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薔薇職人は朝早くから、どこかへ出かけてしまった。 午後になってからMILETに電話があり 一緒に食事をしようと言う話になった。 俺様は留守を預かることになった。
その夜のことである。 一本の電話がかかってきて、MILETがとった。 見る見る顔がこわばって、 例によって深海へ沈んでいきそうな表情に変わっていった。
どうやら薔薇職人が朝から出かけていたのは 姪御をどこやらのディーラーへ試乗させに行ったらしい。 姪御本人から「試乗したい」と言われたので 叔父としては安心できるディーラーへ連れて行ったのだろう。 ところが、そのことが 「余計なことだ」とか「考え無し」だとか 言われたらしい。 電話の主は、勿論MILETに言っているわけではないが、 MILETにとっては同じ事である。 しかし、何が問題だったのか、俺様には皆目分からない。 人間とはなかなか複雑な「義理」があるらしい。
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