 けれど、僕は「頑張って」と言ってもらえれば、素直にうれしいし、 少しは頑張れる気もする。
ひどく仕事が立て込んで疲れているときなど、 「頑張って」と言わずに「そんなに無理しないでいいよ」と 言葉をかけてくれる人もいる。
でも、無理は承知で、無理をしないわけにはいかなくて 無理をしているのだから、そういうときは「頑張って」 と言ってもらうほうが良いのかもしれない。
もちろん声をかけてくれる人は、 慮って励ましてくれている。 つまらぬ屁理屈よりも何よりも、 その気持ちがうれしい。
最近は少し、仕事がきつい。 今は頑張るほかにないと、思っている。
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