2007年08月23日(木)
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公立と私立の悲しき現実 |
すごいねぇ、佐賀北高校。 いや、しみじみ、すごいなぁと思いながら見ておりました。 特別何がすごいっていうのもないのだけど(笑)、頑張ったなぁ・・・・と素直に思えるわけで。
わが地元の「星」(???)、某私立高校の皆々様も頑張っていたと思いますが、 ドカベンの高校と同じ名前の学校との対戦後、監督がアホなことをやってしまったので、 結果、地元だけで治まっていたのが、全国区でアホをさらして終わっていってしまった( ̄∇ ̄;) いや、穿った見方をしているわけではないけれど、どうしてあの学校はあぁなんだろう・・・・と 半分呆れ、半分悲しい思いで、とうとう素直に地元の高校を応援しきれないまま この夏が終わっていった(苦笑)。
中学の頃から、あたくしはどうしてもこの高校が好きになれず、 高校受験の時、市内の県立普通科を受ける子達は大概あの高校を滑り止めに受けるというのに、 あたくしは駄々をこねて(笑)、別の私立に願書を出した。 で、まぁ無事に県立には合格して、3年間、そこで学んだ後に大学にも進学が叶うわけだけど、 行った大学が何の因果か、某N大学だから世話ないよねぇ(苦笑)。 元々あの大学に行きたいという希望があったら、あんなに駄々をこねて避けることもしなかっただろうけど 人生、どこでどう転ぶかわかんねぇなってのを、19の春にようやく痛感したのであった。
あの私立高校の中できちんと学んで、きちんと励んでいる人も沢山いるので、 一概に全部がそうだ・・・・とは言い切りにくいのだけど、 あの高校が築き上げてきた歴史は、この地元でそんなに評判のいいものではない。 その証拠に・・・・というわけではないだろうけれど、 何年か前、同じ地元の商業高校(ズバリ伝統の県立)が甲子園出場を決めた時と、 この春夏、あの高校が甲子園出場を決めた時の、地元の反応はものすごく違う。 「こんなに違うものなのか!?」と疑いたくなるくらい、熱の入れようが違った。 まぁ、あたくし自身も少々偏見がある方なので、それを削ぎ落として考えてみても、 まだまだこの田舎では、県立優位。私立は2の次3の次。 うちらよりもっと上の世代なんかは、そういうのをモロに露呈しているかもしれない。
さぁ、そこで佐賀北高校の優勝なわけだが。 部活動にお金をかけない(かけられない)公立の進学校。 例年は県予選大会も1回戦敗退前後のレベルをウロウロしていたそうだ。 つか、公立の進学校なんて、どこもそんなもんだ。 甲子園のかからない秋季大会あたりで、県のベスト8くらいに県立勢がどどっと増えるのは、 メンバーの更新と、夏の疲労が一切残っていないというコンディションが影響しているから。 大学受験なんかと両立しながらの部活動だから、結局そんなもんで終わっていく。 やっている本人たちですら、そんなもんだと思っている。 商業科、工業科、総合学科等、公立でも野球の強豪校はOBなんかからの寄付金でお金が集まる。 私立なんかはもっと顕著にお金を集めることが出来る。 公立進学校はそれがなく、なかなかしんどいのである(苦笑)。 御多分に漏れず、この高校もそんな感じで、サッカー部なんかとグランドを共有しながら、 細々と練習した結果がこうなったらしい。
まぁ・・・・。 今回、スポーツ特待生の騒ぎで、全国各地の私立の強豪野球部に激震が走ったので、 今回のこの大会の結果が「県立の星!!」みたい騒がれるのは、ちょっと違うと思うわけだが。 色んな意味で、「堕し抜いた」結果、彼らの優勝があるようにも思える。 あたくしは素直に彼らはすごかったなぁと思いたいわけだけど、 そう思いたい裏側で、もう1つ、ちょっと引っかかることもあるわけ。 お金をかけずに、細々と頑張ってきた彼らはこうして結果を残せた。 無論、優勝、勝ち星の数が全てではないと思うけれど、 じゃあ、こうして「県立の星!!」が勝ってしまった場合、 何もかもをかなぐり捨てて、野球だけをやるために、野球が強いとされる私立高校に入って それこそ一心不乱に野球を続けてきた子達の気持ちってどうなるのかなぁ・・・・と 複雑な思いに駆られるのだ。 まぁ、かけた金額、かけた時間、かけた労力に拘わらずに結果は出てしまうものではあるけれど、 大人たちが、「ほらね♪ そんなことをしなくても、勝てるんだよ♪」と 今までと真逆の風潮を作り出してしまったら、今頑張っている子達はどうなっちゃうのよ。。。と思う。
お金をかけたくてもかけられなくて、スポーツ特待生制度に頼った挙句に、 放り出されそうになってしまった子達もいた。 あ〜ぁ・・・・何でもお金、お金、お金って・・・・ スポーツをするのに、どうしてこの国は個人が負担すべき金額がそんなに大きくなっちゃうんだろうな。 お金を出したくても出せず、特待制度に頼って、放り出されそうになった人たちにとって、 今回の県立の一大旋風は、素直にすごいとばかり言っていられないんだろうなぁと思った。 日本で野球をやるっていうのは、なかなか色んな軋轢があるもんなんだなぁ。
コレを機に、少しずつこの国を支える若者たちのスポーツ事情が変化していけばいいなと思う。 お金ばかりに物を言わせる私立と、地元に密着していても色々な面で余裕のない公立の カラーの差が、今はどこの都道府県も如実に出すぎのような気がする。 逸材という逸材が、ほとんど海外に流出している野球界は特に、 本腰を入れて、真剣に考える時期が来ているんじゃないかなぁ。
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