ヒトリゴト partIII
 Moritty



こわい話

2005年05月28日(土)



最近会社に珍客が多い。昨日は警視庁から警察官がやってきた。その警官は、当然警官の制服を着ていたのだが、初めて学生服を身に着けた中学生みたいだったので、「児童就労だー!逮捕だー!」と言って陰でみんな盛り上がっていた(口が悪いね。子供だね)。
それは別として、その警官が言うには、このビルのテナント全ての従業員名簿(住所・氏名・緊急連絡先等)を作っているので協力して欲しいとのこと。警視庁と言えど個人情報保護法っていうのもあるから、なぜそのようなものが必要なのかを問いただすと、

「もうすぐ災害があると言われてますよねぇ。」

「災害?」

「地震ですよ」

「はぁ。」
(一般的には言われているけど…。もしかして何か具体的な情報でも入手しているのかな?)

「地震があればこのビルは崩壊しますよねぇ。」

「…? …!」
(崩壊?このビル37階建てでかなり頑丈なビルみたいだけど、ここが崩壊するぐらい大きな地震が起きるとでも言う情報が入っているの!?)

「そうすると身元不明者とか行方不明者がたくさん出ますよねぇ。」

「…」
(崩壊すればそりゃそうでしょう、そんな説明しなくたってわかりますよ、子供じゃないんだから。)

「だから名簿が必要なんです。」

「はぁ。」

なんだかとても不安になった。市民をむやみに不安に陥れるなんて、警察官としてなってない、本当に児童就労かもこいつ

と一瞬怒ってみるものの、冷静に考えれば、近いうちにビルが崩壊するほど大きな地震がくる可能性は本当にあるのだ。非常用グッズを買っとく?いやいや、非常用品なんて買っておいたって、いつどこにいるときに地震が来るかなんてわからないから、それよりも悔いの無いようやりたいことをやって楽しんだほうがいいな…なんてことを考える私は刹那的なのだろうか。でも、人生は刹那なんだ。

(写真:国会議事堂を隠し撮り)



気持ちの良くない話

2005年05月23日(月)



今朝、地下鉄八丁堀駅で人身事故があり日比谷線が止まっていた。事故処理が終わるのを待っていても良かったけれど、中目黒の駅員が他の線を使うことを促すのでつい東横線で渋谷まで行ってしまったのだが、渋谷駅は戦場だった。改札から外に出ることすら出来ないほどの人で溢れていて、あちこちから女性の悲鳴やら男性の怒鳴り声が聞こえている。駅員のおじさんが「押さないで下さい!遅刻してもあなたのせいじゃないんですから、腹を据えてください!」とメガホンで叫んでいたけれど、人の波に押されて行きたい方向にも行けず身動きすら取れないから腹の据えようがない。朝からえらく疲れてしまった。

やっとの思いで会社に着いて、同じ日比谷線を使っている百合子さんに聞いてみたところ、彼女は日比谷線が動き出すのを待っていたそうだ。百合子さんの話によれば、生存が確認されたため処理に手間取ったけれど(車内放送で逐一状況を説明していたそうだ…)、それでも20分くらいで動き出したとのことだった。ちょっと気分が悪くなった。地下鉄の人身事故処理は素早くて感動するけれど、そんなことで気分悪くなる私は駅員にだけはなれないとつくづく思った。(ただの慣れ…?でも、やっぱりやだな。)

(写真:営団地下鉄日比谷線 日比谷駅)



風太くん

2005年05月20日(金)



最近新聞をあまり読まなくなってしまったが、そのかわりに朝昼夕にGoogleニュースをチェックすることにしている。今朝、いつものように朝のニュースをチェックしていたら、着ぐるみのたぬきみたいな画像が出ていた(写真)。記事を読んでみると、千葉の動物園にいる風太(ふうた)くんといって、着ぐるみでもなんでもなくて正真正銘本物のレッサーパンダだそうだ。どうみても人が着ぐるみを着て立っているみたいにしか見えなくて、仕事中にも関わらず思わず笑ってしまった。



風邪

2005年05月18日(水)



季節はずれの風邪を引いたらしい。おとといくらいから変に頭が痛かったのでなんだろうと思っていたら、扁桃腺が腫れて鼻がつまったので多分風邪だ。とりあえず今朝家にある総合感冒薬を飲んだら頭がぼおっとしてしまい、駅の階段で思いっきり足を踏みはずして転んで、その拍子に前にいた女の人のおしりを触ってしまった。丁寧に謝ったのに、思いっきり嫌な顔されて落ち込んだ。わざとじゃないのに…。身体が弱ると気持ちも弱る。

(写真:アンダルシアの空と鳥)



ちょっとした偶然

2005年05月17日(火)



久々の日記になってしまった。この二ヶ月、結構慌しく、遊びも含めれば、バルセロナ、姫路(神戸)、香港、ロンドンと短期間に4箇所を行き来したことになる。そんな風に移動が続くと自分の本当の居場所というのがわからなくなってくる。

先週ロンドンに行ったとき、ヒースロー空港の入国管理待ちで並んでいてふと気が付くと、私の前に見覚えのある女性が並んでいた。「梅田さん?」と声をかけるとその人は振り返った。やはり彼女だった。梅田さんは長年勤めていた米銀を一年数ヶ月前に辞めてから一度も会っていなかったので一年半ぶりくらいの再会だ。その日私の乗るはずだった便は整備の遅れとかでかなり遅延していた。一方の梅田さんは、連休明けのせいか思いのほか道路がすいていたためリムジンバスが予定より随分早く空港に着いてしまったそうで、私が乗る予定だった一つ早い便に乗ることになったという。偶然に偶然が重なったわけだ。さらなる偶然にも、私がその日予定していたディナーがドタキャンされたので、一緒に食事をすることにした。(これが素敵な男性だったら運命的なものを感じてしまったかもしれないほどの偶然なんだけど*^o^*b)

梅田さんは外資系投資銀行の前線で働くキャリアウーマンだったが、今はぷー太郎だという。やりたいことがあって、今は準備期間だそうだ。彼女の話によれば、3年程前にたまたま受けた健康診断で肺癌が見つかり、幸い手術で腫瘍は摘出できたものの再発の可能性も低くないと医師からは脅されたそうで「人生は自分のものなのだから生きているうちくらいは自分のやりたいことをやりたい」と思うようになったという。「私も仕事辞めた方がいいのかな?」と言うと、「辞めた方がいいかどうかは、あなたが辞めたいかどうかだよ」と言われてしまった。おっしゃる通りなんだけど、最近の私は義務感て生きているようなものだったので、「自分のやりたいこと」という概念すら新鮮に思えた。「すべき」「であるべき」という気持ちで何かを決めると絶対後悔するし、無理して決めなくても答えは自然と出てくるのであせる必要はない。「時」は自らやってくる。自分がどうしたいのかをまず考えなさい・・・・・

ふと、そんな話をする彼女と同じ病気で逝ってしまった母が重なって見えた。私は唯心論者ではないが、母が梅田さんの口を借りて私に何かを伝えようとしているように感じた。「人生は一度きり、悔いのないように生きなさい」
当たり前のことなんだけど。

(写真:ロンドンバスとアンダーグラウンド)

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