ヒトリゴト partIII
 Moritty



My boom

2004年06月28日(月)



最近、地球温暖化問題が結構気になっている。いや、気になる程度では済まされないかなり深刻な問題なのですよ、ということに最近気が付いた。そもそも、温暖化問題が気になりだしたきっかけは、「排出権取引」が日本でもできるように環境整備(法的・会計面 etc.)しましょう、という話を始めたことにある。

「排出権取引」とは、広くは大気中に特定の物質を一定量排出することを許容される権利の取引を意味するが、現在注目を浴びているのは、「地球温暖化の原因となっている二酸化炭素やメタンなどのガス(「温室効果ガス」と呼ばれる)を一定量排出することを許容される権利の取引」である。温室効果ガスの排出が現在のペースで増加し続けると、海面の上昇、生態系への悪影響、異常気象の増加など、地球規模での気温上昇による多大な被害が生じる恐れがあることを背景に、1997年12月、京都議定書が採択された。京都議定書では、批准した対象国に対し、2008 年から2012 年までの5 年間の温室効果ガス平均排出量を1990 年対比で削減することを義務付けている。全ての対象国が削減目標を達成すれば、対象国全体の排出量は1990 年対比約5%削減され、地球温暖化に歯止めがかかるという仕組みである。削減幅は国ごとに異なり、日本の場合1990 年対比6%の削減が義務付けられているが、現在、残念ながら削減されるどころか、2002年末時点で90年比7.6%と、目標を大幅に超えている。「排出権取引」は、地球温暖化の根本的解決にはならないけれど、排出権が余りそうな国(例えばロシア)や会社(個別に排出枠が定められた場合)と排出しすぎている国(日本やカナダ)または会社との間で排出権を取引できるようにすれば、さらに言えば金融機関が取引可能となり金融市場メカニズムを有効活用することができれば、目標達成に貢献できるのでは、という発想である。ちなみに、アメリカは、京都議定書離脱をすでに決定しているため、削減目標(90年比7%減)は関係ないものの、90年度比32.4%の増加である。32.4%!一方で、「デイ・アフター・トゥモロー」なんていう映画を作って金儲けをしていたりする、なんともブッシュ的な国なのだ。(アメリカ人の方ごめんなさい。みんながそうじゃないのは知ってます。)

話がそれてしまったけれど、今、温暖化に直面している地球は、インフルエンザに罹って熱を出しているような状態である。温暖化は、宇宙や自然の営みによる気候変動ではなく、人間の生活・活動の活発化に起因する二酸化炭素の急激な大気中への排出がもたらした、いわば「人為的」な気候変動であるわけで、言い換えればその原因となっている人間は地球にとってウイルスのような存在だ。癌細胞と言っていいかもしれない。癌細胞はもともと自身の細胞が外的要因、遺伝子異常等により癌化したものだけれども、地球上の生物の一部(=温室効果ガスを異常排出している人間)が癌化したものと考えてみると、癌細胞がいずれ自らが生まれ棲んでいる身体を死に至らせるのと同様、人間も自らが生まれ棲んでいる地球を死滅させることだろう。(もちろん、癌細胞も人間も同時に死ぬことになるけれど。)

では、癌細胞の私に何ができるのか。冷房は使うし、電気もつけっぱなしで寝ちゃうし(でんこちゃんに怒られそう)、車も乗ってじゃんじゃん温室効果ガスを排出している。省エネを意識しないわけではないけれど、その程度では温暖化は食い止められない。では、温暖化を食い止めるためには、どうしたらいいのか。癌細胞は放射線に弱い。癌細胞に放射線をあてたら命を保つことができるかもしれない。だとしたら、人間も…?
(・・・恐ろしいことを考えてしまった。)

(写真:スペイン、アンダルシアの空)

<< >>
Latest Index Comment Home

-->