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MILETは本の虫だ。 今日もくそ暑い中、エアコンもつけないで 夢中で本を読んでいた。 暑いとアレルギー症状が出るというのに。 愚かなヤツだ。 ようやくそのことに気がついたのは、 痒くて自分の腕を掻きむしったときだった。 本当にMILETは愚かだ。 MILETが読んでいる本には いくつか特徴がある。 まずは、やたらと重そうなハードカバー。 中身もなかなかハードらしい。 次ぎに文庫本。 こちらは本の装幀と同じく、軽い内容である。 MILETは中身で装幀を決めるのだろうか。 今、読んでいるのは「薔薇の名前」という本だ。 俺様の薔薇に因んだのだろうか。 「もう、二十年も前の本になるんだなぁ」 前書きを読みながら、MILETが呟いた。 そんなに古そうには見えなかったが… 一体どんな内容なのだろう。 中身を確かめようとしたところ、 MILETが本を閉じてしまったので成せなかった。 どうせ、くだらない内容の本に違いない。 本を読むMILETの表情がそう物語っていた。 社会派の真面目な内容の本の場合、 MILETはいつだって眉間に皺を寄せている。 今日は眉間に皺はなかった。 俺様にも本を買ってくれても良いものだがな。
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