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2003年12月25日(木)
♪新国立バレエ『シンデレラ』・『十二月大歌舞伎』・『チャリティークリスマスコンサート』、BBSより

BBSより転載

◆ 新国立バレエ『シンデレラ』(12/13)
(高橋有里&小嶋直也)


新国立バレエの『シンデレラ』を観てきました。
12/13、この日はマクドナルド・スペシャルナイトという事で、チケット料金が半額、マックの色々なキャラクターとのポラロイド写真撮影サービス、それにお土産つきという日頃バレエを鑑賞しない人たちでも行きたくなるような企画の日でした。
チケットは早々と完売。客席はお子様がワンサカ座っていらっしゃいました。
クリスマスという時期にもピッタリな演目でもありますね。

主役は、宮内真理子さんから変更になり、小柄な高橋有里さんとノーブルな小嶋直也さん。
強い個性ではないけれど、端正な踊りだったと思います。
何といってもこの演目の真の主役は「義理の姉たち」だと思うのですが、強い個性のキャラクターを演じれば天下一品のマッシモ・アクリ(姉)と、篠原聖一(妹)が本当にいい味出していましたね。
それに「四季の精たち」がとてもよかった。
「春の精」の西山裕子さんの明快な足とステップのキレ。「夏の精」の寺島ひろみさんのポール・ド・ブラはビックリするほど滑らかで美しく、感心しました。「秋の精」本島美和さん、「冬の精」厚木三杏さん、共に大人な感じで素晴らしかったです。

今回、アシュトン版を初めて拝見しましたが、3幕の王子がシンデレラを探しに各国さまよう場面がなく、直ぐにシンデレラの家でガラスの靴をためし履きさせる場面に…。
そして、美しい宮殿の中で2人は幸福そうなパ・ド・ドゥを踊り、静かに幕となりました。(早っ)
この展開があまりにもあっさりしていて、もう終わりなの?という感じでしたね。

あと、公演プログラムですが「シンデレラ」と「こうもり」が一緒に載っているのって何なの??
その分、ダンサーのプロフィール紹介がなくなっているし…。
それぞれの演目で用意して欲しいです。

今日のお土産はガラスでできた長靴型のコップでした。
ちなみに去年のマックデーのお土産はガラスの小物入れとハンバーガー等の引換券。




◆ 【十二月大歌舞伎】
『絵本太功記』・『素襖落』・『江戸みやげ 狐狸狐狸ばなし』(12/19)

(勘九郎、福助、團十郎、新之助、橋之助、左團次、他)


十二月の歌舞伎座公演、夜の部を観てきました。
今回の楽しみは、何と言っても『江戸みやげ 狐狸狐狸ばなし』。以前からずっと観たかった作品です。
“手拭い屋伊之助役”を務める勘九郎さん曰く、「大好きな芝居。2003年歌舞伎座の締めくくり、年忘れに何も考えず笑って、いい年を迎えていただきたい」という意気込みどおり、“女房おきわ”演じる福助さんとの、お互いを騙す“化かしあい”のやり取り、夫婦の会話が、なんと面白いこと!! 

勘九郎さんのセリフまわしは、役どころが元上方の女形ということで、とても柔らかくてオカマ風なことと、福助さんの方は、口から先に生まれたんじゃないかと思われるほど、品なく達者にしゃべるので、もうそれ自体がいい味になって観客を楽しませてくれます。長年、2人は組んでこのお芝居を演じてきたとみえて、息がピッタリで素晴らしかったです。
ところで、この作品は、勘九郎さんが好きだとおっしゃるのが解るほど、洒落っ気たっぷりで、“伊之助”にしろ、“おきわ”にしろ、騙されても懲りないしぶとさ、更にその上をゆく図太さには、笑うしかないですね。
本当に年忘れにはもってこいの明るく気分のいいお芝居でした。

それと、今までなぜか観る機会がなかった新之助さんも“女房おきわ”の浮気相手として、遊び人の破壊坊主、“重善”を男の色気たっぷりに演じていました。
とても重要な女にモテモテの役ですので、新之助さんに本当にピッタリだったと思います。(演技を作らなくてもOKな感じ?)コミカルな演技も頑張ってなさっていました。声も響くし、良かったと思いますよ。

他演目の『絵本太功記』では、重厚なお芝居で独特の雰囲気を味わいました。團十郎さんの低く響いた声に役の重さも感じました。ただ時々風邪気味なのかもしれませんが、少しかすれていたのが心配。
 
『素襖落』は橋之助さんが大活躍。狂言舞踊なので、上品なユーモアと愛嬌に溢れた踊りです。橋之助さんは太郎冠者、弥十郎さん、左團次さんも登場していましたが、左團次さんは前の月でも感じましたが、“踊り”に腰が入っていないように思えたのですがどうなんでしょうか...。
舞踊作品として愉快ですし、客席も沸いて楽しいものでした。


◆ チャリティー・クリスマスコンサート(12/25)
(チョン・ミョンフン、ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ、中丸三千繪、川井郁子、他)


クリスマス・イブの有楽町、東京国際フォーラム。
情熱的な指揮者として知られる、チョン・ミョンフン氏と東京フィル、藤原歌劇団合唱部、世界的テノール歌手のヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ氏、ソプラノの中丸三千繪さん、ヴァイオリンの川井郁子さん等をゲストに向え、クリスマスにちなんだ名曲&ポピュラーソングと年末といえば聴きたくなるベートーヴェン「第九」の第4楽章など、数々の曲を楽しんできました。

5000人以上収容する大ホール(A)でのコンサート。
安いチケットを買ったので、2Fのかなり後ろの方の席でした。あそこの2Fは高低差が大きく、後ろの席では、上の方から遠くを見下ろしている感じ。
コンサートだったからまだ良いものの、ここでよくバレエも上演するらしいので、そういった公演は無理があるなぁと、建物の構造が気になりました。(階段や各所の人の通る通路も狭くてなんだかなぁ...です)

プログラムは、今回チャリティという趣旨でしたので、欲しい方は募金に参加して手に入れるかたち。
肝心のコンサートは1部の『花のワルツ』や『タイスの瞑想曲』でウットリしたあと、ストリングスのグループに変わって、落着いた感じになりました。
しかし「神楽坂女声合唱団」なる料理研究家の小林カツ代さんが創設、各界有名人で編成したアマチュアコーラスが登場し、話のネタとしては面白いが、気分が一気に盛り下がってしまいました。(なぜか山田邦子とか、コシノジュンコ等が混じっているんだもん.。勿論カツ代さんも...トホホだわ...)
最後にヴァイオリニストの川井郁子さん自身が作曲されたという曲で1部終了。

2部は、代表的なクリスマスソングを、ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ氏と中丸三千繪さんが美しく歌い上げてくれました。
中丸さんは、「アメージング・グレイス」では、リリックな声質のせいかイマイチ表現しきれていないようでしたが、グノーの「アヴェ・マリア」では美しい声が会場に響いてこちらの方が良かったですね。他のポピュラー気味の曲もしっくりとはこなかったので、クラシックな曲の方が似合っている気がします。

ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ氏の「ホワイト・クリスマス」は素晴らしかったですね。良かっただけに、クラシカルなアリアも是非聴きたかったというのは贅沢でしょうか。
ポスト3大テノールなんて言われている方らしいので、得意な曲もプログラムに入っていて欲しかったな。

そして何といってもお目当ては、チョン・ミョンフン氏の「第九」第4楽章です。
ごく一部とはいえ、素晴らしくて大興奮。
氏が指揮する「第九」演奏会は早々と完売してしまい、代わりに今回聴く事が出来て嬉しかったです。
曲本来の持っている“力”が発揮されていて、エネルギーが身体に満ちていく感じ...。
全部聴ければ本当にサイコーだったのですけど、素敵なクリスマスプレゼントになりました。

会場を出れば、ちょうど毎年恒例になった“ミレナリオ”がはじまっていました。
フォーラムにも、1部点灯されていて、沢山の人だかり...。警備の人の大声やあまりにもごった返した雰囲気は、ロマンティックなイルミネーションとは相反する気がしますが、皆さん沢山見に来ていらっしゃっていましたよ。

そういえば、神戸の同じような催しは、“ルミナリエ”というらしいですね。アチラもすごいのかしら?



2003年12月10日(水)
♪キーロフバレエ『シンデレラ』・『ロメオ&ジュリエット』・『白鳥の湖』、BBSより


BBSからの転載(見に行ったその夜にサラッと書いたので詳しい内容でははないですが...)


◆ キーロフバレエの『シンデレラ』12/3 
(ヴィシニョーワ&メルクリエフ) 


キーロフバレエの『シンデレラ』を見てきました。
人気のヴィシニョーワが出演、初お目見えの演目でしたが、端の方の席は空席が多かったように思います。始まる前にロビーにいたらピアニストのキーシンさんを見かけましたよ。
簡単に感想を言いますと、たいへんおしゃれな作品に仕上がっていました。
プロコフィエフの音楽も現代的なテイストを持っていますが、そのイメージを上手く生かした作品でしたね。
振付にはコミカルさも多くありますが、主役2人の踊りは、伸びやかで美しく作られていて、ウットリする見せ場もあります。
色彩感も主役と周りのダンサーの色合いが全く違い、主役は抑えたトーン、その他のダンサーは濃くて鮮やかな色を使っていました。
四季の精がグロくてちょっぴり??

継母と義姉達は、今まで見た『シンデレラ』の中で、一番気に入れました。
特に継母のアレクサンドラ・イオシフィディの艶やかさは、登場のたびに目を引くこと!
義姉のヤナ・セレブリャコーワ、エレーナ・シャキナの凸凹コンビも、演技や表情がとてもよかったです。(スタイルが良くないのも役としてはいいかも!)
セットはシンプルですが、2幕の奥行きのある大回廊のような美術も大変美しかったです(遠近法の見本みたい)
しかし、本当にキーロフのダンサーは揃って理想的な身体をしているなぁ。
コール・ドの隅々まで他のバレエ団と比べると全然違いますね。美しいです


◆ キーロフバレエ『ロメオ&ジュリエット』12/6
(オブラスツォーワ&バラノフ) 


12月6日の公演は予定していた主役2人が変更。
ジュリエット役にエヴゲーニヤ・オブラスツォーワ、ロメオ役にヴィクトール・バラノフ氏が代わって踊ることになりました。
ところでバラノフ氏が登場するとは意外でしたね。かなりの大ベテランですが、正直今でも踊っている方だったとは…。
昔も今もノーブルで癖のない正統派といった感じですが、やっぱりこのロメオという役を踊る上での若さ、熱情、狂おしい情熱というものを強く演じて欲しかった私には、何かもうちょっと発散したものを見たかったかな。
まぁ私の理想のロメオ像より大人で紳士な雰囲気だったという事です。踊りも丁寧でした。

そしてオブラスツォーワ♪ 彼女は今回見ておいて良かったですね。
ジュリエットのイメージにピッタリの小柄な可愛らしい容姿。(パンフのプロフィール写真より明らかに可愛い)
自分の表現できる全ての力を注ぎ込み、役に入り込んで演じたジュリエットが素晴らしくて、見ていてとても共感できました。華もあるし、初々しいし、これからがとても楽しみなダンサーです。
1984年生まれで(ちなみにバラノフ氏はこの年バレエ学校卒業)、まだ階級はコール・ド・バレエということですが、抜擢の期待に応えてとても立派だったと思います。

演目自体も物語に入り込める作品でした。数多くある色々な版の『ロメ&ジュリ』の中でも猥雑さのない上品な感じ。私は好きです。
周りの名脇役が力強くて、ティボルト役のピハーチェフの雄雄しさ、マキューシオ役のメルクリエフのお茶目さ、キャピュレット卿役のポノマリョフの目力と迫力、キャピュレット夫人の毅然な態度と狂乱ぶり…。皆さん素晴らしい。


◆ キーロフバレエ『ロメオ&ジュリエット』12/7
(ヴィシニョーワ&バラノフ) 


開演と同時にワジーエフさんが登場し、ロメオを踊る予定だったアンドリアン・ファジェーエフが怪我をして、代わりに昨日ロメオを踊ったバラノフが再び主役を踊ることになったと説明。
ファジェーエフをとても見たかったので、ちょっとガッカリしましたが、直ぐに幕が開き、素晴らしいパフォーマンスに酔いしれていきました。
連続で観ても、本当にキーロフの『ロメ&ジュリ』は素敵です。
そういえば、幕間にファジェーエフのサイン会がありましたね。(私は列に並びませんでしたが…)

さてバラノフですが、今回の方が恋に邁進している様子がひたひたと伝わり、品の良い踊りも美しかったです。ジュリエットの死(実は仮死)を知った時の、どうにもならない悲しみと嘆きの様子、終幕に向う展開の中で、どんどんロミオ像が見えてきました。

そしてヴィシニョーワですが、近年観た公演の中で、役の解釈の緻密さや心が伝わってきて、とても良かったですね。
彼女が少女としての無邪気さを表したのは、最初だけ。
ロメオに出会ったときでも恋を知った晴やかな気持ちよりも、不安や戸惑いを表現していて、全体的にしっとりとした感じがしました。
場面場面での細やかな表情の説得力、踊りのテクニックが優れているだけではない素晴らしい表現者に成長していたのですね。
彼女のジュリエットは希望に満ちた未来ではなく、よく解らない暗く澱んだ“何か”に恐れを感じているように見えました。
最後には涙が…。

終演後、特別協賛の聖徳大学関係者のパーティー準備で、ロビーが通れなくなりました。
これ見よがしにちょっとアレはなぁー というか、キーロフ・バレエ団の皆さんとの懇親会らしいのですが、ちょっと羨ましかったりも…。


◆ キーロフバレエ『白鳥の湖』12/9
(パヴレンコ&コルスンツェフ) 


会場に到着したら、予定していたゼレンスキーの腰の怪我の回復が思わしくなく、王子役がコルスンツェフに変更になったと表示されていました。案の定またかです…。
オデット・オディール役はザハロワからパヴレンコになりましたが、だいぶ前に変更になったので驚きはしませんでしたが...。
この日も舞台が始まる前にワジーエフさんから事情説明があり、ゼレンスキーも呼び出されてちょっと顔を出しました。

さて舞台ですが、気になることだらけで正直、残念な部分が多かったです。
幕があがると、舞台美術と衣装が変わっていてビックリ。
衣装はゴールドを使い、幾分派手で凝ったつくりでした。以前のシンプルで優雅なものが失われてしまい残念です。それなのに、美術は古びて見えるし、謎だわ…。

主役のパヴレンコさんは、前回来日の時は好印象だったのですが、オデット・オディールの役作り、表現方法には満足できませんでした。
「白鳥」の時はツンとした冷たい雰囲気で、表情や動きに、切ないとかしっとりしたものが見受けられなかったです。
辛い身の上を王子に訴えて、嘆いているようにはとても思えません。表情がとにかく固かったですね。
「黒鳥」ではクレオパトラのように目じりをつり上げたメイクで、笑顔も殆どなく見られず、終始睨みつける演技をして踊っていました。
あんなに恐くては、王子を誘惑なんて出来ないんじゃないかしら?
単に急なパートナー交代で気持ちの余裕がなかっただけかもしれませんが、どうも私には...。

コール・ド・バレエは、前の方で見たせいか、靴音以外に(たぶん)滑り止めがぺたぺたくっついて離れる音がかなり大きく聴こえてしまい集中出来なかったです。

王子はけっこう気のいい優しげなキャラで個性は強くなかったですが、踊りの質が良かったと思います。

キャラクターダンスに関しては、どれも素晴らしくて、バレエ団の実力の高さを感じました。オブラスツォーワ、メルクリエフ、そしてアンドレイ・ヤコヴレフが特に良かったです。
道化のイワノフとロットバルトのシショフ、も盛り上げてくれました。