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白い腕にからみつくもの - 2005年07月15日(金)
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ホワイトバンドを買った。

「3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。食べ物がない、水が汚い、そんなことで。この状況を変えるには、お金ではなく、あなたの声が必要です。貧困をなくそう、という声を表すホワイトバンドを身につけてください。」
http://www.hottokenai.jp/home.html

しかし僕はこれ以後も、
このプロジェクトに身を粉にしている人のようには、
「世界の貧困」に絶大な関心を寄せはしないだろうし、
その解消のために我が身を情熱的に捧げることもないだろう。

ならば、こんなものをはめることに何の意味があるのか?
満たされるだけ食べ、さらに満たされるための消費活動を繰り返す僕が。
こういうのを「欺瞞」というのではないか?

しかし一方、欺瞞だと言って何もしないよりは、
とりあえずこのプロジェクトに「乗る」ことの方が前進なのではないか。

しかし、やはりこんなものをはめるだけで、
それ以上に我が身を情熱的に捧げようとしないのならば、
このホワイトバンドは前進につながるものではなく、
単なる「免罪符」にすぎないのではないか?

しかし一方・・・


とりあえず、僕はバンドをはずさないことにした。
バンドは少し大きくて、僕の左腕でふらふらしている。
たまに、軽い違和感を覚えて左腕に視線をやり、
そこに白い輪がはまっていることを確認する。

これは、脆くはかない僕の想像力・共観力・持続力を喚起させる装置だ。
「忘却」という端的な罪を犯さぬために。

この左腕に、貧困にあえぐ人々と、僕自身の煮え切らない感情がからみついている。

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 マエ    ツギ    モクジ



∴オキニイリニツイカ∵
























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