帰省日記7日目〜だからいわんこっちゃない〜 |
朝起きて、しばらくのんびりしてると、Tさんから電話が。
「お母さんが入院したよ」
あー。とうとう入院したか。 不思議と驚きとかはなかった。予想は出来てたし。 心配とか驚きよりも、呆れがでかかった。 だからいわんこっちゃない、と。
昨日の夜、酒を飲んでいたにも関わらず、車を運転してT家へ帰っていった母親。 いつもの事だ。 酒を飲んだら運転するなと何度も何度も言ってきたのに全然ききゃしねぇ。 自分が事故って死ぬ分には勝手だけど、人様を巻き込んだりしないか心配でならない。 いつぞやは、泥酔して飛び出して、気が付いたら病院の駐車場に車をとめて寝ていた、とか恐ろしいことを言っていた。
いくら言っても聞かないので、もう諦めてた。 周りも諦めてる。
で、昨日は無事にT家にたどり着いたらしいけど、明け方熱と腹痛が酷かったらしく、近くの総合病院へ緊急入院。 腹膜炎の疑いがあるとかいう事を言われたらしいけど、詳しいことはまだ分からない。 てかなんで腹膜炎?肝臓関係だと思ったんだけど。
入院した事実自体は、まあいいんだ。 ただそれを、Tさんが大任の身内に黙っておいてくれ、と言ったこと。
何で黙っておいてくれと言ったのか、大体予想は出来る。 母親を預かってる身として、母親を入院させたりするような事があれば、こっちの人間から自分が何か言われるかもしれない、と怯えているだけだ。
私の父親が亡くなってから程無くして二人は付き合い始めた。 別に父親が亡くなる前から不倫をしてた、というわけでもなく、あくまで父親が亡くなってから始まった関係だから、そこは別になんとも思わないけど。 でもやっぱり父親の一周忌が来る前に、Tさんは何を思ったのか、母親との関係を祖母に漏らしてしまった。
そのお陰で、母親は死んだ父をないがしろにした最低の女というレッテルを貼られ、実家から追放されたような感じになったわけだ。
母親の人生だから、母親の好きなようにすればいい。 父亡き後、母が誰と付き合おうが再婚しようがかまわない。 ただ、私はTさんを父親とは呼ばない。私の父は後にも先にも死んだ父だけだ、と言う事だけは言っておいた。
で、あれからもう6年以上になるのか。 流石に時効、といった感じで、少しずつ互いに和解をしはじめて、前回の私の帰省をきっかけに、母親とTさんは実家に来ることを完全に許された。
それなのに、ここに来てまだTさんは、自分のメンツのために母親の入院を身内に知らせるなと言うのか。
Tさんは自分の子供よりも私の世話を焼きたがる。 私に接するのと同じくらい、自分の子供に接したらどうか、と直接伝えた事もあった。 でも、彼は笑みを浮かべて「あれ達はいいんだよ。気にしなくていい」と言うだけ。 自分の子供に向かって「あれ」という言葉を使うような人に、母親を任せたくないのが正直な所。
実際母も、相手の子供に「家政婦さん」などと呼ばれ、成人してたり結婚してたりするクセに生活費を搾り取られ、相手の親戚には「アンタは嫁さんでしょ、だったらばあちゃん達の面倒をしっかり見てもらわないと」といびられて、辛い辛いと言いながら酒をあおる日々を送っていても、やっぱり自分の意志でT家に留まっているわけで。
昔母が 「Tさんと付き合ってもいいかね?」 と私に尋ねたとき、私は、 「私がダメだと言って別れる程度の気持ちなら最初から付き合わなければいい」 と返答をした。
思えばあの時、ハッキリ「ダメ」と言っておけば、母はこんな酷い扱いを受けなかっただろうか、と未だに後悔する事が多い。 でも、私は母親の人生の責任はとれない。 今の人生は、母親が自分で選んだ結果。だからそれによって母が苦労をしても、自業自得なのだ。
一人の人間としては、私の判断は間違っていなかったと思う。 でも、娘としては、やはり後悔してしまうのだ。
娘として言いたい。 私をかわいいと思うなら、体を大事にしてください。
Tさんが迎えに来て、ネコさんと一緒に母の見舞いに行く。 まだ熱があるようだけど、思ったより元気でよかった。 母は別にみんなに内緒にしておいて欲しいというつもりはなかったらしく、やはりTさんの勝手な判断だったようだ。
すぐに叔母さんに電話で入院の事を告げる。 Tさんの子供の一人からも「おばちゃん入院したん?」というメールが来たのでその旨伝えた。
入院していたのは産婦人科病棟。 腹膜炎の疑いなのになぜこの病棟に、と少しイヤな予感がした。
色々話を聞くと、子宮とすい臓に腫瘍の疑いがあるという診断も受けたらしい。 あと、ヘルニアの疑いもあるとか。
頼むから、良性であって欲しい。 すい臓ガンなんて、死を宣告されたも同然じゃないか。
私が帰省した時になんで・・・という気持ちもあったけど、 逆に私が側にいる時でよかった、とも思った。
#正直しばらく実家に留まりたかった
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2004年05月08日(土)
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