”BLACK BEAUTY”な日々
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2006年04月12日(水) 再生 その六

きっかけはドラマーから俺宛に送られたメールだった。内容は大筋でこんな感じ。

「ベースのフレーズがワンパターンで、叩いててつまらんのです」

ところが困った事にこのドラマーは決して上手いドラマーではなかった。
むしろベーシストの方が技術、センス等々ドラマーを抜いていた。
要するに「下手なドラマーが上手いベースにダメ出しをしている」状況となっていた。
俺はドラマーへこう返信した。

「それなら直接ベースに指摘しなさいよ」

ドラマーからの返信。

「仁さんから言ってもらえませんか?すみません」

俺はバンドにおいても中間管理職的立場に立たされていた。

問題はドラマーからのダメ出しである事を伏せて、あくまで俺の意見としてベースに伝える事だった。俺は果たして何をやっているのやら。

当然というか必然というか、ベースは俺を媒介してドラマーがダメ出しをしている事を鋭く見抜いていた。ベーシスト曰く、

「現在のドラマーのレベルではとてもじゃないがフレースを広げる事など出来る訳がない。アンサンブルがめちゃくちゃになっても構わないなら話は別だが」

俺も同感だった。ドラマーは毎日個人練習する努力家だった。しかし、それが残念なことに実践につながっていなかった。

ドラマーにオブラートに包みつつメールを送ると、怒りの返信が帰ってきた。そして「もう関わりたくありません」と締めくくってあった。

こうして、ドラマーはバンドからあっけなく去っていった。

夜、ベーシストと津田沼で会い、今後の相談をする。
頭を抱え込む俺にベーシストは言った。

「またドラマーを探せばいいよ。簡単に見つかる。コツがあるんだ」

俺はベーシストの言葉を信じるしかなかった。







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