”BLACK BEAUTY”な日々
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2006年04月09日(日) 再生 その参

3バンド目。そろそろ運命的出会いがあっても良さそうな気配である。
バンドのプロフィールにはレッチリ、ナンバーガール、レイジアゲインストマシーン、ZAZENBOYS等々が好みと書いてあった。
多少自分の好みとは違うものの、新しいジャンルにトライするのも悪い事ではない。

指定されたスタジオは埼玉の戸田公園。遠い。千葉から出発し、東京を超えて埼玉までたどり着く。

メンバーはやたら早口で饒舌なボーカリスト、異様に無口なベーシスト、お腹がポコンと出たドラマーだった。

オリジナルが1曲だけあるというので聞かせてもらう事になった。
その曲はAメロがラップでサビが歌モノという構成だった。
早口なボーカルがラップを自信満々にやっているのだが、明らかに下手だった。俺はHIPPOPはほとんど無知であるが、それを差し引いてもやはり下手だと思わざるを得なかった。
そして、Bメロの歌モノに入ると歌の下手さにさらに拍車がかかる。
他のメンバーはどうかというと、無口なベーシストはルート音だけをボヨーンと弾くだけで、フレーズに全く展開がない。ベースでもやはり彼は無口を貫いていたのだった。
そしてドラマー。オカズを入れるたびにリズムがモタっていく。基礎ができていないドラムの典型例である。

次に俺のギターを入れてやってみましょう、という事になった。
ギターを弾くとより鮮明にリズムがおかしいのがわかる。
それでもなんとかその曲が終わった。すると早口ボーカル君が「すごいっすよ!マジすごいっすよ!」と目を見開いて言った。
何がどうすごいのか自分には全くわからなかった。ただ自分が褒められている事は事実だからお礼を言った。

数日後、バンドから連絡が入った。

「ベース担当が転勤の為、バンドは解散します。申し訳ありません」

きっとベーシストは無口に脱退を宣言したのだろうと推測した。
2005年の夏は終わりを告げようとしていた。


JIN |MAIL TOThrill freaks offcial web.

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