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俺様の薔薇園には、沢山の蕾を付けた薔薇たちが 元気に育っている。 だが、昨日の大風でせっかくついていた筈の 挿し木の苗がダメになってしまった。 小さな葉をようやく広げていたその苗に、 風がまともに吹き付けたらしい。 苗は葉をもぎ取られ、今やただの「棒きれ」状態だ。 六本の挿し木があったのだが、 ただ一本を残して、全てなんらかの理由でダメになった。 MILETが水をやりすぎたり、 MILETが風から守ってやらなかったり、 MILETが水をやらなかったり、 MILETが農薬を散布しすぎたり したからである。 MILETは薔薇を触ると、必ず枯らしてしまうのだ。 だから俺様は MILETから薔薇を守るために、監視を怠らない。 それなのに薔薇職人はMILETに色々と頼むのである。 「水をやってくれ」 「日に当ててくれ」 「農薬を散布してくれ」 恐ろしいことに、薔薇職人は MILETが薔薇を枯らす名人だと、気がついていないようだ。 お陰で小さな命たちが、次々とMILETの毒牙にかかった。 最後の挿し木。 これだけは何としても、俺様が死守してみせる。
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