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久しぶりに雨の匂いを嗅いだ午後だった。 唐突に雷の音が響き、 俺様は窓外を眺めた。 しかし、曇ってはいたものの雷の鳴るような 雲行きではない。 遠雷にしては近い。 そう思ったらテレビの中から聞こえていたのだ。 中継で東京に雨が降っている様子を 伝えていた。 「こっちはぜんぜんだね」 MILETが俺様にそう話しかける。 ところが、にわかに雲行きが怪しくなり、 とうとう本物の雷が鳴り始めたのだ。 濃厚になる水の匂いに、俺様は鼻をうごめかす。 MILETも窓外を眺めると、心配そうに薔薇を見つめる。 「大丈夫かなぁ」 薔薇の葉に、ぽつぽつと雨だれが落ちたのも束の間。 急激に激しくなった雨足に、 MILETは家中の窓を閉めた。 この雨のおかげで、薔薇は元気いっぱいになったようだ。 明日は久しぶりに気温が三十度を下回るらしい。 とはいうものの、まだまだ暑いのだが。
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