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陋屋はなんとか風で飛ばされずに済んだようである。 上陸地点からさほど離れていない所為か、 それは凄まじい風だったのだ。 さて。 嵐が過ぎた。 となると、俺様が懸念するのは庭の薔薇達である。 昨日から雨戸を立てっぱなしであり、 庭の様子は皆目分からない。 夕方になってから、MILETに雨戸を開けるようにせまったが、 開けてはくれなかった。 そうなると、益々庭が心配だ。 MILETが蚊に食われながらも、様子を見てきてくれた。 「鉢が二つ倒れていたけど、大丈夫よ」 俺様の頭を撫でながら、そう言う。 MILETの言葉を、信じないわけではないが… 俺様はこの目で確かめたかったのだ。 明日は良い天気になるだろう。 そうしたら、庭の様子をつぶさに観察することにしよう。
つい、一時間ほど前からニュースに釘付けである。 今は23:00だが… 今から一時間前に、アメリカで大事件が勃発した。 飛行機がニューヨークにある世界貿易センタービルに 激突したというのだ。 あそこは確か、サウスとウェストのツインタワーになっている筈である。 MILETの報告によると、 その両方のビルに飛行機が激突したというのだ。 一機は未確認の飛行機であるが、 もう一機はどうも旅客機らしいという。 そのニュースの衝撃が収まらないうちに、今度はアメリカの国防省に 飛行機が突っ込んだ。 テロだろうと言われている。 俺様もそう思う。 南アフリカで開かれていたとある世界会議で、 アメリカは「奴隷制度」に関する宣誓文において、 過去の過ちを認め、謝罪するのを拒んだという。 まさか、そのことが今回の事件に関係しているとは思えないが… その可能性も、捨てきれないだろう。 なんにせよ、 暴力で全てを解決しようと言う考え方は、 人間独特のものだ。 なんと、愚かしいことだろうか。
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